福島は魂の甲子園

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本日3月13日は、福島市立の中学校の卒業式です。
7年前の今日、中2の夏休み明けから不登校だった三男は、卒業式に出席しませんでした。
午前中の式とは別に、午後から「第二部」があることを・・・私は初めて知りました。
卒業式に「出席できなかった生徒」の保護者が、子どもの代わりに証書を受け取るのです。人生、初体験(笑)
同じクラスに不登校生は、5人。(35名のクラス)
私たちは、クラスごとに校長室で一枚の証書を手渡され、式はあっけなく終了しました。
なんでこんなことになってしまったのか・・・これからどうなるのか・・・。
重い心を引きずりながら、無言で学校を後にしたことを思い出しています。

当時は、様々な暴力行為で教室を閉めだされ、別室登校の子ども達もいました。
「不登校」の子どもたちは、炭鉱で危険を鳴き知らせるカナリアのように、学校や家庭や世の中の危機を、いち早く察知する感受性の豊かな存在なのではないか・・・と今は思っています。

あれから7年。
私たちは息子の小舟(不登校)に運ばれて、素晴らしい方々と出会い、奇跡のような体験を与えられました。
感謝の思いで、以下、息子のメッセージをお届けします。

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             ☆福島駅のキビタン

「不登校を体験した僕が、今、伝えたいこと」

皆さんは「不登校」というワードを目にして、耳にしてどう感じるでしょうか。
僕は「かけがえのない時間を過ごしているね」と思います。
世間一般ではマイナスイメージしかないと思います。
また、同級生には「学校サボってんじゃねぇよ」とか「授業とかテスト受けなくていいなぁ〜」とかいわれていることもあるかもしれません。
もちろん、中にはそういった「サボっている」生徒さんも本当にいるのかもしれません。
しかし、中には人と会う事でさえ恥ずかしいと思う人もいます。
なぜなら「自分は普通じゃない(不登校)」と自覚しているからです。

はっきり言うと不登校を経験している人は普通の学生生活を送ったとは言えないと思います。
なぜなら普通の学校生活というのは“決められたカリキュラムを修業する”ということだからです。
不登校の生徒さんは学校に行かなかったり、別室登校をしたりして世間一般に言われている“普通の生徒”とは違った時間を過ごしています。

「そんな自分は出来の悪い人間だ」
「恥ずかしい」

そう思ってしまっても仕方のないことなのだと考えます。
まだまだ不登校に対しての理解がなされていないのは悲しいことではあります。
蓋をしたくなる気持ちもわかります。
嫌なことから目を背けたくなるのは誰でも一緒です。

こんなこと言っている僕もかつては不登校生でした。
「こんな役立たずは死ねばいい。そうすれば迷惑をかけ続けなくて済む」とさえ
考えました。
でも、僕は根性無しだったので死ねませんでした。やろうともできませんでした。
そんな僕は現在、医療系の専門学校を卒業して春から病院でリハビリの先生として働かせて頂けるまでになりました。
中学校では不登校生、高校では赤点ギリギリの成績。
なぜここまでこれたのかを少しお話させて頂ければと思います。

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☆福島駅の「大わらじ」

中学校を卒業したと同時に決意しました。
「自分は変わる。高校へ行けば中学校のときの自分を 知る人は少ないから
ゼロからのスタートが切れる」 
そう思い、高校へ入学しました。

しかし、そんな簡単に人間は変われません。
1年の秋頃に、所属していた野球部の部長先生からマネージャーをしないかという
打診がありました。
その時の僕は、怪我をして別メニューで日々の練習をやっていました。
失意のどん底までいき、「野球をやめよう」とさえ考えていました。

そんなときに、与えてくれた役割が“マネージャー”というものでした。
マネージャーの役割を全うすることで周りからの信頼を得ることができ、「自分は
必要とされているんだ」と自信がもてるようになり ました。

専門学校に入ってからは、野球の代わりに勉強に力を入れました。
時間はかかりましたが、3年次の最後の方でクラスで1位をとれるようになるまで成績が上がりました。
3年になってからは級長を任されるようになり、クラス運営に携わることもしました。
自慢話に聞こえるかもしれません。
僕も中学当時はそういう感覚で見聞きしていました。

「元々そういう才能があったんでしょ」
「その人のようなすごい努力なんて、できっこない」
「無理無理。絶対無理」

なぜ、こう考えてしまうのでしょうか?

答えのひとつとして“自信がなくなってしまった”ということが考えら れます。
不登校になる時期というのは、精神的なコントロールが上手くない子供の時期に起こりやすいです。
特に中学校になると多感な時期でもあるので、ちょっとしたことが自信を失ってしまう契機になりかねません。

また、子供は「これを言ったら相手がどんな気持ちになるか?」という思考が出来上がっていませんから、相手に関係なくズバズバ言ってしまうこともあります。
しかし、言ってしまった子に対して全責任を負わせるのもどうかと思います。
なぜなら、「どんな気持ちになるか?」という思考がなされていなかった可能性もあるからです。
ある意味仕方のないことなんです。
だから大人の方たちに、フォローして頂きたいんです。
先生や保護者、第3者的な立場の方。
一度崩れた自信を再構築するには、どうしたって時間が掛かります。

突然ですが、ジグソーパズルをやったことはありますか?
サイズにもよりますが、完成させるまでには結構な時間が掛かります。
得意な方は比較的短い時間で、苦手な方は2倍3倍も時間が掛かってしまうかもしれません。

子供たちが、それぞれ自分に自信をつけていく過程は、ジグソーパズルに似ていると思います。
元々足が速かったり、テストの点数が良かったりすれば自信はつきやすいでしょう。
何をやってもうまくいかない子は、なかなか積み上がっていかないと思います。
不登校の子は、好きでやっているわけではありません。
崩れたピースを必死になってもう一回組み合わせているんだと思います。

“また自分に自信が持てるように”

完成したパズルをバラバラにするのは簡単です。
ひっくり返せばいいんですから。
では、それを元の完成形にするまでにはどれくらい時間が掛かるでしょうか?
バラバラにした時間と同じように一瞬にして完成させられますか?

再構築するには時間が掛かります。
保護者の方や先生方はピースが上手くはまるように見守ってほしいんです。
手伝うのはあまり好ましいとは思えません。
誰かがやった100点のテストを自分のものにして評価されても、自信がもてるでしょうか?
誰かの100m走の結果を自分の名前にすり替えて自信がもてますか?

自分で成し遂げられるからこそ、自信がもてるようになるんだと思います。
だから“見守って”あげてください。
ピースをはめるかどうか迷っていたら、後押ししてあげてください。
時間はかかりますが、それだけで十分なのです。
なぜなら、たくさん手を貸すとプレッシャーになることもあるからです。
だから、そっと後押ししてあげてください。
傍にいてあげてください。

2015年3月13日  中学校卒業式の日に  ☆福島のみんなの小舟に幸あれ!

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