|
日本の滝を訪ねて 第154回 権現滝 〔島根県〕
権現滝 ごんげんたき 落差 最大の滝で虹滝の20m 島根県江津市松川町
権現滝は、江の川右岸支流・長良谷川にある7つの滝(小滝・虹滝・龍神滝・すべり滝・姫滝・女滝・男滝)の総称である。 高低差約100mの間を連瀑を成して滝を掛けているが、滝へのルートはかなり荒れており、安易に滝見とはいかない渓谷内にある。
権現滝への詳細図
滝へのアプローチ
江津市街より江ノ川に沿って国道261号線を旧桜江町との境まで進むと、旧桜江町の看板の手前に権現滝の案内板があり、そこから車1台の幅の小径を600m程入ると荒地同様の駐車スペースがある。
行程表
駐車場から最も下の小滝まで600m程だが、道はかなり荒れている。 また、「滝まで100m」との案内標柱の立つあずま屋の先からは、朽ちたロープを片手の沢遡行が必要となる。
駐車場より最上部の滝までは約1km程であるが、ロープ片手の急峻な崖上りや連続したハシゴの昇降など、往復で2時間半から3時間の時間を要する。
スベリ滝とはんど淵
淵より下へ落ちる龍神滝への連瀑が見られる
権現滝は長良の境にあって、もともと岩壁の上に権現様の祠があった事から権現滝と名が付けられた・・と伝えられている。 権現滝は峡谷絶壁に七段に渡っての連瀑を成して流れ落ち、滝飛沫を嶮しく切り立った崖に飛び散らしている。 その姿を目にしたならば、この滝へと向かう困難さも相俟って、印象深く記憶に残る滝でなのである。
それは『第151回の龍頭ノ滝』でもそうだが、平成25年の山陰豪雨災害で遊歩道がズタズタに崩されたのだろうか・・、この権現滝へのルートもかなり荒れているのである。 説明では地元の勇志が滝への道を整備している・・との事だが、到底素人の行楽客を受け入れるルートではないのである。
ルートの最良のレベルでコレだもの・・
その事はこのルートを実際に歩いた体験から詳しく述べる事にするが、もう廃道に近い山道をゆく沢登りに近い行程となるのである。 それは、そこに掛けられているロープを見れば、文字通り「言葉は要らない」だろう。 それでは、このワイルドな様相を呈する権現滝の連瀑めぐりをしてみよう。
アプローチは事前におおよその権現滝の位置を把握していれば、さほど難解ではない。
なぜなら、滝は「江津市に編入された旧桜江町のすぐ手前」と解りやすい位置に所在するからである。 また、朽ちてきているが古風な木の滝案内板もあり、滝までのアプローチに至っては前回の『岩瀧寺ノ滝』より解りやすいのである。
その案内板が指し示す農作業に使うような小径に入っていくと、約600m程で荒地同然の行き止まりとなった駐車場に着く。 まぁ、車が5〜6台駐車できるが、訪れる滝見の者の車で埋まる事はないだろうね。
この昔話はまだしも・・
この駐車場には権現滝のイラストマップと権現滝にまつわる昔話を掲げた案内板が設置されているが、このイラストマップが”クセモノ”なのである。 特に左下のいい加減極まるルート図は、滝の挿絵と相俟って見る者に「安易に滝へ行けるもの」との誤解を与えかねないのである。
まぁ、この駐車場の状況を見れば、この絵図が「胡散臭いモノ」と想像がつくのであるが・・。
簡単にたどり着けそうな略地図・・
;
絶対に誤解を招くよ! このイラストマップ
さて、滝へは、鹿や猪などの農地への侵入を防ぐべく設けられた鉄網の扉ゲートの紐を解いて中に入る。 なお、入った後は、元通り紐で結び直して閉めておくのがマナーである。
シカやイノシシ除けであろうか・・
鉄網のゲートがあった
ゲートより先は、豪雨災害で周辺の土砂が流れ出た痕なのか、ほとんど道を形成していない沢の砂防通路を歩いていく。 この間で地元の有志による「遊歩道の整備」の痕跡は、朽ちてほとんど読めなくなった『滝までアト350m』の標柱のみであった。 このようなルートの状況が、筆者の「お恥かしき」を招いている。
