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10/26講演会当日は、朝から美しい青空が拡がりました。
車窓からホウキ雲とコスモスを眺めつつ、伊達市保原町の仙林寺(講演会場)へ。 フリースクールの子どもたちが、受付や会場設営などの仕事を立派に担いながら、
私達を案内してくださいました。 2年ぶりに再会した先生は、杖をついておられましたが、益々魂が!お元気でした。
「自分が病を与えられ、弱くなって初めて気づくことがたくさんあった」と先生。 ドナー移植を含む三度の移植を体験し、現在も病と共に歩んでおられます。 私と同い年の先生は、現在、会津若松市の仮設住宅で闘病中です。
「四畳半の生活の合間に、講演会に招いて頂き、こうして皆さんと交流できるのが、 なにより有難いです」と先生。 津波被害と原発事故で、たくさんの同胞の死に直面し、今もその影を抱きながら生きている・・・私たち。 傷ついた羽を互いに温め合うように、和やかな雰囲気の中で、会は始まりました。 講演の前に、仙林寺の松田ご住職様の法話がありました。
「同事」という禅語のお話です。
「すべての命はつながっている。苦しむ人に寄り添うことは、自分に寄り添うことと同じ事である」 人は、成長の過程で、自他を区別します。
そしてさらに、差別と競走を基盤とする文明社会を生き抜くために、幼い頃より教育の中で、その意識が強化され、育成されている・・・というのが現状でしょうか。 世界の本質である「自他一如」「不二」「不違」の意味を頭では理解できても、 その境地に辿り着くのは、なかなか難しいものです。 しかし、突然の災害や病の中で、心や体に「ほころび」や「欠け」が生じた時、その自我の裂け目から、真実の光が差し込むこともあるのかもしれません。 傷ついたボロボロの小我の固い殻を、脱ぐことができる時は、今?
そして、ほころびの隙間から、光が差し込む場所は・・・・・福島? 「同時」・・・・・西洋的個人主義の対極にある、この境地の深化なしに、本当の
「平和」は、無いのかもしれません。
この日の三本杉先生の演題は「命はつながって」です。
苦しみを共に体験した福島の子どもたちは「だからこそ」深い愛の体験者、発信者としての道を歩むことができる。 「命ある限り、そのメッセージを伝えていく」と先生。
一時帰宅で、原発から4キロの自宅へ帰られた時、お父様の遺品の日記を見つけたそうです。
死の間際まで「お前の病気はオレが持っていく」と話されていたお父様。 三本杉先生が、名取の病院に入院されていた時は、毎日、双葉のご自宅から、二時間かけて、息子を見舞っていたのだそうです。
自らの死をもって、息子の三本杉先生に遺したものは「無償の愛」でした。 ドナー移植の「ドナー」という言葉は、サンスクリット語の「ダナー」に通じるそうです。
「ダナーとは、見返りを求めない無償の愛という意味です」(松田ご住職) 福島で、無償の愛を生きる。
「病気になったらオシマイだ!」という、悲観的で唯物的な主張もありますが、 三本杉先生の「弱さの中で、本当に大切なことを学ぶ。福島で無償の愛を育む」 という生き方の前では、なんと無力なことでしょうか・・・。
最後に、先生が中学校時代の、とっておきの話をプレゼントしてくださいましたので、
皆さんにもお裾分けしますね。 以下、先生のお話です。 元気な頃は、オレの体はオレが一番良く知っているとか、努力は自分を裏切らな いとか、思っていました。
自分の力で人生をコントロールできると勘違いしていたんですね。
でも、今は、多くの人のお陰で「私は生かされている」と、心から思えます。 中学時代の思い出話を一つ。 双葉の中学の同級生に、石井君という、ちょっと「ヤンチャな」生徒がいました。
水泳部の部長で、応援団長も兼任。 いつも強面の取り巻きメンバーと一緒でした。 その石井君が、ある日、私に声をかけてきたんです。
「三本!おめぇ、泳げねえんだって?オレが教えてやっか?」 えぇ〜、おっかね〜!(怖いという意味)と、私は心の中で思ったんですが、 なぜか、口からでたのは「ありがとう!」(笑) とうとう、夏休みに、石井君の特訓を受けることになりました。 石井君は、国語の時間に「弱肉強食」を「やきにくていしょく」と読んじゃうような 強者です。
夏休みに入り、午前中は、二人で受験勉強をして、午後は水泳の猛特訓! なかなか上手く泳げない私に、石井君が声をかけます。 「三本、誰だって最初は泳げねぇよ。最初から泳げたら、魚になっちまうべ」 その言葉が、挫けそうな私をどんなに力づけてくれたことか・・・! 二学期が始まり、水泳の時間がやってきました。
スタートで、飛び込んだ瞬間、腹を打って痛かった・・・。 でも、必死に泳いでいる私の脇で、石井君が伴走しながら、 「頑張れ、三本!」と叫ぶ声が聞こえた。
俄然勇気がでた! 必死に25メートルを折り返し、
なんと50メートルを完泳して、プールにタッチした瞬間、 「三本、ナイスファイトだった!頑張ったな!」と石井君。 私は、最高に、嬉しかった! その後、石井君は見事なコーチングを先生方に認められて、 褒められることが多くなり、学力も向上して、東京の高校に進学しました。
病気になって思うのは、富士山だけが山じゃないということ。
それぞれの山を、ゆっくりと歩んでください。 頂上を目指すだけではなく、下山してまでが、本当の登山です。 福島の子どもたちに、自分の可能性を諦めず、感謝して生きる道を、 これからも伝えていきます。
(以上、講演の一部をご紹介しました。三本杉先生、ありがとうございました!)
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三本杉先生のお話、とても心に沁みました。
ありがとうございます。
先生もまた、選ばれた方なんだと思いました。
実は先日、りお君という男の子が「ぼくは病気を選んで生まれてきた」と話しているという記事を読みました。
たまたま、本屋さんで「ゆほびか」という月刊誌を立ち読みしていて見つけた記事です。
沖縄に住む11才の「りお君」は、9つの難病をかかえて生まれてきたのですが、「ぼくは自分を選んで生まれてきた」という名前の本を出版したんだそうです。
その「りお君」をサポートした、聖路加国際病院・こども医療支援室の三浦さんが、心を揺さぶられたという本の一節。
「赤ちゃんは、自分で決めて生まれてくるのが、ふつうだよ。僕が病気で生まれたのは、病気の子やお母さんたちを励ますためだよ」
私たちも、福島を選んで生まれてきたのかもしれませんね。
いつまでも被害者意識に囚われては未来がつかめませんね。
2012/11/1(木) 午後 9:02 [ ハル ]
ハルさん
いつもありがとうございます。
先月、うちに遊びに来た東京の友人が「福島にはトンボも蝶もいるんだね?」というのです。
なんでも、県外で開催された脱原発集会で、福島の子ども達の避難・疎開を求めている団体のメンバーが、「汚染された福島には、トンボも蝶もいない」とアピールしたというのです。
人間というのは、自分に都合が良いことだけを「見ている」のかもしれないと感じました。
りお君の曇りのない心には、真実が映っているのかも。
今日は午後から、映画「花見山の春」の上映会が、福島市で開催されます。また、ご報告しますね。お楽しみに!
2012/11/2(金) 午前 9:53 [ 未来塾すばる ]