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「暁の討伐隊」1939年アメリカ映画 冒険活劇
監督:ヘンリー・ハサウェイ 撮影:ルドルフ・マテ
出演:ゲイリー・クーパー、デヴィッド・ニーヴン、ブロデリック・クロフォード、駒井哲、アンドレア・リーズ、レジナルド・オーウェン、ケイ・ジョンソン、ウラジミール・ソコロフ
『ベンガルの槍騎兵』『ボー・ジェスト』『暁の討伐隊』のゲイリー・クーパー主演三人組冒険活劇三部作(勝手に命名)の中で僕が唯一見てなかった作品だったけど、やっと念願叶って見ることができた。三部作の中では一番見劣りするかもしれないけど、それでも充分過ぎるほど傑作。村人を訓練して蛮族の攻撃から村を守るというストーリーは『七人の侍』に影響を与えているだろうし、現地の少年との交流や吊り橋の戦いがあるところは『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』に影響を与えているでしょう。
罠がはりめぐされた密林を潜り、吊り橋の上で戦い、村の水辺が干上がり、疫病で村がパニックになり、急流な河を筏で下り、蛮族が海から陸から攻めてくる。人間投石機やガトリングガン、『リオ・ブラボー』より先駆けたダイナマイトでの応戦など、90分という枠でとにかく見せ場たっぷり。惜しむは『ベンガルの槍騎兵』『ボー・ジェスト』と比べたら、クーパーの他の二人…デヴィッド・ニーヴン、ブロデリック・クロフォードの描写が少ないことだ。この二人とヒロインのロマンスを描くとか、三人が楽しそうに遊ぶシーンがあれば、もっと作品に幅が出たと思う。
ブロデリック・クロフォードの死体を一瞬だけ見せる演出は中々ショッキング。あれは死体埋められているのか、あるいは生首か…?また疫病のパニックシーンでの昼夜問わず働いて人々がクタクタになっている夜の撮影の雰囲気はさすがルドルフ・マテと感心した。
ゲイリー・クーパーの軍服姿も最高に格好いいだけど、それぐらい同じ存在感を発揮しているのが蛮族のボス演じる駒井哲。画面に出るたびに、艶が出て素晴らしいですね。
舞台は1906年のフィリピン。米西戦争で正義面するのはわかるけど、植民地支配のための一方的に攻め込み蛮行を働いた米比戦争で正義面するのはまったくおかしな話だし、むしろこの映画で蛮族として描かれているモロ族こそフィリピン独立のために戦ってるんじゃないかとような気がするが、これは『ベンガルの槍騎兵』や『進め龍騎兵』もそうだった。しかしそれでも村人のモロ族を軍人が制裁するシーンがあって、それを咎められたら「上官の命令でした」と兵士が答えるシーンは、米比戦争の間接的な批判が込めらているでしょう。
(VHSで鑑賞)
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