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日本の滝を訪ねて 第145回 尾鈴山瀑布群 〔宮崎県〕
渓谷で唯一名が知られている矢研ノ滝
尾鈴山瀑布群 おすずやまばくふぐん (尾鈴県立自然公園)
尾鈴山を源とする名貫川には、《矢研ノ滝》をはじめとする滝が大小多数掛かっていて、これらは『尾鈴山瀑布群』と呼ばれている。 この瀑布群の中心は、落差73mの《矢研ノ滝》と落差75mの《白滝》の二大壮瀑である。 また、源流を発する尾鈴山 1405メートル も独立主峰として眺望が良く、尾鈴寒蘭群落地としても知られている。 尾鈴山瀑布群 滝位置図
行程表 駐車場・トイレ・山小屋情報
宮崎市街より車 (1:20)→尾鈴山キャンプ場・渓谷探勝路入口より矢研ノ滝まで徒歩20分
欅谷〔白滝〕渓谷道は約5km・所要1時間半 尾鈴山瀑布群は名貫川上流の3つの沢沿いに滝が散らばっている 渓谷随一の大瀑布・白滝は
上下で違う落水模様を描く
『尾鈴山瀑布群』・・。 たぶん、ほとんどの人が始めて耳にする景勝地であろう。
実を言うと、私も今回の探勝を実行するまでは、“どういう所で、どんな滝があるのか。 期待に違わぬ所なのだろうか”と期待大きく、少しの不安をずっと抱いていたのである。 それでは、期待を胸に・・、そして不安を払拭しにでかけよう。 岩に美しい落水模様を描く
・・宮崎市街から、車で1時間少々で尾鈴山のキャンプ場に着く。 路線バスは4km手前の集落まで生活路線が細々と運行するのみで、車は必要不可欠だろう。 3方向から流れる沢は、キャンプ場で合流し《名貫川》となる。 『尾鈴山瀑布群』は、その3つの上流沢がそれぞれに大小の滝を形成している。
また、この3つの沢の奥や支沢にも、人知れず瀑布を掛けているとの事である。 渓谷探勝路はその3つの沢にそれぞれ設けられていて、キャンプ場から放射状に延びているので、3つの沢を全てめぐるとなると裕に1日を費やすのである。 この事を念頭において、時間を上手に使って渓谷探勝をしよう。 まず最初は、『尾鈴山瀑布群』で唯一名の通っている《矢研ノ滝》からいってみよう。 キャンプ場から《矢研ノ滝》へは、徒歩20〜25分である。 探勝ルートは《九州自然歩道》として指定されていて、先は《椎葉》や《高千穂》へと続いているとのことである。 落葉で埋まった道を登り気味に進むと、早瀬が岩をかむ清流が近づいてくる。 この《仙人ノ瀬(滝)》という早瀬を過ぎると、支沢の方へ少し迂回する。 美しい三条の筋を魅せる
若葉ノ滝
そこには、絹糸のようにしとやかな滝が白布を掛けている。 樹間からの木漏れ日が滝しぶきに虹を呼び、黒い岩肌に木漏れ日が斑模様を描く。 カメラを手にしたなら・・、そして少しでも絵心を抱くなら・・、もうこの滝の撮影だけで裕に1時間は費やしてしまう事だろう。 木漏れ日が
滝飛沫を宝石に変える
滝と影と差し込む光が
絶妙のハーモニーを奏でる この滝の名は《若葉ノ滝》で、その名の通り新緑の芽吹きがさぞ引き立つ美しい滝である。
なお、滝しぶきに虹を魅るなら、午前中がいいだろう。
光と影と三条の白筋が奏でる詩
木漏れ日に滝が輝く
《若葉ノ滝》よりちょっとしたへつりを越えると、落差73mの大瀑・《矢研ノ滝》が滔々と白布を掛けている。 滝の前は大きな岩が積み重なって滝つぼまでは寄れないが、何も近寄るだけが滝見物の妙ではない。 前景を如何に活かすかが、滝をより魅力的に撮影するコツである。 大和尊命が滝の落水で矢を研いだ・・
と伝えられる矢研ノ滝 その荘厳さゆえ、信仰の対象(岩肌に日向藩主の実彫りの“神社”の文字が刻まれている。
また、“矢研”の名は日本神話の逸話よりとの事である)となった《矢研ノ滝》を十分堪能したなら、往路を戻ろう。
