福縁譚

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前篇には宿題を出しましたよね?w
なぜ、日本の伊万里焼に”大明成化年製”の写し落款があったが、
”大明永楽年製”や”大明宣徳年製”の写し落款がなかったかという問題ですが、
私も実にはっきりと説明できない。

しかし、悩む問題についてついつい思考してしまう習慣があって、明早期の永楽宣徳と明中期の始まりの成化時期と文化上はどんな変化があったか質問の仕方を変えれば、答えがはっきりとある。

陶磁歴史上の”明空白期”は、史書上では”明暗黒時期”と呼ぶことがあります。
永楽〜宣徳年間の文化は基本的に、宋の美学を戻ろうとしています。古典で優美な貴族文化であると同時に、形式に拘る。
だから、永楽、宣徳の官窯陶磁の形と絵付け模様もこゆう特徴があります。

明暗黒期には民間では、元の時代の美学へ戻ろうとする動きがあります。空白期の景徳鎮窯の製品は外観上は元のものと似ている。

漸く内乱外戦が収まって、更に明軍による”河套地区”の収復により、北中国の経済と軍事の優位を確報した。
(河套地区:黄河曲がり北岸の豊作地区、今の河北省。元の時代にモンゴル鞑靼部に占拠された。)

このような背景で、経済と文化の繁栄が到来した。幸いに、成化皇帝は政治的傾向の”緩い”王様でしたので、各種美術流派や、民芸民俗文化も開花した。

この背景の下で出来た成化官窯闘彩の風格はもはや”宮廷的”ではなく、庶民的な美学によるもので、絢爛多彩、快楽吉祥の喩意を重視するようになりました。成化窯の陶磁造形も、既定の様式から解放し、陶磁実用美学の軽、巧、能と三拍子を揃っている。
(図 宣徳青花高足杯 Staffordshire University collection,  UK)
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(図 北京故宮博物館蔵 成化闘彩小杯)
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史書上では、成化年の古典旧制度から開放した政治と文化の雰囲気を”成化新風”と呼ぶ。
その同時代の日本は東山文化時期にい
る!

永楽〜宣徳時期の日本は室町時代初期に”勘和貿易”に影響されている北山文化時期、私もよく研究していませんが、およそ”能楽”や”禅宗”が大発展した時期と言われている。宋元文化を継承していると同時に、一種の貴族文化のように思われます。(だから”金閣”なんだ!)

応仁・文明の乱で貴族たちが民意が失われたと思う。庶民の心を収拾するために、東山文化が生まれたと思う。

東山文化時期は”銀閣”、より広い範囲で、庶民的で受けやすい茶道や、華道が生まれたという。
田村珠光が好む茶碗は宋官窯や汝官窯や、御用の天目茶碗ではなく、福建民窯の平和窯青磁茶碗に目を付けたから、わびさびという普遍的な美学を推崇した。
(図:出光美術館蔵 珠光青磁茶碗、南宋福建平和窯)
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現代に受けつかれる日本文化の多くは東山文化より生まれたものと言われます、
文化は宮廷から民間へと普及すれば、漸く”国風”という国民文化ができることは、
その点について、中国も日本も同じと思います。

だから、永宣窯はあくまでも宮廷風の鑑賞範囲のもので、庶民的な鑑賞対象になるものはやはり成化闘彩や萬暦赤絵、そして、天啓赤絵や天啓染付である。だから、伊万里焼の使用対象を考えるとやはり写すものはその範囲ではないでしょうか?

追伸ですが、日本で流伝している呉須手や呉須赤絵ものは、明末清初めに福建窯の貿易陶磁です。主に、明後期景徳鎮窯の輸出手染付(芙蓉手)や天啓赤絵を手本に作ったものです。その内、日本商人からの注文品も多くあります。
(図:福建窯平和窯呉須手皿)
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(図:福建漳州窯呉須赤絵皿)
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最後、本節を終了する前に、一つ説明があります。
本節の表題に”太明成化年製”と書いているですが、”大”を”太”に筆誤したではなく、伊万里焼の写し落款によく”大明”を”太明”と書く習慣があります。それは伊万里焼き職人の識記号ですから、正しく言えば、”太明成化年製”は落款ではなく、一種の識款です。

(図:古伊万里写し落款サンプル)
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(続く・・・)


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