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「あなた、また外国に敵を作る気ですか!!」 「いや、別にそう言うわけじゃないけどな。なんせ北朝鮮って何が何だかわからないじゃないか。だからさ、『偉大な領袖』である金日成が何を語っているのかちょっと知りたかったんだよな。ところが、金日成の著作物というのが本当にないんだよ。朝鮮総連とかに聞いたらくれるかも知れないけど、そう言うの、場合によっては命に関わるだろ?だから古本で探したらこれしかなかった。」 「でも、なんでタバコを下に敷いてるんですか?」 「意味ないよ。撮影にちょうどいい角度にしたかっただけだ。どうせならキムチの箱でも置けば良かったか?」 「金日成と言えば『主体思想(チュチェ思想)』ですが、そう言うの出てくるんですか?」 「この本には出てこなかったな。もしかしたら『チュチェ思想』ってのは金日成の太鼓持ちが勝手に命名したんじゃないんだろうか?」 「金日成も息子が日本目がけてミサイルを何本も撃つとは思わなかったでしょうね。」 「そんな事はないだろう。親父が長生きしたらそれはそれでミサイルを撃ってきたと思うよ。」 「で、どうなんですか。金日成の思想が分かりましたか?」 「全然。まるっきり分からない。それどころか、北朝鮮がいったいどういう国家なのかも分からなくなったよ。」 「北朝鮮がどういう国家かを分かっているってのは実際ものすごい事だと思いますが、なんで分からないんですか?」 「だってさあ、中学校の社会なんかでは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)ってのは社会主義圏(共産圏)の一員で社会主義国だと言われていたはずだ。」 「ああ、管理人さんが中学校の頃はまだベルリンの壁も崩れてなかったですからねえ。」 「でさ、金日成の『社会主義労働青年同盟の任務について』というのを読んだわけだ。」 「それってレーニンのパクリですね?」 「だろうな。レーニンのは『共産主義青年同盟の任務について』だったよな。確か。」 「なんでその文章なんですか?」 「そりゃおまえ、簡単だよ。ガキ相手にどういう事を言ってるかを見たらその国のおおよその事は分かるからだ。この文章(演説)は1964年5月15日に出たそうだ。で、さっぱり分からなくなった。」 「どういう風に?」 「まあ、日本帝国主義を打倒たオレは偉いんだぞ?とかそう言うのはあの国では当たり前だからいいんだけど、北朝鮮の国家体制がいったい何なのか説明してないんだよ。実際に引用するとこんな感じだ。」 『こんにち、うつくしく建設され、日ごとに栄えているわが国の都市と農村としあわせな人民の生活のなかには、英雄朝鮮の男女青年のとうとい闘争の業務がひめられている。わが国の青年は、党と人民の真のむすこや娘として、外国の侵略者から祖国をまもり、搾取と抑圧のないあたらしい社会制度を創設する若い革命戦士として、貧しくたちおくれていた祖国をゆたかで強力な先進的な社会主義国家に変えていく若い建設者として、自分に課せられた歴史的使命をりっぱに遂行してきた。』(第二巻:521ページ) 「な?今現在、非常にしあわせな時代なんだけど、まだ社会主義国家になってないぞ。てめえら根性入れて頑張れよ。って事だ。この文章、まともに読んだら意味不明だよ。それだけじゃない。」 『いまわが国の勤労者は、朝鮮労働党第四回大会がしめした綱領的な方針にしたがって社会主義の高峰を占領し、人民生活を画期的に向上させるためにたたかっている。そして、社会主義建設の雄大な綱領である七カ年計画は成功のうちに遂行されている。』(522ページ) 「要するに、まだ社会主義にはなってないんだぞ。どうしてくれる。おまえらの努力が足りないからだ。と怒られてるわけだな。」 「そうですねえ。何だか切羽詰まった何かがあるんでしょうね。こういう雰囲気で迫られたら怪しげな宗教とあんまり変わらないですねえ。」 「でさ、優秀な社会主義のくせに『人民の衣食住の問題はすでに基本的に解決され』なんて事を書いてるから、部分的には貧困で飢餓状態な所も残っていると言ってるわけだ。これでどうやって理解しろって言うんだ?」 「さあ?分かりません。でも、いいじゃないですか。ちょっとは北朝鮮の事も分かったみたいですし。」 「ああ、こんなテンションで走り回っていたらろくな事はやらないだろうな。精神衛生上非常に悪い体制だな。」 「あなたにはもう少しテンションを上げてもらいたいんですけどねえ。」 「無理無理。ここは日本だよ。」 こういう文章を見るとものすごく時代を感じます。 しかも、書かれた年よりずっと昔の感じがするのはどうしたことでしょうか? ま、マルクス主義的に考えて、朝鮮半島が植民地支配を受けていたのだったら、その生産基盤で社会主義国家に移行することは無理なはずなんですけどねえ。 |
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2009年11月17日
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