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日本の滝を訪ねて 第150回 白銀ノ滝 〔北海道〕
オロロンラインが開通するまで
到達困難の秘滝だった白銀ノ滝
白銀ノ滝 しらがねのたき 落差 40m 北海道・石狩市浜益区
白銀ノ滝 周辺案内図
滝へのアプローチ
留萌支庁・増毛町より、国道231号線(通称・オロロンライン)を雄冬・石狩方向に22km、車で30分
雄冬岬トンネルの増毛側入口の手前50mに滝見の駐車場有
行程表
滝見の駐車場の目の前に滝がある。 周辺は夕日の名所として知られる雄冬海岸。 月と滝を狙ってみた
この滝は永らく陸の孤島と呼ばれていた留萌〜石狩間の日本海海岸に面する海岸爆である。
だが、国道231号線の雄冬岬トンネルの開通など道が観光整備されてからは、海の幸が多く獲れる事などから道央・日本海側の一大観光地として名が広がってきている。
だが、この雄冬岬周辺の冬は発達した低気圧の通り道となり、国道231号線もしばしば地吹雪で通行止となるなど、冬に訪れるのはかなり困難な場所である。 ワテはある目論見をもって冬に増毛に通っていたのだが、その帰りにこの道を通って「ホワイトアウト」の中を札幌まで帰ってきたので本当である。 ちなみに増毛でのある目論見とは、コレの事ですね。 大失敗に終わったけど・・。
何度も滝前を通ったが
いつも地吹雪で滝見が叶わず
密かに入れ込んでいた滝
冬は滝見どころではなく、美麗な滝がある事を知りながら滝前には行けない時が続いたので、ゴールデンウィークの今回の北海道旅では、密かに「絶対にこの滝を撮るぞ!」と入れ込んでいたのである。
入れ込んでたにも関わらず
己の体力の劣化を読み違えて
今回もボツの危機に・・
だが予定とは、計画通りに運ばないモノである。 この滝の訪問日に充てた旅の最終行動日に、ロープウェイなどを使って大雪山の黒岳の日帰り登山をしたのだが、歳食ってヘタった身体では思った以上に山の往復に時間を取られ、大雪ロープウェイの乗場である層雲峡を出たのが15時半と、車をすっ飛ばしても間に合うかギリギリの時間となってしまったのだ。
高速をレンタカーの軽で平均100km/hで飛ばして、何とか陽が沈む20分ほど前に着く事ができたが、コレは夕日の名所である雄冬海岸を訪れるに当たり、最高の到着時間となったのである。
着いたのはサンセット20分前の
最も美味しい時間だった
夕日を浴びて輝く滝や、ウミネコが群れを成す岩礁に打ちつける激しい潮騒、そして最高のサンセットの瞬間を目にする事ができたのである。 それでは、その最高の時間帯に訪れた美麗瀑やサンセットのシーンをごろうじろ。
落日までの20分間の情景
こんな高い落差の海岸爆があるという事は
以前は断崖絶壁で往来不可能だったのだろう
岩礁に打ちつける潮騒は
海鳥に休息を与えない
やがて滝の岩盤に落日の陽が当たって
美しく染まり始める
一日で太陽が最も美しい光を
魅せる瞬間がやってきた
もはや落日の光は滝へは届かない
最高に美しい情景を余韻に
陽は沈んでいった
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滝を訪ねて・北海道
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日本の滝を訪ねて 第141回 比翼ノ滝・晨光ノ滝 〔北海道〕
雪解け水をイッキに叩き落とす
比翼ノ滝
比翼ノ滝 ひよくのたき 落差 7m 北海道・名寄市
名寄市・智東にある、ピアシリ山を水源として天塩川に注ぐ吉野川にある滝。
吉野川の流れを全て叩き落とす豪快な滝である。
勢いは殺がれたものの
これはこれでなかなか・・
晨光ノ滝
晨光ノ滝 しんこうのたき 落差 5m 北海道・名寄市
比翼ノ滝の更に1km程上流にかかる滝。 この滝も川の流れを全て落とす滝だが、上流ゆえか比翼ノ滝ほどの迫力はない。 何でも、「夜明けの前の光の如く、名寄市の明るい未来を象徴する滝」として名付けられた・・との事である。
滝へのアプローチ
名寄市街から道道252号〔美深名寄線〕に入り、旧智東駅方向に向かう。
智東駅のあった場所の近くに住友ゴム(ダンロップタイヤ)の冬季テストコースの案内版があり、その方向に入る。 ダンロップタイヤのテストコースを過ぎると《智東三線林道》に入り、5kmほど入ると林道の行き止まりの飯場に着く。 そこから、吉野川に沿って遊歩道が延びている。
行程表
土木伴場は完全に泥濘状態なので、車の進入は不可能。 従って、車はその手前の林道の路肩に駐車する以外にない。 林道工事の飯場より約2km・40分程で比翼ノ滝。 その更に1km・20分程先に晨光ノ滝がある。
交換設備のある有人駅だったんだけど
晩年は1日上下4本しか停まらない貨車駅に・・
※ グーグル画像より拝借
アプローチの項目で記した通り、この滝は利用者皆無で廃止となった駅・智東駅が最寄りの駅であった。 そう、駅が廃止になる程に無人地帯な所にある滝なのである。
智東駅にあった名所案内
この看板を見てここに行ったの
何人位いるのだろう?
