ふうちゃん東京・千葉日和

妻FC東京、夫ジェフ千葉を応援している夫婦別サポブログです。

本棚のホコリ

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ここまで来たら、終わらせてしまわないとね。

正太郎、亡き妻の幽霊に出くわし・・・というか、自分で会いに行ったのだけど、恐怖のあまり気絶。
これで終われば、正太郎、まだラッキーと言えるけど。

しばらくしてから、正太郎は息を吹き返した。目を細く開けて見ると、奥方の家だと思っていたのは、もともとあった荒野のお堂で、黒い仏像だけが立っていらしゃる。里の方で吠える犬の声を頼りに、家に走って帰って、彦六にこれこれしかじかと話すと、「なンや、狐にばかされたんとちゃうか。ビビっているとかえって狐狸に襲われるゆうやないか。あんたみたいビビりが気い塞がっているんやったら、神仏に祈って心を整えなはれ。刀田の里に尊い陰陽師がいてはる。身を清めて、お守り札をいただきなはれ」と、正太郎を陰陽師の許につれて行き、はじめから詳しく話して陰陽師の見立てを求めた。陰陽師は占って言うには「災いは既に迫ってきて、大変なことになっている。さきに女の命を奪ってもなお恨みは晴れず、あんたの命も今日明日に迫っている。この怨霊が世を去ったのは7日前だから、霊魂がさまようのが終わる49日まであと42日、しっかり戸締まりして、身を清め厳重な物忌みをしなさい。わしの戒めを守れば、どうにか命だけは助かるだろう。ひとときでも間違えれば、取り殺されようぞ」と、厳しく教えて、正太郎の背中から手足まで、中国古代の文字のような字を書き、さらに朱で書いたお守り札をたくさん渡して「このおまじないの言葉を戸という戸に貼って、神仏に祈りなさい。間違えて、身を滅ぼすでないぞ」と言うと、恐れながらも喜んで家に帰った。朱の守り札を門に貼り、戸に貼って、思い物忌みにこもった。


物忌みは、訳せないからそのままにした。
家にこもって、精進潔斎して、悪い霊を避けるということでしょう。
似たような展開が「耳なし芳一」にもありますね。


その夜の0時から2時頃、恐ろしい声がして「ああ、憎らしい。ここに尊いお守り札が貼ってあるじゃないの〜」とつぶやいて、そのあと声はなかった。正太郎は、恐ろしさのあまり夜がとても長く感じた。しばらくして夜が明けたので、ほっとして、急いで彦六のいる部屋の方の壁をたたいて、夜の出来事を話した。彦六も、はじめはなんやそんなん、といっていたが陰陽師の言葉が不思議だがあることだと感じて、自分も夜寝ないで、0時過ぎになるのを待っていた。風がものを倒すほど強く、雨も降りだして、いかにもなんか起こりそうな夜の様子に、壁を隔てて正太郎と彦六は声を掛け合って励まし合い、さらに2時から4時頃になった。正太郎の家の窓の紙に赤い光が差して「ああ、憎らしや〜。ここにも貼ってある〜」と言う声が、夜更けにはものすごく恐ろしく、髪も産毛もぞわわ〜っと逆立って、しばらくは気絶してしまった。夜が明ければ、夜の恐怖を語り、夜になれば夜明けを待ちわび、この月日は千年よりも長く感じた。その怨霊は毎晩家の周りをめぐり、ある晩は屋根の棟にいて叫び、その怒りの声は一晩ごとにパワーアップしてものすごく恐ろしい。そうして42日目というその夜になった。もう一晩で物忌みの日数が終わるというので、特に慎んで過ごし、4時から6時頃になり空もしらじらと明るくなってきた。正太郎は長い悪夢が冷めたような気持ちで、彦六を呼んだところ、壁に近づいて「どうや」と答えた。正太郎は「ようよう物忌みが終わったわ。にいさんの顔もえらい長いこと見てへんし、会うて、ここんとこのコワい話を思い切りしゃべって憂さ晴らしとしましょ。目えさましなはれ。わしも戸の方に出るわ」と言う。彦六は軽率な男なので、「もうなんもないやろ。さあ、こっち来なはれ」と、戸を半分も開けるか開けないかのうちに、隣の軒から「ぎゃあっ」と耳をつんざくような声がして、彦六は思わず尻餅をついた。「こ、コレは正太郎に何やあったんちがうか」と、斧をひっさげて道に飛び出すと、明けたと言った夜はまだ暗く、月は空の半ばにかかりながらぼうっと陰り、風は冷たく、そして正太郎はと見れば、戸は開け放していて、その姿は見えない。家の奥に引っ込んだかと走って入って見たが、どこにも隠れる場所があるような家ではないので、道に倒れてでもいるかと探したが、そのあたりには何もなかった。どうなってしまったのかと、怪しんだり、恐る恐る灯火を掲げてあちこちを見回ってみたりすると、開けた戸の端の壁に、生々しい血がおびただしく流れて、地面にまで伝っていた。灯火を掲げて照らして見ると、ただ男の髪の髷(まげ)だけが戸に引っかかっていて、他には何も見当たらなかった。なんともぞ〜っとして恐ろしいことといったら、とても言葉につくせるものではない。世が明けて、近くの野山を探してみたが、とうとう正太郎の姿は跡形もなく、消えてしまった。彦六がこの出来事を井澤の家へ伝えたので、井澤から涙ながらに香央にも知らせた。それで、陰陽師の占いがよく当たったこと、吉備津の御釜の凶兆もまた間違いいなかったことなど、大変尊いことだと、語り伝えられたのである。




