|
毎日、朝から会社へ出かける。それは当たり前のように。社会人になった時からお世話になっている会社だから。震災の時には、田舎の両親が会社にお世話になってしまったから。働ける内はここで働きたいと二言目には口にする。そして最後の恩返しだからと。
あなたは、嘘つきでした。
あなたに出会ったのが学生時代。あの頃からず〜と騙されて生きてきました。
「幸せにしてくれる」とあなたは言った。独身時代は、互いに忙しくて会うことすら大変だった。結婚したら二人で旅行したり、おいしいものを食べに行ったりしようと約束をして結婚をした。結婚しても忙しさは続いた。そのうち子供が出来、私は子育てに追われる事になり、あなたとの約束事態を忘れてしまっていた。
あなたの口癖は、「結婚すればなんとかなる」「専業主婦になれば時間が取れる」「子供が大きくなれば二人の時間が取れる」「定年したら自由に成れる」と。
みんな嘘ばかり。あなたは定年になる前に病気になってしまった。先へ、先へ伸ばしてきたツケをここにきて悔いても、どうにもならない。
ひと月に2度、週末になると病院へ通っては46時間、薬を投与しているあなた。
そして、その薬の副作用の7日間。あなたは我慢強くその苦しみに耐えている。わたしたちに遠慮しながら乗り越えているあなた。その辛さは私たちにはわからない。
いつになったら、わたしとの約束を果たしてくれるのだろう。いつまで待てば、その苦痛から解放してあげられるのだろうか。
あなたはいつもそうだった。ふたりの子供の入学式も、卒業式もいつもわたしだけ。参観日も、運動会にも顔を出さなかった。小、中、高と先生と話すのは、いつも私だった。
仕事の帰りも、いつも遅く子供たちの顔を見ることはなかった。たまの休みの時は、家でゴロゴロしているだけで、酒を呑んでは大声で子供たちを叱るあなた。単身赴任した時には、流石に子供たちが「なぜお母さんは、お父さんと離婚しないの?」と聞くまで、あなたは我が家に馴染まない人だった。そんなあなたを選んでしまった私。人生、やり直しが利くなら学生時代からやり直しをしてみたい。それでも私はあなたを選ぶのだろうか。
今からでも、あの時の約束を守ってくれるなら私はあなたを許したい。
何が何でも、あの時の約束を守ってくれなかったら私の人生を返して貰いたい。
せめて、「子供たちを幸せ」にしてくれなかったら、勝ってに生きたあなたを恨みます。
こんな状態で、先に逝ってしまったら子供たちはどうすれば良いのですか。
遺された私は、どうすれば良いのですか。
今朝も雨の中、車で出社して行きました。 不動堂
|
全体表示
[ リスト ]



