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 US89 通行止めで、不便に 
※2015年3月に復旧し、通行可能に

 
■以前の記事でも紹介したが、2月20日早朝に大規模な道路崩壊が発生した。 復旧には2年以上もかかるらしい。 参考 → 2013年 2月26日 「ページ南部US-89が、道路崩壊で封鎖中‏」(崩壊前に通過した時の写真も掲載)

場所は、Page, AZ, US(アリゾナ州ページ市)から US 89で南へ約25マイル(40km)走った所で、Bitter Springsの手前になる。 グーグルマップ → http://goo.gl/maps/sOQxd

道路崩壊直後、要因は”地殻変動”なのか、それとも単なる”大規模な地滑り”なのか、分からなかったが、どうやら後者のようだ。
 
アスファルト路面がメチャメチャだ。
 
 
■崖(エコークリフ)に沿って造られた道路が、約200ft (60m)の範囲が地滑り(Landslide)した。 上の写真で見る限り、地滑りの範囲は、道路崩壊の数倍あるように見える。 元々、崖崩れした土石の斜面に造られた道路。 地面が弱かったか? この地域は雨が少ないが、今年の冬は雨が多く湿度も高かったそうで、それも要因かもしれない。 
 
 
■日本の道路は、殆どが盛土した上に造られている。 だから、この崩壊現場も日本と同じ地盤の道路ではないのか? アメリカの乾燥地帯で道路を造る場合は、大量の水を使う。 目的は、土を固めるため。 乾燥した土地は土が柔らかく、崩れてしまう。 日本は雨が多かったり、地下水位が高かったりするので、これに気を遣う事は少ないのだろう。
 
■一方、更に下の地盤を考えてみると、アメリカは 数十億年前の比較的古い堆積層なので固い。 だから、一旦舗装すると、長期間使える。 寒暖差でひび割れしたアスファルト道路は メンテナンスされ、まるでマスクメロンの表面の様になっているルートが多い。 日本は数百〜千万年前?の出来立てホヤホヤの堆積層なので柔らかく、その上に道路を造るから短期間で陥没したりする。 こんな地面では、道路の下地構築に 技術とコストが必要だ。
 
■中国やアメリカ大陸を車で走行していると、上述の地盤状態の差を感じる。 また、建築物も然り。 三角州 マンハッタンに立ち並ぶビルも 地盤が固く 地震が少ないから出来たのであろう。 上海のビルも 同じ事だろうか。 しかし、日本は弱い地盤や 多発する地震に対応した技術が発展し、世界に輸出できる土木・建築技術を持った。
 

 
■毎度の事だが、前置きが長くなってしまった。(笑) 秋にアメリカ旅行をするのだが、道路崩壊のあった街 Page周辺を予定している。 最近、TVでも時々紹介されるようになった ”The Wave”を見に行くのだ。 場所は、Pageから西に1時間程走った所。 許可書が必要で、これは現地の抽選に参加して入手する計画。
 
■既に Pageへは3回も行っているので、目ぼしい観光地は巡り終わってしまった。 ただ、”The Wave”の抽選は一回参加するも落選し、未だ見ぬ夢の地になっている。 今回は3日間、3回の抽選に挑む。 落選した場合は、Page周辺の観光を予定している。 ここで、前述の道路崩壊が関連してくる。 周辺とは言え、Pageから往復400kmの場所もあり、時間が無い中での移動なので影響が出る。
 
US 89の通行止め(下図の赤色)による、迂回ルートは2通り。 下図で示す黄色(US89A)青色(US 160〜SR98)のルートだ。
 
迂回ルート図 (右下 虫めがねクリックで拡大)
 
  
左:Page側(北)の道路封鎖(US89とSR98の字路)
この写真の前方3マイルほどに Horeseshoe Bendの駐車場がある。
 
右:Bitter Springs(南)の道路封鎖 (US89とUS89AのT字路)
崖に向かって道路が登って行くのが見える。
 
Grand Canyon 又は Flagstaff側から US 89を北上すると、迂回路となっている US 160のT字路がある。
緑の看板 ”Page”の左横に ”Detour(迂回)”のオレンジが貼ってある。
(これまでの直進矢印を隠している)
 