おしまい。

ここはやはり、井澤家からたんまり慰謝料をとって、きっちり別れれば良かった・・・と思うのは現代人か。
ワタクシなんぞ、正太郎を42日間よりもっと長くコワい目にあわせれやればよかったのに〜と思うけど、磯良さんは律儀に魂が中空をさまよう期間だけ、正太郎にイジワルして、一緒につれて行ってしまいました。
純情な子、騙したらあかんよ。後が怖いで、というお話・・・というか、御釜のいうことを聞いていればよかったのでしょうか。


いやもう誰も読まないってことは重々承知してはいますけど、やりかけたからほっておくのも気持ち悪くて。
なんて、誰に言い訳しとるんじゃ。

え〜〜上田秋成「吉備津の釜」、ふうちゃんP4ふうに訳してみたら、思ったより長くて3回目。

バカ息子正太郎は、女房騙して、浮気相手の水商売女お袖と出奔、お袖のいとこ彦六のやっかいになるも、なにやらお袖は、原因不明の病にかかり、あっけなく亡くなってしまいました。


正太郎は泣き伏して、お袖の逝ってしまったあの世を恋しく思うけれど、魂を呼び戻す方法を知るすベもなく、故郷を思えばかえってあの世よりも遠く感じられ、にっちもさっちもいかなくなり、昼はただふとんにくるまってねて、夜ごとにお墓に参って見ると、早くも草が茂り始め、虫の声も悲しげに聞こえる。我が身一つの秋にはあらねど(古今集、大江千里)、でもボクほど悲しい人なんかいないもんね、と思っていると、どうやら同じように嘆く人がいるようで、並びに新しい墓が立っていた。その墓にお参りする女が、世にも悲しそうな様子で、花を手向け水を注いでいるのを見て、「ああ気の毒に。あなたのような若いひとが、こんなに寂しい野原をさまよい歩いていらっしゃるとは」というと、女は正太郎を見て「わたしくが夕ごとにお参りにきますと、あなた様がいつも先においでです。さぞかし離れがたい方とお別れになったのでしょう。お心うちをお察しして、悲しく存じます」と、さめざめと泣く。正太郎が言うには、「そうなのです。十日ばかり前に愛しい妻を亡くしましたが、この世に残されても何も心引かれることはなく、ただこの墓に参ることをせめてもの慰めにしております。あなたもさぞかしそういうお心うちでしょう」女が言うには、「このようにお参りしておりますのは、ワタクシがお仕えしていたご主君のお墓でして、ここにご埋葬いたしましたのです。残された奥方様が、お嘆きのあまりこのごろは難しい病気におなりになりましたので、このようにワタクシが代わりに御花をお供えに参っております」正太郎は、「奥様がご病気になられるのも、ごもっともなことです。さて、故人はどのようなお方で、どこにお住まいでしたか」と聞くと、「主君は、この国では由緒ある家の方でしたが、人の讒言にあって領地を失い、今はこの野原の隅に寂しくお住まいになっています。奥様は隣国まで評判になるほどの美人ですが、ご主君はこの奥様のことで所領を失われたのでございますよ」と語った。すると正太郎は、その身の上話に同情したというよりは、「奥様が美人」に鼻の穴がふくらんで、「そ、それで、奥様が寂しく暮らしていらっしゃるのは、この近くですか。お訪ねして、同じ悲しみを語り合いましょう。連れてっておくれ」と言う。「家はあなたのいらっしゃる道から、少し奥に行った方です。奥様は心細くお暮らしですから、時々おいでになって下さい。きっと待ちわびなさいますよ」と、先に立って歩いた。


