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夏椿の花
毎年この時期に、夏椿の花が咲き始めると、岡潔先生を想い出します。
畑仕事の合間に、NHK出版から出たばかりの100分de名著「日本人とは何者か?」を読みながら、河合隼雄の「中空構造日本の深層」や、鈴木大拙の「日本的霊性」の中に、岡先生の求めていた世界を感じて、今年も懐かしい特別な想いで花を見つめていた・・・水無月です。 なのに、なのに・・・。
公開講座で久しぶりに足を運んだ福大キャンパスの夏椿の周りは雑草に覆われて・・・。 誰も「足元の草を抜かない」(恐らく無意識の領域でも・・・)薄汚れた校舎内の雰囲気に、なんとなく嫌な予感がしていました。 みんな足元を見ないで、「どこを」見ているのかな?・・・と。
そして、6/23夜の福島大学公開講座・・・身も心も凍えました〜(悲)
寒すぎる・・・。 教室の設定室温が異常に低かったので、身体も凍えたけれど、それ以上に心が 冷えた。
講師が語る「風評被害の構造と5年目の対策」の内容が、現場で苦闘を続ける 私たちの実感とズレていました。
福大サイドから「県知事から第二の安全宣言をしてもらう」などという信じられない
発言もあり、もう退席しようかと・・・。
世間知らずの面々が、風評被害払拭と称した「勘違いのマーケティング」に、 湯水のように金を使ってきた結果、どんな「モデル」を作り得たのか・・・そのような
反省も議論も出てこない。
そして繰り返されるフレーズは「正しい数字と検査状況の告知が、ますます重要だ」。 あのね〜、人の心を最終的に動かすものは、「数字」ではないのよ。
そしてネ、「風評」の風上に根深く存在する「東北」や「農民」への蔑視感情(人権侵害)に向き合うことなく、単なる「販売向上」の議論だけでこの危機を突破できるとは思えないのです。私のこれまでの実感では。 風評払拭は、私たちが自分たちの誇りを取り戻す「生き方」の問題でもあります。
福島の野菜を嫌悪する消費者が「子どもを福島に嫁がせる気にはなれない」と語る現実を、見つめていかねばなりません。もはや農作物の話ではないのです。
それで、講義の後の討論?の時間に、質問と問題提起をさせて頂きました。
講師は、「風評被害のメカニズムを解説した本」を書いたという東京大学の先生です。 まさか・・・というか、やはり・・・というか。 質問と答えが、全く咬み合わない・・・という体験を、私は人生で初めて体験しました(悲) 「流通業者が、福島の作物を安く買い叩くのは、農業者は賠償金を受給しているから大丈夫という認識があるからで・・・」と先生。
JAの「ゼンチュウ」など農協関係者が、ウンウンと頷く。 あのう〜、JAを通して賠償請求をしている私たちは、昨年2014年度の賠償金が、
未だ一円も入っていません!
今春、やっと2013年度の未納分が入金された「お寒い状況」なんです。 ご存知でしたでしょうか? もし、私たちが「東大」のようなブランドを背負った社会的強者だったら、ここまでの 愚弄、ここまでの風評被害は、正直無いのではないかと、私は思っています。
風評と様々な人権侵害に関して、先生からご意見を賜わろうとしたその時、
「ゼンチュウ」が割って入りました。
「せっかく東京から先生が来てくださったんですから、風評被害払拭の話題に絞ってアドバイスをお聞きしませんか?」・・・・・絶句。 この続きは後日に。だんだん熱くなってきたので(笑)
鈴木大拙流に、それはそれとして、舞台は変わり、いわき市へ!
