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「なんだか小学校の夏休みの工作みたいですね。」
「まあ、オレとしてはちゃんと機能してくれたら文句は言わないよ。これは植物が光合成を室内で出来るようにするための人工太陽?みたいなものだな。」
「小さいの持ってるじゃないですか。」
「どうも、食虫植物全体には行き渡らないみたいなんだよな。あのモウセンゴケみたいな奴は相変わらす成長を続けてるし。」
「そうですね。あのツル、いったいどこまで伸びるんでしょうか?もう1メートルはありますね。床をどんどん伸びてきてるので、そのうちホコリだらけになりますよ?」
「しかも、1メートルになるのに、まだモウセンゴケ特有の触手?みたいなの出てないし。」
「ツル自体は青々としてるので光合成はしてるんじゃないでしょうか。」
「いや、光の当たってない部分も緑色なのはどうも怪しい。」
「でも、太陽光線って白色じゃないですか。七色が混じって白くなるんでしょ?このLEDは赤と青しかないんですが、大丈夫なんですかねえ。」
「たぶん、植物は可視光線以外のところで光合成してるんじゃないか?室内灯では成長しないだろ。だから、紫外線と赤外線でOKのはずだ。」
「それだったら見えないじゃないですか(笑)。紫外線も赤外線も目に見えませんよ。」
「いちいち人の揚げ足取るな!可視光線も混ざってるんだよ。『成長促進』とか書いてるんだから、それなりに研究してるんじゃないか?聞いた話じゃ、光合成は紫外線部分でも行われてるはずだ。」
「だったら、こんなの近くに置いたら大変なんじゃないですか?紫外線ですよ?あなた、自分の肌が白いことを忘れてないでしょうね。おそらくこんな光をまともに受けてたら日焼けして火脹れになりますよ。」
「それはちょっと考えた。でも、大丈夫だろうと思うんだ。」
「どうしてですか。」
「そりゃ、発光体がLEDだからだよ。蛍光灯みたいに全方位に光を出していたらたまらないけど、LEDは直進するからな。角度が違ったら大丈夫だと思うんだよ。」
「これもオークションで落札したんですよね。」
「何でも出てるな。驚くよ。」
「石も出して下さいよ。」
「今はダメ。2階の改造で全部荷物を降ろしたから石が取れないんだ。」
「あれって凄いですね。大工さんが全部降ろしちゃいましたね。」
「なんか綱渡り的な置き方してるよ。いつもやってるんだろうな。けど、どうせ荷物移動費とか取られるんじゃないかなあ。改造の間に地震が来ないことを祈るよ。」
「何言ってるんですか。あなたの部屋は地震が来たら確実に死ねますよ。本は当然として、重たいスピーカーだの、カセットデッキだの、レーザープリンターだの、あんなのがぶつかったら大変ですよ。ああいうの、高いところに置くのやめたらどうですか。」
「置き場所がないから、どんどん積み上がるんだよな。地震が来た時にこの部屋にいないことを祈るよ。」
「また祈るんですか?神を信じてないくせに。」
「あ、そうだな。何に祈ったらいいんだろう?」
「やはり古典的にイワシの頭とかがいいんじゃないでしょうか?」
「でも、イワシはあんまり好きじゃないから。」
「だったらサバにしましょうよ。あなた、サバは好きじゃないですか。」
「サバは腐ったらすごい臭いだろうからやめだな。」
「じゃあ、ニシン。」
「だから、魚はやめろよ。石でいいじゃないか。方解石にしめ縄でもつけて祈ってやるよ。」
「で、地震が起こったら方解石にぶつかって死ぬんですね。分かります。」
室内で植物を栽培する以前に庭でも栽培したことがないので、植物がどんな成長をしてるのか知りません。
困ったものです。
では
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