この「お恥かしき」というのは、ぢ・つ・わ・・今回のこの滝への訪問は『2度目』なのである。
つまり今回の訪問は、最初の訪問時に道を間違えて、沢中を彷徨いタイムオーバーで断念となった時の『リベンジ』なのである。 その『リベンジ』である今回も、正しいルートを見つけるのに手間取って、この紛らわしい朽ちた標柱を2〜3回行ったり戻ったりしちまったよ。
ちなみに前回は、この標柱に気づかずに真っ直ぐ入ってしまって自爆したのであるが・・。
よく見ないと折れた木があるだけに見える
『ブービートラップ』と化した朽ちた道標
この朽ちた紛らわしい標柱(一見すると木が折れているだけに見える)に従って大きく左折して坂を登っていくが、この坂への道も間違えて直進した『自爆道』とさほど変わらない・・、いやちょっとマシなだけの荒れた道であった。 恐らくであるが、山陰豪雨災害の際に土石流が発生したのであろう。
この坂を200m位上っていくと、地元の勇志の遊歩道整備が事実だった証のあずま屋が現れる。
それはこんな荒れた道で、このあずま屋が唯一使える建築物だから・・である。
実際にこの荒れた道を歩くと、このあずま屋を目にするまで「地元の勇志が遊歩道を整備した」という事がウソのように思えてくるのであるが・・。
このあずま屋を目にして
「本当に遊歩道整備した事あるんだ!」と思ったよ
:
でもその背後に倒木が
横たわっているのが見えますでしょうか?
このあずま屋の脇に辛うじて読めるまでに朽ちた『滝までアト100m』標柱があるが、その先はどう見ても行き止まっているのである。 それもそのハズ・・、あずま屋の背後すぐで、倒木により道が塞がれているからである。 この倒木をかい潜っても、苔が蒸した岩が転がる沢以外に進路が見当たらないのである。
意識して判りやすく撮ったモノだけど
コレが黒光りした沢の上に乗ると
岩を蒸した苔そのものだよ
だが、その岩に張り付いた苔をよく見ると、コレ・・設置された『補助ロープ』であるという驚愕の事実が判明する事になる。 それは見事に苔蒸して、岩に張り付けば岩の苔に・・、地べたに転がれば獣の糞同然の物体となっていたからである。 真に大自然の驚異である。
そして地べたに添えると
真に獣の糞・・
それに、この補助ロープも沢を遡行する実態に見合わない所に張られていて、ロープを手繰るよりは岩を跨いで直に沢を遡る方が渡り易い所もあったし・・。 やがて、最初の滝・小滝と権現滝最大の落差20mの虹滝が現れる。 ここは滝前が沢の中洲となって三脚も立てられそうなので、小滝と虹滝をセットで流して撮ってみる。
権現滝の主瀑となる
小滝と虹滝のコラボ
:
これが今回の滝見の一番星
小滝と虹滝の静けさを堪能したなら、先に進もう。 この先へは滝前の中洲に張られてある苔蒸したロープで中洲を渡り、右岸(進行方向左手)の土手に取り付く。 ここからこの苔蒸しロープを片手に土手を急登していくのである。 まぁ、このような荒れたルートを想定していなかったならば、恐らくこの小滝と虹滝で引き上げてしまう事だろうね。
ルートは小滝・虹滝前の中洲を渡る
張ってある苔蒸したロープが目印・・
この土手の登り始めは塩ビ製の踏み段があるが、次第に土砂崖の這い上がりとなり、ついにはロープも途切れて土砂崖のヘツリを伝うようになる。 だがこのデンジャラスゾーンの距離はごく短いので、さっさと通過する事にしよう。
最初は塩ビの踏み段があるが
最後は崩れかけのヘツリ越えとなる
:
ロープを忠実に辿るとヘツリは回避
できるが途中から倒木だらけの土砂崖となる
※ 下りで通ったので本当です
