3月21日(水)「散るぞ悲しき」(梯久美子:新潮社:1,500円)読了。★★★★☆
| おもしろかったです。今年になって読んだ本のなかで一番よかった。 |
硫黄島総指揮官・栗林忠道中将が硫黄島に赴任して戦死するまでの一年間を描いたノンフィクションです。 |
| | 栗林忠道中将は日本よりもアメリカでの知名度の高い人です。「最もアメリカ軍を苦しめて多くの人的被害をもたらした日本の軍人。日本軍将校のなかで最も合理的に物事が判断できた優れた軍人」としてアメリカで評価されている人です。 |
| 書中、硫黄島から東京の家族に宛てた48通の手紙が紹介されています。検閲を受ける立場でなかったので、大胆に正直に当時の硫黄島のことや、家族への配慮が書かれていて感動します。 |
| 栗林中将は、アメリカ軍に勝つ戦いではなく、できるだけ持久戦に持ち込んで米軍の死傷者を増やし厭戦気分を米国内に巻き起こし停戦へ持ち込むことを考えます。そのために、島中の地下にトンネルを縦横にめぐらして徹底抗戦を計画します。対して東京の大本営はもう通用しなくなった水際での迎撃攻撃を指示します。苦しい状況の中で自らの信念に従って行動し、最後は兵といっしょに戦士してしまいます。 |
| 丁寧な取材と戦争を否定的にとらえる視点で構成された優れたノンフィクションです。日本軍=大本営の誤りを指摘しつつも、家庭人として家族のことを心配し続けた人間としての栗林忠道中将の一面をよく描いています。 |
|
TBさせていただきました。 栗林中将の家族への思いに胸を打たれました。
2007/5/17(木) 午後 8:09 [ taumu ]