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今回は、「右舷」、「左舷」をどう読むかと言う問題です。
そもそものきっかけは私の書いたこの記事


に、kei**_ok*da_ltdさんが批判的なコメントをつけてくれた事に始まりました。
私としては、批判的コメントがつくことには全然気にしてないのですが、この記事を書くに当たっては、一応海上自衛隊に連絡した上で書いてアップしました。
しかし、kei**_ok*da_ltdさんは、私が「右舷」を「うげん」と呼び「左舷」を「さげん」と呼ぶことが非常識だと批判されました。
kei**_ok*da_ltdさんは絶対に「右舷」は「みぎげん」、「左舷」は「ひだりげん」と呼ぶと言うのでした。

そこで、再度、私は海上自衛隊海上幕僚監部広報に連絡したところ、海上自衛隊では「右舷」を「みぎげん」と呼び、「左舷」を「ひだりげん」と読む、との解答を得ました。
ついでだったので、海上自衛隊呉地方総監部広報に連絡し、いったいいつから「右舷」を「みぎげん」と呼び、「左舷」を「ひだりげん」と呼ぶようになったのかをお聞きしました。
それによると、旧大日本帝国海軍の伝統に則った呼称だと教えられました。

一般商船や海上保安庁は「右舷」を「うげん」、「左舷」を「さげん」と呼ぶことはすでに明らかですのでここでは問題にしません。

通常ですと、このあたりで、「はは〜そうでしたか。」となるのですが、私は変人です。
絶対的な証拠がない限り(文書での通達なり命令、しかも読み仮名付き)信用しません。
海上自衛隊でそう言われているからと言って本当に旧海軍がどう呼んでいたのかなど分かりません。

ところが、まあ、ふつう考えたら分かりますが、「右舷」だの「左舷」だのにいちいちルビを振っている本などないのです(笑)。
しかし、変人は諦めません。
膨大な出費と浪費の上についにルビを振った旧海軍の文書を発見しました。

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『入団準備 昭和兵事講義録 海軍専修科』全6冊 昭和兵事研究会発行

ちょっと怪しげな団体ですが、会長が現役の陸軍少将であり、監修が現役海軍少将であることから見て、書かれている内容に間違いはなかろうと思われます。
この書物は海軍に入隊するに当たっての予備知識や海軍に入ってからの生活や基礎知識を網羅的に説明している解説書です。
実に懇切丁寧というか、「ほら、海軍ってこんなにかっこいいんだよ?」みたいな感じです。
発行は昭和4年になってますので、太平洋戦争も間近に迫った頃の書籍なのです。

では、この6冊に書かれている「右舷」、「左舷」の項目を全てお見せいたします。

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これは、「海軍兵講義」の第4章「海軍兵の心得」の一部分です。
その36に
『職務を有せない者は濫りと艦橋に登ってはならず又艦橋右舷(うげん)階梯は副長以上でなくては昇降してはならない。』
と書かれています。
ルビを振っているのではっきりと読み取れると思います。
少なくとも「心得」では「うげん」と読むのです。
ついでに「心得」30では『便所以外で大便、小便をしてはならぬ。』とありますが、戦闘中はどうだったんでしょうね。

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次は「短艇講義」の第二章「短艇各部の名称及び付属具」(旧漢字を改めました)です。
ここには
『右舷(みぎげん) 艇首に向かって艇の右側(うそく)を云う。』
『左舷(ひだりげん) 艇首に向かって艇の左側(さそく)を云う。』
とあります。
ここには、はっきりと「みぎげん」、「ひだりげん」と書かれています。
しかし両方の読み方があると苦労します。

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次は、「艦船講義」の第五章「艦船の構造」です。
『(六)右舷(うげん) 艦首に向かって艦の右側を云う。』
『(七)左舷(さげん) 艦首に向かって艦の左側を云う。』
と書かれているのが読み取れると思います。
艦船の構造では「うげん」、「さげん」と呼ぶのです。
こう言うのは勉強になります。
次の『五、船体各部の概要』の九は知りませんでした。
『(九)防御網 魚雷を防ぐ金網』
使い方を知りたいです。

