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3月21日(水)「散るぞ悲しき」(梯久美子:新潮社:1,500円)読了。★★★★☆
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読書日記
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2月9日(金)「知財革命」(荒井寿光:角川書店:686円)読了。 ★★★☆☆ 著者の荒井寿光さんは、東大法学部〜通産官僚〜特許庁長官〜通産審議官というエスタブリッシュメントの王道の勝者です。 普通、こういう人が書いた本というのはつまらない、というのが常識なんだけど、この本は面白かった。 日本の知的財産行政のトップに立ち、世界と日本との差を痛感した立場からの貴重なメッセージです。 簡単に要約すると、
面白いの中国ビジネスについての意見です。 一般の日本人の中国に対するイメージは、「世界の工場」として安い労働力でいろんなものを作っている国。コピー商品・ニセモノブランド商品もたくさんつくられているところ、だと思います。 しかし現実はものすごい勢いでかわりつつあります。中国は「世界の工場」から知的財産立国に変わりつつあります。コピー商品の天国だったこの国も、自らの知的財産を守るために知的財産保護の法制度を整えつつあります。そのスピードは驚異的です。 偏狭なナショナリズムやネット右翼的な視点でしか中国やアジアを見ることができない人は、これらの国々の変革を見ることができないでしょう。 私も企業(化学メーカー)の知的財産部署にいますが、今この分野で働いている人の関心は中国の知的財産のこれからです。 毎日のように、有料・無料の中国関連のテーマを扱ったセミナーや勉強会の案内が送られてきます。 私の勤務する会社もこれまでは香港事務所で中国ビジネスを対応していましたが、顧客(日本の自動車メーカー、合繊メーカー)の要請により、上海とシンセンと南通(ベトナムに近い)にも事務所を開設することになりました。 中国にビジネスの拠点がないとやっていけない時代です。
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2月3日(土)「俳優 松田優作全集」(冬幻舎:4,800円)読了。 ★★★★☆
そんなこともあってか、私には憧れの俳優や映画スターはいない。 強いて挙げるのであればそれは、「松田優作」だろう。 この本には、デビュー作から遺作に至るまでの、松田優作の全作品が解説されています。豊富な写真・関係者(妻・友人)の証言を伴っています。 単なる作品解説集ではない。作品を通じて成長する松田優作の「人間の記録」にもなっています。 づっと気になる俳優でした。この本を読了して実はほとんどの松田優作が主演したTV・映画作品を観ていたことに気付きました。 暴力的で切れやすく、場当たり的に仕事をこなしてきた印象の人ですが、違いました。 松田優作は幼少期からの読書家であり、弁護士を夢見てアメリカ留学をしますが挫折。東京で俳優を目指します。 TVドラマ「太陽にほえろ」のジーパン刑事役に抜擢されてからの活躍は誰もが知るところです。 映画やドラマについての取組みや思い入れは誰よりも深く、作品化されることはなかったが自身でもたくさんのシナリオを書き残しています。プロデューサーとしても非凡な才能の人でした。 仕事に対しては「妥協を知らなかった」ため、現場では数多くのトラブルを引き起こします。こんなところから、暴力的で切れやすいというイメージが定着したのでしょう。 「陽炎座」「家族ゲーム」以降は、役作りのために奥歯を抜いて頬の骨を削る手術をしていたことも知りました。
団塊世代の最後の人です。 |
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1月30日(火)「異邦人の夜」(梁石日:毎日新聞社:1,800円)読了。 ★★★☆☆ 梁石日(ヤン・ソギル)氏の作品については、過去に「夜を賭けて」「タクシー狂想曲」「血と骨」を読んだことがあります。どれも骨太の作品でおもしろかったです。 「異邦人の夜」はふたりの女性が主人公です。フィリピンからやってきたマリアと韓国人を父に持つ在日2世の貴子です。対照的なふたりです。ニューカマー(新渡日)とオールドカマー(旧渡日)、極貧のなかで育った者と裕福なお嬢様という組み合わせです。 しかし、このふたりは互いに接することはない。彼女たちをとりまく男たちを描くことで、ふたりの物語がスパイラルしながら展開してゆきます。つまりふたつの物語が同時進行する構成です。 夜の世界(水商売)をカラダひとつで駆け上がってゆくマリアと、帰化した父のルーツを探ることで自らの存在意義を模索する貴子の話です。 ディテールやエピソードがリアルで楽しませてくれます。
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1月26日(金)「コリアン・ザ・サード」(新井知真:オークラ出版:1,200円)読了。 ☆☆☆☆☆
ブログの管理者であり著者である新井知真氏は、自分が在日であると両親から知らされたのは小学校6年生のときだという。 その著者が、「参政権」「指紋押捺」「歴史認識」「強制連行」「帰化問題」についての考えを述べたもの。 そこに述べられていることは全て、日本の保守層たとえば「新しい歴史教科書をつくる会」に集う人々が日々口にするような内容です。 新しい切り口も、提言も何もない。 変わってるのは、それを言ってるのが「在日3世」の著者である、という点。 日本人の保守層や歴史修正主義の人が言うことを、「在日コリアン」が言ってるのです。
ただそれだけの話。 「自分が在日コリアンとして差別された経験などない」というたったそれだけをよりどころとして、旧植民地出身者やその子孫が背負ってきた苦労や、これからも続く差別の一切に背を向けて、多くの日本人の保守層に媚を売って恥じないその姿は哀れである。 姜尚中先生の彫琢の極みの文章と深い視点を堪能しただけに、そのあまりの「落差」に下痢になりそうでした。 どんな意見や考えを持つのは自由ですが、
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