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目前の利害にこだわるな 1955年
本田宗一郎さん
徳川時代にいちばん儲けた者は誰であったか。これは商人である。
この商人は、外国との貿易を禁止されていたため、その規模構
想は非常に局限され、勢い国内でブローカー的、人の小股すくい的なものをやるような気風が一般に生まれた。 そして、永い封建的時代が続いたため、人を疑いやすくもなった。
いろいろの原因があるであろうが、会社にあっても、小さな縄張り、大きな縄張り等がある。 縦の命令系統、言いかえれば、出世系統に非常に敏感であり、その系統同士は仲がよいが、
その系統を別とする人に、つまり横の協調に対しては、闘争的な感情を持って、
お互いに、相手の美点、優秀なものを叩きつぶすことに頭脳を働かせ、
活躍すべき最も大事な青年時代をこれに費やししてこなかったからである。
この信用があれば、不景気に直面してもホンダは生きていけるのである。 それにつけても、儲かっている会社にいるから人々に認められるのではなく、 そこに働く一人ひとりが立派だから、ホンダという会社は立派だと言われるようになってほしい。
賃金についていろいろと問題が起きるが、賃金というものはどのようにでも人間が勝手に決めることができる。 賃金を考えるときは、同業者にあってはどうか、その地区ではどうか、
日本全体の企業の中ではどうかを考えて、この最大公約数を満たしている
とすれば妥当な線が出てくるはずである。
いつも相手の収益や人格を尊重する人であって、自分だけのことしか考えない人であってはならない。 大局的な立場で判断せず、自分のことしか考えない人々と、私は手を携えて仕事をしていく気持ちはない。 ものにはほどほどということがある。
私が会社を起こして以来、私の気持ちは充分に知ってくれていると思う。
私はこの会社で職員、工員の区別をしないのは、学校を出た、出ないによって 人間を区別したくないからである。
本来平等であるべき人間に、なぜこのような区別が必要であるか。
この私の信念は会社の生いたちと現在を見ればわかってくれるはずである。
今回の事件中、たまたま、ある人に、埼玉だけ出したらどうなる、と聞いたところ、 浜松のことはわかりませんとの答えであった。
ここに問題がある。
経営者でないから経営の立場を考えないということは、
人間として相手の立場に立って考えないということである。
私が病気やケガをした人に保障をしたいのも、自分がそういう立場に立たされたときのことを考えるからである。
経営が助け合いで成り立っていると考えるのも同様の意味である。
人間が「なさけ」「れんびん」の情を持ってこそ道徳が生まれ、人間の成長があることを認識してほしい。 デフレとオートバイ界 1954年
藤澤武夫さん
ジュノオ号(前年の11 月に生産を開始したスクーター)を米国・ロサンゼルスへ輸出したこの年、 二輪車メーカーの倒産が相次いでいた。
厳しい状況を切り抜けるため、社員へげきを飛ばした一文(1954.S29.11 社報11 号)
デフレも一応底をついたかに見えたが、どうして昨今の状況はまたまた表面に現れてきた。 6億円の資本金と昔から堅実な会社といわれた高砂鉄工が整理の段階に入ってきた。
ところで我われの業界はどうか。 埼玉北桶川の三井精機( 旧三井財閥系として有名な会社で三輪車オリエント号月産4、500 台を作っていた 大会社だが)がこの間つぶれた。
エープスターはドリームの初期の製品と優劣を競っていた会社だが、今は300 台位製作していた。
それがついに手をあげた。
その外、あそこが危険だ、ここがあぶないと巷間うわさされている会社が多い。 スクーター、オートバイの一流会社がつぎつぎと崩れてゆくことは必至の状態となった。 おそらくここ5、6カ月間がヤマではないだろうか。
それが崩れ去ってゆくことは仕方のないこととしても、ストックになっている製品が500 台、1000 台と
安値でたたき売りされるから、わが社としてもそのトバッチリを受けないわけにはゆかない。
なぜならお客さんは少しでも安いものがほしいし、また当然値下げを予想して買い控えをするだろう。
実際堅実な経営をしているいないにかかわらず、その影響は大きいと見なければならない。
従ってわが社にとっても楽観は許されない。
情況を適確に判断して、あらゆる方法を講じて生き延びねばならない。 わが社は他社より早く今年の5月頃から適切な手段は打ったつもりである。 刻々に変化する購買心理をつかんでお客さんに買ってもらうようにしなければならない。
軍隊生活の中で今でも覚えているのは「 自分が苦しい時は敵も苦しい時だ」ということ、 他社だってつぶれたくないから必死になってモガクであろう。
2500 人の従業員諸君! 今まで事に当たって冷静に、そして健全な情熱を示してくれた事実は、私の最も尊敬するところである。 お互いに一つの目的、つまり企業を繁栄させるために、小さいコダワリはやめて、横の連結を緊密に、 友情と尊敬と信頼とを持って、足りないところは補ってやり、相手の仕事を理解して
速やかに解決するよう援助して、工場からは最低コストによる最高の製品を生み出し、
総務、営業、経理においては、完全な経営のできるよう情熱をここに傾けてほしい。
決して他社のつぶれるのを願うものではないことはいうまでもないのだが、このデフレは止むを得ない。 しかし我われもつぶれることのないよう、自分自体で守らなければならないことを銘記しよう。
幸いわが社自体は、明るい見通しがうんとある。 後は周囲の巻き添えを喰わないよう、鉄壁の備えを固めよう。
私たちもはげしい闘志をここにわき立たせ立派に切り抜けようではないか。 -------------------------------------------------------------------------------------
さて問題です。
こういう理念や信念が今のホンダに見受けられるでしょうか?
私の感じているところでは
・小さいことにこだわり、
・自分のことだけを考え、
・仕事は情熱ではなく空虚にすすめる
・出来上がる製品に愛着も無い。
そういう風に私の目には見えます。
そういう中での役員と言う立場の人からあの発言・・・・
(´Д`)
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2011年10月13日
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