10日程前に駆け落ちした相手を亡くした男ですが、浮気の虫のエネルギーってすごいですな。
奥様が美人、由緒ある方の美しい未亡人、つう言葉で、もうすっかり元気になってる正太郎。
スキップしながら侍女のあとをついて行くけど、大丈夫かな〜〜〜
まだ会っていないのに「待ちわびますよ」って少しヘン・・・


220メートル位行くと細い道があり、110メートルほど歩くと、薄暗い林の裏に小さい草葺きの家があった。竹の編み扉も物寂しい感じなのに、七日の月の光が明るく差し入って、狭い庭が荒れているのまで見える。細い灯火の光が窓の紙からもれているのもなにやら寂しい。「ここでお待ちください」と言って侍女は中に入った。苔むした古井戸の辺りに立ってのぞき見ると、唐紙が少し開いている。隙間風に明かりが揺れて、黒塗りの棚がきらめいて見えるのもいい感じに見える。侍女が出てきて「あなた様のご訪問をお伝えしましたら『お入りください。屏風越しにお話し致しましょう』と、部屋の奥から端の方にお出になりました。どうぞそこにお入りください」と言って、庭の植え込みを回って奥の方に正太郎を連れて行く。客間を人が一人入るくらいに開けて低い屏風を立てていて、古い打ち掛けの端がのぞいているあたりに、主がいると見える。正太郎はそこに向かって、「頼りないお暮らしの上に、病にまでおなりになったそうですね。ワタクシも愛しい妻を失っていますから、同じ悲しみを語り合いましょうと、あつかましくもお邪魔致しました」という。すると、主の女は、屏風を少し引き開けて、「ああ、やっとお会いできましたね〜ワタクシがどんなに辛い目にあったか、その報いを思い知らせて差し上げましょう〜」と言うので、驚いて見ると、故郷に残した磯良ではないか。顔色はひどく青ざめて、だるそうなどろんとした目つきもものすごく、正太郎を指した指は青く血管が浮き出たさまがそれはもう恐ろしく、「ぎゃあああああっ」と叫んで気絶してしまった。



出ました。
こわいよう。
いい気味だけどね。

まだ終わらないわ、続く。


何を思ってこんなこと始めたんだか、自分でもよくわからないけど、ともかく続き。

結婚してからの正太郎と磯良がどうなったか。

香央(かさだ)の娘磯良は、嫁いでから、朝早く起き、夜遅く寝て、常に舅姑の傍らにいて、夫の性格を察して、心を尽くして仕えたので、井澤夫婦は、親孝行で貞節で良い嫁だとたいそう喜び、正太郎も彼女の志を愛しく思い、夫婦むつまじくしていた。しかし、生まれつきの放蕩な性癖はしゃーないもので、いつのまにか鞆の津の袖という遊女と懇ろになり、ついに見請けして、近くの里に別宅をこしらえ、そこに入り浸って家に帰らない。磯良はこれを怨み、あるいは舅姑の怒りにかこつけて諌め、あるいは浮気心を怨み嘆くが、正太郎は上の空、後は幾月も帰らないのだった。父は嫁磯良の切ないふるまいを見るに忍びず、正太郎を責めて押し込めてしまった。磯良は、夫のさまを悲しく思い、朝晩ことに丁寧に仕えて、また袖の方にもひそかに物を送るなどして、誠意の限りを尽くした。


