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(2010年2月12日(金)の活動日記その3)
● 横須賀市をはじめとする県内12市町、外国人の採用を「在留資格」で制限
けさ、神奈川新聞1面のトップ記事を見てとても気になりました。
横須賀市をはじめ、県内の12市町で
『在留資格』によって外国人の採用が制限されているというのです。
これまで横須賀市役所では、姉妹都市から派遣された職員をはじめ、
国際交流を担当する部署には外国人の職員の方がいます。
フジノもそうした方々の姿を見てきましたから
横須賀市役所ではふつうに外国人の採用を行なってきたのだと思っていました。
そうしたら、違うのですね...。
法務省では正式に問題が無いとしているのに
単に在留資格であるということだけで外国人採用を制限しているとしたら
それは『国際海の手文化都市』のキャッチフレーズがウソになる、と感じました。
同時に、それは優秀な人材の確保を自ら放棄していることにもなります。
単に思考停止で『在留資格』=『受験資格なし』としていれば
人事政策の失敗といえるでしょう。
下にその記事を引用します。
(2010年2月12日・神奈川新聞・1面より)
画像1枚目参照
在留資格で職員採用試験の受験資格を認めず
神奈川県内12市町・外国人採用
入管「民間同様に可能」
在留資格が「留学」「家族滞在」など就労が制限されている在日外国人について、
県内12市町が職員採用試験の受験資格を認めていないことが分かった。
民間企業では、留学生であっても
試験後に資格を変更し、採用されるケースが一般的。
法務省入国管理局(入管)も
「民間同様、自治体での就労は可能」
との見解を示しているが、多くの自治体では詳しい検討がなされないまま、
門戸を閉ざしているのが実情だ。
「受験資格なし」としているのは
横須賀、小田原、鎌倉、平塚、三浦、大和、秦野市と大磯、寒川、箱根、葉山、松田町。
例えば留学生の場合、民間企業であれば、
採用の見込みが立った段階で入管で手続きをすれば、就労可能な資格に変更できる。
その上で内定、正式採用の運びとなっており、
一般的には受験資格が認められないということはない。
ところが、「人権担当の部署から『配慮の必要あり』と指摘があった」という横須賀市以外、
「就労に制限がある以上採用はできず、受験もできないという認識」(小田原市)
「民間の状況は承知していない」(大和市)などとして、
受験制限が検討課題にも上がっていない。
制限が設けられた経緯を把握していない自治体がほとんどだ。
一方、受験を認めている市町村でも
「応募例がなく、試験に受かっても採用できるかは不明」(厚木市)
などと、規定のあいまいさが目立つ。
横浜、川崎市では試験は受けられるものの、
採用には永住資格や日本人との結婚といった
就労目的では変更できない資格が必要で、事実上、門戸は閉ざされている。
こうした対応に、入管からも疑問の声が上がる。
「公務員就労を制限する規定はない。
民間でも外国人採用が広がり、その知識、能力を生かしたいという採用側の意向に、
こちらも柔軟に対応しているのだが」。
入管入国在留課は、事務職は「人文知識・国際業務」、
技術職は「技術」への変更で採用の道は開かれるとの見解を示しており、
県内で唯一「採用可能」と明言する県によると、
東京入管横浜支局に問い合わせたところ、他自治体で前例があることを伝えられたという。
県内の外国籍住民はこの5年で14.9%増え、約17万5千人。
昨年各自治体に外国人施策のアンケートを行った市民団体
「民族差別と闘う神奈川連絡協議会」の大石文雄さんは
「在留資格による制限は、
積極的に外国人を採用しようとしない行政の姿勢を映し出している」と指摘。
「定住化が進み、就職を迎える外国籍の子どもも増えていく。
国際化の現実を見据え、門戸を開いておくべきだ」
と話している。
◆在留資格と就労制限
国内で就労ができない在留資格は「留学」「就学」「家族滞在」など。
就労制限のない永住資格を得るには10年以上の在留が必要で、
それまでに就職時期を迎える若年層が増えることが今後予想される。
法務省の調査では
2008年に日本企業に就職することを目的とした資格変更は約1万1千件。
5年前の約3800件から3倍近く増えている。
(石橋 学)
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(引用終わり)
以上が1面トップの記事でした。
唯一救われたのは、記事の中で
>ところが、「人権担当の部署から『配慮の必要あり』と指摘があった」という横須賀市
という一文があったことです。
横須賀市の人権・男女共同参画課は優秀で良かった!