※ グーグル画像より拝借
天塩川の西岸は国道40号線が幹線道路として通り、それに沿って街が形成されているが、天塩川を挟んだ東側は智恵文に小集落があるだけで、智東に至っては完全なる廃村と化して長い年月が経っている。 何でも智東にあった小学校は、40年も前に閉校となったそうである。
こういう所であるから、「ほとんど人の通らない所にある秘めたる滝」の期待が高まるのだ。
ぢ・つ・わ・・
駅舎の在りし時に降りた事あったりして・・
※ 『北海道690駅』 著 宮脇俊三、原田勝正 より
滝へは、『住友ゴム・名寄テストコース』と書かれた看板の方向に入っていく。 かつてはこの看板の隣に滝の案内板もあったみたいだが、誰も訪れる事もなく撤去されたようである。
まぁ、これは見落としただけかもしれないが・・。
この林道で唯一の滝案内板
※ グーグル画像より拝借
この分岐から、住友ゴムタイヤのテストコースの入口まで約1キロほど舗装道が続くが、これを過ぎると途端にダートとなる。 ダートを4km程進むと、ショベルカーの止められた林道工事半飯塲に着く。
詳しくは解らないが、もしかしたら木材積み出しの飯場かもしれない。
林道工事の飯場は完全な泥濘状態で、車の進入は不可能だ。 従って、その手前の広めの路肩に車を止めるしかない。 ここから歩いていくのだが、飯場が完全な泥濘状態の為に、進むべき道が判り辛い。
ぢ・つ・わ・・、筆者はここでも得意技の『オチャメ』をカマしている。 それは入る道を間違えて、違う方向に2kmも入ってしまったのだ。 間違えた道は一見は林道のようで歩く分には問題がなかったが、進む内に雪が現れて終いには雪で道が消されてしまっていたのである。
その他にも、樹にピンクリボンが巻いてあるのを勘違いして登りかけたが、コレは木こりさん達の『指標リボン』のようで、雪で杣道は覆われて50m上がった所で「コレは無理」と撤退してたりする『オチャメ』もカマしている。 でも、ここで転ばなくて良かったよ。 転んだら、泥濘でドロドロになった事だろうから。
更に手前に大型ショベルカーが
道を塞ぐように止まってたりして・・
間違っても仕方ないよねぇ・・ この林道 この道間違いで1時間半程ロスして、ショベルカーがピタリと前に止められていて塞がれている道があった。 その奥に作業飯場の詰所があり、先程に通った道より”良い道”が川に沿って延びていた。
この道は進む毎に動物の絵で示されたキロポストがあり、まごう事なき滝遊歩道のようだ。
この道を2kmほどゆくと『比翼ノ滝』の看板があり、下を流れる吉野川の河床全体から雪解け水を叩き落とす豪快な滝を望む事ができる。
看板だけ滝見客を意識してるな・・
※ グーグル画像より拝借
雪解け水をイッキに落とす瀑音が
山々にこだましていた
また、チップを敷いた鄙には”致せり尽くせり”の滝遊歩道があって滝下にも降りるができる。
但し、筆者の訪れた春はこのチップに雪が乗り、反って滑り易くなっていたのは念の為。
それでは、雪解け水を叩き落とす豪壮な滝をごろうじろ。
大瀑布に興奮した水が
早瀬でも猛烈に弾けていた
雪深い谷の雪解け水は半端ではない
舞い上がる飛沫が
神秘の滝の様相を醸し出す
このままでは立ち去り難いので
強制的に滝から離れる事にしようか・・
比翼ノ滝から更に1kmほどゆくと晨光ノ滝があるが、こちらは更に訪れる人がいないのか、遊歩道に倒木が横たわるなどかなり荒れている。 また、残雪も多くなってきて、晨光ノ滝の直前では遊歩道は完全に雪に埋まっていた。
比翼ノ滝と同タイプも
ややおとなしい晨光ノ滝
その晨光ノ滝は、タイプとしては比翼ノ滝と同じ河床全ての水を落す滝なのだが、比翼ノ滝までの下流1kmで流入する無名滝や沢瀬がかなりあって、かなり水流の勢いが殺がれているようだ。
また、この滝の右側に3筋の細い流れを魅せる『三ッ糸ノ滝』もある。
隣の三ッ糸ノ滝がか細いので
スローシャッターで狙ってみた
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日本の滝を訪ねて 第128回 斜里岳源頭部の滝群 〔北海道〕
万丈ノ滝
