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(2008年12月12日(金)の活動日記その2)
● ハード面での自殺対策の重要性
自殺予防対策を総合的にすすめる、ということは
自殺に追い込まれる個人の心理的な要因だけの対策ではなくて、
自殺へと人々を追い込んでいく社会的な要因を潰していくことなのです。
そんな社会的な取り組みの1つには、
『危険な場所』を『安全な場所』へと変えていく、
という手段もあります。
これは見逃されがちなのですが、確実に意味があります。
下の画像は『自殺対策白書(平成19年度版)』です。
政府もこうした『ハード面』への対策の重要性を認識しています。
写真1枚目
ひどい単語ですが『自殺の名所』という言葉があります。
古くは、華厳の滝や青木が原の樹海などが
小説・映画などでも取りあげられてきました。
こうした場所で、有名な人物が亡くなったり、
たくさんの方々が亡くなったりすると、
少しずつ「あの場所ならば自殺ができる」という
まちがった刷り込みが人々の意識になされていってしまいます。
けれども、そうした場所に自殺を予防する取り組みを行なうことで
確実に自殺を減らすことができるのも事実です。
例えば、フェンスも何も無い、高いガケがあって
深夜の人目が無い時間に誰でも入れる、とします。
こういった場所に、フェンスを設置する、
夕方以降は入場できないようにする、
定期的にパトロールを行なうようにする、などの取り組みを行なうことで
『自殺しやすい危険な場所』というものを
減らしていくことができるのです。
● 駅ホームへの青色照明灯の導入
そんな訳で非常に重要な対策の1つなのですが
つい2日前、読売新聞にとても興味深い記事が報道されました。
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(2008年12月10日・読売新聞より)
■「青い光」で飛び込み防げ!京急・弘明寺駅、設置後ゼロに
防犯効果があるとして
街路灯に用いられるようになった『青色照明』を、
鉄道会社が踏切や駅ホームに、
飛び込み自殺防止の目的で導入する動きが広まっている。
実際に自殺防止に役立つかどうかは
専門家の間でも意見が分かれているが、
すでに青色照明を設置している鉄道会社は
「それまで毎年起きていた自殺がゼロになった」
などと効果に手応えを感じている。
京浜急行は今年2月、横浜市南区の弘明寺駅で、
ホームの端の照明8基を青色に変えた。
同駅では前月の1月、ホーム端の人けのない場所で
2日続けて夜間に飛び込み自殺があった。
同駅は、未遂も含め、毎年2、3件の飛び込み自殺が起きており、
「自殺を1件でも減らすため、できることはなんでもしてみようと、
わらにもすがる思いで始めた」
(同社鉄道本部安全対策担当)という。
同社によると、同駅では青色照明設置後、飛び込みは起きていない。
JR東海も今年8月以降、
愛知や岐阜、三重県で、東海道線や中央線などの踏切計10か所に
試験的に青色照明を設置し、効果を探っている。
JR東日本やJR九州でも、導入に向けた検討を始めている。
鉄道会社の中で青色照明をいち早く導入したのはJR西日本だ。
車が強引に踏切を渡るケースが後を絶たず、
頭を悩ませていた同社は、2006年12月以降、
大阪府と和歌山県を結ぶ阪和線などの踏切計38か所に
青色照明を設置。
その結果、夜間の車の踏切事故がゼロになり、
飛び込み自殺もなくなったという。
国土交通省の調査では、
07年度に全国の鉄道で起きた飛び込み自殺(未遂含む)は640件で、
前年度より約2割(106件)増えている。
鉄道各社によると、飛び込み自殺が多いのは夜間だといい、
JR西は青色照明による自殺防止について
「一定の効果があることは間違いない」
(広報担当)と自信を見せる。
防犯や自殺防止だけではない。
東名高速東京インター付近では01年から、
事故防止を目的に上下線1・8キロにわたって青色照明計152基を設置。
「『落ち着く』『冷静』というイメージを
ドライバーの感性に訴えることで、安全運転を促すのが狙いの一つ」
(中日本高速道路)としている。
同社が名神高速・養老サービスエリアの
ゴミ箱近くの照明を青色に変えたところ、
家庭ゴミの不法投棄が2割以上減少したともいう。
青色照明の効果について、
慶応大の鈴木恒男教授(色彩心理学)は
「青色を見ると落ち着くという実験データはあるが、
珍しい色だから人目につくため、犯罪や自殺を避けようという意識が
働くことも考えられる。
ただし、明かり一つですべて食い止められるという
過大な期待は禁物」
と話す。
◆青色照明◆ イギリス・グラスゴー市が2000年、
景観改善のために街路灯に導入、
犯罪発生件数が減少したことで注目を集めた。
日本では05年に奈良県警が導入を進めたところ、
1年後に周辺の夜間の犯罪認知件数が約9%減少。
その後も、北海道から沖縄県まで各地で
防犯灯として取り入れられるようになった。
(引用終わり)
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ということで、フジノもさっそく弘明寺駅へ行ってきました。
まず昨日、明るい昼間の時間帯に行ってきました。
横須賀の人間にとってはなじみの深い、
よく見られる京浜急行のふつうの駅の印象でした。
続いて今日は、夜になってから行ってきました。
写真2枚目
青い色なので目に焼きつくようなまぶしさは無いのですが
予想以上にとても明るい感じがしました。
写真3枚目
ホームの真ん中にある屋根がある部分を離れると
トンネルに向かって30mくらいホーム部分が続いているのですが
そこに青色照明灯が設置されていました。
写真4枚目
いろいろなことを考えながら
15分くらい、その下に立っていてみました。
12月議会が始まってからわずか1週間のあいだに
フジノは複数の自殺と自殺未遂の相談・報告を受けました。
どの相談・報告も、僕には本当にとても悲しくてつらかったです。
一報を受けてから次の連絡を受けるまでの時間は
本当に苦しいです。
死なないでほしい、どうか生きていてほしい、
という想いで祈りながら
ジリジリとあせる気持ちで連絡を待ちながら、
市長への質問や委員会での質問原稿を書いていました。
そんな想いで毎日を過ごしていますので
この青色照明灯のニュースは、とてもこころづよく感じました。
青色照明灯の導入が「本当に有効か」ということは
やがて日本でも何年か経ってから
統計的にエビデンス(証拠)として明らかになるでしょう。
もちろんエビデンスは大切です。
けれどもエビデンスに加えて今、
最も大切なことは
「自殺を1件でも減らすため、できることはなんでもしてみよう」
という行動そのものです。
もしもエビデンスが明らかにならなければ、
それはそれでその時に取りやめればいいのです。
自殺を無くしたい、減らしたい、という行動そのものが
多くの人々の意識を変えていきます。
だからこそ、行動こそが今は必要なのです。
今回の京浜急行の取り組みは
自殺ゼロの社会を願ってやまないフジノにとって
とても心強い援軍のように感じました。
さらにこの取り組みを多くの駅へと広げてほしいと願っています。
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