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「今日はなかなかひどい腹痛でしたね。」
「ああ、自分でもこうなると分かってるのにやめられないな。」
「どうして牛肉に弱いんでしょうね?」
「ちょっとお腹の調子が悪い時に牛肉を食べたら見事に下痢だよな。分かっちゃいるけどやめられない。牛丼の特盛りを食っちまったよ。」
「仕事にならなかったですねえ。」
「トイレと仕事場の往復だよ。まったく。牛肉好きなのになんで、牛肉に弱いんかねえ。」
「え?じゃあ、焼き肉なんかもダメなんですか?」
「ダメって言うほどじゃないけど、調子がちょっとでも悪いとダメだな。でもさあ、そう言うのって食った後で思うんだよな。食ってる時はウハウハで調子に乗ってどんどん食べるんだよ。で、『あ?ちょっと調子悪いかも。』とか思うともう手遅れ。」
「あれじゃないですか?安い肉が悪いんじゃないですか?」
「何言ってんだよ。オレは高級な牛肉はダメなんだ。特に霜降りは全くダメだ。どうしてあれが高級なのか分からない。オレにとって最高級は肩肉の切り落としだよ。」
「それってもしかしたら一番安い奴じゃないですかねえ。」
「安上がりなのでいいんだよ。厚く切り落としたらダメだぞ。薄く薄く向こう側が見えるくらい薄く。焼いたら縮んじゃうくらいのがいいんだ。」
「じゃあ、ついでにお聞きしますが、豚肉は何が良いんですか?」
「豚肉はヒレ肉だけしか食わないよ。豚肉の基本中の基本、生姜焼きははっきり言って不得意だ。」
「おかしな食生活ですね。例えばカレーにもヒレ肉なんですか?」
「当たり前だ!カレーは豚ヒレに決まってるだろ。ついでにハウスバーモントカレーの辛口以外はお断りだ!」
「ちょっとお!おかしなところで宣伝しないで下さいよ。でも、だいたい予想はつきました。鶏肉はササミでしょ?」
「分かる?」
「そりゃねえ。脂分がダメなんですね。」
「そうなんだよな。トンカツみたいに脂ギタギタにした衣は全く問題ないのに、肉そのものに脂分が含まれてるとダメなんだよ。鶏の唐揚げも同じ。どんなに表側が脂だらけでも問題ないけど、肉そのものに脂分があるとダメ。嫌いじゃないのが始末に悪い。別に嫌いじゃないから食べるんだけど、食べたらこれまたおかしくなる。」
「なんででしょうね?」
「オレが知りたいよ!!」
「で、下痢は治まったんですか?」
「まだだ!もうさあ、いっそのこと下剤を大量に飲んで全部出しちゃおうか?」
「それはやめて下さい。」
好きな物を食べたら下痢になるのは悲しいんです。
牛丼、好きなのにねえ。
では
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