☆福島駅東口の朝の風景
クールダウンのため、昨日は、いわき市の実家に帰っていました。
私にとっての「福島市」は、いつだって二元対立の状況劇場、汗にまみれたテント
暮らしです(笑)
そして、生まれ故郷の「いわき市」は、永遠の霊性回帰、癒やしの地です。 久しぶりに、いわきの写真をアップしたいと思います。
いざ、「以和貴」へ! 朝7時の福島駅前で、いわき行きの高速バスに乗車。
7月告示の市議選の看板が出ていました。 実は、福島市に芸術ホールを創ろうという署名活動が始まろうとしています。
老朽化した公会堂に変わるものを!と、20年前から福島市民が女優の長山藍子さんらと県知事に交渉したり請願活動を行ってきましたが、なかなか実現できないまま今に至っているのです。 そこで今回、いわき市の芸術文化交流館「アリオス」に学ぶため、資料を頂きに
伺いました。
先日6/18は、初の宝塚公演も成功させて、3,300人の観客を集めた「アリオス」。 平中央公園の遊歩道を歩きながら「アリオス」へ!
いわき市の市議さんが、アリオス建設に至る経緯や、いわき市民への文化貢献などブログに書いておられますので、合わせてご覧ください。
アリオスのシンボルマークをデザインしたのは、米米clubのカールスモーキー石井さん。
実は、石井さんのお母様が、いわき市のご出身であることが、ブログの中で紹介されています!
2階から玄関ホールを見下ろす・・・窓の外の緑が美しい!
☆2階ホールには、棟方志功の大作が!
福島市にも、世界に誇れる芸術ホールを建設したいですね。
100年後の未来を見すえながら・・・。次回につづく。 アリオスカフェで一休み。生クリームとアンコのクロワッサン☆美味しいです! |
新生福島への道
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福島市の小林香市長のインタビュー記事が,
ウォールストリートジャーナル誌に掲載されました。
下記に紹介しておきます。ちなみに英文です。 Q&A: Fukushima City Aims for 50% Renewable Power
初めの部分だけ日本語に翻訳したものを載せておきます。
「日本政府は、2030年までに再生可能エネルギーを、国家の総発電量の最高24%にすることを提案しました。
福島第一原子力発電所のある福島が設定した40%の目標よりその数値はずっと低い。 2040年までに福島市は再生可能なシェアを最高50%に増やすことを目指しています。」 ※エネルギーミックス案にびっくり!
4/28経済産業省は、有識者会議で、2030年の電源構成(エネルギーミックス)
案を示しました。それによれば、全発電量のうち、原発は2割以上、再生可能エ ネルギーはほぼ同じ割合に留まっています。
原発依存度をできるだけ減らし、再生エネを最大限入れるとしてきた政府に、委員からは「公約違反だ」との批判も上がったそうです。
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朝陽に輝く吾妻山
12/10に、「美味しんぼ」(小学館)の単行本「福島の真実2」が発売されたそうですね。
登場人物のセリフ10ヶ所以上が修正されましたが、鼻血の描写は残されたそうです。 福島の山々も怒っているのか、泣いているのか・・・・・。
12/12吾妻山に火山性微動があり、5段階の噴火警戒レベルが「2」(火口周辺規制)に引き上げられました。 昨日の吾妻山の夕焼け
このマンガの主題は、皆さんご存知のように、福島県は危ないから県民は 全員避難すべきであるということです。
その理由として、「鼻血」や「疲労感」「除染は無駄」などの描写やセリフが配置され、最後に、主人公の父親に「私は一人の人間として、福島の人たちに、危ないところから逃げる勇気を持ってほしいと言いたいのだ」と激白させています・・・。 「福島の人たち」の悲劇を描くことで、「東京の人たち」は安心を得たいのではないだろうか?
