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Domicile for Full-timers

 新たなキャンプ場へ”お引越し中” 
 
イメージ 18
Class A Motorhome Double-towing on Southbound Interstate 75 near Tampa, Florida on Oct.30, 2013
ダブルトーングは珍しいが、乗用車、船、ATV (時には、小型飛行機!)、
家財を詰め込んだカーゴトレーラー等を牽引したRVを良く見かける。
何人乗っているかと言うと、大概二人。 60歳代の夫婦が多い。
 
 
アメリカ人は、Recreation Vehicle(以降、RV)でアウトドアレジャーを楽しむRVing が大好きだ。 長期休暇が取得できる労働環境も背景にある。 アメリカの国立公園や国定公園、レジャー施設の駐車場、キャンプ場、RV専用の停泊施設(RV park)に行くと、多種多様なRVを数多く見る事が出来る。 また、ハイウエイを走っていると、乗用車等を牽引して旅行している観光バス並みのRV(Class A Motorhome)や 巨大な躯体を牽引しているピックアップトラック(5th Wheel Trailer)に遭遇する。 それもそのはず、アメリカには8百万台以上のRVがあり、11世帯中 1世帯がRVを所有する程の高いRV普及率。 レンタルRV会社は数十社あり、レンタル拠点は全米で460ヶ所以上にもなる。 レジャーコストが抑えられるのもRVingの魅力。 キャンプ場の停泊費は、ホテル宿泊の半額以下。 現在審議中の法案HR5204が連邦議会で可決されなければ、これまで通り公共のキャンプ許可地で無料で停泊できる。 外食せずにRVのキッチンやキャンプサイトのファイアーピットで楽しみながら食事を作る。   家族5人が乗っても、余裕の室内。休日は、毛皮の家族も連れてRVingだ!
 

参考記事
Americans Love RVing、RV出荷台数 (アメリカのRV販売台数、普及状況)
Workamper、Workamping とは (RVingと仕事)
RV火災 (火の車) (消防活動と税金の関係)

参考ビデオ (色々なタイプの方々が居る)
 
La Posa LTVA (Dry site) in Quartzsite, AZ on Jan. 23, 2013
写真は、Tom and Donna Full-timer RV Blog より借用
参考ブログ記事記事「Quartzsite, AZ」「Dump Station in the US #6」 
 
RVに乗っている人たち(以降、RVer)の中には、RVingの魅力に取り憑かれ、家に住まずRVで暮らす人達がいる。 彼らの事を”Full-timer”と呼ぶ。 元の家は売り払うか、貸すか、そのまま残して置くかは、人それぞれ。 キャンプ場やRV Parkから仕事場へ出勤する人。 快適な気候を求めRVで浮浪し、季節毎に別の場所で仕事をする人。 RVを移動オフィスや工房としても用い、ニーズのある場所へ移動して仕事をする人。 定年後の人生をRVingで満喫する人。 全米には、こんなFull-timerが20万人近く存在すると推定されている。 元々が狩猟民族である彼らは、定住せずに移動する事を苦にしない、のではないか? これを顕著に表すのが、本籍という属地管理ではなく、SSN(Social Security Number)という属人管理で個人を特定するアメリカの社会制度だ。
※RVを移動手段ではなく家代わりに使用しているアメリカ人は、130万人(AOL Real Estateより)
 
 
 
Full-timerの多くは、住んでいた家と土地を売り払い、RVに積み込んだ必要最小限の身の回り品で生活している。 RV生活の方が、生活コストを抑えられるからだ。 家に定住していると、庭木や芝生の手入れ、屋根の葺き替え、壁の塗り直し、長年使って来た温水器やエアコン等の住宅設備のメンテナンス、冷蔵庫や洗濯機、調理器具の更新、等の様々な出費が圧し掛かってくる。 現役の内はいいが、子供達が独立した後はよほどの貯蓄が無い限り 定年後の年金だけでは困窮してしまう。 賃貸住まいでも大きな部屋では生活費がかさむ。 そこで、生活の場をRVに移す事で機器が一新され、最小限の生活様式に。 RVを所有していなければ、売り払った動産や不動産による所得の一部をRV購入費に充てる。 こんな計算から、定年の少し前や 定年した年齢のFull-timerが多く、現在も増えているらしい。 現在、年齢別人口占有率の最も高いベビーブーマー世代が50〜60才台になっている。
 
 
 
