がいじんトーク

人生、迷ってばかり。死ぬまで迷っているのかもしれない。

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「ワン吉4歳」

 ワン吉は、間違いなく我が家で不動の地位を築いた。今年で4歳になり、家族にも一目置かれる存在となり、宅配便や郵便屋さんにも「ワン吉、今日も元気だね」と声を掛けられるまでになった。黒猫軍団もワン吉がテラスに出ている時には領海侵犯をしなくなった。
すべて、これまでのワン吉の努力が実った形だ。初めのころは弱弱しかった鳴き声も、今では立派な鳴き声で敷地内に入った訪問者に容赦がない。インターホンを押す前にワン吉の吠える鳴き声を聞くので、構えて押すようになった。留守番犬として申し分ないまでに育った。
 
こんなことを書くと、「そんな馬鹿な」と読者の方々に言われるかもしれないが、実はワン吉は人間と話をすることが出来るのだ。間違いなく私とは意思の疎通は出来ている。かみさんとも会話をしている。娘とはアイコンタクトをしているのだ。コミュニケーション能力は、ゆとりの世代の若者たちよりずっと高い。左利きのワン吉は、話をしたい時に大声で吠えたりしない。そばに来て前足の左手を話したい相手の腕にチョン、チョンと合図を送ってくるのだ。その合図に振り返るとワン吉は目を見つめて喉の奥で言葉を発している。ワン吉に慣れていない人は気づかないけど、私たちにはワン吉の言葉が聞こえるのだ。外人が英語やフランス語を話すより、私たちにはワン吉語を理解できる。ワン吉は、同意する時にはうなずいたり、嫌な時は首を振ったりして意思表示をするのだ。それは、彼が私たちの言葉の意味を理解していることになる。
私との主な会話は、「ごはんがほしい」「おやつがほしい」「テラスへ出してほしい」「ウンチが出そうだよ」「おしっこ我慢できないよ」「起きて」「遊んで」「コロコロを出して」「今日は会社じゃないの」「ひとりにしないで」「ごめんなさい」「反省しています」「もっとくれよ」「散歩行きたい」とこれぐらいは話かけてくる。そして、私たちが「お利口にしたらいいよ」と言うとゲージの中に入り、お座りをして待っている。誰が教えたわけじゃないけど、いつの間にかワン吉のお利口ポーズになってしまったのだ。
 
常々考えるのだが、もし我が家でワン吉をペットショップで買わなかったら、ワン吉はどうなっていたんだろうかと考えてしまう。彼は売り出しの時期から1~2ヶ月売れ残っていた。誰も買い手がないままペットショップのチェーン店を回されていた。不思議に我が家では、他の犬には見向きもしないで「黒のこの子犬」が見たいと申し出て、近くのショップに取り寄せてもらい購入を決めた。それまで犬も猫も飼ったこともなかった。飼い方も躾の仕方も知らないまま衝動的に買ってしまた。ワン吉も飼われるのが初めてなら、私たちも初めてという関係なのだ。それを思うと良くもここまでお利口さんに育った。今は、ワン吉が生まれて来てくれたことに感謝。一緒に生活してくれることに感謝の毎日なのだ。                 不動堂

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