|
さいきん筆不精の僕でしたが、さすがに今回のこの事故については
地元でもあり元ホテルマンとして書かずにはいられませんでした。
報道でも詳しくされていますが、このホテルはこと安全管理という面では
何から何まで全てに於いて杜撰でしたし、「起こるべくして起こった」と言わざるを得ません。
ただ現実にホテル業界に従事した者の感想というか意見としては、
本来最優先すべき安全対策というものが一番後に回ってしまう事情もわかるのです。
そもそも、一般の方がホテルを選ぶときの優先順位はほぼ決まっていますから。
「価格」「立地」「内装」という条件はほぼ不動だと思います。
通常のビジネスホテルであれば「接客サービス」というところが次に続いて
「安全」という項目はほとんど顧みられることはないのが現状です。
特に昨今の不況で「価格」に占めるウェイトが年々増してきて
どの業界もそうだとは思いますが、ホテル業界に於いても終りなきダンピング合戦が続いています。
ましてこのホテルはモーテルタイプなので「接客」にはほとんどコストをかけなくてもいいというか
実際かけてなかったと思います。
もちろん防火設備も含めた館内設備も然りです。
僕等利用者も、ホテルを利用するとき防火扉やスプリンクラーがあるかとか
非常口や非常階段の位置を選ぶ参考にするでしょうか?
そんなのはゴルゴ13とか警備や軍事関係の人くらいだと思います。
提供者も利用者も「安かろう悪かろう」の流れで進んできてしまった顛末だと思うのです。
僕がホテルマン時代、防火管理センターというところで研修宿泊をして
実際の消火器具の操作や避難誘導のシュミレーション、座学などをかなりみっちりして
ホテルに戻ってからも月一の消防訓練と消防署立ち会いの訓練が年一回ありました。
それだけ知識と経験があっても、単なる訓練でパニックになって慌ててました。
一体ここの従業員の方はそういう経験はしてたのだろうか・・・。
推測ですが、もう何がなんだかわからなくなってしまっていたはずです。
今回の件は、きちんとした設備、知識があれば単なる一部屋のボヤでおさまったはずです。
帰らぬこととなった命の尊さを思うと、僕は書かずにはいられませんでした。
これは本来あるべき姿でお客様をお迎えしないといけない経営者の自覚の欠如に他ならないです。
GWの高速バスの件といい、閉塞する日本はどんどんおかしくなっていっている気がしてなりません。
■福山でホテル火災、7人死亡
13日午前7時ごろ、福山市西桜町1丁目のホテル「プリンス」=同市多治米町1丁目、楠妙子さん(63)経営=から出火、4階建て延べ約1360平方メートルを全焼、隣接の美容院兼住宅を半焼して約3時間後に消えた。宿泊客7人が死亡、女性従業員1人と女性客2人の計3人が重傷を負った。福山東署によると、犠牲者のほとんどは大量に煙を吸い込んだ一酸化炭素(CO)中毒が死因とみられる。
福山東署の調べでは、死亡したのは男性3人、女性4人。犠牲者の特定を急いでいる。当時、従業員女性(75)が1人で勤務し、13人が宿泊していた。
同署などによると、ホテルは1960年築の木造2階建てと68年築の鉄筋4階建てをつないだ構造。窓が内側から板で覆われた客室があり、排煙や避難の妨げになった疑いが出ている。
さらに、火災報知機が鳴らなかったとの客の証言もあり、同署は防火設備の不備や避難誘導の不手際で被害が拡大した可能性もあるとみている。
福山市は昨年9月の査察で排煙設備や非常用照明に不備があり、天井や壁などに不燃材が使われていないなど建築基準法に不適格と指摘。だが、改善されていなかったという。
ホテルの受付は1階にあるものの、一般のホテルとは違ってプライバシーに配慮してあるという。2、3階に客室が計18室、4階はボイラー室など。インターネット上で格安料金をうたい「ラブホテル〜ビジネスのご使用まで、または長期のウイークリーまで対応」と紹介していた。
同署は内部から出火したとみて14日に現場検証をする。現場はJR福山駅の南西約800メートルの住宅街の一角。
総務省消防庁によると、3人以上の犠牲者が出たホテル火災は94年の福島市・飯坂温泉以来となる。
|