東京も十分「危ないところ」だという「東京の真実」を描く勇気がありますか?雁屋さん・・・。 今春、福島大学を退官された清水修二先生が、放射線防護学の専門家らと
本を出版されましたが、その執筆のきっかけは、この美味しんぼ事件だったそうです。
「放射線被曝の理科・社会」〜四年目の福島の真実 (かもがわ出版) が、
今月、書店に並びますのでご覧ください。 私は先日、かもがわ出版から直接送っていただきましたが、興味深いデータが豊富に掲載されており、これからの福島を考える上での「必読書」である・・・と感じました。
内容をちょっとだけご紹介します。
目次は、以下。 はじめに 私たちの伝えたいこと (清水修二)
第1章 低線量被曝をめぐる論争を検証する−「分かっていること」と「分かっていないこと」
1.LNT仮説と放射線防護の考え方 2.「内部被曝の恐怖」論を考える 3.放射線被曝のリスクを考える−生物としての環境適応 第2章 「福島は住めない」のか
1.「美味しんぼ」問題が浮き彫りにしたもの 2.どんな放射能がどれだけ出たのか 3.除染は無駄なのか−除染の方法と効果 第3章 「福島の食品は危ない」のか
1.チェルノブイリ事故と食の安全 2.福島の食品検査体制と検査結果 3.安全な食のための方策 第4章 福島の今とこれから
1.県内在住者から見た「反原発」とメディア 2.福島での生活の現状と地域の将来 3.県民健康調査で何が分かったか 第5章 原発住民運動と放射線問題
1.原発を乗り越えるための国民的・思想的課題 2.過半数住民の支持を得るために−科学者の役割・責任と論争の質 3.住民運動の成長・発展のために考えるべきこと あとがき 科学への信頼の回復を
12/7木幡の幡祭り
野口邦和先生が執筆した第2章では、「美味しんぼ」事件にふれています。 以下、一部を転載させていただきます。 第2章 「福島は住めない」のか
1. 「美味しんぼ」問題が浮き彫りにしたもの 「美味しんぼ」には、科学的な根拠を示さずに上から目線で「福島県民は
だまされている。真実を知らない」とあおる、傲岸不遜な態度が随所にみられます。
最も問題なのは「福島には住めない」と声高に主張し、「危ないところから逃げる勇気を持て」と煽っていることです。
このことが作者がもっとも言いたかったことであり、「放射線被曝で鼻血」は「福島には住めない」と言いたてるための手段にすぎません。放射性物質による汚染で長期間にわたって住民が帰還できない地域があることは事実ですが、福島県全域が「住めない」とレッテルをはるのは、差別や風評を煽って被災者を苦しめる「加害」以外の何物でもありません。・・・(略)・・・ 福島の知人は、「福島県民の中で自由民権運動の時、第二次世界大戦後に 大きな自主学習運動があった。いま、福島県民は三度目の自主的な大学習運動に立ち上がっている」と話していました。
私は「美味しんぼ」こそが、福島をまともに取材もせず県民の声もきかず、科学的な根拠もないままに思い込みによって書き散していて、「真実を知らない」のだと考えています。
福島原発事故がもたらした深刻な被害の中に、いわゆる震災関連死の問題があります。被災県の中で福島県が突出して多く、2014年2月末現在で1664人、5月には1700人を超えたということです。 これほど多くの人々が避難途中、あるいは避難生活で命を落としており、今も犠牲者の数が増え続けています。このことは、避難にはきわめて多くのリスクが伴うということを示しています。
しかし、「美味しんぼ」はこの重い事実を一顧だにしていません。 根拠のない言説で不安をあおることは、そのこと自体が人びとに大きなストレスを与えます。 私は「美味しんぼ」そのものが、福島県民に多大なストレスとリスクを与えていると考えます。 木幡の幡祭り
私のような農業者が「美味しんぼ」に違和感を表明すると、多くの皆さんは「農産物を売りたいから、福島は安全だと宣伝したいんだな」と思うのかもしれません。
原発事故直後は、私も、自分の葬儀用写真まで準備して、畑の仕事をしていました。