と、いそらさん、お育ちが良いからか、人が良すぎるのですが、さらにまたちょっとアホやないかいな、というくらいのお人好しぶりを見せます。


ある日父がいない間に、正太郎が磯良に猫なで声で言うには「あんたのまめまめしい貞節ぶりを見て、今は自分の罪を悔いるばかりだす。彼女を故郷へ送って、親父さまのご機嫌を和らげましょ。彼女は播磨の印南野の者だけど、親もいない頼りない身の上なので、つい可哀想に思ってなあ。われに捨てられたら、こんだ港町の安女郎になるやろ。おんなじアレな奉公でも、京は人の情けもあるやに聞くよって、あいつを京に送って、身分高い人に支えさせたい思う。われは今こーゆー状況やさかい、金ないんや。旅費も着物も、誰が工面してやんねん。あんた、このことよーく頼んだによって、あれを助けたってや」と、懇ろに頼んだので、磯良はたいそう嬉しく「このこと、ご安心くださいませ」と、ひそかに自分の着物や道具を金に換え、さらに香央の母にも嘘をついて金を無心し、正太郎に与えたのだった。正太郎はその金でこっそり家を出て、袖を連れて京の方へ逃げてしまった。ここまでアホにされたので、磯良はただただ怨み嘆き、とうとう重い病に倒れてしまった。井澤香央の人たちは、正太郎の仕打ちを憎み、磯良を可哀想に思い、けんめいに医療の効果を期待したが、日に日に粥も喉に通らなくなり、何も頼れそうもないようだった。


可哀想にもほどかある〜でも、このバカ亭主に有り金を全部渡すのもどうかと思うけど。
当然、こうなってしまいました。


さて、因幡の国印南郡荒井の里に、彦六という男がいた。彼は袖の従兄弟という縁があるので、まずは彼を訪ねてしばらく逗留した。「京ゆうても、誰でも頼りになるわけやない。ここに留まりなはれ。一つ釜の飯食うて、ともに暮らしの算段しようやないか」と、頼もしい言葉が心に響いたので、ここに住むと決めた。
彦六は自分が住むとなりのボロ屋を借りて二人を住まわせ、友達ができたと喜んだ。ところが、袖は気候のせいか、何となく体調を崩して、憑き物でもついたように狂おしい様子で、ここに来て数日のうちにこんなわざわいに合う悲しさに、正太郎も食事も忘れて抱きしめるが、ただ泣くばかりで、胸がさしこんでいかにも苦しそうだが、発作が止むといつもと変わる様子もない。いきすだま、生霊のたたりだろうか。故郷に捨ててきた妻がもしや…とひとり胸苦しい。彦六は、正太郎を諌めて、「どうしてそないなことあるものやら、これまで疫病にかかった人の様子は、いくらでも見てます。熱がさめると、けろっとしますがな」と、気安く言うのが頼もしい。しかしみるみるうちなんの回復の兆しもなく、7日目に亡くなってしまった。正太郎は天を仰ぎ、地を叩いて泣き悲しみ、一緒に逝くと狂おしい有様を、彦六はあれこれと慰めて、この上はもう仕方ないと、ついに荒野の烟、荼毘に付した。骨を拾い、塚を築いて塔婆を立て、僧を呼んで懇ろに菩提を弔ったのだった。



浮気相手のお袖さんが、原因不明の急病で死んでしまったところまでで、また続く。
まだあまり怖くないけど、なんか怖そうな気配が漂ってきてますな。

次も気が向いたら書こう。
まあ誰も読まないだろうから、ワタクシ流にテキトーな意訳をしておこうっと。


作者は上田秋成、安永5年(1776)刊行の「雨月物語」所収。

「吉備津の釜」は、冒頭いきなり
ヤキモチ焼き女房は、ウザくてたまらんが、年取ると、ありがたみがわかるってか。

みたいな身勝手なことを言う。

女房の悋気は、商売の邪魔だし、近所のウワサにもなるし、ヘタしたら家どころか国を失い、天下の笑い草になる。昔からこのヤキモチの毒にあたる人は数知れず、死んでもなんや怪しい毒ヘビみたいになり、雷みたいになり、そーゆー妄執は、その肉を塩辛にしてもあきまへん。そもそも夫が品行方正で、妻をよく教えてやればいいのだが、ちと浮気しようもんなら、女は根性曲がってるから、えらいことに
なるねんやんか。


