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名峰百選の山々 第106回 『62 西穂高岳』 長野県・岐阜県
槍穂高山系(中部山岳国立公園) 2909m コース難度 ★★★★★ 体力度 ★★★
荒々しい姿を魅せる西穂高岳 ついに・・、名峰百選もラストの100峰目を迎える。 ランダムに挙げてきたので、「最後はこの峰」との思念は皆無であったが、やはり足掛け3年近くの長期連載なので、それなりに感慨は深いものである。
それでは、ラストの名峰を御紹介しよう。
西穂〜奥穂縦走路 行程図
行程表
《1日目》 JR高山駅よりバス (1:35)→新穂高温泉よりロープウェイ<1回乗継あり> (0:25)→西穂高口 (1:10)→西穂山荘
《2日目》 西穂山荘 (2:50)→西穂高岳 (3:00)→天狗ノコル (2:30)→ジャンダルム (1:00)→奥穂高岳 (0:35)→穂高岳山荘
《3日目》 穂高岳山荘 (0:50)→紀美子平より前穂高岳往復・約50分 (2:45)→岳沢 (2:00)→上高地よりバス (1:15)→新島々より鉄道 (0:25)→JR松本駅
北ア最大の難所
西穂〜奥穂の全景
《1日目》 新穂高山荘より西穂山荘へ
このコースは、槍・穂高連峰の縦走コースの中で最大の難所として知られている。 従って、気軽な縦走コースとして歩くと事故の元である。 このコースを歩くなら、より慎重に自らのの体力・技量を見つめなおし、装備・計画も万全を期していこう。
このコースは前述の通り“一般向け”ではないので、“高山植物を愛でながらの山旅”などといった楽しみ方はまず期待できない。 されば、「このコースの魅力は?」と問われると、私はこう答えたい。 「身体の全てを使って難所を乗り越える事、そして乗り越えた後の言葉に尽くせない充実感が魅力なのだ」と。 さて、この山行を始めるにあたって、「この山行の成否は全て《2日目》にかかっている」といえるのである。 従って、明日の行程のことを最優先に考えて行動しよう。 この行程表も、《2日目》の行程を如何に体調良く、如何に安全に進めるかを考えて企画したものである。 いつもなら、テント幕営スタイルをお薦めしているが、今回は小屋泊まりスタイルが“ベター”であろう。 そして、《2日目》を疲れなく早朝出発できるように、行程初日をロープウェイを使っての短時間歩行にとどめておいたのである。 なお今日の行程は、コースのガイドをする程でもないので割愛したいと思う。 西穂〜奥穂 核心部詳細図
《2日目》 西穂高岳からジャンダルムを越えて奥穂高岳へ
北アルプスの山小屋は、朝食時間が総じて遅い。 だが、難所越えのセオリーは早発、そして早着である。 これは、山の天気は朝の方が安定しているからである。 特に難所越えでは、雨に濡れる事が最大の危険となり得るのである。 前日でも述べたように、全ては今日《2日目》の行程に全てがかかっているのである。 従って、今日の朝食は小屋では取らずに、持参のパンかおにぎりで済ますのがベターであろう。
それでは、自らの知力・体力の全てを発揮して、この難所にチャレンジしてみよう。 《西穂山荘》の横手にある登山道に入ると、少し登って“丸山”というハイマツの盛ったピークの上に出る。 ここから見る西穂高岳は、より鋭い尖峰を突き出している。 見る者の感性にもよるが、私は穂高連峰の中でこの西穂高岳がスラリとして最も美しいように思うのである。 このピークからは、《西穂独標》に向かって一直線に岩礫帯を登っていく。 この《西穂独標》までは、一般登山者も行き交う安全な道である。 この安全な登路を疲れを知らずに、《西穂独標》まで登り着く。 難所はいよいよこれからだ。 西穂高岳は笠ヶ岳の好展望台だ
《西穂独標》 2701メートル の頂から、笠ヶ岳の美しい“笠”姿を望んで気合を入れなおしていこう。 《西穂独標》から標高差にして50mほど岩壁を下って、ピラミット峰の鞍部に下りていく。
この途中にホールドの難しい一枚岩の下降点があり、過去に滑落事故も発生している所なので注意が必要だ。 この鞍部より、天を突くようにそびえるピラミッド峰へ痩せた岩稜を登っていく。 要所ごとにペンキで印が打ってあるので迷う事はないが、足の踏み場が不明瞭な所も数多くある。 150mほど岩稜を登りきってピラミット峰の上に出ると、ようやく西穂高岳の本峰が見えてくる。 ここから、西穂高岳本峰の取付まで砂利ガレの緩やかな道となる。 これはたぶん、通過が困難な岩峰の縁を巻いて道がつけられているからであろう。 この辺りは雷鳥の営巣地のようで、まるまると太った“ドン鳥”がヨチヨチパッパと岩を伝っているのが目に入ってくるだろう。 この緩やかな砂利ガレ帯を越えると、いよいよ西穂高本峰の大岩稜の直登となる。 この直登で1ヶ所崩れた所があり、浮石が多く乗っかっている。 下山者がいる場合にはここが落石の基点となるので、足元と共に頭上の注意が必要だ。 これを登りきると、西穂高岳 2909メートル の頂上だ。 西穂高岳にて
西穂高岳の頂上からは、これから歩いていく《ジャンダルム》から奥穂高岳へかけての稜線がダイナミックに展開している絶景を見渡す事ができる。 これから写真を撮る事もままならない“難所”を通るので、是非にも“撮りだめ”をしておこう。 この先からは登山者はめっきりと少なくなり、岩が谷に落ちていく音が高らかに鳴り響き緊張させられる。
奥穂高岳に連なる
ジャンダルムの岩峰
左右がスッパリと切れ落ちた岩稜を小さく上下していくと、間ノ岳と呼ばれるピークに登り着く。 この間ノ岳までに途中4ヶ所鎖が掛けられている所があり、いずれも信州側の高度感ある岩稜をトラバースしていくので、通過には肝を冷やす事だろう。 どの難所でもいえるだが、安全に通過する為には“基本に忠実であれ”という事である。 あまり鎖に体重をかけ過ぎずに、確実な三点指示でホールドしながらいこう。 縦走路全般に渡って
逆層からなる不安定な岩場が続く 間ノ岳の頂上付近はガラガラの砕石が積み重なっていて、常に落石が谷に落ちる響音が聞えてくる。 この頂の通過にあたって注意したいのは“浮石”である。 浮石に乗っかってバランスを失わないように注意しよう。 間ノ岳からガラ場を小さく上下すると、飛騨側を巻いて《天狗ノ頭》と呼ばれる岩峰の上に出る。 この辺りも逆層気味の岩ガレが続くので、浮石によるスリップに注意したい。 この頂上から鞍部に向かって下っていくのだが、途中に2〜3m位ではあるが懸垂下降があり緊張させられる。 脆い上に懸垂下降