次は、尾鈴山を源とする本沢沿いの滝を訪ねよう。 この沢を上流に遡ると、尾鈴山の登山口がある。 それまでに、《蜂ノ巣滝》と《千尋滝》、そして数多くの早瀬を魅せてくれる。
このルートは距離が5.5kmと長く、途中で沢と離れて大きく迂回しているので、車でピンポイントで狙った方が時間の節約となるだろう。 但し、道そのものは林道規格で、大半が砂利敷の悪路なので運転には注意が必要だ。
キャンプ場前の駐車場から《尾鈴山登山口》へ向かって車を進めると、程なくダート道となる。 約1km位先の路肩工事現場付近に、最後にめぐる《白滝》への探勝路入口がある。 ここから《蜂ノ巣滝》までの3kmが悪路で、道に拳大の石が転がり轍が相当にえぐられているので、タイヤパンクの危険もある。 悪路を越えると、《蜂ノ巣滝》に着く。 正面より見る蜂ノ巣滝
やや迫力不足だ
この滝は本流の流れがそのまま10m位を落とす形の滝で、車道からは滝の上部からイッキに下までの流れの妙を一望できる。 車道脇に沢への降り口があり正面からも見上げる事ができるが、高さがそれ程でもないのでやや迫力に欠ける。 この手の滝は、やはり横から流れの妙を活かすのが撮影のコツではないだろうか。 蜂ノ巣滝は
横から望むとより印象深い
《蜂ノ巣滝》からは簡易舗装となり、1.5km程進むと車が5台程止められる駐車場がある。 ここからが、尾鈴山 1405メートル の登山道となる。 《千尋滝》は駐車場のすぐ奥の橋を渡った所だ。 山からの沢水が段を刻んで流れ落ち、滝下に小さな釜淵を形成している。 この奥にも“人知れず”の滝がひそんでいる・・とのことだが、この奥を行くとなると沢遡行の装備が必要だろう。 小さな釜を持つ千尋滝
今回は《千尋滝》で往路を引き返す事にするが、余裕があれば尾鈴山の登山もいいだろう。 山には尾鈴寒蘭の群落があり、また山頂からは海に近い高峰ならではの景色が待っている事だろう。 それでは、最後にメインである《白滝探勝路》にいってみよう。 ・・往路を路肩工事現場まで戻り、その脇の邪魔にならない所に車を置いて、カメラ等を持って出発だ。 これより5km程歩くので、リュックサック等が必要だろう。 探勝路は《矢研ノ滝》からの《九州自然歩道》で、最初は沢から離れて樹林の中をいく。 やがて沢は近づいてくるものの、まだ滝を見るには離れ過ぎた間隔で歩道に沿う。 このまま2km程歩くと、『白滝近道↑・紅葉滝→』と記した札が掛けてある分岐に出る。
『白滝近道』は、山の土手をよじ登るように直上していく。 一方、《紅葉滝》は、そのまま自然歩道を500m直進し、道がつづら折りになる直前で沢への踏跡に入っていく。 そこには何とも艶やかな瀑布が、滔々と白布を掛けているではないか。 落差30m・・。 水量豊かで、辺りの樹木と調和した姿に艶やかな色気を漂わせている。 このまま見とれていたいが、時間がない。 《紅葉滝》の色気に溺れる前に、先に進むとしよう。
欅谷にひそむ三滝
紅葉滝
美しい段瀑を魅せていた
自然歩道に戻り、つづら折りの道を登っていく。 すると、先程の『近道』が道脇から迫り上がってくる。 どうやら『近道』とは、つづら折りをはしょっているだけのようである。 この後もこの手の『近道』が幾つかあり、かなりの高度を稼いでいく。 『近道』で高度を上げていくと、岩壁にヘツリ状に伝うようになる。 沢は100mも下にある。 さぎり滝
50m超の落差を岩陰に隠して・・
そこに落差50〜60mの滝・《さぎり滝》が現れる。 《さぎり滝》横の岩盤には短いトンネルがあり、これを抜けると遙か下方にあった沢が20m位にまで近づいてくる。 《さぎり滝》がその差を埋めたのである。 道は岩盤に沿ったヘツリ道が続き、対岸の大岩盤に玉簾れを掛ける《すだれ滝》が望まれる。 この岩盤も、40〜50mはあるだろうか。 《白滝探勝路》は大瀑が多く潜み、長い歩道歩きを飽きさせないのがいい。 すだれ滝
