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「3時10分、決断のとき」2007年アメリカ映画 西部劇
監督:ジェームズ・マンゴールド 撮影:フェドン・パパマイケル
出演:ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル、ローガン・ラーマン、ベン・フォスター、ピーター・フォンダ、ヴィネッサ・ショウ、アラン・テュディック

映画の巻頭はマッチに火をつけるショットから、火事へと至る火の映像の連鎖で、このへんの趣味は作家主義的なのだが、しかしそれにしても冒頭の息子の咳(だったのかは、うろ覚えなんだけど)は何の意味があったのかと劇中ずっと疑問だったけど、最後の最後でその謎が氷解するのは、素直に感動した。ただ残念だったのが、オリジナルでは夫を見送るシーンでジョン・フォードの映画ばりの深い感情を定着し、鮮烈な印象を残した妻のレオラ・ダナ(僕のオリジナルのベストシーンはこのシーンです)が素晴らしかったのに対し、今作では妻のヴィネッサ・ショウはきっちり描かれているものの、排除の方向に向かっているのがちょっと残念。
役者ではベイルもラッセルもそれほど好きになれない(特にラッセル・クロウはどっちかというと好きな俳優なんだけど、このドヤ顔には毎回呆れてしまう。この系統ならコリン・ファレルのほうが断然上手いと思うし、僕は好きですね)。そんなわけで一番好感が持てたのが、息子役のローガン・ラーマン。彼主演で『スパイクス・ギャング』みたいな西部劇をスピルバーグあたりが撮ってくれないだろうか。勝手に第二のゲイリー・グライムズとして期待します(笑)。次に良かったのがリチャード・ハリスを思わせるベン・フォスター。正直、ラッセルよりも凶暴さが出てたと思う。

元々オリジナルが少々頭でっかちな西部劇であり、それを再び頭がいい監督がリメイクした印象。本格西部劇と形容するよりは、やはり50年代以降の知的西部劇という趣が強い。
その監督の頭のよさというのは、ピーター・フォンダ演じる探偵を思い切り膨らましたことからもわかる。『地獄への道』のように西部劇でしばしばピンカートン探偵社というのは、西部劇らしかぬ姑息な手段で暗躍する胡散臭い連中として提示されており、その探偵が胡散臭いピーター・フォンダが演じるのだから(笑)やはり頭がいい。(ただし退場のさせ方はもうちょっと何とかならなかったのか)
主人公の牧場の土地が線路が通り道ということで重要な土地となっており、そのために鉄道会社の圧力があるというのも『地獄への道』で扱われた要素であったし、『ウエスタン』でも言及された西部開拓史の側面だった。さらにこの映画は“探偵社”“鉄道会社”に加え“インディアン”“ダイナマイト”“ガトリングガン”まで出てくるんだから、西部劇ファン、マカロニ・ウエスタンファンへの目配せとなれば、かなり上手く詰め込んでいる。

『ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道』では描かれてなかったけど、ジョニー・キャッシュは30年代がカントリーの全盛期だと考えると、自分がカントリー歌手として遅れてきたことに自覚的だった部分があると思う。それは65年の『西部の伝説を歌う』というアルバム製作のために、幌馬車隊についていくというアプローチからも見え隠れします。マンゴールドもまた遅れた西部劇を作ることに自覚的で、それがこの西部劇の“類型的な要素”の詰め込み具合からも現れていると思う。

ジョニー・キャッシュ関連で言うと、彼が60年に出した4thアルバム『ライド・ジス・トレイン』のライナーノートによれば、このアルバムのジャケットに写っている列車は“3時10分ユマ行き”であり、これが事実ならジョニー・キャッシュもまた『決断の3時10分』を愛していたことになるし、その意味でマンゴールドの前作と明確に繋がっている映画である。これもまた父と子の関係性において、キャッシュに捧げられた映画なんじゃないだろうか。

(映画館で鑑賞)


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