安全通過に全神経を注ぐ
この岩壁を下りきると《天狗ノコル》である。 ここからは、《岳沢》に下る踏跡が右に向かって延びている。 この分岐のすぐ先には避難小屋跡の石垣があり、かつては奥穂高への最短ルートとして使われていた事が伺える。
このコルから、相変わらずの逆層の岩ガレ帯で形成された痩せ尾根を伝っていく。 飛騨側を巻いて痩せ尾根を登っていくと、尖った岩稜が並ぶ《畳岩ノ頭》に出る。 この辺りも、逆層気味の岩稜に砂礫が乗っかっている浮石地帯なのでスリップに注意しよう。 この《畳岩ノ頭》から見る《ジャンダルム》は圧巻だ。 頭上に迫り上げる《ジャンダルム》の姿は、崇めるに相応しい神々しさがある。 中央の“入道頭”が目指すジャンダルムだ
この頂から痩せた岩稜を踏んでいくと、《コブ尾根ノ頭》に着く。 ここに立つと、より《ジャンダルム》が間近に追ってきて緊張感がより高まってくる。 ここから少し下って、《ジャンダルム》の基部に出る。 《ジャンダルム》の頂上から直接下る事もできるが、この奥穂高側は垂直な岩壁の懸垂下降となるのでザイルが必要となろう。 普通は信濃側の巻道を伝っていく。 コルからは左へ延びるバンドを15m程伝った後に10m位直登して飛騨側に渡っていくと、ステップよく切られた下降点に出る。 これをジグザグに下って、東側に延びるバンドを伝っていく。 振り返ると、いつの間にか《ジャンダルム》を巻いて反対側の基部の上に出ている事が判るだろう。 東側に延びるバンドからフィックスザイルの所で一段下っていくと、道は一度安定してくる。 だが、難関はまだまだ続くので油断は禁物だ。 次の難関は《ロバノ耳》である。 この岩稜も飛騨側を大きく巻くのだが、この巻道が“クセ者”なのである。 ここはステップの狭いガラ場の急下降で、霧にでも巻かれるとその露で足場が濡れて更に通過が困難となるだろう。 それに高度感のある所での下降は、恐怖感が多分に伴うものである。 ペンキ印を確かめながら、慌てずゆっくりと下っていこう。
このステップを下りきると横にトラバースして、ルンゼ状に彫られた岩溝の中を登って稜線上に戻る。 《ロバノ耳》を巻き終えて稜線上に立つと、眼前に奥穂高岳がどっしりと待ち構えていることだろう。 後は、待ち構えている奥穂高岳へ向かっていくのみだ。 《馬ノ背》といわれるナイフリッジの稜線を絡んだり跨いだりしながら登っていく。 やがて、緊張する岩峰の悪場を乗り越えて、稜線が広く安定した道となっていく。 この安定した道を続けてひと登りすると、我が国第三の標高を誇る奥穂高岳 3190メートル 頂上だ。 頂上に出ると、登山者の賑わいが再び耳に戻ってくる。 頂上での視界が良好なら、越えてきた《ジャンダルム》の岩稜や天衝く槍・北穂高岳から《大キレット》の稜線が見渡せる事だろう。 難所で撮る余裕のなかった分を思う存分取り返そう。
後は、安全な鎖場とハシゴを数ヶ所伝って《穂高岳山荘》へ向かうのみだ。
“難所”を越えた反動により、気を緩め過ぎないようにだけ注意!?して下っていこう。
まだまだ気は抜けない
岳沢への下降路も鎖場が続く 《3日目》 岳沢を経て上高地へ下山
今日の行程は『名峰百選 第95回 奥穂高岳,前穂高岳』と同一なので、詳しくはそちらを参照して頂きたい。 下山のみといえども出発は早めの方が望ましいのだが、冒頭でも述べた通り北アルプスの山小屋は朝食が極めて遅い。 ここは、多少空腹であっても、小屋で朝食を取らずに出発する方がいいかもしれない。 また、この《岳沢》の道を下るなら、是非にも前穂高岳 3090メートル に立ち寄りたいものだ。 前穂高岳は
槍・穂高連峰の絶好の展望台
前穂高岳で越えてきた難所を偲ぶ
稜線から少し離れている所にそびえる前穂高岳からは、奥穂高岳の美しい岩屏風や雲海の果てに突き出る槍の穂先がより美しく望めるであろう。 下山道に関しては《紀美子平》直下の鎖場が少し厄介だが、総じて整備された道が続く。 《岳沢》で昨日歩いた《ジャンダルム》の稜線を見上げて、難所を乗りきった充実感をもう一度かみしめよう。 岳沢より望む穂高岳稜線の岩屏風 《岳沢》を過ぎると、後はハイキングコースを《上高地》まで下るだけだ。 北アの穂高を歩いたなら、その“宿命”として必ずあの《河童橋》を渡らねばならない。 しかし、これ程登山を終えた充実感を殺ぐ所も珍しい。 また、松本へ向かうバスの“待ち”にも、たぶんに気を殺がれる事だろう。 これに巻き込まれぬ為にも、早発・早着を心掛けたい。 |
名峰百選・中部山岳
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名峰百選の山々 第102回 『77 塩見岳 act 2』 長野県・静岡県
塩見山系(南アルプス国立公園) 3052m コース難度 ★★ 体力度 ★★★
ガスが沸き立ち
迫力満点の塩見岳
南アルプス南部 みなみアルプスなんぶ (南アルプス国立公園) 〔再掲〕
南アルプスは白峰三山を越えると、頂を踏むのに二日がかりとなる。 それだけに、深山の趣をあふれんばかりに感じ取る事ができるのである。 まず、『漆黒の鉄兜』の異名を持つ塩見岳 3052メートル。 この山は南アルプスのほぼ中央にあり、どこから登っても二日以上かかるのだが、頂上に立つと南・中央・北と全てのアルプス、そして日本の全ての3000m級の山を見渡せるのである。
塩見岳・蝙蝠岳 登山ルート行程図 行程記録
《1日目》 JR・伊那大島駅よりバス (1:50)→鳥倉登山口 (2:50)→三伏峠
《2日目》 三伏峠 (1:20)→本谷山 (1:50)→塩見小屋 (1:30)→塩見岳 (0:35)→蝙蝠岳分岐
《3日目》 蝙蝠岳分岐より蝙蝠岳往復、所要・片道2時間 (0:45)→塩見岳 (1:05)→塩見小屋 《4日目》 塩見小屋 (1:30)→本谷山 (1:20)→三伏峠 (2:00)→鳥倉登山口よりバス (1:50)→JR・伊那大島駅
※ 前回『名峰百選 第101回 塩見岳 act 1』からの続きです。
登り着いた塩見小屋では朝に計画を立てた通り、担ぎ上げた水には手を着けずにジュースを購入する。
でも、便利になったもんだよ、山小屋は。 『10年ひと昔』というが、10年ちょっと前は「売るのはビール1本のみ」、「寝袋さえももってこんような奴は山にくるな」、「米を持ってきたら飯を炊いてやる」というのが通る世界だったんだけどね。 ジュース片手に、小屋番の兄さんと談笑する。 話題のネタは、《雪投沢》の水場の事である。 ぶっちゃけの「《雪投沢》に水はある?」という質問に、小屋番の兄さんは「あるけど、小屋関係者ならば『ない』と答えますよ」と言う。 なぜなら、小屋管理元の《東海フォレスト》より、《雪投沢》を始めとする稜線の水場での幕営禁止が通達されているからだそうである。
