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「ドクター・ブル」1933年アメリカ映画
監督:ジョン・フォード 撮影:ジョージ・シュナイダーマン
出演:ウィル・ロジャース、ヴェラ・アレン、アンディ・ディヴァイン、マリアン・ニクソン、ハワード・ラリー、バートン・チャーチル、ルイーズ・ドレッサー

掛け値なしの傑作。フォード&ロジャース三部作の中では一番好き。鈍感なのか『周遊する蒸気船』と『プリースト判事』を見てもウィル・ロジャースの魅力というのがいまいちわからなかったんですが、これを見て一気に好きになっちゃった。淀川さんが熱っぽく語るのも頷ける。
実際はプロフェッショナルに徹しているのに町の皆からは評価されないどころか権力者からは疎まれる医者の話で、ほとんど類似点はないものの手塚治虫の『ブラック・ジャック』と黒澤明の『静かなる決闘』に影響を与えているかも。とりわけ自暴自棄になりつつも、体は医者として動いてしまうシーンは『静かなる決闘』で三船敏郎が心境を吐露するシーンを彷彿とさせます。

公害によって腸チフスが蔓延しているのを察知したロジャースが孤軍奮闘するんですが、住民…とりわけ婦人会によって町の衛生管理責任者を解任する集会が開かれ、そこでコテンパンに叩かれたロジャースがあれほと落ち込んでいたのに、ずっと診察していた下半身が麻痺した患者に回復の兆候が表れたシーンでは「ついにやった…!」と病気に対して憤り、次のシーンでは町の外に飛び出して「ついに治ったぞ!」と天真爛漫に喜びを露にするシーンはこの映画の白眉。しかもここでは自分をあれほと叩いた人間などまったく眼中になく子供のように喜びまくる。まさにこれこそ人間賛歌!

また結果的に住民を見返すことが示唆されるものの、その敵であった住民が落ち込んだりするシーンはなく因果応報として帰結するようなシーンを提示していないのが素晴らしいと思う。
冒頭の列車が到着するショットはリュミエールを思わせる。麻痺した患者の部屋では表現主義的な斜光、雪が積もったぼんやりとした早朝の景色も忘れがたい。アンディ・ディヴァインが若い。このときから幾分かデブだけど、後の体型を知ってるから、これでも痩せているように見えちゃう。

(映画館で鑑賞)


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ふくやまん
ふくやまん
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