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 デビルスタワー国定公園  
2013年10月22日(火)
 

■アメリカを旅していると、いつも思う。 まさかココに来るとは! 数ヶ月前までは、全く想像していなかった。

One of climax scenes of the movie 

■ココは、中学3年生の時に観たSF映画、”未知との遭遇”のクライマックスシーンで巨大な宇宙船が飛来する場所だ。 当時、原題”Close Encounters of the Third Kind”の日本語訳、”第三種接近遭遇”という言葉が流行した。 美術の授業でポスターを画く課題があったのだが、映画のポスターに触発された多くの男子同級生は地平線まで延びる道路をモチーフにして描いていた事を思い出す。 僕は単車にのめり込んでいたので、”Speciality Machine” という題名で幾何学模様のポスターを描いていた。

”Close Encounters Of The Third Kind” Movie Poster

どこまで車で登る事が出来るのだろうか? 映画のシーンのように間近で見られそうなでワクワクする。

映画では、主人公 Royが不思議な力でデビルスタワーに引き寄せられる。


■昨晩停泊したキャンプ場の事務所、レストランや売店前。 朝の早い時間帯だから?、それともオフシーズンだからなのか?、閉まっていてひっそりしている。 僕ら以外に観光客は見当たらないし、車も通らない。

右の建屋がデビルスタワーKOAの事務所

■キャンプ場を出ると、直ぐそこはデビルスタワー国定公園。 ここに来るまで国定公園とは知らなかった。 1906年、アメリカで最初に指定された”National Monument” 国定公園だそうだ。

イメージ 14

ここからデビルスタワー頂上までの高低差は、400m弱らしい。公園入口に料金所がある。 入場料は車両1台 US$10。 僕らは事前にUS$80で購入した”Interagency annual pass”を持っているので無料。 これがあれば、国立公園や国定公園に1年間無料で入れ、キャンプ場等の割引も適用される。

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Entrance station
前方の車両は観光客ではなく、Park Ranger。

ここで英語版のパンフレットや公園新聞を入手。 イエローストーンやグランドキャニオンでは準備されている日本語版は無いとの事。

事前情報無し。 頼るのは、このパンフレット。

パンフレットを頂く際、「RVは指定場所に停めてね」と言われる。 下調べをしていないので、どのような駐車場か分からない。 走り始めてからパンフレットに挟まっていたRV駐車場の注意書きを見つけた。 ビジターセンターの駐車場は、RVやバスの駐車は禁止との事。 一度駐車場に入ってから、RVは駐車場出口の道路脇に駐車しなければならないようだ。 バスは観光客を降ろしたら退去。


助手席で くろ○がパンフレットを広げている。 3日前に訪問した同じワイオミング州北西端のイエローストーン国立公園グランドティトン国立公園とは異なり、こじんまりとした国定公園のようだ。 麓からビジターセンターのある駐車場は近い。 そこからデビルスタワーを周回する遊歩道がある。 プレーリードッグの町?やキャンプ場もあるが、左側なので後回し。

PDF Map → ココ

料金所の先で川を渡りる。

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前方は、Belle Fourche Riverの橋

その後、緩やかな坂道を時計回りで上って行く。

 Gentle slope road, SR110 Devils Towe National Monument Rd

右側の崖は真っ赤な堆積層だ。

Sedimentary layers

林の中を進むと 突き当りが駐車場になっている。 駐車場手前に一時停止 Stopの標識。

イメージ 17
Google Maps → http://goo.gl/maps/5vR8G

料金所からビジターセンターのある駐車場まで、約7分で到着。 シーズンオフなのでガラガラだ。

Visitor center parking lot

僕らのRVは駐車場を出た路側帯に停めなければならないので、デビルスタワーを背景に写真を撮り、直ぐに移動する。


駐車場の出口方向に進むと、”RV Parking Only”の看板があった。

Sign of RV Parking

RVの駐車場所は、路側帯に”RV+TRL ONLY”と黄色くペイントされた区画。 12台分ほどある。

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Designated PV parking space with painted ”RV+TRL ONLY”


■いよいよデビルスタワーを間近で見る事が出来る。 駐車場からタワーへ向かう小道が見えた。


タワーをぐるっと一周する外回”Red Bed Trail”と内回”Tower Trail”の案内看板がある。
 
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外周 2.8マイル(4.5km)ある遊歩道を進む。
 
イメージ 20

最初は平坦で歩きやすい。

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Red Bed Trail

先住民にとっては神聖な場所で、礼拝に訪れる人々もいるようだ。 看板には、遊歩道から外れたり、礼拝者の持ち物を乱さないようにと書いてある。

 

松の幹が焦げている。 山火事があったようだ。

Pine trees with traces of forest fire

松林を抜けてTower Trailに入ると、大きな岩の中を抜ける遊歩道になる。

Trail through boulders

坂が次第に急勾配になり、更に進むと視界が開けた。

イメージ 1
 Base of the Devils Tower

平坦に戻った遊歩道はこの先も約2km続くが、くろ○の調子が悪いので引き返す。 

イメージ 22
This traill is available on street view → https://goo.gl/maps/aQxs1gF8jgM2

