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弟は、中学2年の娘と今年81歳になる母と住んでいる。 その母の様子がおかしい、 と弟から電話がかかってきたのは去年の秋頃だっただろうか。 何十年も前に死んだ親戚がまだ生きてる、 と言い張るので、 兄貴からも母に話してくれ、と言う。 母と話をすると、 「…そうだったっけ…」。 弟に病院へ連れて行って検査してもらうよう言った。 後日、弟から電話があり、 脳の萎縮が進んだ「アルツハイマー病」との診断結果。 5、6年前には発症していて、 もう薬で進行を止められない状態。 去年の3月に帰った時はまったく気付かなかったのに……。 今回の東京行きは、そんな母の様子を見るのが主目的だった。 週2回のデイサービスから帰る母を待ち、 夕方、弟の車で近くのショッピングセンターへ。 母は老け込んだ感じで生気が弱まり、 足取りも重くなっていた。 肌着類が痛んできてるので買いたい、 と弟に頼まれた妻が母に付き添ってあれこれ品選び。 今は弟や娘が食事を作るのだが、 どうしてもお惣菜やレトルト商品が多くなる。 そこで私たちが作ろうと食料品も色々と買い込んだ。 夕食に私と妻が作ったのは、 母がよく食べさせてくれていた「母の味」2品。 「かじきまぐろの煮付け」 「合い挽き肉のおとし焼き」 (青ネギ、合い挽き肉に卵をたっぷり加え、醤油味で焼いた和風ピカタ) 弟は懐かしがっていたものの、 母の反応はあまり無かった。 確かに母の記憶能力は落ちていた。 私が飲んでいる焼酎の紙容器を見て、 「それは何だい?」 「焼酎だよ」。 しばらくして、 「それは何だい?」 「焼酎だよ」。 またしばらくすると、 「それは何だい?」 「焼酎だよ」。 翌日は妻が朝から部屋の掃除をした。 トマト缶を使ったお昼ご飯は、 「ソーセージのトマトソースパスタ」。 ソースを煮詰め過ぎてしまい、ちょっともそもそ。 その後、妻は母と化粧水など、 私と弟は食料品を買いに近所へ出掛けた。 (姪っ子は朝から運動部の活動で外出) この際、冷凍保存出来る物を作っておこう、と思い、 再び調理開始。 「チキンライスの種」 (鶏もも肉や玉ねぎなどをバターで炒め、ケチャップで煮込む。 ご飯と炒め合わせ、卵で包めば「オムライス」) 「牛のしぐれ煮」 (安い切り落としを酒・醤油・砂糖・生姜で煮詰めるだけ) どちらも小分けして冷凍しておける。 妻は「マカロニサラダ」をたっぷりと作った。 後ろ髪をひかれる思いながらも福岡へ帰る時間。 私たちを見送る母の笑顔。 こんなに母と一緒にいたいと思ったのは人生で初めてだった。 福岡へ戻って数日後、弟へ電話をしたら、 「○○○さん(妻)が服を買ってタンスにしまってくれたの」 と嬉しそうに母が何回も繰り返し話してると言った。 妻に伝えたところ、 「でも、お金はお母さんの年金なのよね」。 今日がいい日になりますように。 |
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2010年06月24日
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