小屋番の兄さんいわく、「《雪投沢》のゴミや糞の処理は《東海フォレスト》が自費でやっていたんですよ。 でも、《東海フォレスト》自身が辛抱たまらなくなってしまったんですね」というのが理由だそうだ。 雪投沢方向から見た塩見岳
バットレスが迫力満点だ
《雪投沢》のテント禁止の原因が幕営登山者だ・・というのは、自分で自分の首を絞める事である。
そして、このような事を引き起こすから、人間失格者たる『犬連れ登山』の輩に「人間はどうなんだ」との醜聞たる屁理屈を与える口実となってしまうのだ。 登山者自身も大いに襟を正さねばならないだろう。
もちろん、私自身も含めて。
まぁ、この言葉は「〜もやってるではないか! なぜ自分だけダメなんだ!」と言っているに過ぎず、他の例に当てはめると如何に人間としてクズなのかが解るだろう。 「秋葉原で7人殺した奴もいる それに比べたら、野生動物を殺す位は“屁”でもないだろう」やら、「余計なちょっかいを出した奴が噛まれるだけだし、噛まれたらそいつが悪い」、「規制する奴らが“生態系に影響がある”との虚偽を口にするだけでその証拠はなく、あったとしてもオレの犬が野生動物を殺した訳ではない」、「人だって糞するだろうが、人は良くてなぜ犬はダメなんだ」などと言ってるのと同じだって事である。
最悪の事例となる『死亡事故』はまだ発生していないが、このまま放置するといつ起こっても不思議ではないのである。
「吠え掛かる犬に驚いて足を滑らせて滑落」って事も十分ありえるのだ。 現に「犬に驚きハシゴから落ちた」とか、「犬が上から落ちてきた」という、一歩間違えば大惨事という『ニアミス』が発生しているのである。
また、自然生態系の破壊は後々に人類に災禍を及ぼす事であるし、現に野生動物のコロニーが犬からの病原菌の蔓延で死滅している報告もされている。
証拠や根拠がないのではない。
見上げると天狗岩はまだあんなに遠く→
人間のクズ共が自らの私欲を満たしたいが為だけに、不利な証拠・根拠を難癖をつけて認めようとしないだけなのだ。 そして、そんな救い様のないクズな性質を問いただすと、『逆ギレ』を起こすのである。
真に飲酒運転で3人を殺し、裁判で「被害者も居眠り運転をしていた」などと言い逃れをするあの福岡の容疑者と同じである。
「人間はどうなんだ」という自らの『人間』を否定する言葉の他にも、「ウチの犬は吠えたり噛んだりしません、そういう事を言うのは犬嫌いの妄想です」、「犬が嫌いなら近づかなければいいだろ」、「我々を非難する者は犬が嫌いなだけ こんな可愛い犬を嫌うあんた達は人間じゃない!」、「犬が自然破壊したという証拠をみせろ!」、「法律で決まってないだろ」、「(『犬がライチョウのヒナを噛み殺した』などの犬連れ登山が引き起こした悪害を示しても)それは、我々を締め出そうとするオマエらの作り事だ」、「犬を制限する前に人間を制限しろ!」などとほざいているのである。 人間のクズ共のHPなどにはこんな反論が掲載されているが、常人ならば恥ずかしくて1つたりとも載せられない言葉だろう。 真に、『人間を辞めた出来損ない』の文言である。 試しに、これらのHPを一度見てみるといいだろう。 恐らく、ごく普通の知識・感情を持つ人間ならば、嫌悪感でヘドが出る思いがして即効退散する事だろう。 この事に関しては、このクズ共の行為を『天罰を受けるべき生物全てへの反逆』と捉えているので、ついついエキサイトしてしまうなぁ。 話は脱線してしまったが、小屋番の兄さんはこう続けた。 「今は黙認ですよ。 但し、もう《東海フォレスト》がゴミや糞の処理をする事はないので、利用者の心がけがないとすぐに荒れてしまいますよ。 だから、“極力糞はしない事”と、止むを得ず“した”ならば、キチンと埋めておく・・という『お約束』を徹底して欲しいですね。 私たちも、小屋泊まりよりも幕営山行の方が面白いと思うんですけどね」と気さくに語りかけてくれた。
休憩での談笑ではあったが、とても重要な話である。 「自然にローインパクトであるべく・・を心掛けている」と自負してはいるが、それでも今までの自らを省みる必要があるだろう。 今日は、これから幕営をする予定である。 この事への対応がモロに当てはまる行為をしようとしているのだ。 水の事だけではない。 この『自然に対してのローインパクト』も重々考慮せねばならないな。
真に『漆黒の鉄兜』との呼称が相応しい塩見岳 さて、塩見岳の最後の登りにアタックしよう。 「そういえば、この塩見岳へは12〜13年前の“最盛期”に登ったきりだなぁ」などと思いながら登っていく。 当然、あの時のようには行くはずもない。 最後の岩場への入口となる《天狗岩》までのつづら折りの登りで「こんなに長かったっけ」との疑問を拭い去れなかったり、最後の岩場で座りやすい岩を見つけては腰を下ろしたり、「標高差150mがこんなに長い訳ねえだろ」と悪態を着いたり・・と、またもや『酔っ払いオヤジ』モードに突入してしまった。
でも最近は、山の急登では“クダ”を巻かねば登れんなぁ。 コマッたものである。 『酔っ払いオヤジ』モードが最高潮に達した時、塩見岳の頂上標柱が現れる。 まぁ、これで現れんかったら延々“クダ”を巻き続けなきゃならんし、最悪「“クダ”巻きに疲れてフテ寝しちゃった」って事もありえるしィ〜(真剣にフテ寝しかねないのが、筆者の大物(アホ)たる所以)。
塩見岳の最高点・東峰より三角点のある西峰を望む
頂上写真らしくていいかな 頂上到着は10:50。 周囲は何とか見渡せるものの、午後に決まって湧き上がるガスがたなびいて来て情景的には“今イチ”であった。 また、かつてと違って“クダ”を巻いた直後なので、気分も爽快とまではいかなかった。 初めて塩見岳に登った時に頂で見た
富士山とレンズ雲 とりあえず頂上で30分ほど休憩し、ペットボトルに持参した粉ジュースを入れて半分飲むなどして疲れが取れたなら、先に進む事にする。 水と幕営用具一式を担いで来たにしては身体は疲れてはいなかったが、大元の“気力”が萎えはじめていたのである。 この状況を詳しく述べると、体と心が「もう歩きたくないよ、早くお昼寝しようよ」と言い出したのである。 思想に相反してわがまま放題のコマッた身体である。 でも、このわがままを聞く宿主も宿主なのであるが、筆者自体が“ダメっ子”なので仕方がないだろう。
明日踏破予定の蝙蝠岳へのルートを望む
