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  • 日時 2015年6月26日(金)
       IWJ  Independent journal Web
 集団的自衛権の行使は、日本の安全保障政策において「愚の骨頂」である――。
 自民党・公明党の推薦で衆議院憲法審査会の参考人として招致されたにも関わらず、安倍政権が今国会での成立を目指す安全保障関連法案について「違憲だ」と証言した、早稲田大学法学学術院教授の長谷部恭男氏は、2015年6月26日に岩上安身のインタビューに応じ、このように断言した。
 では、現在国会で審議中の安保法案は、どのような点で違憲なのか。長谷部氏は、解釈改憲による集団的自衛権行使容認を閣議決定した2014年7月の閣議決定が論理的に破綻しており、自衛隊の活動範囲に関する法的安定性を大きく揺るがすものであると、厳しく指摘する。
 政府はこれまで、現行憲法9条のもとでは、日本に対する急迫不正の侵害があり、これを排除するために他の適当な手段がない場合にのみ、個別的自衛権の行使のみが容認されるという解釈を維持してきた。しかし、集団的自衛権は、個別的自衛権と異なり、自国ではなく他国を守るためのものであるので、憲法9条を改正しない以上、明白に憲法違反なのである。
 長谷部氏はこの日のインタビューにおいて、憲法学の観点からだけでなく、外交・安全保障の観点からも安保法案を批判。集団的自衛権の行使は、限られた自国の防衛力を全世界に拡散させるという点において、まさしく「愚の骨頂」だと語った。
  • 記事目次
  • 砂川判決は、集団的自衛権を争点にしていない〜法律学の「イロハのイ」が分かっていない、安倍総理と高村副総裁
  • 「国を守るとは、憲法を守ることです」
  • 安保関連法案を「合憲」だと述べ、徴兵制を主張する3人の憲法学者
  • 集団的自衛権が論理的に破綻している、これだけの理由
  • 日本の限られた防衛力を世界中に拡散させることは「愚の骨頂」
  • 長谷部恭男氏(早稲田大学教授、憲法学)
  • 日時 2015年6月26日(金)10:00〜
  • 場所 早稲田大学早稲田キャンパス(東京都新宿区)

砂川判決は、集団的自衛権を争点にしていない〜法律学の「イロハのイ」が分かっていない、安倍総理と高村副総裁

岩上安身(以下、岩上)「本日は、早稲田大学法学学術院教授の長谷部恭男先生にお話をうかがいます。長谷部先生は、6月4日の衆議院憲法審査会で、自民党の推薦にも関わらず、『違憲である』と発言されました。自民党の責任者である船田元議員は、すごい目で長谷部先生を睨んでいたわけですけど、この経緯についてお聞かせください」
長谷部恭男氏(以下、長谷部・敬称略)「これまで、何回か参考人として招致されたことがありますが、事前に『何党の推薦』ということが分かっていたことはありません。当日の憲法審査会のテーマは立憲主義でして、安保法制の合憲性が主題ではありませんでした」
岩上「一連の安保法制が合憲か違憲か、ということと立憲主義はどういう関係にあるのでしょうか」
長谷部「立憲主義のミニマム(最小)な意味として、権力を制限する、というものがあります。その点で、立憲主義にもとるということが言えます」
岩上「日本記者クラブの会見で、自民党の政治家からの『安全保障の素人だ』という批判に答えていますね」
長谷部「私は、日本の安全保障の要である特定秘密保護法に賛成しました。私が安全保障の素人なのであれば、特定秘密保護法を撤回することが論理的帰結だと思います」
岩上「政府・自民党は、集団的自衛権の根拠として、砂川判決を持ちだしています。この点に関して、異論があるとのことですが」
長谷部「私の異論というよりも、学会の主流だと思いますが、砂川判決の争点は日米安保にもとづく米軍の駐留が合憲か違憲か、というもので、集団的自衛権は争点ではありません」
岩上「この砂川判決を集団的自衛権行使容認の根拠として持ちだしたのは、自民党の高村正彦副総裁でした。安倍総理もG7後の会見で、この砂川判決に言及しています。こういった点に関しては、どのように考えますか」
長谷部「高村氏や安倍総理が言っていることは、法律学のイロハのイに反するものだと思います。砂川判決は、日米安保のような高度な政治的問題については判断をくださないという、統治行為論の一種を採用しています。なぜかというと、裁判所は個別具体的な紛争について審理し、答えを出す場所であり、全体を見渡して判断をする場所ではないからです。
 自民党の政治家の方々は、最高裁さえ逃げるのであれば、学者は黙っていろ、ということをおっしゃりたいのだと思います。しかし、そういうものではありません。違憲であるものは違憲です」
岩上「日本は、米国とは同盟関係ではなく、自らの主人なんだと。追従していればよい、日本は米国の一部なんだ、と考えている人々がいます」
長谷部「日本と米国はあくまで別の国です。米国が日本のために軍事行動を起こすとすれば、連邦議会の承認が必要です」