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次は第二巻なのですが、これが非常に難解です。
何が難解なのかというと、章立てが無茶苦茶なのです。
どこからどこまでが何を書いてあるのかがよく分かりません。
でも、「船匠兵講義」の中の一部をお見せします。
『胸帯(ブレストバンド)縁板の直下に於いて内側を圍繞(いきょう?)する細い木材である。尚ほ「カッターの番号を現わす為にこの胸帯に塗具が塗ってある。即ち第一「カッター」第三「カッター」は之を青色に、第二、第四「カッター」は赤色に塗ってある。凡て軍艦でもふつうの商船でも色別は右は青、左は赤と一定して居る。故に舷灯なども右舷(うげん)は青色で左舷(さげん)は赤色である。…』
となっています。
私にはちょっと理解しづらい用語がありましたので、漢字を変換できていません。
もしかしたら文字化けしますけどお許し下さい。
ここでは「うげん」、「さげん」と呼んでいます。
それにしてもこの文章、何だか網羅的ですごいんです。
こんな細かな事を書いているかと思えばこんな事も書いてます。
『共産主義、マルクス主義、社会主義が思想の根本を誤り現代人間生活を無視したものであって列国皆これを排斥し、殊に我国体と全く相容れぬものである事は既にこれを述べた。無智な農民達をそそのかして共産主義を実現した露国ですら、最近では漸次私有財産を認むるようになった次第で、おそらく近き将来において列国と大差なき経済組織となるであろう。』(現代仮名遣いに変更しました)
本当にそうなってしまったので、驚きを禁じ得ません(笑)。

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第三巻の「艦船講義」、第九章「嗚呼!四十三号潜水艦」の記述です。
この43号潜水艦は大正13年3月19日、定期演習中に軍艦見島と衝突し海底に着底した潜水艦です。
事故後、潜水艦内に生存者がいて、必死の救助作業が行われたのですが、努力のかいもなく全員死亡した大事故です。
衝突後7時間半ほど経過して、潜水艦との連絡がとれた所からの記述を一部お見せします。
『午後四時二十八分が最初になされた艦内からの応答であった。この時後部には小川機関大尉を初め十八名の人々がなお生存していたのである。「衝突したようですから、発令所に命を聞きましたが、何等の応答がありませんでしたから電動機を停止しました。機関室の者は衝突の音響を聞いて電動室に退去致しました。二次電池の爆発と思われる音を聞いたと思うと、急に暗くなって艦(ふね)が左に五十度位傾斜しました。水はどんどん浸入して来ます。出来るだけ早く引き揚げる手段を講じて下さい。機関室から水が漏って来ますから、之を防ぐ方法を頼みます。左舷(さげん)電動機が浸って居ります。」』(現代仮名遣いに変更しました)
小川大尉は「左舷(さげん)電動機が浸って居ります。」と連絡しています。
艦内の酸素が徐々に少なくなっていくのに海上からの救助方法がなく、ただただ連絡をとるのみでしかなかった『水上で聞いていた者は誰も皆泣いた。なお下からの報告を聞き取ろうと、涙を覚悟で受話器については見るが、苦しそうな様を耳にしては耐え難い哀れさ悲しさで「もう代わってくれ。もう代わってくれ。俺には聞くに堪えん」ちょっと受話器を耳にすると皆直ぐにこう言って交代を求めた。代わってもらうと大急ぎで顔をそむけて手放しで泣いた。これを泣かずにどうして居られよう。』
と言う状態だったのです。

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次は第六巻の「水兵講義」の一部です。
写真で見てもらうよりほかに無いのですが、ここに出ている漢字は文字コードにありません。
しかし
「右舷(みぎげん)に算えて…点(度)の方向を云う。」(現代仮名遣いにしました)
「左舷(ひだりげん)に算えて…点(度)の方向を云う。」(現代仮名遣いにしました)
とあります。
ここでは「みぎげん」、「ひだりげん」と呼んでます。

では、最後にとんでもない記述をお見せします。

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これも第六巻の「水兵講義」の一部です。
これをみて愕然とします。

「ロ、右舷(みぎげん)舷灯 緑灯一個にして艦橋付近の右舷(うげん)に掲ぐ。」(現代仮名遣いにしました)
「ハ、左舷(ひだりげん)舷灯 紅灯一個にして艦橋付近の左舷(さげん)に掲ぐ。」(現代仮名遣いにしました)
これでいいのか?と疑うような文章です。
一文の中で「みぎげん」と「うげん」、「ひだりげん」と「さげん」の両方を使ってます。

この書物を読む限りでは、「右舷」を「うげん」と呼ぶか「みぎげん」と呼ぶかは全く分かりません。
「左舷」も同じです。
要するにどちらでもいいと言うことではなかったのでしょうか?
騒音が激しいところでは「みぎげん」、「ひだりげん」と言い、静かなところでは「うげん」、「さげん」と言うのかなあ?と言うのが実感です。
でも、最後の写真はいったいどういう意味があるのか分かりません。

用語と言うのは実に難しいのでした。

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