・・で、その欲求に基づいた結論が、「水持っている事だし、何も《雪投沢》まで行かなくてもいいか」という事に落ち着いたのである。 塩見岳から30分ほど下って、《蝙蝠岳分岐》に着く。 見渡すと道標脇と分岐から少し進んだ窪地の底に、それぞれ1張りほどのスペースがあった。
ここは、稜線の風の影響を考慮して、三方を潅木と土手に囲まれた窪地の底にする。 早速テントを立てて、身体の欲するまま昼寝。 16時前まで熟睡する。 「こんなに寝て夜寝れるのか?」と自身でも思ったが、根が“物臭さ”なので夜もよく寝れた。
だが、さすがに標高2900m超の稜線上、三方を遮る事のできた窪地でも風は強い。
夜通しテントがバタついていた。 もう一つのスペースならヤバかったかも。
ちなみに、上には大きめのテントが設営されていた。
続く《3日目》の行程は、『名峰次選 第97回 蝙蝠岳 act 1』にて
※ 詳細は、メインサイトの『撮影旅行記』より『南ア・最後の未踏区へ その2』を御覧下さい。
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名峰百選の山々 第101回 『77 塩見岳 act 1』 長野県・静岡県
塩見山系(南アルプス国立公園) 3052m コース難度 ★★ 体力度 ★★★
ギラリと光る漆黒の鉄冑
塩見岳
南アルプス南部 みなみアルプスなんぶ (南アルプス国立公園)
南アルプスは白峰三山を越えると、頂を踏むのに二日がかりとなる。 それだけに、深山の趣をあふれんばかりに感じ取る事ができるのである。 まず、『漆黒の鉄兜』の異名を持つ塩見岳 3052メートル。 この山は南アルプスのほぼ中央にあり、どこから登っても二日以上かかるのだが、頂上に立つと南・中央・北と全てのアルプス、そして日本の全ての3000m級の山を見渡せるのである。
塩見岳・蝙蝠岳 登山ルート行程図
行程記録
《1日目》 JR・伊那大島駅よりバス (1:50)→鳥倉登山口 (2:50)→三伏峠
《2日目》 三伏峠 (1:20)→本谷山 (1:50)→塩見小屋 (1:30)→塩見岳 (0:35)→蝙蝠岳分岐
《3日目》 蝙蝠岳分岐より蝙蝠岳往復、所要・片道2時間 (0:45)→塩見岳 (1:05)→塩見小屋 《4日目》 塩見小屋 (1:30)→本谷山 (1:20)→三伏峠 (2:00)→鳥倉登山口よりバス (1:50)→JR・伊那大島駅
チシマフウロ
《1日目》 三伏峠まで・・
伊那大島からのバスは、朝の便と昼の便がある。 朝の便は6時台で、これに乗るには伊那大島駅の周辺で宿泊しない無理だろう。 従って、昼の12時台の便に乗る事にしよう。 バスは14:15の定刻より10分程早く着いた。 以前に下山で通った事もあるので“勝手知ったる”と、即効『登山届』を書いて出発。 登り始めの鹿の食害対策のビニールをグルグル巻きにした植樹帯は、ハイペースで登っていく。 本来なら『午後から登山』などセオリーとしては“もっての他”なのであるが、今日は《三伏峠》までの3時間程度の登りのみなので、今回は“セオリー無視”を許してネ。 花の名前知らないけれど
道中にはいっぱい咲いていた 今日はカメラを取り出す事もないし、また暗くなる前の17時半位には着いておきたい。 いつもなら植樹帯の登りを抜けた頂点で“ヘタっている”ハズなのだが、ノンストップでゆく。 《三伏峠》到着は、17時3分前。 小屋でテントの受付をして、テントを設営する。 水は小屋で買うか、往復30分の旧《三伏沢小屋》の手前まで汲みに行かねばならない。
旧《三伏沢小屋》前のテント場は、遠の昔に閉鎖されちゃったんだって。
条件的には、あちらのテント場の方が良かったんだけどね。 離れていると管理が大変なのと、監視がいないと場が荒れるので仕方がないか。
さて、夕食であるが、着くのが遅くなってしまう事も想定して、火を使う事をやめて『コンビニ・おにぎり』を持ち込んでいた。 そして、飲み水は登ってきた時の飲料水の残りで事足りる。 最悪、小屋で買ってもいいのだし。 こうすれば、『午後から登山』のマイナス面をカバーできる。
コオニユリ
三伏峠小屋管理の高山植物養成区 で一輪だけ咲いていた 水は翌日の登り始める前に汲む事として、とっとと『コンビニ・おにぎり』を食って寝に入る。
空は暗くなり始めた18時位より、雨がしたたり落ちてきた。 この雨が夜半中にやむ事を願って就寝する。
明けの空に美しい三角形を
浮かび上げる間ノ岳
天気が良ければこのような情景が望める 《2日目》 塩見岳を経て、南ア・最後の未踏峰の懐へ・・
昨日、テント受付時に小屋で聞いた事なのだが、塩見岳奥の《雪投沢》は原則的に幕営禁止になっているのだそうで。 そして、ホントかウソか解らないが、「《雪投沢》の水場もかなり下の沢筋まで下らねば水は得れない」と聞く。 これを聞いて、計画の修正の必要が出てくる。 なぜなら、『水がない』のはその場所での幕営が困難となるからだ。
稜線に咲く花 その1
ハクサンフウロ
当初の計画では飲料水のみを持ち、登路での補給は《塩見小屋》でジュースでも飲んで、今夜と明日の2日間の生活・行動水は《雪投沢》で補給するというものだった。 今の体力ではキツい事が予想される塩見岳への登りは、『水』という荷を最小にして楽に挑む・・という腹づもりであった。 だが、「《雪投沢》の水場が遠くて確保の成否が不透明」と知らされたなら、最悪の事を考えると見送らざるを得ないのである。 となると、別の手を考えねばならなくなる。 まずは、《塩見小屋》に連泊しての空身での蝙蝠岳往復だが、これは『金がかかり過ぎる』のである。 しかも、幕営を見越してあまり所持金を持ってきていなかったので、“物理的”に不可能(つまり、持ち金が足りん!って事ですね)であった。 稜線に咲く花 その2
チシマギキョウ
前案が『ボツ』となると、後は根性論か撤退論しかなくなるのである。 天気が悪い訳(夜半過ぎの雨は上がって薄日が射している)でもないので、“撤退”というのは有り得ないだろう。 となると、“根性”を出して水を担ぎ上げるか、《雪投沢》に水がある事を信じる“博打”に出るか・・である。 稜線に咲く花 その3
トリカブト
“博打”は外れた場合の痛手が今回の山行の目的である『蝙蝠岳踏破』の断念につながりかねないので、これは先程いったように“見送り”であろう。 そうなると、選択肢は水を担ぐ“根性”論しかなくなるのである。 だが、今は御存知!?のように“根性”があまりない。 なので、2泊分の水を担ぐ事も不可能だ。 それに、2日分の水を持ち運ぶ水筒も持っていないしね。 稜線に咲く花 その4
