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暖かい陽ざしの下で、梅の花が咲き始めました。
今朝は、鴬の声を聞きながら、墓参りへ。 雲ひとつない快晴の福島市です。 3/15夕、安倍首相のTPP交渉参加表明を受け、JA福島中央会や県生協連、県医師会など12団体が福島市内で記者会見し、強く抗議する共同声明を発表しています。
朝刊をいろいろ読み比べていましたら、朝日新聞の原真人という編集委員が、
こんなことを書いていました。 「自民党は、国益を叫んでコメや乳製品などを聖域として関税撤廃の例外にするよう求めている。だが、それが本当に国民の利益になるのか・・・むしろ交渉参加を機に減反による縮小農政をやめ、強い農業を育てることに本腰を入れてはどうか・・・TPP交渉は、新しい内需や雇用を手に入れるための、生みの苦しみだ」 生みの苦しみって?・・・誰が味わうんでしょうか。
強い農業って?・・・コメを「製品」にして、競争させるという考え方がそもそも間違っています。 政府は、15日に、TPP参加時の国内への影響試算を発表していますが、
関税を撤廃した場合、影響が最も大きいコメは、1兆100億円減少・・・。 砂糖は、国内生産額の1,500億円すべてが失われると試算しているそうです。 暗澹たる思いで、数学者の岡潔先生が、1960年代に発した警告を思い出しています。
先生は、「数学に最も近いのは、百姓だ」とおっしゃいました。 情緒こそが、頭脳を作る・・・と。 「情緒の中心の調和がそこなわれると、人の心は腐敗する。社会も文化もあっという間にとめどなく悪くなってしまう。そう考えれば、四季の変化が豊かだったこの日本で、もう春に蝶が舞わなくなり、夏にホタルが飛ばなくなったことが、どんなにたいへんなことかがわかるはずだ・・・スミレ咲き、蝶の舞う、情緒の中心を荒らすのは許せないということ、これをみんなが、もっともっと知ってほしい。これが私の第一の願いなのである」 (「春宵十話」より)
以前から私たちの中に潜在していた様々な問題が、放射能やTPPをきっかけに、目に見える形で浮上してきています。
目を背けずに、しっかりと見ていきたいものです。 ハウスの中で、さし芽した菊(お盆用)が、元気に根を張っています。
今夏も、震災で亡くなった方々のご冥福を祈りながら、2万本の菊を出荷する予定です。 生産の現場から遠く離れた場所で、国益だの、憲法だの、人権だのと論じるだけの人々が、福島で何をしているのか・・・皆さんに見て頂きたいです。 写真は、3/13に来福した日本YWCAの皆さんと福島のメンバーです。
昨年の今頃は、梨の木の皮を削る除染作業で、浪江の農業者の皆さんにご協力頂いたことなどをお話しながら、梨畑や自宅周辺をご案内しました。
一年前の梨畑を紹介した記事です。 皆さん、家の前のブルーシートにビックリされていました。
2011年夏に、ボランティアの皆さんと近くの児童公園の除染をした時の土嚢が、今も
そのままの状態で積まれています。。 私の住む地域では、学校やグランド、神社の除染が先行し、家屋や側溝はまだ手付かずです。 現在、除染中の渡利地区では、除去した土は搬入場所が無いため、その家の敷地内に保管されています。
渡利の知人いわく「思い出の木々も枝葉が落とされ、殺風景な庭に土嚢が積まれて、ブルーシートがかけてあるの。それを毎日眺めていると、心が荒んでくる。『ブルーシート症候群』っていうらしいよ・・・」
分かります。その気持・・・。 私も、このブルーシートと、もうすぐ2年の付き合いになります(悲) ☆写真は、2011年夏に、家の前で撮影したものです。
ブルーシートの脇に、敷かれている青い網は、
2011年7〜8月に、関西と福島の大学教員が来園して、除染実験?を行った時のものです。 今も回収されずに放置されています。 採取したサンプル(土や果実や植物)の詳細や、そのデータの提出を求めましたが、
何のご連絡も頂けないまま、今に至っています。 除染作業に同行したNPOを通じて、私たちの個人情報が、その後どうなっているのか先方に問い合わせて頂きましたが、連絡がつかないとのこと。 一緒に参加していた地元大学の教員は「協力しただけで詳細はわからない」と責任逃れ。 先生方は、大学で人権問題や環境をテーマに研究・講義をしている社会学者なのですが・・・。 当果樹園以外の個人宅(福島市内)でも、その先生方は除染実験や採取活動を行ないまして、そのお宅でも未だにサンプルの採取場所に棒をさしたまま、ということです。
この件につきましては、来園した日本YWCAの皆さんにもお伝えしました。 と申しますのも、この除染グループには、YWCAとも交流のある大学教員が参加しており、私もその方を信頼しての受け入れ協力だったからです。
放射能の恐怖の前では、吹けば飛ぶような「人権」思想、だったのかもしれません。 実はこの出来事とも深く関わる「品川宣言」(2011/9月)について、東京の皆さんと
話し合いました。 日本YWCAの皆さんは、品川宣言についてはご存知なかったようです。 (ネットで検索できます) 心の中の放射能への「恐怖」は、死や病への恐怖だったり、障がいへの嫌悪だったり・・・。
福島の作物を食べる、食べない・・・逃げる、逃げない・・・どちらにしても、 私たちの心は、何か大きな空しさを抱えたまま、平安とは程遠い渇きの中にあることは確かなようです。 もしかしたら、福島以上に、東京こそが今一番、支援を必要としている場所なのかも・・・しれない。 福島の作物を嫌悪する人々が、自分の子どもと福島の人間との結婚を認めることができますか?
「私はふつうの子どもが産めますか?」(政府交渉時の子どもの発言)という差別感覚に無自覚で、障がい者解放とか、人権擁護とか言えるのでしょうか?
今回は、かなりシビアーな問いかけを、東京の皆さんに投げかけました。
最高学府で、憲法や人権問題を学んでいても、人間という存在は、いともたやすく
無自覚に加害者ともなりうるのだ・・・ということ。
品川宣言を読んだ時に感じた「恐怖」とショック。 実際に、1923年の関東大震災下では、自警団のテロで、被差別民衆が命を奪われていることなど、言葉足らずで上手く伝えきれていなかったかもしれませんが・・・。 たとえ作物のセシウムや、空間線量の数値が、限りなくゼロに近づいても、おそらく福島差別は収まりません。
理屈ではなく、感情が福島を嫌悪する限り・・・。 そのことを、東京でも話し合ってみてくださいとお願いしました。
何十万人ものデモが脱原発を訴えて、日本中の原発が廃炉になっても、 福島への差別は、これから幾世代も続いていきます。 逆に、だからこそ福島から、命の尊厳を守るための取り組みや文化が発信されていくのだろうと、私は思っていますけれど。 福島の子ども達が生きていく「環境を整える」ということは、単に安全な食物を提供したり、保養をしたり・・・ということだけではないのでしょう。 「福島は、あなた自身の問題です。福島は、あなたを映す鏡です」とお伝えしましたら、日本YWCAのOさん(20代)が「それは、東京の電気を福島が作っていたということ。そして、自分たちの差別の問題を、福島と向き合うことで自覚できるのだということですね」と・・・。
皆さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。
また、「鏡」を見にお越しくださいね。 ピカピカに磨いて、お待ちしておりま〜す! |
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2013年03月18日
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