駐車場に戻り、ロータリー中央にある解説コーナーに立ち寄る。

 
Gazebo in parking lot

登山申請書があり、申請書を提出して許可をもらえばロッククライミングも可能だ。


先住民には、熊に関係する言い伝えがあるようだ。

 


■さて、デビルスタワーはどのようにして出来上がったのだろうか? 頂いたNPSのパンフレットやウェブサイトで調べてみた。


Geology Profile

この周辺はブラックヒルズ地質帯に属し、約2〜1億年前(ジュラ紀)に堆積した地層(Spearfish、Gypsum Springs、Sundance)で、6〜5千万年前(第三紀)に隆起したらしい。 この時期の造山運動により、マウントラッシュモア国定公園のあるブラックヒルズやロッキー山脈も形成されている。


この地殻変動より生じた亀裂を辿り地下のマグマが上部の堆積層へ上昇し、冷却されて鏡餅状の餅盤になった火成岩(フォノライト)が、デビルスタワーの母体となっているようだ。 平原に聳える巨岩(モノリス)となった過程については諸説あり、現在も議論が続いている。 地層間にできたマグマ溜まりが冷却され、その後、周囲の堆積層が浸食により無くなり、硬い火成岩が残ったという地下マグマ説や、爆発や浸食で消滅した火山の根元にあった火成岩が、周囲の浸食により突岩となったという火山岩栓説がある。 デビルスタワー頂上に堆積層の残存が無い事や周囲に火山活動の痕跡が見つからない事が諸説を生む原因となっているようだ。

 
左:NPSウェブサイトやパンフレットには地下マグマ説が、
右:最新ニュースとしてScientificAmerican.comには火山岩栓説が掲載されている。

デビルスタワーの壁面は、巨大な熊手で縦に引っ掻いたような崖で、緑色がかった灰色だ。 近くで見ると麓から頂上まで伸びる柱状の岩石に覆われている。 マグマが冷えて固結・結晶化した岩石になる過程で、堆積が収縮して垂直方向に亀裂が生じる現象(柱状節理)を起し、柱状火成岩の側壁ができたようだ。 柱の断面は主に6角形だが、4角形から7角形まであり、対角寸法の平均は6フィート(1.8m)らしい。 崖の麓は、風化して崩れてきたと思われる巨大な岩石がゴロゴロしている。 直近の大崩落は、約1万年前と推測されている。

イメージ 23
Piles of rubble, broken columns, boulders, small rocks, and stones, lie at the base of the Tower

柱状火成岩の高さは約600フィート(180m)。 頂上に近づくにつれて灰色から、くすんだ黄色に変化している。 頂上は楕円の平地になっていて、南北方向100フィート(30m)、東西方向60フィート(18m)。 テニスコート1面分と同じ広さだ。

イメージ 24
Vertical Columns


■なぜデビルスタワーという名前になったのか? その理由や背景について、頂いたNPSのパンフレットやウェブサイトで調べてみた。

図は、Ya-Native.comより借用

北アメリカが西洋移民により開拓される前、周辺には多くのインディアン部族が住んでいた。 先住民にとってデビルスタワーは聖地。 アラパホ族やシャイアン族は”Bears Tipi”と呼んでいた。 19世紀後半、アメリカ陸軍ドッジ大佐が探検した際、通訳が”Bad God’s Tower”悪魔の塔と誤訳してしまい、その後の著書で”Devil's Tower”と書き記した。 所有格の名詞を表すアポストロフィが省略されて、現在の名称”Devils Tower” デビルス・タワーと呼ばれるようになった。 現在も先住民から名称変更の申請が続いている。

 
パンフレットにも言い伝えが掲載されている。

各インディアン部族には、数々の言い伝えが残っている。 NPSサイトに掲載されているも言い伝えの あらましを翻訳してみた。

少女達が遊んでいると、大きな熊が現れた。 熊に追われ、少女たちは岩の上に逃げた。 精霊に「助けて下さい」と祈ると、岩は高く伸び始めた。 熊は岩に登ろうと爪を立てて登り始めたが 、何度も滑り落ちてしまう。 岩は更に伸び、天に届く高さになった。 岩の上に残された少女達は、夜空に輝く星になった。


部族は巨岩のある聖地Bears Tipiへ拝礼へ出かけた。 そこで野営していると、ひとりの男の妻が度々姿を消した。 男は妻が不貞を働いているのではと疑い、妻が姿を消した時に部族から消えた男を探した。 しかし、消えているのは妻だけで、男たちは全員いた。 男が妻に問いただすと、巨岩周辺に住む大きな熊が果物を摘みに来ていた自分に恋をしたと答えた。 男は妻に熊の居る場所へ連れて行けと命じ、部族は熊を殺しに出掛けた。 しかし、あまりに大きい熊に太刀打ちでなかった男達は巨岩に登り逃げた。 追ってきた熊が巨岩に登り始めると、 恐れおののいた男達は精霊に祈りを捧げた。 すると、巨岩が高く伸び始めた。 男達にも勇気が戻り、登ってくる熊を射抜いて殺した。