イワツメクサ
・・という訳で半分の2.5㍑を担ぎ、とりあえず1泊を水のない稜線で凌ぎ、次の日は様子見で柔軟に対応しよう・・という計画にした。 この持参水には手を着けずに、途中の行動水の補給は“《塩見小屋》でジュース”でいいだろう。 これで今日の幕営と、明日の蝙蝠岳往復の行動水は確保できた訳である。
スペクトルの空に浮き立つ塩見岳のシルエット
以前は幕営地だった三伏沢にて
さあ、出発だ。 小屋へ行って“簡易水筒”を得るべく、ペットボトルのジュースを買って朝食のパンと共に飲む。 そして、登山道の途中から分岐している水場までいって、荷物をデポって水を2.5㍑汲んできてから“スタート”だ。 水を汲んで、今の荷は23㎏位。 担ぐだけなら、そんなに苦もない重さだ。 だが、これを担いで総計標高差900mを登るとなると、後ほどにジワジワと効いてくるのである。
幸い、空は雨上がりの朝で曇りがちだった事で暑くはなかったので、荷を担いでるにしてはハイペースで歩いていく。 程なく、三伏山という地図上に標高の記載のないピークを越える。 頂上は《三伏峠小屋》の展望台で、正面に塩見岳がデカデカと見渡せる。
だが、出発した小屋もデカデカと見えて、まだ少しも進んでいない事を思い知らされる。
真に『漆黒の鉄兜』との呼称が相応しい塩見岳
ここから潅木の中を緩やかに下っていく。 この下りがダラダラと長く、かなりもったいない印象を与える。 約20〜30分下って通行禁止看板とゼブラロープで進入を拒絶している旧《三伏沢小屋》への分岐を見やると、本谷山への登り返しだ。 この登りも基本的にはダラダラとしていて、あまり登り甲斐のない道だ。 お花畑もあるものの、もうピークを過ぎた秋の花で、足を止める程の感慨も湧かなかった。
まぁ、これは帰りにでも撮るか。
樹間より望む荒川三山
天気が良ければ望む事ができる
登りでペースは落ちたものの、最近では稀ないい“手応え”で登っていく。 いい“手応え”とは、登っている最中に途中でダレて立ち止まる事はなかったのである。 立ち止まらないものだから、遅くても確実に進んでいく。 そして、体力がないのは重々承知している事なので、“ゆっくり、ゆっくり”と呟きながら、立ち止まるまでに息が上がらぬように歩いていく。 これを登りつめると本谷山 2658メートル だ。 でも、この時間帯がこの日で最も“曇っていた”状態で、頂上では塩見岳も見えない位だった。 だが、登りでこれだけ涼しいと身体への負担が軽減されて好都合なので、「状況的にはベストかな」って思える。 今で7:30。 ここまでの所要は、1時間と15分位か。 それ程の疲れもなく少し暑くなった程度だったので、防寒着代りのカッパを脱いで出発。
ここからは、またダラダラとした下りが始まる。 本谷山へ登った分をそのまま下り、鞍部の水はけの悪いヌタ場に出る。 水はけは悪そうなものの、平らな所が多くビバーク地点としては使えそうなので、一応“もしか”の時の為にチェックを入れておく。 ホシガラスかな?
野鳥の名前には疎いもんで
この鞍部のヌタ場を抜けると、しばらく平坦な道が続いてから《塩見小屋》の建つ塩見岳の肩への急登となる。 ツガなのだろうか、ボロボロと皮が剥がれ落ちる樹々が囲む樹林帯をジグザクを切りながら登っていく。 この急登を大方登りつめると、角柱の南ア固有の道標が現れる。 その角柱には、『塩見新道分岐』とあった。
塩見小屋付近にて その1
南アの『戦艦大和』
巨大峰・間ノ岳
鳳凰三山と熊ノ平へと続く稜線
この角柱から少し登ると、稜線上に出て展望がワッと開ける。 本谷山では雨が落ちてきそうな様相であった空は、『快晴一歩手前』までに回復していた。 塩見岳は元より、間ノ岳や仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳、振り返れば荒川三山も雲に覆われがちだったが姿を魅せてくれた。 稜線上に出て山々を見渡すと、程なく《塩見小屋》に着く。 9:15。 なかなかの好タイムだ。 塩見岳付近にて その2
仙丈ケ岳
薄っすらと頂上に抱くカールも見渡せる
間ノ岳の背後に北岳も
続く行程は、『名峰百選 第102回 塩見岳 act 2』にて
※ 詳細は、メインサイトの『撮影旅行記』より『南ア・最後の未踏区へ その2』を御覧下さい。
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名峰百選の山々 第98回 『75 間ノ岳 , 76 農鳥岳』 山梨県・静岡県
白峰山系(南アルプス国立公園) 間ノ岳 3189m , 農鳥岳 3026m
コース難度 ★★ 体力度 ★★★
鶴翼の如く稜線を下ろす
間ノ岳と農鳥岳の揃い踏み
塩見岳にて
白峰三山 しらみねさんざん (南アルプス国立公園)
南アルプスの北部には、北岳 3192メートル ・間ノ岳 3189メートル ・農鳥岳 3026メートル と、ひときわ高い峰が連なっている。 この3つの峰は、『白峰三山』と呼ばれている。 北岳は、“知る人ぞ知る”日本第二の高峰で、間ノ岳も日本第四位につけている。 現在は、南アルプス林道の開通によってアプローチが容易となり登山者も増えてきたが、ひと昔前はこの山に登ろうとするなら前に立ちはばかる鳳凰三山を乗り越えるしか手がなく、限られた熟練クライマーのみが登頂を許される山であった。 ・・景観では北岳が特に素晴らしく、雲海から上の眺めや周りの山々全てを“肩越し”に眺める爽快感、東面に落ち込む北岳バットレスの大岩壁とその斜面を飾る花々がおりなす“アルペン”風景、そしてこの山を染める高山植物の大群落など、高山的魅力はつきない。 白峰三山周遊ルート 行程図
行程表
《1日目》 JR甲府駅よりバス (2:05)→広河原 (2:30)→大樺沢二俣 (2:00)→八本歯ノコル
(0:45)→吊尾根分岐 (0:15)→北岳 (0:50)→北岳山荘
《2日目》 北岳山荘 (1:35)→間ノ岳 (1:10)→農鳥小屋 (0:45)→西農鳥岳 (0:35)→農鳥岳 (1:10)→農鳥小屋 (1:30)→間ノ岳 (1:20)→北岳山荘
(1:10)→北岳 (0:45)→北岳・肩ノ小屋
《3日目》 北岳・肩ノ小屋 (0:25)→小太郎尾根分岐 (1:45)→大樺沢二俣 (1:15)→広河原よりバス (2:05)→JR甲府駅
※ 《1日目》の行程(『名峰百選 第97回 北岳』からの続きです。
日の出の瞬間
空がかぎろいに染まる
《2日目》 白峰三山を登頂して北岳ノ肩へ
