桜が咲いたばかりです。
今年は難産でした。5人のうちのひとりが志望校の都立高校と滑りどめの私立高校に落ちてしまったからです。
落ちた彼もそうですが、私も胃が痛くなり、食欲も減退。5キロも痩せてしまいました。
ふたりで角突き合わせて、二次募集の都立高校選びを慎重に行い、7日に出願。11日には試験。発表までの7日間の長いことといったら。まんじりともしない日々でしたが、おかげさま晴れて無事合格することができました。それにしても、担任の教師は何をしていたのやら。
二次募集は難関と聴いていたので、彼も必死なら、私も必至でした。夜遅くまで試験勉強に没頭していると、「ありゃ、もうこんな時間か!」それを繰り返すうちに、彼が、「センセイっちに泊まってもいい?」「学校はどうすんだよ?」「ここから通う」「そりゃいいけど、両親の許可を取ってこいよ」というわけで、文字どおりの猛特訓が始まりました。
朝は、私の母が作ったファミレスのようなモーニングサービスを胃に流し込んで、夕方になると「ただいま!」と云って帰って来るんですから。
合格発表の朝は私もいってもたってもおられず、そわそわドキドキ!もちろん発表に駆けつけました。
ありました❗ありました❗受験番号が❗❗そのときの私の喜びようといったら、言葉にならず、その場にへたり込んでしまったぐらいです。
「おお!よかったあ!」すでに合格をはたしていた4人も大喜び。
お酒を断っていたので、勇躍ささやかな私自身のご褒美へ。
以前、ひとり寂しく祈願に訪れた時に目をつけていた大阪名物の「串カツ屋」を訪れました。なんと亀戸天神の近くには3軒もの串カツ屋があったのです。
お目当ての店は開店が5時からだというので、我慢できない私は4時開店の店に突入しました。大阪にいた頃は、梅田駅の迷路のような地下街の立ち食い店にしか行ったことがありませんでした。というか、串カツは立ち食いでしょう。
「二度付け禁止!」「三度ならいいんですか?」と聴いて顰蹙を買ったのが懐かしく思い出されます。
瑞々しくないキャベツを出され、「なんだかなあ」と思いましたが、今年は葉物野菜は高騰していましたから、「まあ、シカタないか」と自分自身を納得させました。
串カツ10本と土手焼きをオーダー!一串一串、注文の度に揚げてくれるので、見かけよりは美味しかったですよ。
標準語で話していた若い店員さんが、土手焼きを注文したときに、「山椒か七味を選べるのですが、どちらになさいますか?」と訊ねてきました。
そのイントネーションに微かですが、関西訛りが混じっていたのです。普通の東京人なら、やり過ごすところでしょうが、大阪で暮らし、東京に戻ってからも何度も奈良に住む妹夫婦の家を訪れている私の耳は誤魔化せません。関西から出て来て、下町のあまりパッとしない亀戸で働いている若者に興味を抱きました。
と、そこへ「おはようございます!」という元気な声が。振り返ると、なんといまは大学三年生になっている昔の教え子が。
「あっ、センセイ!」とすっとんきょうな声を洩らし目を丸くしています。
「お前こそ、なんでこんなところにいるんだよ!」と聴けば、ここでバイトをしているとか。
例の店員さんが、「知り合い?」と教え子に声をかけると、「俺の中学の時の塾のセンセイ」とニコニコ顔。
「センセイじゃ、サービスしないわけにはいかないなあ」おお!さすが我が教え子!!わかっているではないか。
「センセイ、覚えてる?よく大阪には土手焼きというスゲー旨いものがあるんだぞ!と云ってたでしょ。だから、普通の居酒屋じゃなくて、ここに決めたんだよ」
それからあとはカウンターの前の私につきっきりで、「おい、ほかのお客さんの相手をしなくていいのか?」とせき立てても、「平気ヘイキ。ほかの奴にやらせるから」というわけで昔ばなしに花を咲かせてしまいました。
お勘定の時に彼がスーッとレジに向かい、「飲み物代だけでいいよ」とサービスしてくれたのでした。
「今度、飲みに行きましょうよ!」という声を背中に聴きながら、店を出たときには、夜もとっぷり暮れていたのでした。