戦士が巨岩の麓で祈りを捧げ続けた。 気が付くと、彼は岩の上で立っていた。 どうやって降りようかと思案し、再び祈りを捧げた。 眠りから覚めると、彼は麓に戻っていた。 足元にあった巨大な熊の足跡で、彼は熊のねぐらの前に立っている事に気付いた。 巨岩に付いていた筋は、大きな熊の爪痕だった。


■デビルスタワーに似た地質の場所はカリフォルニア州中東部Devils Postpile National Monumentでも見る事が出来る。 日本では福井県坂井市東尋坊

写真はen.wikipedia.orgより借用

また、同じような形をした巨岩(ビュート)は、ユタ州とアリゾナ州の州境にあるMonument Valley やTower Butte、ユタ州南部のValley of God、Castle Valleyでも見られる。

左:Monument Valley 右:Tower Butte
隆起したコロラド高原が約5千万年かけて浸食されて出来た地形で、
約3〜2億年前(ペルム紀〜ジュラ紀)の地層がメサやビュートの崖面に露出している。

 
左:Ship Rockは、3百万年前に噴火した火山の火道にあったマグマが急激に冷えて
固まり火成岩の岩脈(ラコリス)となり、それが浸食されて地表に残ったと推測されている。


■RVに乗り、来た道を引き返す。 途中、右折すると公園キャンプ場に通じる道があったが、通過。 オフシーズンは閉鎖されている。 トイレや水場がある予約不可FCFSのDry Siteのみで、$12/泊。

イメージ 2
Belle Fourche Campground 後記に参考ブログURL

写真を撮る度に気になる、汚れてしまったB号。 早く洗車しなければ。
 
イメージ 25

ここは、プレイリードッグの巣の前の駐車帯。
 
イメージ 26
Prairie dog town
Google Maps → http://goo.gl/maps/p6SWg

よ〜く見ると、沢山のプレイリードッグがいる。 冬が近いせいか、丸々と太っている。

イメージ 27
 
イメージ 28 イメージ 63
 

■午前9時、デビルスタワー国定公園を出る。 観光した時間は、約1時間。

イメージ 29
Back to Entrance station

料金所を出た左にキャンプ場。左右にお土産屋さんがある。

Devils Tower Trading Post

デビルスタワーを背景に昔の衣装で撮影してくれる業者もある。

Old Time Portraits available

シーズン中は大渋滞する道路だが、今日はガラガラ。 停めて写真を撮るのに不自由しない。


公園を出てT字路を右折。 SR24号線を2kmほど南下する。 振り返ると、右側にはレストラン。

infamous Buffalo Burger available at Devils Tower View Restaurant
Google Maps → http://goo.gl/maps/2RtZp

隣にデビルスタワービューキャンプ場が併設されている。停泊していたのは1台だけ。 レストランがある事は知っていたが、キャンプ場があるとは知らなかった。 窓越しの景色が抜群そうだ。 昨晩は、ココに停泊した方が良かったな。 でも、フックアップは電気のみ(US$35/泊)。 シャワールームがあり、停泊以外の人も利用可能。 名物らしいバッファローバーガーも食べてみたいので、次回はココだね。

イメージ 32
Electric only hookups at Devils Tower View Campground

ここの駐車帯(Turnout)は一度来てみたいと思っていた場所。 天気が良ければ最高なのに・・・。

 イメージ 31
Southbound Parking Area on SR24, 2.2miles from Entrance station of Devils Tower NM
Google Maps → http://goo.gl/maps/KGtxf

デビルスタワーの左側にポコポコっと見えるのは、ミズーリビュート。 国定公園に指定される前、ワイオミング州の下院議員がこの一帯を国立公園にしようとしていたが、民意の賛同を得られなかった。

The Missouri Buttes, 3 miles northwest of the Devils Tower

この風景ゆえ、事故の多い場所らしいので注意。 ハイウェイなので路側には停車できない。 後続車の進路妨害となる。

Failure to yield the right of way 写真は、Sweetwater.comより借用


西部交通研究所WTIアメリカ連邦航空局 FAAによれば、この周辺は”No-Fly Advisory Zone”飛行禁止勧告区域になっている。 理由は騒音問題等で、UFO出現とは関係が無い。 ドローンの飛行禁止については分からないが、素晴らしい映像を空撮した方がいる。



僕も映画の主人公 ロイ(Richard Dreyfuss)と同じ様な体験をしたいと、今でも思っている。 UFO、来ないかなぁ。


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速報は、お友達限定記事 アメリカ縦横断 20131022 #11

<参考>
イメージ 4

7月4日独立記念日には、花火が揚がる → http://fineartamerica.com/featured/devils-tower-fireworks-ii-david-m-porter.html
イメージ 3

2015年9月12日はDevils Tower Hot Air Balloon Rally → https://www.facebook.com/DevilsTowerKOA/
イメージ 6

2015年11月7日にオーロラが現れた → https://www.facebook.com/joni.higginshart
イメージ 5
END

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