朝、目覚めてテントを出ると、かぎろい色に染まった間ノ岳が視野に入るだろう。 そして、その視野を左に向けてみよう。 濃紺から蒼白・かぎろい色・オレンジ、そしてピンクとスペクトルの色彩を広げる空と、黄金色に輝く雲海の上に浮かぶ富士山。 スペクトルの空と富士山
濃紺に黒いシャドーの北岳や甲斐駒ケ岳と対照的に明るいオレンジ色の空に浮き立つ鳳凰三山、その山々の間から登る御来光・・という、思わずため息の出る素晴らしき景色が広がる。
茜色に染まる間ノ岳
この素晴らしき景色を真っ先に眺める事ができるのは、テント幕営の特権だ。 『日本百景』の素晴らしき景色を少しでも早く、そしてその最高のシーンを味わう為にも、テント幕営のスタイルは変えられない。 テントを担ぎ上げる辛さを補ってあまりある素晴らしいシーンを山は魅せてくれるのである。 目指すはかぎろい色に染まるあの山だ 空の色がスペクトルから、徐々に濃紺が消えてかぎろい色や黄金色、ピンクに変わっていく。 この変化の妙も素晴らしい。 やかて、空の左端が黄色から白くなると、この素晴らしきショーもひとまず終わりを告げる。 今日はテントに荷物をデポって、空身で農鳥岳を往復しよう。 今日は空身とはいえ、歩行時間は10時間とかなりキツイ。 夜明けのショーが終わったら、すぐにでも出発しよう。 山肌が茜色から
黄金色に変わる時が出発時だ
《北岳山荘》横のキャンプ場から、ほどなくジグザグの急登となる。 このジグザグの急登を乗り越えると、2つ目の3000m峰・中白峰 3055メートル だ。 この頂上からは、中央・北アルプスの山なみや伊那の街が見渡せる。 シルエット輝かす鳳凰三山
反対側は、白く輝く雲海と富士山が小気味よい。 中白峰からは、緩やかに上下を繰り返しながら少しづつ登っていく。 ほとんど登る感覚のない楽な道だが、所々岩が崩れている箇所があるのでその通過には注意しよう。 出発してから約1時間半で、“戦艦大和”の煙突の上・・、もとい間ノ岳 3189メートル
の頂上に立つ。
どっかりと鎮座する巨峰・間ノ岳
風が強い、よろめくほどに。 しかし、小さなハクサンイチゲの花びらは、この風に激しくしなりながらも必死に耐えていた。 胸の熱くなるシーンである。 間ノ岳は巨大な故に上昇気流が強く、頂上付近はいつも強風が舞っている。
間ノ岳からは、ザラザラの砂地を急下降していく。 すぐ下に《農鳥小屋》がちょこんと建っているのが見えるが、なかなか着かない。 道が二重山陵の窪地に入ったり稜線上に上がったり・・と状況は変わるものの、なぜか小屋はなかなか着かない。 視野に入る小屋の大きさも変わらない。 事によれば、これは登るより疲れるかもしれない。 特に精神的に。
これから、眼前にそびえる農鳥岳へと登るのだ。 400m下って、250m登り返すのだ。 この“イッキ”の登降は、南アルプスの山を登るにあたっての“宿命”である。 見た通り“イッキ”に登っていくので、そんなに時間がかからずにこの頂に登り着く事ができる。
ハクサンイチゲの花飾り→
だが、これは農鳥岳ではなく、西農鳥岳 3051メートル だ。 この峰は農鳥岳の前にあるが、あまりにも影の薄い存在で頂上標はおろか三角点さえ置かれぬ“悲運”の山だ。 だが、“本峰”の農鳥岳より25mも高く、南アルプスでも10番目の“高峰”である。 西農鳥岳からは、砕石帯をトラバース気味に下って緩やかに登り返すと、砕石がギザギザにささくれ立った細長い峰の頂に立つ。 白峰三山の最後の峰・農鳥岳 3026メートル の頂上だ。
“漆黒の兜”との異名を持つ塩見岳
ここからの眺めは、“ゴージャス”のひとことである。 美しく端正な三角錐を魅せる北岳、そして二重山陵の筋を白く輝かせている巨大峰・間ノ岳の取り合わせに目を奪われる。 振り返ると、入道頭のような塩見岳 3052メートル 、その奥にそびえる悪沢岳・中岳・荒川前岳の勇姿も望める。 農鳥岳の頂上には、詩人・大町桂月の歌碑が立っている。
間ノ岳と北岳を一度に眺める贅沢・・
それが農鳥岳の“売り”だ
あいにく、草書体で刻まれているので何と詠んでいるのかは解からないが、たぶんこの素晴らしい眺めに魅せられた“思い”を詠んだのであろう。 素晴らしき眺めに立ち去るのも口惜しいが、今日は《北岳ノ肩》までの10時間行程なので、程よい所で切り上げよう。 《北岳山荘》までは往路を忠実に戻るが、このコースは復路の方がむしろ登り基調となるので、その覚悟はしておこう。 特に間ノ岳の二重山陵の登りは、かなり応えるだろう。
帰りは間ノ岳の・・
あの巨大な山体を登り返さねばならない
農鳥岳までの往復もかなりの時間を要するので《北岳山荘》でストップもいいが、戻り着いた時間が1時位までなら思い切って《北岳ノ肩》まで行く事をお薦めする。 その“お薦め”の理由は、明日に述べたいと思う。 《北岳山荘》から、仙丈ケ岳の優雅な姿を見ながら砂礫帯の登りを1時間少々で、北岳の山頂に登り着く事ができるだろう。 今日一日で日本の屋根・白峰三山の全てを踏破した喜びを胸に、ゆっくりと《北岳ノ肩》へ下っていこう。 北岳ノ肩まで30分もあれば着くだろう。 明日、好天ならば、《北岳ノ肩》まで行くことを薦めた理由が“感動”という形で理解できるだろう。 北岳の肩での
とっておきの夕景色
湧き立つ雲間に
峰を突き出す甲斐駒ケ岳
霧に朝日が反射して
素晴らしい色彩を創造する
《3日目》 北岳ノ肩から右俣コースを経て下山
朝の光に誘われて外に出ると、錦に輝く富士山と北岳が望まれる。 日本の山の“金”と“銀”がいい配置で、しかも錦色に輝いた姿を魅せてくれるのだ。 もちろん、かぎろいの空の背景の中を、そして黄金色に輝く雲海に浮かんで・・である。
“金”と“銀” 揃い踏み これが、昨日に《北岳ノ肩》まで進む事を“是非に”とお薦めした理由だ。 なお、この場所は、富士山を“眺める”好展望地として取り上げている所である。
ラメ色に輝く富士山
この素晴らしき眺めを思いゆくまま満喫したなら、下山に取りかかろう。 かぎろいの空が白く変わりつつある時が、出発にいい頃合であろう。 雲海にシルエットを浮かべる鳳凰三山
白く輝く美しき山なみを見ながら、草原状のなだらかな丘を下っていく。 30分ばかり下っていくと、《小太郎分岐》という道標の立つ尾根の端に着く。 この分岐から、草原状の連なりを真っすぐに進むと小太郎山へたどり着く。 但し、ハイマツのブッシュを掻き分ける“バリエーション”コースとの事である。 下山ルートは、この分岐を右に90°折れる。