昨年のアメリカ縦横断旅行でも多くのFull-timerに出会い、彼らのRVに呼ばれて歓談してきた。 やはり、定年後の余生を楽しんでいる老夫婦が、その殆どだった。 彼らは現役時代に自分がしてきた仕事に誇りを持ち、現在のRV生活を惨めに思ったりはしていない。 それどころか、全米各地で仕事をしている子供達や友人、戦友の住む地をRVで周り、放浪生活を楽しんでいる。 屋外で活動するから、常に刺激があってDement-Free。(笑) 極寒地や酷暑を避け、快適な土地を渡り歩くから循環器系に優しい。 更に歳を取って多少身体が不自由になったら、有料老人ホームへ。 でも体調の良い時は、老人ホームに停めているMy RVで長期旅行。 こんな老人ホームが、冬も温和なアリゾナ州フェニックスに沢山ある。
 
Gulf Islands National Seashore south of Pensacola, Florida on Oct. 29, 2013
フルタイマーのエロン夫妻。 エアストリーム(1998年式 トラベルトレーラー)に招かれた。
1時間ほど歓談。 彼は以前、C130ハーキュレス(輸送機)のパイロット。
F-4ファントム(戦闘機)も飛ばした事があり、航空学校の先生も務めていたそうだ。
 
 
■定住場所が無い=住所が無い事(No Domicile)で問題は起きないのだろうか? 不都合な事が色々と起きるハズだ。 考えられる項目を挙げて見た。
 
 1.郵便や配送品 (Mail or Delivery)
 2.車両登録、ナンバープレート (Vehicle Registration)
 3.自動車損害賠償保険 (Auto Insurance)
 4.運転免許証 (Driver License)
 5.各種税金 (Income、Estate or Inheritance、Rental、Property、Individual Enterprise tax)
 6.還付金 (Direct–deposit、Refund Checks)
 7.健康保険 (Health Insurance and Health Care)
 8.選挙権、陪審員 (Voting、Jury Duty)
 9.遺産相続 (Probate)
 
 
やはり、最初に住所ありき。 州の法律や税制、契約している保険の担保範囲は、州や保険会社によって異なるから、住所が無ければ多くの権利は取得できない。 そこはアメリカ、合法な”住所飛ばし”がある。 アメリカ人やアメリカ移民の誰しもが住所=居住地を自由に選ぶ権利があるから、「その州(都市)の人になる」という 強い意志さえあれば”飛ばしの住所”であっても問題無い。 合法な”住所飛ばし”とは、何か? これは単純で、メール転送サービス会社が、Full-timerだけに提供する新住所。 即ち、メール転送サービス会社の現住所+α(POB等)である。 Full-timer向け住所付与を悪用して州による税率差異や利便性の良いとこ取りをするとペナルティが課せられ、罰金US$123,000(約1千3百万円)+社会奉仕活動2年というのが過去最高の刑罰だ。
 
Americas Mailbox in Box Elder, South Dakota
Mail Forwarding, Mail Receiving, Residency, Vehicle Registration Services
建屋の裏は無料キャンプサイト。 背後にはダコタの大平原が広がっている。
ここの従業員も Full-timerだ。
 
■アメリカには、RVer向けメール転送+Full-timer向け住所付与サービスを得意とするメール転送サービス会社が各地にある。 料金は、申し込み時に数10ドル、年間100〜220ドル程度。
 
・Americas Mailbox (Box Elder, South Dakota) http://www.americas-mailbox.com/
・MyDakotaAddress (Madison, South Dakota) http://mydakotaaddress.com/
・My Home Address, Inc. (Hanson County, South Dakota) http://myhomeaddressinc.com/
・Dakota Post (Sioux Falls, South Dakota) http://dakotapost.net/services/
・American Home Base, Inc. (Pensacola, Florida) http://www.amhomebase.com/
・Escapees, Inc. (Livingston, Texashttp://www.escapees.com/
・Montana LLC Creation (Helena, Montana) http://www.mtvehicles.com/
・その他 
Choosing Your RV Home Base こんな本もある。
 
 
どのサービス会社(即ち、州)を選ぶか? 当然、a 他州よりも税率が優遇され(又はゼロで)、b 各種支払を削減でき、c会社のある都市の交通の便(季節に注意)が良く、d 利便性に優れた州にある会社だ。
 
a 所得税(利息や配当)ゼロのAlaska, Nevada, South Dakota, Texas, Washington, Wyoming、又は優遇されたFlorida, New Hampshire, Tennesseeとなり、会社もその州に設立されている。 所得税(給与)は歳入庁IRSが全国一律としているので考慮 しなくて良い。 事業家の場合は事業税がゼロのWyoming,がいい。 自分が持っている資産と、それに適用される各州・都市の税率を掛けあわせた総合額で最適な州を選ぶ。
 