と、この後も現代なら炎上間違いなしの、性差別的文言が続きます。


そもそもこの話が、ひどい女性虐待話なのですが。今なら家庭相談センターへ電話するところです。
これからようやく本題。


吉備の国賀夜群庭妹(かやのこおり、にいせ)の郷に、井澤正太夫という人がいた。
祖父は播磨の赤松に仕えていたが、去る嘉吉元年の乱の折に、そこを去って吉備に来て、正太夫まで3代、農業を営み、豊かにくらしていた。
その子正太郎つうのが、農業を嫌って、酒は飲むわ女遊びはするわ、両親が嘆いて、本人には内緒で「良いうちの美人のお嬢さんをお嫁にすれば、あの子も落ち着くのやないか」と、国中に良縁を求めると、仲立ちする人が言うには「吉備津の神主香央造酒(かさだ みき、漢字ないからメンドイ)の娘は、美人で親孝行で歌も詠むし、琴も上手。そもそもあの家は吉備の英雄吉備津彦命の子孫で、家柄もよく、お宅とご縁を結べはきっと良いことになりましょう。いかかですか」と。正太夫は大喜びで、「それは良いことを聞かせて下さった。これは我が家には家運長久の基になるでしょうが、あちらさん貴族で、こちらは名もない農家ですから、家格が釣り合わんと、お断りになるでしょう」仲立ちのおじじは笑って「ご謙遜なさらず、わしにお任せ下されば、きっとまとめて高砂を謳うことになりますよ」と、香央に伝えると、彼も喜び、一応妻にも相談すると、妻も乗り気になって言うには「娘も17歳になったので、毎日良い人おらんかな、結婚させな、思て落ち着きませんでしたのよ、早く吉日を選んで結納を交わしましょう」と、強く勧めたので、もう約束して、井澤に返事をした。即立派な結納を送り、吉日を選んで婚礼を急いだ。


これ、誰が読むのか。
まあいいや。

昔の結婚って、いい加減なもんですな。
正太郎がしょうもないバカ息子だと、調べればわかったろうに。


さらに、神様に婚儀の幸いを祈りましょうと、神職を集めて、御湯を捧げた。そもそも吉備津神社に願い事などする人は、たくさんの供え物を供えて、御湯を捧げて吉凶を占う。
御湯つうのは、神職が祝詞を唱え、湯が湧き上がり、釜から牛の吠えるような音がしたら吉兆、何も音がしなかったら凶兆。これを吉備津の御釜祓という。すると、香央の家のことは、神様が受け入れなさらないか、ただ秋の虫が草むらで鳴くほどの小さな声もない。香央は心配に思い、この結果を妻に話した。妻は全く疑わず「御釜が鳴らなかったのは、神職が身を清めていなかったからでしょう、もう結納してもうたし、夫婦の縁を結んだ以上は、仇だろうが異国だろうが、変えてはいけない、というやないですか。ことに井澤は、元は武士、規律に厳しい家だそうやから、今やめゆうたかて、聞いてくれまへんで。うちの子も、婿さんイケメンらしいと聞いて、指折り数えて待ってるのに、今のこと聞いたら、なんや早まったことしでかすかしらん、その時後悔しても遅いやないですか」と、言葉を尽くして夫を諌めるのは、全く女の言いそうなことだ(原文は「女のこころばえなるべし」だけど、あえてこう訳した)。香央ももとより願ってもないご縁なので深く疑わず、妻の言葉に従い、婚礼を挙げ、両家の親類縁者、夫婦の縁が千年万年幸せに続きますように、と祈り祝った。


えらく長いじゃん。
気が向いたら、続き書きましょ。
ここまでだと、あまり怖くないわね。
本の書庫が全然お留守で、書庫名通りホコリまみれ。

備忘録として、ここ最近読んだ本を書いて置こっと。
忘れちゃたのもあると思うけど、まあそれはそういう内容だったってことでしょう。

読んだ時期は、もう順不同。

イメージ 1
リョサおじいさんの妄想炸裂「悪い娘の悪戯」。
トシをとってもあっちの方の欲望は変わらないようだけど、実行力はダウンするぶん、想像力はさらにふくれあがる。
あきれかえるような何でもありの展開。
しかし、主人公の「よい子」は、結局初恋の人と添い遂げてしまう。そこが、「コレラの時代の愛」にも通じる純愛性でしょう。

