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刀を購入あるいは鑑賞するためには是非とも押さえておきたい一品です。 新版も出たみたいですが、現在は絶版のようです。 一説には『刀匠全集』の版そのものが火事だったかなんだかで紛失したという事も言われてました。 古今東西の主立った刀匠を網羅している実に便利な本です。 少し刀の趣味が出てくると、刀に刻まれた銘が本物であるかとかそう言うことにもなりましょうが、そもそも刀匠の名前も知らない人には何を出されても何の事だか分からないのです。 だったら無銘でいいのですよ。 とか言いますが、そう言うのでは物足らなくなるらしいのです。 誰が鍛ったか知りたいのですよ。 出来ましたら、何年何月に作ったかというのも刻んであったらうれしかったりします。 同じ名前(銘)でも驚くほど人数がいたり、そもそも銘そのものがブランド名みたいだったりして最初は何が何だか分からないのです。 例えば、「正広」と言う銘を刻む刀匠は、この全集によりますと古刀で14人、新刀で21人います。 国も、相模国から薩摩国まで幅広く存在するので、こう言うのは初心者が銘を見ても誰なのかさっぱり分からないのです。 しかも、銘が偽物だったりすると、あまりの奥深さに驚くのでした。 昔は「日本刀は騙されながら覚えていく。」とか言われまして、古美術屋に偽物をつかまされながらだんだん本物が分かってくるなどとまことしやかに言われました。 でも時代はデフレ局面、と言うか、次に刀を買うはずの世代の若者がお金など持ってないのです。 だから10万円も出して偽物をつかまされたら、もう二度と刀を買うなどとは思わなくなるのです。 その辺の所はいい加減古美術商や刀剣商は考えておかないと商売そのものが成り立たなくなるでしょう。 だいたい、日本刀そのものに対する日本人の感覚もここ20年くらいで様変わりしたように思うのです。 少なくとも今の日本人には日本刀に「魂」など感じていません。 第二次世界大戦前までには「奉納刀」など、神社に良い刀を奉納するしきたりがありましたが、これは日本刀に何らかかの意味づけがあったはずなのです。 でも、今では「奉納刀」なんてあんまり聞きません。 今、日本人が一番イメージするのは「松平健」が振り回す軽い剣なのですよ。 暴れん坊な将軍が振り回す日本刀が若い世代のイメージでしょうね。 だとしたら、そう言う物に価値を見いだすのは難しそうです。 初めて日本刀を手にした若者の共通感覚は「日本刀ってこんなに重いんだ。」という所でしょうが、暴れん坊将軍のイメージではそうなるのは当たり前。 と言うか、基本、鉄の棒なのですから重いはずなのですが、誰にでも扱えるようなイメージが定着しました。 でも、本物は重いのですよ。 で、そうなると、信用のおける大きな刀剣商がいいかというとそうでもないのです。 大きな店構えと言う事はそれだけ1振りの刀を売りつけたら利益が出るので、それなりに高い上に客の知識を値踏みして平気で偽物を売りつけます。 有名な店だからと言って信用してはいけないのですよ。 ああ言うのって結局自殺行為なのになんで偽物売るんでしょうね? あと、刀剣商の言葉は全く信用してはいけません。 特に金に関わることはその場その場で文書に残さないとデタラメに値段がころころ変わるので気をつけましょう。 結局嫌気が差して刀そのものに興味がなくなるので、刀剣愛好家の人口がどんどん減っていきます。 で、刀の値段が下がる。 そう言うのが繰り返されているのが今の日本刀の相場なのです。 今現在、売り手の方がはるかに多いのです。 昔の刀剣ブームで大金をはたいて刀を買った人がそろそろあの世に行く時代になったのですが、この世で受け取る人がいない。 どんどん市場には日本刀が出てきますが、買う世代に余裕がないので、ますます溢れてしまう。 これでは文化の継承が出来なくなってしまいます。 こう言う状況は困るのですが、一人ではどうしようもありません。 いっそのこと、この全集をデータベースにして公開しようかとか思いますが、それはやばそうなのでやめておきます。 |
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