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実に懐かしい本なのです。 NECのPC98シリーズはその昔、国民機と言われるほど圧倒的なシェアを誇っていました。 昔は今のようにWindowsが動作するパソコンみたいに統一規格がありませんでした。 NECはNECパソコンに対応したソフトだけが動くし、富士通は富士通だけ、日立は日立だけ、シャープはシャープだけの独自の世界だったのです。 と言うことはソフトを開発するメーカーはやはりシェアの大きなパソコンを基準に開発するんです。 どうしてNECが圧倒的なシェアになったのかというと、性能面でも当時としてはよかったのですが、なんと言ってもシステム内部の情報をNECのインフォメーションセンターが丁寧に教えてくれたことだろうと思います。 他のメーカーのパソコンは内部の情報も知らされず、メーカーに直接問いただしても2週間くらい待たされることはざらだったし、問い合わせたことだけをFAXで送ってくると言うひどいメーカーもありました。 NECの大勝利は実はソフト開発会社の圧倒的な支持があったからです。 そのNECのPC98シリーズの解説書がこのアスキー出版局テクライト編集の「PC−9800シリーズ テクニカルデータブック」だったのです。 ハードウェア編とソフトウェア編の2分冊でした。 とにかく、98の開発者にはバイブル以上の重要書物です。 今ではすっかり忘れてますが、この本に書かれている事はほぼすべて暗記してました。 現在のようにダラダラと高級言語でプログラムを書いてもそれなりに動いてしまう高性能のパソコンではありませんでしたので、重要なところはすべてアセンブラ(機械語:CPUに直接命令を出して最高速で動かすことが出来ます)で書かれてました。 私が98のソフトを作り始めた頃は98の標準的なCPUはインテルの8086をパワーアップさせたNECのV30と言うCPUでした。 まあ、大まかに言えばCPUの処理スピード(パソコンのスピード)はクロックスピードで見当がつきますが(今はそうではないんですよ)、V30のクロックスピードは10MHzでしたが、今のCPUのi7の早いやつだと3GHzくらいあります。3GHzと言うことは3000MHzですね。単純計算しても300倍のスピードの違いがあります。 それでも、遅いと思ったりするわけで、今考えるとV30の遅さは大変です。 そんな遅いやつで処理しようとするのですから、開発者はあらゆる姑息な手段を使うのでした。 姑息な手段を使うにはまずパソコンの中身を知らないといけません。 そんな怪しげな人にこの本は実に役立ったのです。 パソコンの世界は技術があっという間に進歩しますので、今となってはこの本は全く役に立ちません。 でも、この本を捨てるとか売るとかそんな気はないのです。 死ぬときに棺桶にでも入れてもらいましょうか? 考えてみれば、私は実に幸せな時代にパソコンを使い始めたのだろうと思います。 これくらいのパソコンの性能でないと一人で開発するのは無理です。 今のパソコンでちょっと大きなソフトを作るとなると、もう一人では無理ではないでしょうか? このままではパソコンの中身を本当に知っている人が少なくなるような気もします。 |

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