パラダイムシフト
「魔が差す」行動についての発展的理解「魔が差す」から一歩進んできた感じです。
行動の自動化がまずあります。 文字を書くとき,ペンをどのように持つか,どのようにペンを動かすか,どのくらいの強さで書くか,紙のどこの位置に書くか,それほどの大きさで書くか,といったことをいちいち意識して書くことはありません。自動化しているのです。SCTを書くとき,刺激の意味を理解して,それに関連することを思い出し,何について書くかということについて考える一方で,意識しないでも自動的に出来ることがあるのです。そこにこそ,その人らしさが現れるといえるでしょう。 ほかのことを考えながら,いつの間にかやっていたということがあると,あとで,あれ,やったっけ,と思うことがあります。自動化した行動は,意識しなくともやっているのです。夢遊病も基本的にはこれと同じことでしょう。自動化した行動は,意識しなくとも遂行できるのです。 道具の強迫的使用においては,自動化した行動が,意識的に抑制しない限り,勝手にリリース(解発)されて,ハサミを持ってチョキチョキとしてしまいます。 自動化した行動は,日ごろは抑制されます。しかし,抑制が解除され,または緩むと,行動がリリースされてしまいます。 前頭葉の損傷で,抑制が利かなくなって,道具の強迫的使用が起こります。 扁桃体の強い活動によって,前頭葉機能が抑制され,行動の抑制が解けてリリースされてしまいます。 種の保存に関わる性行動も,強い衝動によってリリースされる危険性が高まります。 魔が差す行動も,基本的には,自動化された行動が,抑制が低下した時にリリースされたものと考えることができます。 自動化した行動を促すものについて考えていくことも欠かせません。
道具の強迫的使用においては,特段の動機があるように思えません。ハサミの視覚映像が,自動化したその後の一連の動きを促しているように思われます。 食行動は,食べないと生命の維持ができなくなりますから,基本的な動機(あるいは衝動)は,他の動物と同じような脳部位に起源があるものと考えられます。 性行動は,種の保存に不可欠ですから,この意味では他の動物と同様です。ただし,種の保存については,弱い個体が排除される仕組みがあります。より強く,より美しく,より速い?個体が生き残ることで,種をより長く保存するという戦略です。 話は性行動に移ります。 より優れた個体を選別するシステムは,動物種によって様々です。オス同士が命がけで闘うのがよくあるパターンです。鳥類は,独特の求愛行動をすることで知られています。 ヒトにおける選別のシステムは,突き詰めていけば他の動物と同じようなものである可能性が高いと思いますが,たとえば「強さ」とは腕力の強さか仲間をまとめる力かなど様々な解釈が可能となってきますし,「美しさ」とは何かということについても様々な解釈ができます。これらが複雑に絡んで,ヒトは種を保存すべきパートナーを選別します。 こうなると,自動化した行動ではなく,前頭前野を活用して,臨機応変に対応しなければ,パートナーは得られないということになります。 ヒトの場合,前頭前野の機能を使いこなせることが,種を保存する上で重要であるということでしょう。 2014jan11 心脳迷宮「魔が差す行動の発展的理解」 |
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