問題を問題として認識しているということは、改善される日も近いはず。
さらに神奈川新聞は、社会面でも大きく報道していました。
その内容は以下のとおりです。
(2010年2月12日・神奈川新聞・社会面より)
画像2枚目参照
地方公務員、在留資格で受験制限
第2の国籍条項に
新たな壁、子らに危惧
地方公務員の採用試験で、在留資格によって設けられた受験制限。
外国人採用を認めてこなかった国籍条項が撤廃されて10年余がたつが、
在留資格が新たな壁となっている格好だ。
外国籍の子どもたちを支援する関係者からは
「国際化が進む地域の現実に即していない。
このままでは『第2の国籍条項』になってしまう」
と危惧する声が上がる。
夕暮れ時、学校帰りの子どもたちの弾むような声が響く。
中国、フィリピン、タイ、ウクライナ、ロシアと国籍は様々。
横浜市南区にある「信愛塾」は、
在日外国人の子どもの学習支援を行なっているNPO法人だ。
約30年前、地域や学校で
孤立しがちな在日コリアンを支える場として始まり、
今ではニューカマーの子どもたちが中心だ。
県民約900万8千人のうち、外国籍は約17万5千人。
県民50人に1人が外国籍の計算だ。
中国、フィリピン国籍の増加が目立ち、
塾の日常はその縮図。
事務局長を務める大石文雄さんは
「この子たちもあと数年で就職を迎える。
定住化も進み、やがて公務員として働きたいという若者も
出てくるはず」
と見通す。
そこに立ちはだかる在留資格による受験制限の壁。
脳裏で結びつく記憶がある。
在日コリアンの権利向上を求め、外国人の地方公務員就労に道を閉ざす国籍条項の
撤廃運動が広がったのは1990年代後半のこと。
大石さんは市民団体の代表として、その先頭に立ってきた。
「在日は公務員になれない」という壁が、
どれだけ日本人と机を隣にした在日の若者の可能性を摘み、
劣等感を刻み付けてきたか。
その裏返しとして、どれだけ日本社会の差別意識を助長し、
国際化を妨げてきたか−。
その目に、在留資格による制限は「第2の国籍条項」に映る。
民間企業では、留学生を中心に
外国人を積極的に採用する動きが進む。
大手コンビニのローソンでは昨年採用した
正社員約120人のうち、3分の1が外国籍。
「期待しているのは多様性。
日本人だけでは出てこない新しい発想を求めている」
いずれも将来、管理職や役員になる人材としての位置づけだ。
一方で変わらぬ役所の閉鎖性、
外国人を地域を構成する市民として見ることができない
認識の低さ。
午後6時半、勉強を終えたスリランカ国籍の女の子が
目を輝かせた。
「受験まであと少し。頑張ります」。
両親と来日して1年だが、母国語と日本語を使いこなす
聡明で利発な中学3年生。
大石さんは思いを新たにする。
「今後はこうした多言語、多文化を備えた子どもたちが
必要とされ、社会を担っていく。
役所の人たちにはこの現実を知ってほしい」
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(引用終わり)
これは、いま政府が法案化しようとしている
政局的な思惑が絡みついた
外国人への参政権付与の問題とは全く性質が違います。
『働くこと』というのは、人が生きていく根っこの問題です。
それを制限してしまうのはとてもまちがっています。
しかも法的には採用することに問題が無いにも関わらず、
さらに民間企業ではすでに当然のこととして採用をすすめているのに
公務員だけが受験そのものも制限しているとしたら
それは明らかに市民のみなさまの側にとっても『損失』となっています。
フジノはこれまで市職員の採用において
障がいのある方々を排除するような『欠格条項』の廃止を求めてきました。
(http://www.hide-fujino.com/diary/2009/dec2.html#091208)
障がいのある方々が職員となることを排除するような市役所では
人事政策の観点からも、組織のマネジメントの観点からも、ダメです。
こうした事柄を『人権問題』として語る方々も多いかもしれませんが
フジノは違います。
単に人権問題としてだけではなくて、
強い組織をつくり運営していくという経営の視点から判断しています。
現実的に、障がいのある方々をたくさん雇用している会社というのは、
業績も優れていることが極めて多いのです。
それはつまり、人材マネジメントがとても有効に機能しているからです。
今回の『在留資格』による外国人の排除も、同じです。
こんなことで排除をするような組織は、弱くてもろいダメな組織です。
当然ながら理不尽な排除ですから
『人権』の観点からも誤りです。
しかし、優秀な人材を雇うことを根拠が無くて制限しているのですから
何よりもまず市民のみなさまにとって『損失』を与えていることになります。
だから、フジノはこの問題を
横須賀市が先頭を切って改善できるようにしていきたいと考えています。
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