下り始めからいきなりの電光石火のジグザグ下りで、脚が膝がガクガクと悲鳴を上げる事だろう。 膝のガクガクがコタえ始めてきた頃、更に急傾斜の《草スベリ》コースを分けて、花と展望の好ルート・『右俣コース』を経由して下っていこう。
しばらく電光石火の急下降をこなしていくと、辺りを遮っていたハイマツ帯を抜けて視界がバッと広がる。 このコースの圧巻は、何といっても《北岳バットレス》の眺めであろう。 花に飾られたバットレスの大岩壁が、上から続く急傾斜の草原に仕切られて高山的な眺めを魅せてくれる。
北岳バットレスとお花畑
スカイブルーの空、手の節のように節だったバットレス、斜めに仕切られた草原、そしてその草原に散らばる黄金色のシナノキンバイの花々。 息も着かせぬ素晴らしき絵姿が、視界いっぱいに広がるのだ。 この贅沢な眺めこそ、このコースの“ウリ”である。
北岳バットレスに
シナノキンバイをあしらってみた
この風景を広潤な気分で味わうには、行程表通りに“下り”で使うのが正解だろう。 なぜならこのコースは、《草スベリ》と肩を並べる強烈な急傾斜のコースで、分岐の《大樺沢二俣》からここまで登ってくるだけで、もはや息も絶え絶え・・という状態になるだろうからである。 息も絶え絶えだと、この素晴らしき風景も心ゆくまで満喫できないだろうから。
亜種のハクサンイチゲ チシマギキョウ
花もシナノキンバイだけではなく、淡い藤色のグンナイフウロ・クロユリ・ハクサンイチゲ・・とカラフルに咲き競っている。 カメラ片手に“足元に注意して”下っていこう。 素晴らしい景色に夢中になり、急坂ということを忘れて転倒する事も有り得るからである。 まぁ、“転んだ本人”が言うのだから本当である。 南国の雰囲気を持つ高山植物
グンナイフウロ
しばらく、バットレスを眺めながら下っていくと徐々に樹林が立ち並んできて、やがて樹林帯に突入する。 この樹林帯の中も相変わらず傾斜がキツいので、樹林の根が土をせきとめる不規則な段々坂となっている。 これを下るのがかなり厄介である。 根をつかみ、足をかけて下っていくと、樹林帯の先に斜めに迫り上がっていく白い帯が視界に入ってくるだろう。 これが、登りに使った《大樺沢雪渓》である。
樹林帯を抜けて雪渓を見下ろす高台に出ると、雪渓を喘ぎ登る登山者がゴマ粒のように見える。 後は、お花畑の中をジグザグを切って下っていくと、コース分岐点の《大樺沢二俣》である。 《大樺沢二俣》からは、往路を下っていけばいい。 《広河原》まで約1時間半の行程だ。 朝、空が真っ白に輝く頃に《北岳ノ肩》を出発すると、9時半か10時には下り着く事ができるだろう。 下山したなら、麓に湧く温泉で山の疲れを癒そう。 ※ 詳細はメインサイトより『白峰三山』を御覧下さい。
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名峰百選の山々 第97回 『74 北岳』 山梨県
白峰山系(南アルプス国立公園) 3192m コース難度 ★★ 体力度 ★★★
巨大な山体の間ノ岳と
端正な姿を魅せる北岳 白峰三山 しらみねさんざん (南アルプス国立公園)
南アルプスの北部には、北岳 3192メートル ・間ノ岳 3189メートル ・農鳥岳 3026メートル と、ひときわ高い峰が連なっている。 この3つの峰は、『白峰三山』と呼ばれている。 北岳は、“知る人ぞ知る”日本第二の高峰で、間ノ岳も日本第四位につけている。 現在は、南アルプス林道の開通によってアプローチが容易となり登山者も増えてきたが、ひと昔前はこの山に登ろうとするなら前に立ちはばかる鳳凰三山を乗り越えるしか手がなく、限られた熟練クライマーのみが登頂を許される山であった。 ・・景観では北岳が特に素晴らしく、雲海から上の眺めや周りの山々全てを“肩越し”に眺める爽快感、東面に落ち込む北岳バットレスの大岩壁とその斜面を飾る花々がおりなす“アルペン”風景、そしてこの山を染める高山植物の大群落など、高山的魅力はつきない。 白峰三山周遊ルート 行程図
行程表
《1日目》 JR甲府駅よりバス (2:05)→広河原 (2:30)→大樺沢二俣
(2:00)→八本歯ノコル (0:45)→吊尾根分岐 (0:15)→北岳
(0:50)→北岳山荘
《2日目》 北岳山荘 (1:35)→間ノ岳 (1:10)→農鳥小屋 (0:45)→西農鳥岳 (0:35)→農鳥岳 (1:10)→農鳥小屋 (1:30)→間ノ岳 (1:20)→北岳山荘 (1:10)→北岳
(0:45)→北岳・肩ノ小屋
《3日目》 北岳・肩ノ小屋 (0:25)→小太郎尾根分岐 (1:45)→大樺沢二俣 (1:15)→広河原よりバス (2:05)→JR甲府駅
白峰三山
右より北岳・間ノ岳・農鳥岳 《1日目》 大樺沢雪渓を経て北岳へ
このコースは、南アルプスの盟主・北岳を始めとして、間ノ岳・農鳥岳といった名だたる名峰をめぐるゴージャスさが売りものだ。 また、高低差600mを誇る《大樺沢雪渓》の登高や多彩な種の高山植物群、600mの大岩壁を振り落とす《北岳バットレス》、巨大な二等辺三角形を示す間ノ岳、南アルプスの名だたる山を見渡せる爽快感と、ダイナミックな風景と登山の魅力をふんだんに味わう事ができるのである。 登山を始める前に、登山口の《広河原》へは必ず前日にアプローチしておこう。 なぜなら、登山口の《広河原》の標高は1590m。 北岳までは、実に1600mの標高差があるのだ。
それを7kmの距離で登りつめるのである。 従って、コース全般に渡って急登を強いられる。
甲府方面からバスでやってきて、“朝”とはいえぬ時間に“降りたで”登山をするのは、登高最中に午後の直射日光で蒸し焼きとなる自殺行為だ。
タカネツメクサ
このコースは、山の魅力を全て味わえる最高のコースであると同時に、南アルプスの第一級の登山路でもあるのだ。 当然のセオリーとして、いやマナーとして《広河原》へのアプローチに日程を割いて、翌朝の夜明けと同時に登り始めたいものだ。 登山口にある《広河原山荘》は、夜明けの出発に対応しているので利用するといいだろう。 それでは、この魅力あふれるコースを使って、日本第二の高峰に登ってみよう。 朝、空が白み始めた頃、登り始めよう。 先程も述べた通り《広河原山荘》では、早朝4時に朝食をご飯で提供してくれる。 これは誠に有り難い。 パンに比べてご飯は、体内ですぐさまエネルギーに変わるので、激しい運動でエネルギー消耗の激しい“登山”というスポーツにはよりマッチしているのである。 より“バテる”のを引き延ばす為には、ご飯の朝食は有効な方法である。 しっかりした“体”と時間のゆとり、すなわち“心”を充実させると、どんなキツい事も何とかこなせるものである。