この崩れ落ちそうなヘツりを越えると、鉄の桟橋が見えてくる。 この桟橋を渡ると長いハシゴ階段があり、その袂に龍神滝が奈落の底に落水を滑り落としている。 これはハシゴを設置したワイヤーを片手に身を乗り出して撮る。(決してマネをしないように・・) また、龍神滝の落ち口の前に小さな釜淵があり、スベリ滝が淵に白布を掛けている。
ハシゴのワイヤーをつかんで
前のめりになって龍神滝の落ち口を撮る
:
それは真に奈落の底へ滝を掛けているかのよう
龍神滝の上は小さな釜淵と
スベリ滝がある連瀑を魅せる
このハシゴ階段で進む向きが変わり、鋭角に左に折れて滝の右岸(左側)の断崖を登っていく。
これから先はこのハシゴ階段を登りきって沢を形成する断崖の頂上付近まで上がっていく。
スベリ滝の先は断崖の頂上まで
延々と急なハシゴ階段が続く
この間に姫滝・女滝・男滝とあるが、滝は見えるものの前の雑木が邪魔をしていいアングルを得にくいのと、春の直前の時期という事で午後も周って周囲が薄暗くなり始めたので、光量が不足して撮れず終いになったのである。 これらの滝は、また今度の『3度目の正直』(下手するとこの時の様に『フォーエバー』となるかも・・)で『再リベンジ』したいと思う。
女滝らしき滝は
雑木の間から撮ったけど・・
ハシゴ階段で断崖の頂上付近まで登ったが、イラストマップにあった『神木・椎ノ大木』は判別できず、当初は「1時間ちょっとで行って帰ってこれる」とタガを括ったこの滝めぐりも、「2回で都合6時間(初回の失敗時も今回も3時間かかっちまった)もかけて未だに未完・・」という、ナンチャッテ山ノボラーな筆者(タワケ)による滝めぐりならではのオチで今に至っている。
それで三江線廃止の訪問の時に、この滝を訪れて『未完』の状況を払拭しようと、「撮らぬタヌキの何とやら」で手ぐすねを引いているワテである。
下りで撮ったスベリ滝
なお下りであるが、上記の写真説明文で記した通りにロープを忠実に手繰ってゆくと、倒木だらけの土手をズル滑りしながらの下りとなる。 これは「恐らく」であるが、行きに通ったヘツリ道は転落の危険があるので、下りはこれを回避すべくロープを設置したのだと思われるが如何に?
・・でも、キツさでいうと、倒木をかいくぐりズル滑りする土砂崖下りの方がキツいんだよね。
|
滝を訪ねて・西日本
[ リスト | 詳細 ]
|
日本の滝を訪ねて 第153回 岩瀧寺ノ滝 〔島根県〕
4段延長121mを滑り落ちる流れが
庭園風景を魅せる岩瀧寺ノ滝
岩瀧寺ノ滝 がんりゅうじのたき
落差 50m〔延長〕4段121m 島根県江津市波積町本郷
江津市波積町(はづみちょう)本郷と、温泉津町井田との境を流れる都治川(つちかわ)上流にある滝で、滝の遊歩道となる土手を登りつめた所に弘法大師開創の岩瀧寺という寺があったが、ダム建設の為に移転したとの事である。
延長121m,幅18m,4段の長い滝で、季節を通して美しい景色を魅せる滝だが、波積ダムの建設が決定し、ダムの完成で滝の半分が水没するなど、滝の景観がかなり変わる・・との事である。
岩瀧寺ノ滝 位置図
滝へのアプローチ
江津市街より江ノ川に沿って国道261号線を川平の手前まで南下し、県道32号線に入る。
県道32号線を温泉津方面に進み、県道177号線との交点で左折して、県道177号線を波積・本郷集落の方へ向かう。 下本郷の集落を過ぎた所に滝の案内板があり、そこを右折するとダム建設用のダート林道があり、1kmほど行くと駐車スペースと滝遊歩道入口がある。
行程表
滝遊歩道で左手の土手に上って、この土手を乗り越えると滝が見えてくる。
徒歩で4〜5分だが土手の登りは急で、土手の反対側の下りも足場が泥濘んで歩き辛い。
四季折々の滝情景が魅られるのはいつまで?