40mの岩壁を簾れ落ちる
《すだれ滝》を過ぎてしばらく歩くとヘツっていた岩盤がなくなり、沢もすぐ近くに寄り添ってくる。
周囲の景色は、“大瀑あり、ヘツリあり”の峡谷風景から沢と森のおりなす静かな雰囲気に大きく様変わりする。 景色が様変わりすると、程なく浅く広い釜を持つ《やすらぎの滝》が見えてくる。 やすらぎの滝
広く美しい翠の釜と瀬音が
心の安らぎを創造する
釜へ滑るように流れ落ちる滝水と、美しいライトグリーンをたたえた釜淵。 その名の通り、心の安らぐ情景がそこに広がる。 そろそろ休憩時だ。
しばし、《やすらぎの滝》に心を癒してもらおう。 《やすらぎの滝》で一服を終えたなら、最後に控える大瀑・《白滝》を目指して歩いていこう。
自然歩道は《やすらぎの滝》の上部を大きく高巻いているようだが、ここにも例の如く『近道』があり、それは《やすらぎの滝》前の沢を渡って対岸の土手を斜めに迫り上がっている。 この付近はやや道が荒れていて、進路が判り辛いので注意が必要だ。
これを斜上していくと、再び自然歩道に合流する。
自然歩道のつづら折りを一つ折り返すと、最後の『近道』がありこれを登る。 これを抜けると『白滝へ 600m』の道標があり、それに従って進んでいく。
やがて橋が現れ、これを渡ると石垣の積まれたあずま屋跡に出る。
自然歩道は、ここで大きくつづら折りで折り返していく。 《白滝》へは、これより沢に沿った岩盤の踏跡を伝っていく。 滝まであと200mだが、急傾斜で直前の試練を感じさせる登りだ。
登りきると、天から飛沫が頭に降り注いでくる。 落差75m・・。 『尾鈴山瀑布群』最大の瀑布・《白滝》だ。
渓谷最大の瀑布・白滝
天から飛沫が頭に降り注いできた・・
長い探勝路歩きで火照った体を、心地よい沢風と落水の美しい音色が癒してくれる。
見上げると、滝の岩盤の層が上と下で異なり、それ故に上下で落水模様の変化を魅せている。 最後の大瀑・《白滝》はこの落水の妙が美しく、そして落差以上に高さを感じる名瀑である。 滝そばの大きな岩の上に腰掛け、しばしこの美しい滝に魅せられよう。 喘ぎ来た渓谷の最奥に
美しき白布が掛かっていた
白滝の上部が西日で輝き始めたなら
そろそろ帰路に着こう 滝の上部が柔らかい西日で輝いたなら、そろそろ“いとま時”だろう。 帰りも距離が長く山道同然の道を歩くので、日が暮れぬ内に戻らなければならない。 沢の日暮れは早い。
帰路は所々薄暗くなるので気をつけていこう。
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滝を訪ねて・九州
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日本の滝を訪ねて 第139回 大川ノ滝 〔鹿児島県〕
大川ノ滝
岩盤から押し出されるような
急瞬な落水姿を魅せる滝だ
大川ノ滝 おおこのたき 落差 90m 鹿児島県・屋久島町
滝へのアプローチ 鹿児島本港より、屋久島連絡船で屋久島渡航
屋久・宮之浦港へは1日5便・ジェットフォイル便で所要2:40
宮之浦港より島内バス利用・1日8便で終点の栗田橋まで乗車、所要は約1:30
行程表 栗生橋バス停より島内を周回する県道(鹿児島県道78号線)を
北方向へ約4kmで滝前に至る
内地の人がこの島に訪れる目的のほとんどが
宮之浦岳への登山だろう
恐らく・・であるが、この滝は屋久島にある九州最高峰・宮之浦岳の登山の後に訪れるケースが多いであろう。 筆者のワテも2泊3日で屋久・宮之浦岳の登山の後に、この滝へ立ち寄ったのである。
従って、今回の滝ガイドは、登山の後に立ち寄った形の紹介になる事をご承知頂きたい。