何が起きてもおかしくない・・・と思いながら。 そして、ずっと気になっていたのは、福島市の農業者の労働被曝と同じレベルか、それ以上の被曝を体験している、スウェーデンやノルウェーのサーミの皆さんのこと。
やはり、病気が増えているのかな・・・と。 そのノルウェーを訪問した坪倉医師が、サーミの方々の現状を報告されていますので、福島と比較しながらお読みいただければ幸いです。
坪倉正治医師(南相馬市立総合病院) 「サーミの人たちの内部被曝」に関するノルウェー現地報告 http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014120200010.html http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014120900004.html 坪倉医師のインタビュー記事はこちら。
blog.safecast.org/ja/2012/09/dr_tsubokura_interview/ 南相馬市の内部被曝検査結果(2013年10月〜2014年3月)
http://www.city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/10,21095,61,344,html 木幡山の「花ちゃん」〜隠津島神社にて〜
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先日の長野県北部で起きた地震ですが、テレビのニュースで一軒家の一階部分が崩壊している映像を見て驚きました。
家が倒壊したことによる死者が出なかったことは、奇跡ですね。 一日も早く復旧されますよう祈っております。
さて前回の文章の続きです。
②美味しんぼ事件と被ばくの問題
今年3月17日、朝日新聞の「声」欄に投稿した、福島市の女子高生の文章が手元にある。 「子孫残してもいいのだろうか」という心の奥底の苦しみを切々と綴っている。 その一部を紹介する。 「井上ひさしの『父と暮せば』を読んで少し恐ろしくなった。『原爆病は引き継がれる』とある。・・・私はどうなるのだろう。私は子孫を残していいのだろうか。・・・私たちはこれからどうなるのだろうか。」 県外に進学した子ども達が、「福島は汚れているね」とか「結婚できるの?」などどからかわれ疎外されて、悩み引きこもる例が多数報告されている。
そのような荒んだ精神的土壌の上に、「美味しんぼ」の種はバラ蒔かれたのではないか?
漫画の中に登場する福島大学のA氏は「農業者を労働被ばくさせるので、福島のものを食べて支援は止めるべき」と講演しているという。 彼は、2011年の夏に、当果樹園で除染実験を行ったメンバーのお一人だが、その時の実験資材は未だに放置されたままである。
「人権派」の脱被ばく論者であるA先生には、とりあえずこの資材を回収していただいた上で、現場の農業者と話をしてもらいたいと思う。
これはもう、鼻血の科学的根拠云々の話ではない。
コミュニケーション不全の問題を抱えた人たちが起こした、ひとつの暴力事件なのではないか、とさえ思う。 心に様々な痛みを感じながらも、福島で暮らしている子ども達への影響は測り知れない。 避難したからといって、被ばくした現実から逃げることができない私たちである。 「救済」とは、単に身体を「汚染地」から離すことではなく、悩める心にも配慮した繊細なサポートであるべきなのだ。 ここで、被ばくに関して、私の基本的な考えを述べておきたい。
「低線量被ばく」の健康リスクを知り、知らせ、避難・保養も必要な場合がある。 この点については、今回の知事選に立候補した熊坂義裕氏も次のように述べている。 「健康被害がないという証明ができない現実では、『被ばくを避けて暮らす権利』を認め、自主的に他の地域に移住する被災者を法的に支援する具体策は喫緊の課題だ」と。 鼻血については、小児科医の山田真氏(子どもを放射能から守る小児科医ネットワーク代表)の調査結果を紹介したい。
2013年の3月〜11月、北海道、福島、福岡の小学校1年生の鼻血を調査した。 (保健室のデータ)
北海道(小樽市)718人中 164人 (22.8%) 福島県(福島市)77人中 8人 (10.4%)