「国を守るとは、憲法を守ることです」

岩上「政府・自民党議員による発言についてお聞きしたいと思います。麻生太郎副総理は、『やれ憲法だと、訳の分からん話にしないほうがいい』などと発言しました」
長谷部「自らが国会議員であるのが憲法のおかげであるということが分かっているのか、という話です」
岩上「高村正彦副総裁は、議員でありかつ弁護士です。彼の発言についてはどのように考えますか」
長谷部「砂川判決の判決文からは、集団的自衛権に関する一般法理は出てきません。憲法尊重擁護義務が分かっているのなら、そういうことは言うべきではない」
岩上「稲田朋美政調会長の発言についてお聞きします。彼女は、いざという時、国を守るのは憲法ではなく私たち政治家だ、と発言しました」
長谷部「今の安保関連法案をそのまま成立させて、日本が本当に安全になるでしょうか。国を守るとは、憲法を守ることです

安保関連法案を「合憲」だと述べ、徴兵制を主張する3人の憲法学者

岩上「菅義偉官房長官は、西修駒沢大学名誉教授、百地章日本大学教授、長尾一紘中央大学名誉教授の3人を指し、合憲だと述べている学者として言及しました。この3人の主張についてはどのように考えますか」
長谷部「憲法9条の存在を無視しています。その一言に尽きます。この議論は、現在の安倍政権の議論をも超越しています。もし本気でおっしゃっているのであれば、大変な問題であると思います」
岩上「この3人の憲法学者は、『徴兵制は合憲』だと主張しています。これは、自民党が隠しておきたかった本音ではないか、と思うのですが」
長谷部「徴兵制は集団的自衛権ほど理屈を詰めて議論してきたものではありません。なので、時の政権の都合で、そのようにし得るものだと思います」
岩上「集団的自衛権行使で自衛隊の任務が拡大すると、自衛隊の人員が今よりも必要になります。10人に1人、あるいは5人に1人が自衛官になる、という時代が来るかもしれない。超高齢化社会になる中、次の世代をどのように担っていくのでしょうか」
長谷部「現在の高度化した軍事技術を前提にすると、一般市民を徴兵して軍事行動を行うのは非現実的だと思います。なので、安保法案が成立すると、非常に困難な事態に直面することになると思います」
(IWJ・平山茂樹)

fukuhyのJウオッチャー  
 NHKの7時のニュースでは、沖縄での式典での安倍首相へのヤジの場面は放映しなかった。残念だった。これだけ国民から批判されているのに事実を報じてほしい。
よくよく考えれば、イスラム国からは、安倍氏の演説がきっかけとなり、後藤さんが殺されるなど、日本への攻撃がはじまったと解することができる。もうすでに、日本は、戦争に巻き込まれているのかもしれない。
そんななか、安保法制が審議し、成立されようとしている。違憲の疑いが強い法制をトリックのような「あてはめ」で言いくるめようとしている。
新三要件が認められれば、自国がせめられなくても、武力行使できるというトリックには、おかしな点がある。あるのはわかったが具体的に示せないのが現状だ。岡田代表が一つ示したが、(内閣が認定して集団的自衛権行使までに時間がかかって意味がない)まだ不十分だ。
私が思ったのは、米艦船が攻撃され、日本に存立危機事態が発生したとして、日本が武力行使するのは自国のためであてーーーというがそうだろうか。アメリカのためでないのか、すくなく自国のためのみでない。集団自衛権行使があかも個別自衛権行使同じ様な状況をイメージさせようも無理があるのである。
こういう違憲な解釈をしたものは、責任をとり辞職するしかない。