この滝へと向かう道がややこしいのが難点であろう。 そして残念な事に、建設中の波積ダムの完成で滝の下半分が水没してしまう・・との事である。 その滝への道であるが、国道261号線の川平付近より県道32号に入り、県道177号との交点でこの県道に入るべく左折する。 このまま県道32号を真っ直ぐ行くと、国道9号線に抜けるようだ。 道路案内標識に、『道の駅・江津』が表示してある。
この県道は、波積・本郷の岩瀧寺などの寺社門前町集落を通って国道9号に抜ける道らしい。
この道で波積・下本郷の集落(この集落まで路線バスがあるようだ)を通り抜けると、ダム建設用に設けられた林道への降り口に出る。 これを左折して都治川の畔に降りる。
川の畔からはダートとなって、それを1.5km程進むとダム完成後の道路付け替えに用いる橋の橋脚が現れ、車が3台程駐車できるスペースと、ひと目では遊歩道と解り辛い滝の遊歩道の入口前に着く。
岩瀧寺滝へのアプローチ 詳細図
ここから、『遊歩道』の表示に従って土手を急登する。 急登するといっても、30m位の土手上に上るだけだ。 土手の上に登り着くと、土手を乗り越えて泥濘んだ簡易階段を急下降して川の畔に出る。
なお、この土手の下りは滑りやすく、手すりも朽ちかけてきているので下降には注意したい。
土手を急下降で乗り越えると
目の前に4段を折って飛沫を落とす滝風景が・・
この土手を下って川の畔に出ると、前方に落差 50m(4段に分かれた長い滝の為、現在は『延長121m』と表記が変更となっている)の岩瀧寺ノ滝が、庭園風景のような情景を魅せて4段の白布を落としている。
束ねても乱れる髪のような
儚さを魅せる滝姿だ
その滝姿はストレートの滝の迫力には一歩譲るものの、淑やかな庭園風景を魅せていて、ゆっくりとカメラを構えて構図を考えると、よりこの滝の魅力を味わう事ができるだろう。
スローシャッターで最下段を流してみる
2段目と3段目の流れを
望遠で引っ張ってみた
キメ写真は木々に
柔らかい冬の日差しを受けたコレかな
4段滝の流れの妙を
様々な組み合わせで撮ってみる
|
|
日本の滝を訪ねて 第151回 龍頭ヶ滝 〔島根県〕
龍頭ヶ滝
立ちはばかる大岩盤と行く手の困難さで
より大きなスケールを感じる滝だ
龍頭ヶ滝 りゅうずがたき 落差 60m 島根県江津市桜江町
滝へのアプローチ
江津市街より江ノ川に沿って旧桜江町域(2004年に江津市に編入)まで遡り、JR三江線の石見川越駅と集落を越えて山側へ約2km
行程表
現在は、平成25年の山陰豪雨災害で滝遊歩道が崩壊して通行止となっている。 筆者(タワケ)のようにムリヤリ行くと、身の危険を伴いかねないのでやめとくのが無難。
通常時だと駐車場より滝まで0.8kmで、30分位で滝に辿り着く事ができる。
来年の3月で廃止となる三江線には
足しげく通っています
平成30年春の廃止が決まった三江線の撮影に訪れた際に、滝にも興味がある事から”ついで”の軽い気持ちで立ち寄る計画を立てたのである。 なぜなら、三江線は路線廃止になる程の閑散線で日に4〜5往復の運行しかなく、日中に至っては運行される列車が1往復のみなのである。
要するに、朝の列車を撮り終えたら『撮り鉄』のターゲットがなく、”ヒマ”を持て余すのである。
まぁ、ワテは『撮り鉄』に関しても”ナンチャッて”で、間の空いた時間に撮影地を探してロケハンしたりしないのである。 まぁ、「3ナイ運動」を堅持して時刻表を持ってないヤツだからねぇ。
ちなみに、「3ナイ運動」の内容についてはコチラをどうぞ。
こうした「日中に発生するヒマな時間」を解消すべく組んだのが、この滝めぐりである。
・・が、いきなりヒマな時間を潰す”ついで”どころではない状況に遭遇したのである。
木が電線を絡めて倒れていたよ・・
もしかして3年間『放置プレイ』?