今日の行程は《大川ノ滝》を眺めて、なおかつ途中の《湯泊温泉》で多少なりとも疲れを癒してから宮之浦の町へ戻り、宮之浦港からのフェリーで帰路に着くという予定である。
これを実行するには、《栗尾橋》バス停を午前中に発車するバスに乗車しなければ達成できない。
これができなければ、日程が1日延びるという事でもある。 従って時間管理は、いつもよりシビアとなるのだ。
山にV字を刻む渓流と緑深き山・・
滝の潜む予感が・・
テントをキャンプ場にデポって、カメラ片手に約4kmの舗装道を歩いていく。 道はややアップダウンがあり、舗装道に適さない登山靴スタイルでは足が重い。 海原を見ながら約1時間で、海に直接落とす大絶壁の中程から一条の白布が掛かっているのが見えるだろう。 本流の流れをイッキに落とす
水量豊かな滝が見えてきた
落差90m、本流の川をイッキに落とす水量豊かな《大川ノ滝》である。
その清楚ながらも力強く迫力満点の姿は、さすが“名瀑”の戴冠を得るに相応しいのである。 側面から魅せる姿は清楚な流れを示し
正面から望むと
大迫力で滝しぶきが押し迫る豪壮な姿を魅せ・・
迫り出した堆積岩のホルンフェルスを押し出すように勢いよく落ちる見事な滝姿は、百名滝に推挙されるに相応しい様相だ。 また、フォルンフェルス(熱変成岩)の織りなす縞模様の岩石層に沿って滝の落水模様が変化するので、より魅惑的な流れを堪能できる。 この美しい滝を十分目に焼き付けたなら、去り難い思いを何とか振り切って帰路に着こう。 迫り出した急峻な岩盤を
一気に落とす”流水”を強調するも良し
フォルンフェルス層に従って跳ねる
段瀑を強調するも良し
冒頭でも記したように、《栗尾橋》バス停を午前中に出るバスが今日中に屋久島から帰路に着く連絡船乗車のリミットとなる。 それから逆算して、途中の《湯泊》でひと風呂浴びる・・のを加えると、リミットの便の一つ前の10時前のバスに乗る事が条件となる。 となると、帰りの徒歩時間やキャンプ場にデポったテント撤収などの出発準備の時間を含めて考えると、8時半までには《大川ノ滝》を後にせねばなるまい。 楽しい時間はやがて終わりの時を迎え・・
立ち去る時がやってくる
滝からの帰り道でテントを回収して、余裕を持ってバス停に向かう。 《栗尾橋》から15分程の所にある《湯泊》停留所の近くに、公衆浴場があるので立ち寄る事にする。 やっぱり、4日も風呂に入らなければ、風呂も恋しくなるだろうから・・。 しかし、登山の汚れた身なりでは、温泉旅館はまず“門前払い”となる。
この島では雨は日常
花びらは常に水玉を浮かべ・・
このような訳で、この《湯泊温泉》を選んだのであるが・・。 《湯泊温泉》で『屋久島』最後の“本願”を成就して、1時間後の次のバス便に乗り継ぐ。 後は、この日の冒頭で記した通りの行程で島を離れる。 たぶん、船の中では、疲れて眠りにつくのも早いと思う。 ※ この前の屋久島登山を含めての詳細は
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日本の滝を訪ねて 第119回 千里ヶ滝 〔鹿児島県〕
午後の斜陽を浴びて
虹を魅せる千里ヶ滝
千里ヶ滝 せんりがたき 落差 75m 鹿児島県・霧島市(旧 霧島町)
千里ヶ滝 位置図 駐車場トイレ山小屋情報
滝へのアプローチ 霧島温泉郷・林田温泉の東方約8km
林田温泉より車利用 (0:20)→霧島第二発電所の駐車スペース
行程表 霧島第二発電所の点検・管理歩道を10分ほど下れば滝が見えてくる
この滝へのアプローチは、やや判り難いかもしれない。 我が国第一級の観光地であるがゆえに案内看板はあるのだが、そのアプローチ道は滝見の為につけられた道ではなく発電所の取水頭施設の点検・管理通路への道であり、駐車スペースもその為に供されたスペースだからである。
