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昨日、春の甲子園大会に出場した聖光学院高校(福島代表)が、ベスト8をかけて
横浜高校と対戦しました。
結果は、7対1で敗退。
「聖光、未だ木鶏たりえず」と言う息子と、久しぶりに野球の話をしました。

今年の3年生は、息子のチームが夏の甲子園大会で、沖縄興南高校と対戦した時、
一年生だった子ども達です。
昨日の試合では、高い身体能力で、好プレーを見せてくれましたが・・・。
「ベスト8、そしてその上のレベルに招かれるためには、何が必要なのか?」
 
2008年夏の甲子園で、聖光野球部は、福島県勢33年ぶりのベスト8に進出し、
横浜高校と対戦するも、15対1で大敗・・・。
横浜高校は、高く強靭な壁でした。

勝負の世界も、まさに無常の世界です。

アルプススタンドで応援していた私達も、選手と一緒に再起を誓いました。
そして2年後に、再びのベスト8で、興南高校と対戦したわけです。
 
頂上に向かう道は、さらに険しく、神々の庭に招かれる者は少ない・・・。

「トイレ掃除や、部屋の整頓、靴をきちんと並べることが、野球とは関係ないと
心のどこかで思っているレベルでは、高い山の頂上には登れない」と息子。

「中国には、感性命(かんしょうみょう)という教えがある。知識があっても、
その本質を受信する感性がないと、空理空論の人になる」とも・・・。

う〜ん、なるほど〜。
 
2年前の今頃、私はボランティアで、野球部の古い寮のトイレ掃除をしていました。
幽霊が出るという噂の寮でした・・・(笑)

仕事が休みの日に、1階から5階までの20部屋を回って、水回りを磨く作業です。
その過程で、部員達の意識が変わっていくのを実感しました。

各人の部屋が、みるみる整理整頓されていく・・・。
その年、チームが選んだ言霊は「ありがとう」でした。

自分の外側を「整える」「磨く」という作業は、同時に自分の内側も浄化していきます。
その春の東北大会で、聖光野球部は初優勝し、夏に向かって快進撃を続けていきました。

新寮が完成し、引越しも近づいたある日、「立つ鳥後を濁さず」の思いで、清掃作業に出かけた私は、最後の5階のトイレのドアを開けて、びっくり・・・!
幽霊?・・・じゃありません(笑)

そこには、一枚の古びた紙が画鋲で留めてありました。
「木鶏の故事」と記されています。

「木鶏」とは、「荘子」に収められた故事に由来する言葉で、木彫りの鶏のように
全く動じない、最強の状態を表しています。
故事の内容を簡単に紹介しますと・・・。
 
闘鶏を育成する名人に、鶏を預けた王様は、10日ほど経過した頃、その仕上がり具合を聞いた。すると名人は「まだ、空威張りして、闘争心があるからいけません」と言う。更に10日ほど経過して、王様が聞くと・・・。
名人「まだいけません。他の鶏の声や姿を見ただけで、いきり立ってしまいます」
更に10日経過したが、名人は「まだ目を怒らせて、己の強さを誇示しているから話に
なりません」と言う。
更に10日経過した時、王様が問うと、名人は誇らしげに答えた。
「もう良いでしょう。他の闘鶏が鳴いても、全く相手にしません」
王様が、その闘鶏を見ると、まるで木鶏のように泰然自若としていた。
その静かな徳の前に、相手の闘鶏は、「闘わずして敗れた」という。

この故事を、今も時々、思い返しています。

ある人が言いました。
「昨年、福島は、痛々しい傷ついた子どもの様だと思っていたけれど、今は違う。
産みの苦しみを耐えた母親の様に、私達はこれから、たくさんの素晴らしいモデルを
産み出していくんだね」

今年の年回りは「壬辰」だそうです。
女偏をつけると、妊娠ですね。
泰然自若、徳の力が、本質的変容の要なのかもしれません。
 
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