最初に訪ねたのは三江線の川戸駅から7〜8キロほど離れた《千丈渓》であるが、駐車場に進入する道に木が電線を巻き込んで倒れていたよ。 その倒木に塞がれた駐車場の奥に『立入禁止』と書かれたA4の紙が、災害以降完全に『放置プレイ』だった事を物語る程に錆びついたハードルに張り付けられていたよ。
『後備え』の赤いコーンと
ゼブラバーの進入阻止は
いったい何を意味するのか?
それでも構わず突き進むと、あの《三三ノ滝》が滝前の様相を変えていたよ。
周囲には流れ出たのであろう・・、土砂や石ころがガレ状に重なった荒れ地と化していたよ。
それでも《三三ノ滝》は写欲をソソる滝なので、1ショットカメラに収める。
形が変わってもいい滝だ・・
落差2mだけれど
ちなみに以前の《三三ノ滝》
《三三ノ滝》を撮り終えて更に進むと、程なく橋が流失していたよ。 まぁ、渡渉用の用具もないし、基本は”ヒマ潰し”なので、この流失した橋を目にして即効引き上げる。
橋が・・
階段から先が流されていたよ
そして次にめぐったのは、表題の《龍頭ヶ滝》である。 まぁ、《千丈渓》であのような事になってるのだから察しが着くだろう・・と思われるだろうが、筆者(タワケ)に限っては全くもってその”察し”がなかったのである。 あるのは、四半世紀以上も前に訪れた時にまともに撮影する事ができなかったこの滝を、「どのように撮ろうか?」というお花畑思考だけであった。 豪雨災害で通行止となった
龍頭ヶ滝遊歩道の状況図
これより先は行かない方が無難
だが、普通の人なら”察し”が着く通りの状況だったよ。 駐車場に至る道はアスファルトが割れて割れ目から雑草が生えてくるなど、『放置プレイ』を凌駕して自然回帰モードを突き進んでいたし、遊歩道は完全に崩壊して落石だらけの荒れ放題の沢状況となっていたし、転落防止柵は落石でひん曲がってるのはいい方で、中には石の下敷きになって原型を留めていないのもあったしィ。
遊歩道は落石で潰されて消失し、遊歩道であった事も確認できない始末であった。
また、道にはトゲトゲ草が覆い被さり、通ると皮膚のアチコチがミミズ腫れとなるのである。
コレ・・遊歩道の痕ですよ
たぶん土石流となったんだろうね
まぁ、地方財政状況の厳しい折、この豪雨災害で同じく遊歩道が崩壊した「龍頭ヶ滝よりも著名な観光スポット」である《千丈渓》の遊歩道修復が行われずに『放置プレイ』だったならば、この滝が更に輪をかけて『放置プレイ』なのは自明の理なのである。
それでも、タワケは行くのである。 他の人をして「何故にこの状況で行くの?」と疑問符の着く状況でも、「せっかく旅費を叩いて来たから元を取らねば勿体ない!」と、このタワケの思考ではコスい下心が常識を上回るのである。
まぁ、目下の幸いは、「橋が崩壊したり通路が水没したり・・」の完全なる不可能ではなかった事だろうか・・。 岩をよじ登り、ガレ沢となった岩の間を足を踏み外さぬように伝いながら行くと、滝の展望所と思しき高台に登る通路と柵が見えてきたよ。 ここは落石の被害が軽微で、転落防止柵が原型を留めていたが、苔に生していたよ。
困難を乗り越えた先に巨大な一枚岩盤と
中段が隠れ滝となったネジレ三段滝が魅えた!