従って、かなり狭い幅の道や、不自然な金網(恐らく、発電施設に近寄らせさせない為だろう)に囲まれた橋などを通る事になる。 また、駐車スペースも観光客の車に供せられたものではなく、3ナンバーの大型車なら枝が擦ったりして変な傷をもらう事も有り得るスペースだ。 とにかく、アプローチが済んだなら滝見に出かけよう。 通路は、先程に述べた通り発電所の取水頭施設の点検通路で、下れば下る程にシェルター状の階段やコンクリート地場の急スロープなど、ダム発電施設の様相を見せてくる。 滝は、この急スロープを200段ほど下った所辺りから視界に入ってくる。 滝の全容
端正な直瀑の滝だ
この設備点検路は、滝を落とす釜淵を見ながら対岸の岩壁をヘツリ気味に巻いて下っていく。 滝が見え始めてから50段程下った所が、最もこの滝を望めるスポットのようだ。 だが、「まだいいスポットがあるかも・・」と期待して、更に下っていく。 点検通路を下っていくと
千里ヶ滝の下にある落差10mほどの滝が現れる
すると、滝は完全に上方に消え去り、下段の滝ともいえる10m位の後発滝が見えてくる。 そして、程なく霧島第二発電所の取水頭施設が見えてくる。 そして下れば下るほどに、水の腐った臭いや藻の臭いがツンと鼻についてくる。 この取水頭はレンガ造りでかなり古いらしく、この臭いから察すると内部はヘドロの塊と化しているのだろう。
腐った水の臭いがツンときたが
この先に何か有りそうな予感がして先に行ってみる
やがて、この取水頭へと下り着く。 帰りに数えてみたが、入口からここまでは370段であった。
橋を渡って取水頭側へ付くと、急な昇りの階段が切られてある。 「もしかして、先程に通った岩壁の対岸に出られるかも・・」と思い、この段を昇ってみる。 結果は更に下流につながる巻き通路で、140段の登りでこの岩壁を高巻きしているだけだった。 まぁ、これ以上の寄り道や探検は日が暮れるという『タイムオーバー』となりかねないので、この辺で打ち切ろう。 後は最も滝が望める所に陣取り、落差75mもありながらアプローチの困難さと通路の未整備で、観光客の認知がほとんどない静かなる大瀑を心ゆくまで堪能する事にしよう。 陽が陰る寸前に
最も美しい虹の情景を魅せてくれた
さて、この取水頭点検路を伝っての滝めぐりを終えると、今日の滝めぐりは終了となる。
後は、滝めぐりで汗をかいた後の“ひと風呂一丁!”である。 そして、日本指折りの温泉地・霧島まで来たのである。 ならば、「どうせ入るならホテルの温泉でなく、秘境の温泉宿で一丁!」だろう。 ・・という訳で、霧島の中で秘湯との名声が高くもっとも鄙びた『新湯』に行こうか。
霧島温泉郷きっての名湯
新湯温泉
※ グーグル画像より拝借
車を温泉街の中心である林田温泉に向けて進める。 そのちょっと手前で、『新湯→』との道標のある分岐を入っていく。 約1km程下っていくと、山に囲まれた谷底に一軒宿の温泉と、硫黄泉の黄色い塊が転がる川が見えてくる。 これこそ温泉でしょう。 あいにく露天ではなかった(露天があったとしても、チト寒すぎるかな)が、完全無欠の霧島独特の強硫黄泉の温泉だ。 温泉の純度がキツ過ぎるからなのか、30分以上の入泉は禁止となっていた。
訪れたのは真冬だったので
さすがに露天は閉鎖されてたよ
※ グーグル画像より拝借
もちろん、石鹸とかは全くダメ。 頭をすすぐのも御法度のようだ。 ただ浸かるだけのものであるが、乳白色の温泉が滔々と浴槽に注がれる中で、足を伸ばしての温泉情緒はまた格別である。 これほど強い硫黄泉は、栗駒岳直下の泉源から直接湯を引っ張ってきた須川温泉以来だな。
アノ温泉はあまりにも熱すぎて、お湯をわざとループ水路に通して冷ましてから注いでたっけ。
でも、須川は時間制限がなかったから、泉濃度的にはこちらが一枚上なのかな?