斜里岳源頭部は滝を連ねている
斜里岳・清里ルート 行程図
アプローチ JR釧網本線・知床斜里駅より車利用 〔1:10〕→斜里岳登山口の清岳荘
※ 前日到着の宿泊が望ましい
行程表 清岳荘 (1:10)→羽衣ノ滝 (1:10)→馬ノ背 (0:40)→斜里岳 (0:30)→上二股 (0:45)→熊見峠 (1:05)→清岳荘より車利用
〔1:10〕〜JR知床斜里駅 ※ 今回は滝の紹介記事なので、滝群以降は割愛
斜里岳には斜里町側の豊里ルートと清里町側の清岳荘ルートがあるが、登山口に山荘があり登山口までの道も砂利道ながら整備されている清里ルートが一般的だろう。 だが、どちらにしても、登山口へのアプローチは車かタクシーが必須であろう。 中には、自転車という猛者もいたけれど。
清里町側のルートの登山口には清岳荘という登山小屋があり、寝具貸出と軽食の提供はあるが、基本的には素泊小屋なので、ある程度の準備は必要だろう。 また、山を楽しむ為にも、早出早着の原則を守るべく前夜にここに宿泊して、翌朝日の出と共に出発したいものである。 それではこの事を踏まえて、この山荘を起点に新旧登山ルートを使って、斜里岳を一周してこよう。
登山道は小屋の裏手から延びている。 登山道は上部で滝の連続となる一ノ沢の中に付けられており、飛び石伝いにジグザクに跨ぎながら歩いていく。 沢は浅く、また適当な踏み石もゴロゴロと転がっているので、水に濡れる事はないだろう。 やがて、《下二股》で尾根筋をゆく新道ルートを分けると、沢は一転して山肌から滝を連続して連ねる様になる。 羽衣ノ滝
旧道ルートは沢滝を遡って登っていく爽快なルートだ
これから進む旧道ルートは、この滝の連なる沢を遡行していくのである。 名前のついている滝だけでも、白糸・水簾・羽衣・万丈・七重・見晴・竜神・霊華と8つあり、この様々な姿を魅せる滝の傍らを・・、中には滝を直に上っていく。 従って、簡易の布製登山靴なら浸水するかもしれないので、しっかりした足回りが必要だろう。
滝は斜瀑気味の滑滝が多いが、中でもこの瀑布群の中でも代表的な滝である羽衣・万丈・七重ノ滝の姿には目を奪われる。 滝を観て、その飛沫を浴びながら登る爽快なコースである。
また、際どい所には鎖やハシゴが架けてあり、思ったほど難しいルートでもないのである。
だが、常時沢に入っているので濡れて滑りやすく、スリップしての転落事故事例もかなりある・・との事なので、当日の天気や沢の水量などを確かめてから登るべきだろう。
竜神ノ滝
滝の上を直に歩く爽快さがたまらない
霊華の滝を過ぎると沢の流れは細くなり、「源流部近き・・」を思わせる。
沢が伏流となって見えなくなると、《下二股》で分かれた尾根筋ルートの新道コースと合流する。
・・今回は滝紹介記事なので、ここで折り返しとするが、この滝を見に来た者の全てと言っていい程に斜里岳に登っている事だろうと思う。
・・と言う訳で、続く斜里岳登山に興味のある方は、メインページの『旧道ルートの滝道を遡って斜里岳へ』を見てネ。
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日本の滝を訪ねて 第108回 知床・男滝、女滝 〔北海道〕
女滝 落差は120m位はあろう・・
天から淑やかに落ちる様は女の色気そのもの 知床・男滝 しれとこ・おだき 落差 80m 北海道・羅臼町
知床・女滝 しれとこ・めだき 落差 120m 羅臼海岸
アプローチ 知床半島の羅臼海岸側の最端集落・相泊より海岸線を約17km
この海岸線には道がなく、一般的には遊覧船やカヤックにて海上から
眺めるのみ可能な滝である。
※ 徒歩で滝見に行くのは生命の危険も伴うので止めた方が無難
羅臼海岸 相泊〜モイレウシ 位置図
羅臼海岸 ペキンの鼻〜知床岬 位置図
この滝は『我が国最後の秘境』という知床半島の突端に近い位置(知床岬より3㎞程手前)にあり、もちろん整備された・・どころか道自体がない。 通常はコンブ漁に勤しむ地元の漁民の方々もボートで往来する所だ。 観光客ならば羅臼港から出る遊覧船もしくは、アクティブな御仁ならシーカヤックで海を漕いで海上からのみ望める滝である。
