福縁譚

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興味深い明青花を入ったので、明清青花染付け顔料の呉須について少し書きます。
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(嘉靖青花三格筆洗
呉須の発色は回青配合のためにややや紫色調があり。
表釉が濁白釉のため、外観上はやや灰色調もあります。
これは嘉靖青花の特徴)

この品は四方三格筆洗と言う。
墨筆と色ペンなど分け洗いに便利な書斎用品で、凡そ明嘉萬時期に出現した様式です。
三格洗は明、清、現代まで作ってますので、各時代に造形的に基本相当ですから、
形での製作時期の判断はできないから、形以外の現象から分析するしかない。
釉薬や土、焼き状態などから判断すると基本的に明後期のものかと思われますが、
もうちょっと絞ると、染付けの呉須の様相および絵付け方法などから入手することになる。
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(嘉靖青花三格筆洗細部)

この品の絵付けは呉須濃淡2色を使い分け、濃い色は輪郭線、輪郭の内部を薄い色で塗り潰す。”2分水”といいます。

2分水の呉須は、中国国産常用の基本呉須(価格が安い)に”鈷料”と呼ばれる純度の高いコバルト鉱石粉(国産と輸入があります、価格が高い)を混ぜることで作り出す。

例えば:
線描きの濃い染付には:呉須6+コバルト4 
塗り潰す淡い染付には:呉須8+コバルト2
という配合になります。

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(コバルト鉱石)

大体安い基本呉須は色が暗い、淡い。
元明清景徳鎮に使う基本呉須は:
土青(明早期多用、暗藍色調暈けやすい。民窯ものが多用。)、
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(洪武民窯碗)

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(明初期 土青(黒呉須))


平等青(成化〜弘治、淡青淡雅、発色安定、国産呉須の中一番色感がよい。癒着や縮釉現象がない、色が浮ばない。)、
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(成化民窯)

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(成化官窯)


石子青(暗淡調、暗黒調。濃青色。暈け安い。明清民窯の基本呉須、民窯精製品と官窯はコバルトと配合して使う。癒着や縮釉現象があります。単独使用の場合は広い癒着や錫化現象がない。)
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(宣徳官窯、石子青+蘇青配合)

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(明永宣民窯、石子青)

浙青(純青発色安定、明末から清末の景徳鎮窯の主要呉須、癒着や縮釉現象は非常に軽いので、あまり気が付かない。色が浮ばない沈まない。)

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(清早期民窯 浙青

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(乾隆官窯 浙青+国産コバルト配合。

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(雍正民窯 浙青+石子青配合
(清早期三代の染付倣古絵付け方法として、葉、花に大小均等ではない点を無規則に施している。明早期蘇青の癒着現象を表現し、陰陽光を表現する役割がある。)

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(晩清民窯 浙青 倣古絵付け、大小均等、羅列疎松の点を入れている。)


珠明料(明亮秀麗な淡青、康煕年だけになります。淡青の発色は艶麗して、濃淡の調整はしやすいため、山水絵付けに適している。単独使用で癒着や縮釉現象がない。色がやや浮びます。)
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(康煕官窯 珠明料)

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(康煕民窯 石子青+珠明料配合)

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(康煕官窯 石子青+珠明料配合)

元明清に使うコバルト顔料:
蘇麻離青:(元〜明宣徳、ペルシア輸入。色は濃重な青翠感があります。
土青と混合して使う。蘇麻離青の発色に黒青または蔵青の癒着点があります、癒着深いところは錫化斑点が見られる。
なお、地土に沁み込むので、絵付け部分の表面に縮釉現象があります。)

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(元 蘇青、癒着や縮釉現象は明らか)

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(元 石子青+蘇青配合)

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(元 石子青+蘇青の錫化斑点)

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(宣徳 石子青+蘇青 癒着点と錫化現象)

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(現代写しの錫化現象と癒着)

回青:(明正徳中〜萬暦初期、中央アジア産雲南経由して輸入した呉須。群青色、発色深い、明亮、紫色調。
石子青と配合して使用。明嘉靖、隆慶年ものの発色は特によい。
回青配合の呉須の発色は比較的安定明亮にして地土には食い込まない。
紫色調があるほか、色濃い部分に小さいな癒着点がありますが、
縮釉現象もありますが、蘇麻ほど酷くない、錫化現象がない。)

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(嘉靖官窯 回青)

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(嘉靖官窯 回青)

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(嘉靖民窯 淅青+回青配合 癒着現象があまりない)

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(萬暦民窯、石子青+回青配合、濃色線上に癒着点が見られる。)

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(嘉靖民窯 淅青+回青配合、濃色線上に癒着点や縮釉現象がある。)


国産コバルト:(基本呉須からの精練呉須になります。輸入コバルトが欠如している時に精練されるだが、
色調は基本呉須と変わらないが、発色の深さや明瞭さを増加する。軽い癒着や縮釉現象が観察できる。)

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(清晩期 浙青+精練コバルト。倣宣徳絵付け)

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(光緒 浙青+精練コバルト 倣古絵付け、大小均等、距離規則の点を入れている。)



化学コバルト:清宣統年以降に使われた。
平坦、明亮、艶麗、発色が浮びます。色調の変化はまったくないです。
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(宣統化学青料の倣古絵付け、図線の内縁近く大きさ均等、並列状態の点を入れている。)


明清景徳鎮窯用呉須について、ほかの記事や古陶磁知識にも紹介していましたが。
今回は時代別特有な呉須現象を羅列しましたので、青花年代鑑別に欠せない知識です。

追伸:
明清陶磁青花史上にいくつか特別綺麗な発色ものがありますが、配合の詳細については不明です。
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(永楽宝石藍 淡蘇青 )

イメージ 32
(弘治平等青 国産コバルト)

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(天啓 官窯回青)


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(崇禎 回青?)


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(順治 珠明料?)

イメージ 37
(雍正 浙青?)

<完>

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