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「おっ。このブログはこうでなきゃならねえよな。こんなバカっぽい石がメインだよな。あいつこの頃ちょっと本物っぽい奴を出してたじゃねえか。だが基本はこれだぜ。」
「バカっぽいはひどいじゃないですか。せめて非常識くらいにしましょうよ。見たとおりでかいです。13キロあります。」
「非常識の方が冷静に見えて実はもっとひどいんじゃねえか?まあいいけど。」
「出品者様によればこの石は方解石です。でも、私的にはなんだか違うような気がするんですよ。」
「どこが?」
「方解石にしては重すぎるような気がします。この黒い部分は鉄とかそんな重金属じゃないでしょうか?」
「鉛かもな。方鉛鉱と方解石の共生体だったら珍しいじゃねえか。」
「でも、黒いのが方解石と思われる部分に浸透してるように見えるので、たぶん違うと思います。と言うより方鉛鉱と方解石って同時に存在できるんですか?」
「知らねえよ。だが、これだけは言える。オークションではどのような組み合わせの石でも存在する。これは間違いねえ。探したらきっと『プラスチックと水晶に浮かぶ蛍光性ガーネット』とかあるはずだ。」
「いや、それはありませんって。」
「こんなの鑑定に出したらきっと鑑定士は困るだろうな。」
「それより鑑定してくれないんじゃないでしょうか?」
「これだったら門前払いされても文句は言えねえよな。」
「まあ、管理人さんはにせ物、あるいはにせ物っぽいものが好きですから門前払いされたら喜ぶかも知れませんね。」
「ところでよお。あいつ尿酸値が高いだろ?で、昨日の夜中に足の親指に激痛が走ったんだよ。」
「え?ついに痛風ですか?」
「あいつもそう思ったらしい。で、ついに自分も痛風仲間に入ったと思って逆に喜んでしまったんだよ。バカだぜ。しかしよく見たらネコが親指にかじりついてるんだよ。それ見てがっかりしたらしいが、不健康なのを喜ぶのは全然分からねえ。」
「そんなことないですよ。だって同級生仲間では尿酸値しか自慢できないんですから。他の人は高血圧とかコレステロールとか血糖とか肝機能とかものすごく自慢するんですよ。」
「それは自慢することなのか?」
「さあ。分かりません。でも、飲み会の時には必ずみんなで不健康を競い合ってますね。だいたい、不健康な人が集まって飲むというのも問題がありそうですけど、『オレはこんなに薬を飲んでるぞ』みたいなのはやめたほうがいいんじゃないでしょうか。」
「でも、あいつ、そう言った生活習慣病関係の薬って飲んでねえじゃねえか。尿酸値を下げる薬ももらってねえし。」
「そうなんですよ。尿酸値を下げる薬を飲んだら絶対にビールをとことん飲むから薬は飲まないと決めてるらしいです。この前、飲み会の話を聞いていたら頭がクラクラしましたよ。だって『肝機能は4桁まで行っても大丈夫だ』とか言ってましたけど、それって肝硬変の一歩手前じゃないですか。実にひどい。」
「てことは、同級生に4桁まで行った奴がいるんだな?」
「そうなんじゃないでしょうか?」
「だが、そうなると生活習慣病って言う言い方も問題あるな。」
「どうしてです?」
「そりゃ、おめえ、考えてみろ。見渡せば糖分たっぷりのお菓子が山のように積まれ、脂分の多いファースト・フードが出回り、自動販売機で好きなだけ酒が買える世の中でどうやって生活習慣を変えるんだよ。無理だ。これは病気を個人のせいにして言い逃れしようとする政治の問題だな。生活習慣病なんて人ごとみたいに言うんじゃねえ。」
「そう言う考え方もありですね。ふつうに生きていたら知らない間に生活習慣病になるような社会ってちょっと異常ですね。」
「よし、決めたぞ。あいつには今日から酒は飲ませねえ。ファースト・フードも買わせねえ。甘い菓子は花林糖とチョコレートだけだ。」
「え?どうして花林糖とチョコレートはいいんですか?」
「そりゃ、オレが好きだからに決まってるだろ。」
「全く!真面目に聞いて損しましたよ。」
この方解石は珍しいんですが本物だと言い切る自信は全くありません。
では
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