(いわき市)341人中 8人 (2.3%) (会津) 499人中 16人 (3.2%) 福岡 612人中 156人 (26%) ※福岡が一番多い結果であった。
次に、私の個人被ばく線量の結果を紹介したい。
(調査機関)産業技術総合研究所・安全科学研究部門 調査期間(2014年) 年間推定被ばく量
5/21〜29 1.28mSv 6/21〜29 1.05mSv 7/18〜26 1.09mSv ☆除染の行なわれていない田畑や自宅での積算値は、年間ほぼ1mSvという結果であった。
ちなみに、2011年に、チェルノブイリ救援中部の調査に協力した際の数値も紹介する。 2011年8/11〜17 年間推定被ばく量 4.29mSv
※同時期に、名古屋では、0.65mSv/年であった。 農業者は、屋外で過ごす時間が長いので、被ばく量は多い方だと言われている。
しかも果樹園は、田や野菜畑のように反転耕をしていないので、高い数値を想定していたが、思ったよりも低い結果となった。 さらに、1mSv以下に下げる努力が必要となろう。 ③農業者が勝ち取った「ND」と今後のビジョン
2014年福島県内の農作物の放射能検査においては、山菜やきのこ類などを 除けば、ほとんどが一桁台の数値にまで推移しており、当農園の作物も
「限りなくゼロに近い不検出」という結果になっている。
これはひとえに、福島県の農業者が、当初は「東北の農業は絶滅」とさえ言われながらも諦めること無く、農地再生に挑んだ結果であり、流された涙と汗が勝ち取った画期的成果であると私は思う。
二本松市在住の有機農法家、大内信一氏(73)は、2013年に「福島有機農法学校」を立ち上げ、新規就農者の指導を行っている。
曰く「東北農業は、過去に経験した深刻な冷害も、悔しさを重ねながら乗り越えてきた。作物と大地は強い。風評被害は必ず克服できる」と。 また、同じ二本松・東和地区の若き女性農業者は、「きぼうのたねカンパニー」を起業し、福島の農業の現状を正しく伝えるためのワークショップなどを実施している。
福島県の農地再生は、単に「福島の農業を守る」ためのものだとは、私は考えない。 関東や関西のメガ災害時には、重要な避難基地・食料供給拠点ともなる福島県である。 未だに福島産というだけで、消費者が嫌悪する現実もあるのだが、他に食べるものがあってこそ・・・だ。 食べものが無くなる危機的状況が、すぐそこまで来ている。常に備えを! ☆今年の餅の検査も「ND」の結果でした!
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昨夜、長野で震度6弱の地震が発生し、大きな被害が出ているようです。
福島から長野県に避難した友人も多いので心配しています。 気象庁によると、震源付近にある「神城断層」は、本州を横断する活断層「糸魚川〜静岡構造線断層帯」の一部だそうです。
11/16には、栃木県で震度5弱の地震があったばかりですので、今後も要注意ですね。 ☆今朝、広島から立派な蜜柑が届きました☆ ありがとうございます!(猫のイズミちゃん)
実は昨夜は、夫が農業者ネットワークに原稿を配信した直後に地震が起きました。
原稿の中で、メガ災害にもふれていましたのでビックリ・・・。 今年から来年にむけての想 いや、今夏の労働被ばく数値(夫)についても書いていますので、2回に分けて掲載したいと思います。 ☆梨畑が金色に輝いています! * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * ☆福島は憂う「エゴイズムを煽り強化する先に現れるもの」
3・11震災・原発事故から3年9ヶ月。
彷徨う放射性廃棄物は、今年も行き場の無いまま福島の雪に埋もれようとしている。 砂上の楼閣・安倍政権は、証券アナリストも想定外のGDPマイナスで、衆院解散へ。 首都直下型地震や南海トラフのメガ災害も迫る中、木を見て森を見ない世界観がいたる所で崩壊する時代に突入しているのではないだろうか? 年明け2015年は、敗戦から70年めの節目の年。