そして、最後の進入を阻むトゲトゲ草の襲撃をかいくぐると、中段が隠れ滝となったネジレ三段滝を擁する巨大な一枚岩盤が見えてくる。 それは、四半世紀前に目にしただけの不確かな記憶を完全に凌駕する巨大な滝姿であった。 もう、公称60mを遥かに凌ぐ落差を感じたよ。
やっぱり、滝に行き着くまでの困難さが、その姿を更に尊く魅せているのだろう。
それでは、その尊き姿の滝をごろうじろ。
滝の上部を引っ張ってみた
落ち葉を配して
淑やかな秘滝を演出する
滝全体を望めば
大岩盤を擁して威圧的に・・
落ち葉と絹糸のような落水で
淑やかさを魅せて・・
二つの姿を併せ持つ秘滝
龍頭ヶ滝
|
|
日本の滝を訪ねて 第132回 (物部)轟ノ滝 〔高知県〕
蒼く光る3つの釜を持つ轟ノ滝
轟ノ滝 とどろのたき 落差 82m 高知県・香美市(旧 香北町)
四国には『日本の滝100選』に選出された《轟ノ滝》が二つある。 一つは徳島県の海陽町(旧 海南町)にある《轟(九十九)滝》と、この《轟ノ滝》である。 幽谷に本滝を中心として幾重の滝を掛ける《轟(九十九)滝》に対して、こちらの《轟ノ滝》はコバルト・ブルーの水を湛えた3つの釜を抱く3段の大瀑だ。 (物部)轟ノ滝 位置図
それでは、この魅惑的な蒼い釜を魅せる3段瀑を訪ねてみよう。 滝へのアプローチであるが、国道195号線から《物部川》を渡り、その対岸の細いクネクネ道を伝っていく・・などやや複雑なのであるが、この《轟ノ滝》はこの辺りの主要の観光地のようで、至る所に滝の案内板があるので道に迷う事はないだろう。 そして終点には滝前駐車場と第二駐車場があり、シーズン中は滝茶屋も店を開くなど、滝見に訪れる行楽客はかなり多いみたいである。 さて滝見であるが、滝前の駐車場より300m程歩いた所に高い位置から全体を見下ろす事ができる展望台がある。 ここまでは汗をかかずに訪れる事ができる。 だが、滝をより近くで見たい・・と思うなら、これより滝下までの遊歩道を下っていかねばならない。 滝の掛かる谷がかなりのV字谷であるので、急下降を余儀なくされる。 陽の光が当たると
コバルト・ブルーが敢然と輝き出す
約120m程“イッキ下り”で下って《轟ノ滝》の最下部の前を橋で渡るのだが、ここからの姿は釜を抱く3段滝ゆえに上部が一切見えず、いささか迫力不足だ。 橋で対岸に渡って先程降りた分そっくりそのまま登り返していくのだが、下の釜に近付いた所からがこの滝の真骨頂となる。 陽の光に照らされて蒼く輝く釜とそこに流れ落ちる滝、そして飛沫に輝く虹・・と、神秘的な色の共演を魅せてくれる。
清水は釜淵のコバルト・ブルーから瀑布の白
そして飛沫のおりなす七色の虹へと変化する
急な登り返しの階段に少し息も上がってくるだろうから、しばし息を落ち着かせて、それからじっくりとこの神秘的な色の共演を楽しむ事にしよう。 2つの釜を眺めつつひたすらに登っていくと、滝の落口の上にある飛沫神社のお堂の横に出て、そのまま鳥居をくぐって車道に抜ける。
この鳥居前より滝前駐車場までは、5分とかからないだろう。
白布となった清水は飛沫となり
釜に落ちてコバルト・ブルーにかわる
なお、この近くに《樋之口ノ滝》という滝もあるがあまり知られておらず滝自体も今イチパッとしないので、訪れる人はほとんどいない・・という事である。
←あまりパッとせず
訪れる人も皆無の樋之口ノ滝 |
|
日本の滝を訪ねて 第129回 竜頭ノ滝・観音滝 〔島根県〕