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日本の滝を訪ねて 第118回 乙原ノ滝 〔大分県〕
滝飛沫で全身がずぶ濡れに
なるのを覚悟で訪れる滝だ
乙原ノ滝 おつばるのたき 落差 60m 大分県・別府市
滝へのアプローチ 別府市街の西方約5km・大分自動車道・別府ICより車利用
(0:20)→別府ラクテンチ(遊園地)前の滝遊歩道入口
行程表 別府ラクテンチ駐車場(有料)脇にあるより滝遊歩道入口から
約15分登ると滝前に出る
今回訪れる滝《乙原ノ滝》は、「場所は判っているものの、滝までのルートが判らない」というちょっと厄介な滝である。 それは、滝の所在が高速道路の橋の上から望める位置にあるという事だ。
本来、高速道路というものは、できるだけ人里はなれた地価の安い所を用地買収して建設されるのである。 従って、滝までのアプローチ道は、道路地図やカーナビには記載されていないレベルの道なのだ。
・・という訳で、滝の位置から推察すると「《志高湖》という湖畔キャンプ場の下方に滝がある」と踏んで、《志高湖》へ向けて車を進める。 で・・、《志高湖》は割と有名な別府郊外のリゾート地らしく、カーナビでもすぐに検索できた。 カーナビの指示通りに行くと、湖畔のレストハウスと駐車場で行き止まっていた。 これによって、せっかく取り返した20分をまたもや吐き出してしまう。 しかも、『道のロスト確定』のオマケ付だ。 もう、判らないのに闇雲の当てズッポで行動しても仕方がない。 ここは、レストハウスの中に入って滝の事を聞くしかないな・・と。 「まぁ、軽食の一つ位は仕方がないか」と聞いてみる。
すると、レストハウスのマスターも「知らない」との事。 でも、「《乙原》という集落はあるよ」との返事。
ちなみに、《乙原》は“おとはら”ではなく“おつばる”だそうで。 そして、観光案内のパンフ地図を開けてくれたので見てみると、小さく点があって『乙原滝』と記載されてあった。
これを見てレストハウスのマスターは、「あぁ・・、高速の橋から見える滝かぁ」と。
どどのつまり、「この滝を見るには、高速に乗って橋の上を通ればいい」との結論のような・・。
結局、この滝へのアプローチは判らぬまま、また30分の無駄をたたき出した。 ←滝飛沫が雨の如く降り注いで・・
もうこの滝の断念も視野に入れ、『最後の足掻き』とばかり、カーナビの画面をタッチしながら高速道沿いになぞっていく。 すると、縮尺を最小までにすると、『乙原滝』の表示が出てくる。
ダメ元で、この『乙原滝』を目的地に指定する。 カーナビは起動し、最小縮尺のレベルで道が表示されたよ。 これで、何とか滝へのアプローチが適いそうだ。
先程に迷い込んだ《志高湖》より戻って別府へ向けて下っていくと、別府市街の入口に《大分道》の別府ICがある。 ここから、『別府といえばココ!』という位に有名な《杉ノ井パレス》へ向けて下っていく。 後は設定したカーナビに任せるだけであるが、道順としては《杉ノ井パレス》下に展開する格下温泉旅館街への通路に入り、この温泉街を抜けて《別府ラクテンチ》なる遊園地の山上駅へ向かえばいい。
ちなみに、遊園地はやってるのかやってないのかが定かでなく、巨大な駐車場はあるものの、駐車料金を払う場所が判らず手前の道脇に“ゴメン!(路駐)”した。 そこからすぐに『別府観光50選・乙原ノ滝↑』と記された看板と、土手上に向かって切られた遊歩道の入口があった。 この指示通りに入っていくと、それなりに整備された登山道が続いていく。 やがて、巨大な高速の鉄骨アーチ橋をくぐり、傾斜を強め高度を上げていく。
キツイ傾斜といっても、ものの5分程だ。 この坂を登っていくと、程なく飛沫が煙と化した大瀑布が視界に入ってくるだろう。
上に横たわる樹より前に出ると
その日に着ている服がダダ濡れとなります