b 自動車損害賠償保険は、住所(居住地)や通勤経路、用途次第で保険料変わる。 健康保険は、これまで加入していた保険が全米各地で担保され無い場合があるので、確認が必要。 Full-timer専用保険もある。 オバマケにより、状況が複雑化しているようだ。 車両登録の費用は登録州により若干の差、又は無料の場所もある。 サービス会社によってはメールやFAXで全てを完結させ、最終的にその州のライセンスプレートと期限ステッカーを指定した場所へ(局留でGeneral Delivery)郵送してくれる。 更新も同様に代行手続きできるので、登録所(DMV)へ出向く必要は無い。 但し、排ガスや車両検査ない州のみ。
 
c 歳入庁IRSの監査を受ける可能性のある人は、北部のサービス会社を選ばない。 冬季に住所へ呼び出される可能性があるから。 5年に1回の運転免許証更新は出頭が必要なので、旧居住州から新住所州へ免許切り替え(州変更)時期に注意。 最初の州変更も出頭が必要。 但し、同州内であれば、どこのDMVでもOK。
 
d 自動車登録、更新で排ガス検査が不要な州(South Dakota, Montana等)、車両予備検査が必要な州(Texas)がある。 排ガス検査は、大概2年に1回だ。 選挙権は必要に応じて選挙民登録する、しないが選べる。 陪審員に選ばれても、長期不在を理由に断る事が可能 。 DMVで免許登録をすると自動で陪審員選考リストに入る。 遺産相続は、Full-timerが所有する資産、財産が多い場合は相続者と事前検討するしかない。 自分の墓石をどの州で購入したかで、その州の遺産税、相続税の税率が適用される。
 
 
Off Ogilby Road ”14 day Camping Limit” BLM Dispersed Camping Area (Free)
 
 
■長々と書いてきたが、日本人には関係の無い話。 でも、もしかしてアメリカへ移住してフルタイマーになるとしたら、重要な内容だ。(笑) アメリカをRV旅行していて、森林や草原、砂漠の中にポツンと停泊しているRVを見かける。 おそらく、RVのラインセンスプレートはサウスダコタだ。 公共の土地を監視するレンジャーは、サウスダコタナンバーのRVがキャンプしていると フルタイマーだと思い、少し眉をひそめるらしい。 何故なら、長期間居座り 自分の土地のごとく公共の土地を使用する輩がいるからだ。 多少、キャンプ制限期間を過ぎても、とがめはしない。
 
このように言うそうだ。

“You may not be following the letter of the law, but you're following the spirit of the law,
and that's what we care about.”

こんなニクイ事を言うレンジャーって、とってもクール!
 
Standard Plate of South Dakota
マウントラッシュモアがデザインされたライセンスプレート
Most of RVers with South Dakota's Plates Are Not Real South Dakotans.
 
<参考サイト> 

About Full-timers
Tips for Full-Time RV Living 1.3 million people live in a RV full-time

<参考情報>
日本人フルタイマー(〜2012年) Japanese Fulltimer ”ayapapaya” Blog Stay Hungry. Stay Foolish
END

この記事に

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    日本で「Full-timer」だと、さしずめ河原や公園でダンボールとブルーシートで自由気ままに生活している方々でしょうか?
    意外と、太陽光パネルとバッテリーで家電が装備されていたりしますよね。(笑)

    [ よんちゃん ]

    2014/10/27(月) 午後 1:38

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    >よんちゃん、コメントありがとうございます。
    RVに乗っていないから、Full-time Camper でしょね。
    電機装備の素晴らしさは日本ならではですね。川に近いから水車で発電している人はいないのかな?

    ふじ○

    2014/10/27(月) 午後 10:32

    返信する
  • また面白く読ませていただきました。
    若い頃に仕事の関係でアメリカのアウトドアのフィールドを周り、ただ憧れの存在だけでしたから、それを実践されているふじ◯さんの記事に、目からウロコでした。

    やはり、アメリカ人にとって自由であることが一番大切であることを改めて感じました

    tosh

    2014/10/28(火) 午前 2:06

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    >TOSHさん、コメントありがとうございます。
    僕の記事に興味を持って頂けて、嬉しく思ってます。
    現地調査がまだまだ不足しているので、今後も情報を集めてみます。もしかしたら僕の記事にミスがあるかもしれませんので、アメリカへ移住してフルタイマーを目指す際は、ご注意下さい。(笑)

    ふじ○

    2014/10/29(水) 午前 7:03

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    アメリカのRV事情に驚きました。メール転送サービスまであるとは。楽しみかたのスケールが違いますね。羨ましいです。

    [ mak**atu20*4 ]

    2014/12/5(金) 午前 6:58

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    >mak**atu20*4さん、コメントありがとうございます。
    自分宛てに届いた郵便はインターネット経由で確認でき、メール転送会社は自分が指定した郵便物を自分が指定した郵便局へ局留めで転送してくれます。 RV大国ならではのサービスですね。

    ふじ○

    2015/1/20(火) 午前 10:03

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