岩肌を踊る飛沫が美しい
観音滝
江ノ川流域周辺の風景と滝を訪ねて
この項目では、鉄道を利用して『江ノ川流域』にひそむ瀑布を訪ねてみよう。
江ノ川にぴったりと寄り添うJR三江線は、しばしば廃止転換の対象にも名を連ねる“超”ローカル線だ。 それだけに、素朴な沿線風景を魅せてくれる。 だが、いかんせん列車本数が極端に少なく、上手に行程を組まねばこの全てを周る事はできない。 従って、私の組んだ行程を一例としてめぐってみよう。 JR三江線は、前述の通り極端に列車本数が少ないのである。 この線の始発列車を逃す事はすなわち、この計画の断念につながる事になるのである。 江津駅6:00発(’15現在)の始発列車に乗車して40分、石見川越駅で下車する。
岩に染み入る落水の音に心が和む
竜頭ノ滝
竜頭ノ滝 りゅうずのたき 落差 50m 島根県江津市(旧 桜江町)
《龍頭ノ滝》は、この滝の南方約2.5kmにある。 駅にある名所案内板を見て、南方に延びる県道を歩いていこう。 坂のややキツい舗装道路を歩く事約45分、峠に向かうつづら折りの途中で、左に落差50mの一条のしだれ滝を望む事ができるだろう。 《龍頭ノ滝》である。
道路からも望めるが、ここは草むらを掻き分けて滝つぼのそばまでいってみよう。
清涼感あふれる岩清水の眺めに、坂道を歩んだ疲れも吹き飛ぶ事だろう。
《龍頭ノ滝》を望んだなら、往路を駅まで戻る。 《石見川越》での次の下り列車、すなわち二番列車は昼過ぎの13時台である。 これを待つのは、大いなる“時間のムダである。 ここは《観音滝》の最寄り駅・《鹿賀》まで歩いていこう。 歩くといっても《鹿賀》は次の駅で、駅間距離は3.9km・1時間程の道程である。
江ノ川流域には
優雅で美しい滝が幾つも隠れている
観音滝 かんのんたき 落差 40m 島根県江津市(旧 桜江町)
駅舎のない鹿賀駅から林道昇格線のような細い舗装道を約1.5kmつめると、40mの一枚岩を滑るようにしだれ落ちる玉簾れの滝・《観音滝》が見えてくるだろう。 何とも優雅な滝である。
観音滝の上部
清涼感あふれる“玉簾れ滝”だ 玉簾れとなる落水も透明感が際立っていて、大立て一枚岩の岩模様もはっきりと見える程である。 この滝を眺めた後、鹿賀駅に戻るのは11時半頃であろう。
列車は13時半までないが平行するバスは12時頃に通過するバスがあり、これに乗る事ができれば、因原駅を経由して《断魚渓》まで直通で運んでくれる。 《断魚渓》はこの付近では最も有名な観光地であるので、広島〜江津を結ぶ陰陽連絡の特急バスも停車するのである。 このバスがなかったなら、この計画はたぶん設定不可能であろう。
流紋岩が敷き詰められた
奇勝・断魚渓
※ グーグル画像より拝借
この《断魚渓》は、滝や渓流といった趣は少ないものの、美しい白岩の河原が見事な渓谷庭園を魅せている。 帰りも、バス又はタクシー(国道前の茶屋で呼ぶ事ができる)を利用しよう。
また、この断魚渓から、特急バスで広島方面に抜けるのも一つの手である。
「到底使えたモノではない」閑散線区を利用したのは
筆者が『○鉄』だからです
なお、帰りは三江線の少ない列車本数ゆえに、因原17:54発の上り(江津方面)と16:19発の下り(三次方面)〔’15現在〕の上下いずれも『3番列車』となる。 でも、モノ好きでもなければ、日に数本の閑散路線を使って滝めぐりなどしないであろう。 そこの所を突っ込まれれば、グゥの音も出ないのであるが・・。
|