《広河原山荘》の裏手から、樹林帯の中へ分け入っていく。 まだ夜が完全に開けやらぬ中、しかも薄暗い樹林帯の中を通るので、“ヘットランプ”は必需品かもしれない。 《大樺沢》の沢音が聞えてくると樹林帯を抜け、砂防ダムが連なる沢の土手の上に立つ。
目指す八本歯ノコルはまだ遠い
この頃に程よく空が赤みを帯びてきて、眼前にはギザギザに伏し尖った北岳の《八本歯ノコル》が朝の柔らかい光を浴びてオレンジ色に輝くのが望めるだろう。 これを目にすると勇気倍増、気合も入ってくる。 これよりしばらく“いい景色”とはお別れとなるので、十分この情景を目に焼きつけてから先に進もう。
この砂防ダムより再び樹林帯に入り、沢の土手を登っていく。 しばらく見通しの利かないダケカンバのトンネルの中を通るが、やがて沢に下りてゴロゴロと大きな岩が転がる河原の上を歩くようになる。 河原の上を行くのは、転がる岩を乗り越える小さな登降を数多くこなさねばならないので、かなり疲れるのである。 言わば、“ジャブ”を連発で食らうようなものだ。 このような訳で距離の割りに時間を食う河原歩きを乗り越えると、左側の土手を一度高巻いてから右手の土手の樹林帯に突入していく。 これは、沢の途中に沢滝がある為である。 この樹林帯は少し長くちょっとフラストが溜まるが、これを抜けると壮大な雪渓の端が見渡せる《大樺沢二俣》にたどり着く。 ここは、《北岳バットレス》の好展望ルートである『右俣コース』との分岐点だ。 北岳バットレスの脇に
白い筋を突き上げる大樺沢雪渓
この『右俣コース』は下山の時に使うとしよう。 なぜなら、コース全般に渡って強烈な傾斜が続くので、登りには不向きであるからである。 せっかくの素晴らしい景色だ。 余裕を持って楽しもう。
さて、分岐からは、上から延びる雪渓に向かって登っていく。 この《大樺沢雪渓》は途中に大きなクレバスがあり、雪渓の“中央突破”とはいかない。 雪渓の縁を巻くようにしながら登っていくのである。 従って、本格的に雪渓を登るのはせいぜい8月上旬までで、秋口に近づくとコースのほとんどが岩ガレ道の登りとなる。 であるから雪渓を登っているにかかわらず、とても“暑い”のである。 暑さに耐えて黙々と登っていくと、いつしか雪渓中央部の巨大クレバスが背後に見下ろせるようになる。
トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ
そして、ハクサンイチゲやグンナイフウロなどの高山植物も草地に咲き競うようになる。
こうなると、600mの標高差を誇る巨大な雪渓も終わりを迎える。 雪渓の最後で、雪渓の中に入って中央部にトラバースする。 《大樺沢》にほとんど雪渓が残っていない“最悪”の場合、雪渓を踏む事ができるのはこのトラバースのみとなるかもしれない。
雪渓を抜けると、《大樺沢》の源流の清水が流れている。
きっとこの清水は、“暑く、キツい”登りを乗り越えた『御褒美』であろう。 十分にこの『御褒美』を味わおう。
雪渓上部の清水からは、お花畑の点在するガレ場となる。
最初はジグザグを切って登っていけるが、徐々に個々のガレ岩が大きくなってきて、岩と岩の間にハシゴが架かるようになる。
この辺りから森林限界前の最後の樹林帯に入り、ハシゴと木の根を踏みしめながら登っていく。 八本歯ノコルへ→
北岳バットレスとうろこ雲
樹木の間から、《北岳バットレス》の大岩壁がすざましい威容をもって迫り出してくる。
3192mの北岳を支える“屋台骨”だけあって、その壮大さと威圧感は強烈である。 ルートは最後に左に大きくそれて角度的に《北岳バットレス》が見えなくなると、ようやく《八本歯ノコル》の最低鞍部に這い出る。 朝、美しく輝いていた《八本歯ノコル》のギザギサにようやく着いたのだ。
この上からは戦艦大和の艦橋のようにどでかく盛り上がる間ノ岳と、シルエット美しき“眺めるべき山”・富士山が見渡せる。 夏の終わり
秋の花が山を飾る 雲海に浮かぶ富士山
そして間ノ岳の右端、ここから距離にして300m程の所に《北岳山荘》が建っている。
但し、その間は深い谷底だ。 この《北岳山荘》まで行き着くには、北岳の山腹を大きく巻いて行かねばならない。
《八本歯ノコル》でひと息着いたなら、北岳の頂上に向かって登っていこう。
気持ち的には《八本歯ノコル》に着いた事で、もう九割方登った気分になってしまうがこれは“甘い”考えで、実際にはあと標高差にして300m登らねばならない。 ガレにガレた岩道をハシゴ伝いに登っていくと、3000mを越えるお花畑があちらこちらに現れる。
富士山がほとんど高山植物のない山であるので、おそらくここが“日本一標高の高い”お花畑の群落であろう。
北岳山頂直下のお花畑 オヤマノエンドウ
ミヤマオダマキ・ハクサンイチゲ・オヤマノエンドウ・クセンナイフウロ・チシマギキョウなど、様々な花がガレた大斜面を美しく飾る。 花々に誘われて、“もう登る所のない所”の頂上へと導かれる。
3192m・・。 私の登りたいと思う山の中で、最も高い山の“てっぺん”だ。 この“てっぺん”からは、周りの山々を全て見下ろせる。
“名峰”と呼ばれる全ての山々を・・だ。
北岳山頂にて→
北岳頂上より山々を望む
優雅な姿を魅せる仙丈ケ岳 鳳凰三山
鳳凰三山・甲斐駒ケ岳・仙丈ケ岳・八ヶ岳・浅間山・中央アルプス・北アルプス・間ノ岳・農鳥岳・塩見岳・荒川三山・赤石岳・・。 この一大パノラマを全て“見下ろす”爽快感は、言葉では語れない。
是非とも、その目でその素晴らしさを確かめて欲しい。 この素晴らしい眺めをいつまでも眺めていたいが、午後はたいてい天気が崩れてくるので、そろそろ今日の宿泊地・《北岳山荘》に向かおう。 北岳頂上直下の岩盤を花が埋め尽くす
下りは、前方に間ノ岳のどでかい山容と様々なお花畑の群落、そして仙丈ケ岳の優雅な稜線をみながら降りていく。 カメラ片手に下っても、1時間もあれば山荘前に着く事ができるだろう。 山荘はシーズン中、常に“すし詰め”の満員だ。 ゆっくり足を伸ばして眠る、そして美しい朝日をいち早く眺めたいならば、テント幕営をお薦めする。 山をより楽しむならこれに限る。 明日の朝に魅せられた絶景をひとつまみ
続きは、次回『名峰百選 第98回 間ノ岳,農鳥岳』にて。
また、『名峰次選 第93回 中白峰,三峰岳 act 1』も、この続きから記載しております。
宜しければ、どうぞ。
※ 詳細はメインサイトより『白峰三山』を御覧下さい。
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