この滝は滝つぼが狭く、また滝の落ち口がハング気味に迫り出している為に、滝飛沫が滝つぼの外に雨の如く降り注ぐ霧雨滝のようだ。 写真を撮れる位置まで近づくと、途端にズブ濡れとなる。 また、滝つぼを挟んだ対岸の岩壁が函状を成していて、その岩壁の上に雑木が伸びて滝の上部を覆い隠している。
従って、この雑木を取り入れて撮るか、前に出てダタ濡れ覚悟で飛沫の情景を撮るかの選択がなされる所だ。 私は それでは、その選択で撮った霧雨滝の雰囲気をごろうじろ。
替えの衣類に乏しいので(
ここは安全ラインより下がって撮影しますた
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日本の滝を訪ねて 第117回 荒河内滝 〔宮崎県〕
滝見よりもアプローチが困難な滝ですね 荒河内滝 あらごうちたき 落差40m 宮崎県・椎葉村
アプローチ 国道388号線の大河内越(峠)の下方約6km地点
※ 国道388号の当該区間は舗装はされているが峠越えの狭隘道路の為、運転注意
2014年12月のトップページの壁絵で掲載している祇園滝に立ち寄った時に訪れた滝である。
祇園滝もかなりの山深くに入った所に位置するが、この荒河内滝は更に山奥となるので、通常は訪れる人は皆無であろう。 それでは、その時の訪問記おば・・。
祇園滝より県道22号に戻るが、道の印象は祇園滝へのウネウネ道より県道22号の方が細く悪路だったりして・・。 それに、あったよ・・『通行時間制限』。 祇園滝への分岐道より500m先で。
完全に車を塞き止めて、道の改良工事をやってるみたいだ。 運良く10:00まで通行可だったので良かったが、13分前だったりして。 ここで引っ掛かっていたなら、人吉に抜ける事ができずに旅計画は破綻していただろうね。 国道388号と荒河内滝・位置図
コリは通行量が少ないとはいえ、《祇園滝》への分岐道周辺の集落(数件あった)は『陸の孤島』だねぇ。 この道を塞き止められたら日向方向に抜けれないし。 それよりもエグいのは、この県道22号線を抜けた先の国道388号だった。 正に酷道。 しかも、35kmと微妙に長い。 離合場所は極端に少ないわ、思いっきり山道だわ、ガードレールがないわ、反則のトラック進入があるわ、郵政民営化前の名残かこんな僻地に郵便局があって、利用者の車が横付けされて擦り抜けが困難になるわ・・など大変な道だった。
そして、峠に近づくと誰もいなくなった。 何もなくなりタダの山野となった。 一つ救いがあるとすれば、割と道に日差しが当たっている所が多く道が凍っていなかった事と、全線舗装されていた事だろうか。 あぁ、4200円払ってでも、スノータイヤにしてもらって良かったよ。 道がデンジャラスになってから約1時間で、《大河内越》という峠にさしかかる。 標高は1000mを越えているらしい(調べた所、1120mだって)。 でも、こんな高い峠なのに、案内板などの何の飾りもない所が泣けてくる。 まぁ、酷道ファンにとっては魅力いっぱいの道のようですな。
峠を越えると道は幾分良くなるが、1000mの峠からの急下降なのでまだまだ気は抜けない。 そして、途中に無名滝と思しき滝が氷瀑を魅せていた。 滝を見やってこの滝が落とす沢をガードレール橋で渡ると、橋の袂に《荒河内滝》と表記されていた。 落差は40m位はあろうか。 車を降りて写真を撮ったが、その後に想定外の後続車がやってくるハプニング!?(まず、車は通らないと踏んで、ガードレール橋の真ん中に停めて写真を撮っていた)があり、即効立ち去る。
この酷道を越えると、後は《湯山温泉》や湯前の街中に入ってくる。 《湯山温泉》は市房山に登った時に立ち寄った経験があり、少しばかり街の様相を知っていた。 なので「ここで風呂を・・」と思ったが、クアハウスは車で満杯だったので見合わせる。 結局、人吉の温泉銭湯を見つけて風呂に入る事となった。 人吉到着は12:20。 国道388号はエグい『酷』道だったが、距離は最短であったみたいだ。
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