イメージ 2
「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」
オースターのラジオ番組で取り上げた、アメリカ市民が実体験を綴ったショートストーリー集。
いかにもオースターらしい選び方で、日常の中に不思議さや驚きや傷みや笑いが隠されている作品群です。
電車の中で読むのに最適。
こういう多様性のあるアメリカであってほしい、と願うのですが・・・


イメージ 3
「テロルと映画」スペクタクルとしての暴力
これは今となっては、なんだか空しく辛い感じがします。
四方田さんがこれを書いたのは、9・11後、その衝撃がまだ残っている時期ですが、それから何年も経って、各地でさらに苛烈なテロが頻発している現在、この本の最後の章などを読むと、四方田さんも読み手のわたしも、無力だな〜と感じてしまいます。
それでも、日本ではなかなか大々的には公開されないインドネシアの映画(バリ島でのテロを扱ったもの)などを、見る機会はないものの、そういう映画の存在を知るだけでも、この本の意味はあるだろうと思います。

イメージ 4

去年だったか一昨年だったかに亡くなった小川国夫の「襲いかかる聖書」。
この人の若い頃の講演会に行ったことがあるけど、たいそう美丈夫でいらっしゃいました。
そのときも埴谷雄高の話をしていたけど、この本の前半部分は小川国夫が埴谷雄高に出した書簡が収められています。往復書簡の「往」しかないので(埴谷の書簡はなし)、ちょっともどかしい感じもします。
神観念談義などは、面白いけど、やはり埴谷の書簡も読みたい。
後半部分は小川国夫定番、藤枝の海辺で展開する、病み上がりの娘とその兄の物語。
読みながら感じる胸騒ぎ。娘さんは救われたんでしょうか・・・


イメージ 5
「囚人のジレンマ」
リチャード・パワーズ。
この人の作品はいつも、読みながらザワザワと胸騒ぎを覚えさせられ、それがなんとなくコワい。
そして、たいていひどく不器用な人々が登場します。
この一家もそれぞれに不器用な生き方をしていますが、特にいつも不器用なのはお父さん。
そのお父さんにはパワーズはしばしば戦争の影を落とします。
胸騒ぎの通りに、恐ろしいことが判明するけど、一家をつなぐ愛情も表されます。
表紙のヘンな絵は、ミッキーの帽子をかぶった、他ならぬウオルト・ディズニー。
彼がこの物語で果たす役割も不思議なんだけど、ここに日系人が絡んでいて、パワーズの目配りというか、視野の広さと洞察の深さを感じます。

イメージ 6
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの「戦争は女の顔をしていない」
この人の名前、どうしても覚えられないのよね・・・ロシアの名前は難しい。
と言っても、この人はベラルーシの出身だそうです。
旧ソ連で、第2次世界大戦中に従軍した女性たちの経験を聞き書きした、長大なインタビュー集。
看護婦としてだけではなく、戦闘員として参戦した女性が大勢いたそうです。
これでもか、と残酷な悲惨な恐ろしい話が続くのだけど、だんだん読むにつれて、このインタビューの人数の多さにこそ意味があると思えてきました。
寝る前にはとても読めない、恐ろしすぎて。
しかし、戦争にも一人一人の言葉があり、命がある。
男ではなく、女の言葉として、戦争を語ること。
もっと書きたいのだけど、時間がなくなった・・・


最後に。


イメージ 7
これについては、別に書くつもり。



追記。

やっぱり一つ忘れてた。

イメージ 8

オルハン・パムク「白い城」。
17世紀後半のイスタンブルを舞台に、海賊にさらわれてきたベネチア人と容姿がそっくりのペルシア人との話。
対立する文化と同居を続けながら同化して行く人格とが、史実を織り交ぜながら、スリリング(心理的に)展開して行く。
パムクもいつも読み応えがあります。

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