■この地図で、南からページへ向かう場合、青のTuba City回りで50マイル(80km)、黄のKanab回りでは143マイル(228km)も迂回しなければならない。 Pageから 南の Bitter Springs 、Marble Canyon、Navajo Bridge、Lees Ferry等へ行く場合が、最悪の迂回になる。 この迂回で増加する距離は、黄色ルートで約130マイル(200km)。 これは、地元民にとって深刻だ。 この辺りで大きな病院のある街はPageしかなく、緊急時は影響が大きい。 また、この辺りのスクールバスは何百キロも周って児童や生徒を送迎しているので、この運行にも大きな影響が出ている。 河川観光業者は、河下りルートを片道から往復に変更していたりする。
 
※バーミリオンクリフスの縁を迂回する黄色ルートは、非常に景色が良い
  →ある日本人の今年5月のブログ http://shirahakase.com/grandcircle/?p=462も参考になる。
 
グーグルマップのルート検索では、通行止め区間を選択したルートは表示されない。
(※解消予想も表示しているが、これは間違い)
http://www.mapquest.com/では、通行止めを無視してルートが表示されるので注意。
上図左のコロラド川の蛇行 Horseshoe Bendの駐車場へは、車で行く事が出来る。
 
■僕らの場合はホテルに泊まらず、モーターホームで周辺の”安い(US$10以下)”キャンプ場をウロウロする。 毎朝、”The Wave”の抽選に参加するので、あまり遠い場所へは行けない。 抽選会場最寄りのKanabには、高額なRV Park(モーターホーム用のキャンプ場)しかない。(高額とは言え、30くらいなのだが・・・) そもそも今回は大自然の中でDry Camp、それ以上のBoondockingを目指している。 そんな状況なので、US 89の通行止めは停泊範囲を制限したり、周辺観光に不便だ。
 
 
  イメージ 6
左:Navajo Route 20 (N 20)のPage側、右:砂深い場所がある
 
イメージ 1■上の迂回ルート図緑色は、Navajo Route 20。 元々、高速道路から数マイル入った所迄しか舗装されておらず、大半は未舗装路で 一部は砂深い。 これまでは地元民しか通らない道であったが、通行止めとなったUS 89の 新たな迂回路として、現在、N20も舗装工事中で通行止め。 既に全長 約28マイル(50km)の工事が始まっていて、夏の終わり迄に完成させようとしている。 通常、9〜12ヶ月要する工期を 特別に3ヶ月に短縮しての工事だ。 僕らが行く時までに完成していて欲しい。 
 
イメージ 2 イメージ 3
左:舗装が決まる前のN 20 メンテ、右:5月末に始まった舗装工事(セレモニーの様相は日本と同じだ)
 
イメージ 4 イメージ 5
舗装工事の予算は、US$35ミリオン(約35億円) 
舗装完了後は、N 20から US 89Tに名称が変更される。(Tは、Temporaryの頭文字)
 
 
※新たな迂回路は、ココ→http://2.bp.blogspot.com/-k5XPDgMNc2Y/T6VmgSJG7WI/AAAAAAAAAY0/42GEnIiClp8/s1600/2012-04-09+19-14+6809.JPG へ行く時に大いに助かる!(笑)
 

 
■一方、US 89の崩壊現場はどうなっているかというと、現在は地質調査が終わり、復旧工事案が決まった段階のようだ。 今日と明日、PageとBitte Springsにて順次 説明会が開催される。
 
崩壊ヶ所は、シートで覆われている。 ボーリング等による地質調査に2億円も掛かったらしい。 
 
 
再崩壊しないように 斜面を削り 土止めの控え壁(buttress)を造る。
道路は、崩れた崖の上では無く、削って作った岩盤の上に移設する。
補修費用は、40億円らしい。
 
■以下はアリゾナ交通局 ADOTがYoutubeにアップした動画。 インターネットの活用が上手い。
 
2013/02/21、2013/03/01
 
2013/03/21、2013/04/02
 
2013/05/03、2013/05/20

2013/05/29、2013/06/12
 
■あとがき
USに関連する事を調べたり手続きをしたりしていて常に感じるのは、USの行政機関や公共団体が情報発信にインターネットを積極的に活用している事。 TVニュースや新聞を見なくても、最新情報が直ぐにアップされるので情報が入手出来る。 中にはブログを使った即時情報の提供もある。 私のブログの情報も、アリゾナ交通局のブログを参考にした。 日本の自治体や公共機関のホームページを見る機会は少ないが、インターネット活用はどのような状況なのかな?
 