広島・長崎・福島を体験しても未だ核を廃絶できない我々の主体的な問題を、今こそ問うていかねばならないと心から思う。 ①福島のお母さんが語る「脱被ばく論」への違和感 10月の福島県知事選の後、福島市内で子どもを育てる母親たちからショッキングな話を聞いた。母親たちは、今回の選挙で白票を投じたという。 話の一部を紹介する。 Aさん 「テレビでK 候補が話すのを聞いて、実直な人柄や選挙公約に共感しました。でも、応援している団体の人たちがどうしても信用できないので、ダメだと思いました。
昨年夏の参議院選挙の街頭演説で、候補者が『福島の中・高生がグランドでバタバタ倒れている』とか『南相馬で二つ頭の赤ん坊が・・・』等と宣伝した緑の党の人たちもKさんを応援してましたよね。 党としての謝罪は未だにありません。どこまで福島を貶めて利用するつもりなのか・・・。東京だって汚染されて甲状腺被曝もあるはずなのに・・・。
障がいをもって生まれてくる命に対する冒涜だと言った友人もいます。
最近では精神障がい者を党から排除する云々でトラブルがあるようで、ちょっと怖い感じがします。」
Bさん
「美味しんぼ事件では、うちの子ども達も本当にショックを受けていました。
『福島県は人が住めない』と漫画にありましたが、会津と仙台は福島第一原発からはほぼ同じ距離ですよ。なぜ、福島県だけが標的にされるんですか? おかしいじゃないかと『美味しんぼ』に抗議する人たちは、みんな言論の自由の敵だ、みたいに叩かれてました。井戸川さんが言う『福島の真実』は、一部の真実に過ぎません。 福島の私たちの人権を踏みにじって、表現の自由ですか? そういう宣伝が功を奏して、他県の宿泊施設では、福島の子どもの入った風呂の水を抜いてほしいと要望が出たそうです。『脱被ばく』に共感した親は、そこまで求めますよ。 ちょっとのリスクも避けたいと思う親心でしょうか? 結婚差別も深刻と聞いています。」
Cさん 「栃木県(塩谷町)の町長は、栃木県内で出た指定廃棄物は福島第一原発に運べと話しているそうです。皆さん、脱被ばくを求めているんでしょうけど、これではいつまで経っても福島は『汚れ役』です。東京の焼却灰や汚泥なんかは、どうするんでしょうね?江戸川の汚染も濃縮が進んで深刻ですが、報道はされないようです。
『自分さえよければ』の人たちと一緒に『脱原発』を頑張ろうという気持ちには、正直なれないというのが本音です・・・」
東日本大震災で被災した福島、岩手、宮城、茨城の4県の住民を対象にした東北大学の意識調査では、原発再稼働「反対」の回答が、福島県は69.8%で、4県のうち最も高かった。
また、震災時の知事の対応を評価しないと答えたのは、福島県で54.4%と、 こちらも1位。
この数字が、なぜ知事選の結果に結びつかなかったのか・・・・・母親たちの問題提起を深く受け留める必要があるのではないだろうか?
そして実は、彼女たちが語ったことは、戦後70年の反戦・反核運動が克服できなかった「エゴイズム」と「タブー」の問題でもあるのだ。
原発事故の大嵐で何もかもが吹き飛んだ福島という場所で、水底に沈んでいた100年の闇が、一気に浮上した感がある。 それは、戦前・戦中・戦後の激動的変遷の中にあっても、常に歴史の階下に「生かされて」きたもの・・・平塚らいてうや賀川豊彦の時代から、その思想の底流に潜み生き延びてきた闇・・・「優生思想」というタブーである。
震災後の日本に、もしナチスが登場したなら、間違いなく「脱原発」を叫ぶだろう。
ナチスの政策が、エコロジーと有機農業による民族浄化であったことを想起してほしい。 そして、その思想をファシズムとして認識できずに敗北したドイツ共産党の負の歴史を再び繰り返してはならない。 優生思想を温存する日本の精神風土に無自覚なまま、「福島県の被ばくで
遺伝子変異が起きる」とか、「福島で放射能を浴びた娘は我が家の嫁には迎えないが、それは差別ではなく実害である」などと軽々しく主張することが、どのような差別の芽を育成することになるのか・・・、かりに原発が廃絶されても、福島には差別が残るという重い現実を、忘れないでいただきたい。
>次回に続く
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