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私は歴史にはあんまり詳しくないんですが、中国に5000年前頃『紅山文明』というのがあったそうです。
もちろん、初めて聞きます。
で、なんとこのわけの分からない像はその文明の出土品だと言い張って出品されていました。
「おいおい、このオークションネタは主に石を扱うんじゃなかったんか?」
「確かに石が主ですが、別にいいじゃないですか。管理人さんすでにあっちの世界に行ってるみたいですし。」
「そうだな。これは驚きだよな。絶対ににせ物だ。と言うかこんなものオークションに出せるのか?」
「出品者様は特に本物だとは書いてませんでしたので、大丈夫じゃないんでしょうか。ちょっと見た目には木のような感じがしますが、これは触った感じでは陶器?みたいですよ。さすがにこの像は管理人さん、奥さんにひどく怒られたみたいです。『いい加減にしてちょうだい。』みたいな(笑)。」
「絶対にこれは違反商品だぜ?」
「どこがです。」
「見たら分かるだろ!こんなの出品したらおかしいだろ!」
「おかしくはありますが、特に違反だとは思いませんよ?だいたいこんな芸術作品?は不思議なものなんですよ。もう少しオークションに夢を持ってもいいじゃないですか。」
「だいたい、おめえ、『紅山文明』って本当にあるのか?オレは高校で世界史をやった時にはそんな文明の名前は聞いてねえよ。たぶんあれだ。文化大革命のどさくさででっち上げられたんじゃねえか?まるっきり真実味がねえよ。」
「いや、現実味はあるじゃないですか。どうですか。この異様な映画『インディー・ジョーンズ』にでも出てきそうな所属不明な文明の悪魔的な顔つきは。土偶もけっこう心に惹かれるものがありますが、この像もなかなか心理的にダメージがあるでしょ?」
「バカなこと言うな。おめえもあいつのくだらねえ趣味に乗っかるんじゃねえ。」
「でも、こんなのがネパールとかアフガニスタンあたりで売られていたら買うんじゃないでしょうか?」
「買わねえよ。だいたいおめえ、この像、3キロくらいあるんだぞ。梱包を開けたら中国語の新聞紙が無造作にグルグル巻きにされていて、新聞紙を剥がしたらこんな驚くべき像が出てきたら気持ち悪いだろ。」
「そんなに気持ち悪いか?」(管理人の声)
「あ、管理人さん、よくこんな物を落札しましたね、と言うよりどうやってこんな物検索したんですか?」
「特に検索はしてないな。いつも怪しげな物を出品している業者を見てたら出てきたんだよ。これはなかなかいいだろ?」
「私もちょっと心が惹かれますが、落札する勇気はありませんよ。」
「うん、これは激しい応酬の末落札したんだ。」
「本物だと思ってるんですか?」
「全然。」
「え?にせ物だと思って落札したんですか?」
「そうだよ。本物のはずないじゃないか。」
「全く、何考えてるんですか!じゃあ一体どういう経緯で落札したんですか。」
「そんなに深い意味はないけど、この像、ものすごく気持ち悪いだろ?でさ、こんなすごい像をイメージできる作者ってすごいじゃないか。」
「まあ、どういう意味合いかは知りませんけどすごいですよね。」
「だろ?インチキでも何でも、こういう物を作り出す奴がちょっと気に入ったんだよ。たぶん、中国のどこかの狭い部屋でどうやったら日本人のバカに高く売りつけられるかを考えながらこの像の作者は考えを巡らしたと思うんだよ。で、ひらめいたのがこの像だ。このあまりの造形力のないくせにいやな感じを起こさせるのはきっとこの作者がそれなりに芸術力を持っていたからなんだよ。」
「またホントっぽいことを。」
「たぶん、こいつはどこかの芸術大学を卒業しても全く就職口の見つからなかった奴が精魂込めて(笑)作ったに違いないんだ。オレとしてはその努力に金を出したってわけだ。」
「絶対にそれは違います。こんなのどこかに鋳型があるんですよ。そのうち全く同じ像が出品されますよ。間違いなく。以前、全く同じポーズを取っている大きさの違う三葉虫のにせ物をつかまされたじゃないですか。いい加減頭を冷やして下さいよ。」
「イヤだね。またこんなのがあったら落札するよ。」
「困った人だ。」
本物だと思った人!手を挙げて(笑)
では
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