既に気分はUSです!(笑)
 
<参考、写真借用 Web Site>
 
更に詳しく知りたい方は、下記へ


<2013年9月 追記>
 US89の迂回路 US89T(旧N20)が開通 
2013年9月、迂回路が開通
工事中の様子 → 記事「N20/US 89T is scheduled to open soon

迂回路 US89T開通数日後に走行 → 「US89T2013 アメリカ旅行記 【3日目】


<2015年3月 追記>
 2015年3月 US89が復旧 
2013年2月に崩壊したページ南部の道路 US89が復旧


左は工事中で、ヘリで空撮してきた → 記事「2013 アメリカ旅行記 【2日目】
右は、工事終了間際

2015年3月27日午後、アリゾナ州ページ南部のUS89号線が復旧した。 2015年初夏に工事が完了すると報じられていたが、数ヶ月早い開通となった。 このルートは、2年前(2013年2月20日)の地滑りで崩壊し、通行止めになっていた。

Google Maps → http://goo.gl/maps/GPDlo

イメージ 13
Landslides of the Vermilion and Echo Cliffs, Northern Arizona(1939) by Arthur Newell Strahler
図は上記学術本より借用し、当時は無かった道路と崩壊地点を追加した。
画像データは、ミズーリ大学web.mst.eduより入手。
Conor Watkins And J. David Rogers Colorado Plateau Research
    ”Vermilion Cliffs, AZ Landsliding Possible Causes of Slope Instability

2013年9月にヘリで空撮してきた写真

図はzion-gardner-bosch.weebly.comより借用し、日本語で追記

道路封鎖されていたUS89号線ページ 〜 ビッタースプリングス間の約35kmは、地域住民やグランドサークルを巡る観光客にとって重要なルート。 コロラド川を挟んでバーミリオンクリフ(Vermilion Cliffs)の対岸にあたるエコークリフ(Echo Cliffs)の崖を斜めに約250m降るルートで、迂回路が無い。 道路崩壊はルートの一部で約50mだったが、発生した地滑は大規模だった。 崖を削って段を作り、そこに道路が敷設されていたようだが、この”段”が崩れた。 もしかすると崖を削って作った段ではなく、崖崩れした土石の上に敷設された道路だったのかも?


アリゾナ州交通局ADOTは大規模で長期戦となる復旧工事を鑑み、約3ヶ月で迂回路US89Tを建設していたが、今回2年の大工事を経てUS89が復旧した。 非公開記事 「US 89 landslide repair is complete」END

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    素晴らしい情報ですね。
    青も黄色も通ったことがありますが、かなり長いルートなので移動が大変。

    US89Tが早く開通してくれると助かりますね^^。

    戯言♪

    2013/7/31(水) 午後 11:20

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    >戯言さん、コメントありがとうございます。
    調べ始めると、ついつい のめり込んでしまいます。(笑)
    真っ直ぐな道も 最初は楽しいですが二回目以降は苦痛ですね。 景色も変化に乏しいので、眼の焦点が定まらなくなりモウロウとしてきます。

    US89Tが開通したら、日本人の通行者として真っ先にレポート出来るかもしれません。(笑)

    ふじ○

    2013/7/31(水) 午後 11:59

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    「迂回路」と言っても、数百キロ単位なんですよね。
    東京〜名古屋くらいまで行ってしまえる距離ですね。

    [ よんちゃん ]

    2013/8/1(木) 午前 1:07

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    >よんちゃん、こんばんわ。コメントありがとうございます。
    道が少ない地域での通行止めはキツイですね。 飛行機やヘリなら近いのですが。
    中古の小型飛行機なら乗用車と同じような値段なので、ライセンスがあれば空の移動が便利かも。

    ふじ○

    2013/8/1(木) 午前 3:08

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