Gekko!の登山用品の選び方

元登山ショップ店長が、実践に役立つ登山用品の選び方を解説、お薦め品の紹介。

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20代では、ピークを踏むことにこだわっていた。
30を過ぎてからは、山そのものを楽しむ術を知った。

ピークハントにこだわらず、「山を歩く」こと自体に喜びを感じる。
大きな自然に包まれる感じが、僕は好きだ。

そうなると、地味で、人のいない山域へ行くようになる。
尚且つ自然豊かなところがいい。

僕のお気に入りは、白山山系の山々である。

主峰白山はもちろん、南部から北部まで、夏は徒歩、
冬はテレマークスキーを駆使して楽しんでいる。

熊に遭遇したのが2回、カモシカは何度も出会っている。
自然の豊かさをしみじみと感じるエリアだ。

今回のコースは、そんな自然豊かな白山山系の中でも、特に入山者の少ない静かなコースだ。
パートナーは当時僕の勤めていた登山ショップのお客さんNさんである。

騒々しい僕とは違い、物静かでインテリのNさんは、いつもマイペース。
僕が先行していても、全く気にすることなく自分のペースを守る人だ。

僕と同じく、白山マニアで、時々足を止めて花の写真を撮ったりしている。
今回は白山の魅力にどっぷり浸かれると、楽しみにしていた。


市ノ瀬に車を止め、三ッ谷登山口を目指す。
林道からの取り付き部分が、なかなか見つからず、しばらく探す。

ところどころ赤布があるものの、樹林に覆われた登山道は、入山者の少なさを感じる。
それだけに、原始の森を思わせる、自然の息吹を体中に感じる素晴らしいコースだ。

尾根上へ進路をとる分岐で、道を見失う。

しばらく進んで、どうもルートがおかしいということで、最探索。
絶えずコンパス片手に進んできたので、進行方位は頭に入っている。
その場にNさんを残し、地図とコンパスで方向を確認しつつ、道なき道を戻る。

時々コールし、Nさんの声を頼りに角度を修正する。

このとき思った。

コンパス頼りに、来た道を戻るのだが、無意識のうちに下り下りへと引っ張られる。
Nさんの声を起点に、何度か、登りなおす場面があった。

コンパスで、方位を確認していても、場合によっては相当に進路を外すものだ。
こんなとき、GPSがあると、それなりに心強いだろう。
(のちにGPSを購入して、積雪期では必ず持参するようになる)

しばらくして、分岐を発見。
赤布はあるが、生い茂る樹林で見落としやすい。
Nさんを呼び、無事コースに戻る。

先を歩くNさんの足が止まった。

「マムシです」

Nさんの前方1mほどのところに、蛇がとぐろを巻いている。
下手に刺激をすると危険なので、移動するのを待つ。

このときも結構長い時間「マムシ待ち」を強いられた。
決して棒切れなどで追いやるのでなく、静かに待ち続ける。
いかにもNさんらしい。

自然豊かな山域ならではの楽しみは、まだ続く。

「カモシカです」

5mほど先にカモシカがこちらを睨んでいる。

「わしらのシマで何しとるんじゃ!」

そんな気持ちで僕らを威嚇しているようだ。
ここは、彼ら野生動物のテリトリーである。
僕らはそこのところを認識し、恐縮しつつ、登山道を使わせてもらう。

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水場で休憩。
この時点で既に二人とも大満足。
想像以上に豊かな自然を肌で感じることの出来る、素晴らしい登山だ。

杉峠を辿り、尾根伝いに三ノ峰を目指す。
次第に視界が開け、加越国境の山々が稜線上に連なる。
人工物が一切無い景色が新鮮に写る。

徐々に斜度がきつくなり、快調に飛ばしていた僕も、ばて気味。
剣ヶ岩あたりでNさんが追いつく。

今日の宿、三ノ峰避難小屋に到着。
ほかに登山者も無く、快適な一夜を過ごせそうだ。

小屋前の斜面に残る雪渓をとって、飲料水を作る。
ところがストーブで溶かすにつれ、汚れで黒ずんできた。
Nさんが覗き込んで言った。

「それはまずいですよ・・・」

一日の行程を終え、疲れ果てているので、近場で済まそうと思ったがそうもいかない。
雪渓の下部の流水まで下り、今度はきれいな水を確保した。

翌朝はぱっとしない天気の中、稜線上を別山に向かう。
可愛らしいお花が、疲れを癒してくれる。

別山を越え、チブリ尾根を下る。
標高が下がると、ダケカンバやブナが現われ、白山らしい山容になる。
ブナの森は大好きだ。

やがて猿壁堰堤に出て、市ノ瀬へ。

久しぶりに山歩きの充実感に満たされた山行だった。
僕のなかでは、印象深いルートのひとつである。

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