男滝 落差80m位か
困難を経てのみ魅れるモノ・・だ もし筆者のように歩いて行くとなれば海岸沿いの崖越えが多数ある困難なルートをゆく事になる。
それは、潮の満ち引きによってルートが海中に没したり、波打ち際の困難な崖をトラバースしたり(もちろん、落ちると確実に死に至るだろう)、高さ100mに及ぶ直立の崖を上下したりせねばならないからである。
あと、海岸という事で水も限られた沢筋以外に入手できず、またヒグマも外敵の『人』がいない事から、常に出没する所なのである。 そして、ルートは海際を渡りながら行くが、潮の満ち引きを知り、最も潮が引く暦の潮が引く時間帯のみ歩行が可能なのである。
よって、一部の『いきり立った奴』が生命の保証もなく、管轄官庁から「行ってはいけません」、「行けば命の保証はないですよ」という所に行くのである。 もし、筆者のように『いきり立って』行くとするなら、管轄官庁から制止されている所にいくのだから、事故ったら生命が助かっても刑事罰を受けねばならぬ事は覚悟して臨んでもらいたい。
なお、このルートを歩く自体が非合法なので、コースタイムは書き記さない事にする。
でも、壮大な夢を成し遂げた充実感は、『一生涯モノ』として心に刻まれるのだ。
※ 詳しくはメインサイトより筆者の勝手な“夢の実現”手記
『《番外編》 羅臼町・相泊より海岸線を知床岬へ』を御覧下さい。
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日本の滝を訪ねて 第103回 心洗ノ滝 〔北海道〕
秘滝・心洗ノ滝
心洗ノ滝 こころあらいのたき 落差 2段30m(上25m・下5m) 北海道・平取町
アプローチ 日高・幌尻岳登山ルート途中の額平川・四ノ沢付近の支沢にある滝
平取町・振内より幌尻林道を32km進むと、林道の車止めゲートあり
林道ゲートから5kmで取水ダム、取水ダムの先から渡渉ルートとなり
約1時間で四ノ沢出合 その少し先の支沢にかかる滝
この滝を単独で見に行く事はまず有り得ないだろう。 それは、日高の盟主・幌尻岳の登山ルートの最中にある滝で、しかも沢を渡渉して始めて拝める滝だから・・である。 要するに、滝を見るだけで行くならば、ハード過ぎるからである。 従って、滝の所在場所まで、幌尻岳登山ルートのガイドで代用しようと思う。
平取町・振内より、砂利道の林道を延々32km進んでいく。 途中、『幌尻山荘へ19km』という看板がある分岐を、その指示通りに進んでいく。 ここからは道脇にキロポストがあり、《5.0》地点にある林道ゲートまで車で行ける。 さぁ、ここからは“歩き”だ。
日高の山は、大抵が林道歩きから始まる。 この北日高も例外ではなく、《10.0》地点の取水ダムまで5kmの林道歩きだ。 見るべきものもなく、ただ黙々と歩き続けると、やがて《北電・額平川取水ダム》に着き、ここで林道は尽きる。 ダム堤を越えて、額平川の河原に沿って着いてある踏跡をたどっていく。 途中、増水時に高巻く“バンド”が垂れ下がっていたり、両岸が函状に迫ってきたりして、沢に入っているのが実感できる。 ハシゴや岩がせり出す“へつり”の鎖場などをピッケル片手に越えていく。
《四ノ沢》が、勢いよく本流に合流している。
ここから靴を徒渉用に履き替えて、“気合を入れて”川を渡っていく。 沢への第一歩は、すごく冷たくて背筋がピンとなる事だろう。 この“儀式”を終えると、前方にけたたましい瀑音が聞えてくる。 《心洗ノ滝》である。
誰が名付けたのか、岩に赤ペンキで書いてある。
もし、この風流な“名付け親”がいなければ、日高の沢に無数とある“無名滝”として、人知れず瀑布を掛けているのであろうか。
←疲れた身体と心を洗う滝に癒されて
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この先(続き)はコチラをどうぞ。
※ 『日本の滝を訪ねて』では心洗ノ滝の他、いろいろな滝も御紹介しています。
宜しければどうぞ。
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