廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します
家の近くのむし探検 第310弾

8月12日に家の近くの公園で見た虫の続きです。

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もう帰ろうと思っていたとき、ツツジの葉にこんな虫が止まっているのに気が付きました。大変綺麗です。一応、体長を測ってみました。寸法測定用に写した写真は腹端がはっきりしなくてよく分からないのですが、尖っている先端から腹端までで16,4mmになりました。前翅長は9.6mmです。「ウンカ・ヨコバイ・キジラミ類図鑑」をぱらぱらめくっていたらすぐに見つかりました。テングスケバ科のテングスケバです。ツツジの葉表にいたのですが、「イネ科の雑草間で普通に見られる」とのことでした。見たのは初めてです。

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カメムシ目ついでにグンバイムシも出しておきます。これはたぶん、ツツジグンバイですね。文字通りツツジの葉表にいました。

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これはキマダラカメムシの幼虫です。カメムシ科の幼虫の齡の検索は以前のブログに書きました。前翅包がなくて、後胸の幅が中胸の幅より少し狭いので、たぶん、3齢幼虫かと思われます。

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これも見たことがありました。オオクモヘリカメムシの幼虫だと思われます。これについても以前書いたことがあります。幼虫の齢の検索表も載せておいたので見てみると、「正中線上において前胸背と中胸背の長さがほとんど同長」というところから、2齢幼虫ではないかと思いました。

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次はバッタです。雰囲気、クビキリギスみたいですが、これはその幼虫でしょう。それで、「虫の音WORLD」というサイトの「幼虫の部屋」を覗いてみました。3齢か4齢あたりが似ています。今頃は幼虫だらけですね。

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アシナガバエは気まぐれに撮ってしまいました。この間、アシナガバエの翅脈の整理をしたのですが、それによると、これはたぶん、Amblypsilopus属でしょうね。

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こちらは無駄に撮ってしまいました。科もよく分かりません。

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後はクモ。これはネコハエトリ

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これはアズチグモ♂。

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最後はだいぶ迷ったのですが、この間も見たクマダハナグモかなと思っています。

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家の近くのむし探検 第309弾

8月12日に家の近くの公園に行ってみました。虫はあまりいないのですが、習慣になっていてついつい公園に行ってしまいます。それでも、この日はドロバチを2種見つけました。

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1種目はこのカップルです。上が♂、下が♀でしょうね。スズメバチ科のドロバチ亜科に属するハチです。このように腹部に2本線の入っているドロバチは多いですよね。でも、どうやって区別したらよいか、いつも困ってしまいます。そこで、今日は「日本産有剣ハチ類図鑑」に載っている図版で、同じような2本線の種を探してみました。ハムシドロバチ属、エントツドロバチ属、スジドロバチ属、フタオビドロバチ属、チビドロバチ属あたりですね。それで、この図鑑に載っている検索表を見て、これらの属の特徴を表にしてみました。

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この表には腹部に2本線ということで、トックリバチ属なども入れておきました。この表を上から順に調べていくと、属が分かるということになっています。検索表から分かりやすり特徴を抜き出しただけなので、本当に調べられるかどうか、手元の標本で確かめてみました。(追記2017/08/17:表の中の言葉が若干間違っていたので書き直しました(後半→後端、腹柄→柄状)。それに伴って下の写真も該当部分を直しました

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これはオオフタオビドロバチだろうと思われる標本です。まず、腹部第1節はトックリバチみたいに細くはありません。それで、表の右側の属を探します。

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次は腹部第1節背板についてです。背板の背面と前方傾斜部の間は滑らかな曲面でつながっていて、この間に横隆起線はありません。それで、一番右端のフタオビドロバチ属か、チビドロバチ属になります。

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次は縁紋と亜縁紋についてです。亜縁紋という言葉は聞いたことがなかったので、この検索表の基になっている次の論文を見てみました。

S. Yamane, "A REVISION OF THE JAPANESE EUMENIDAE (HYMENOPTERA, VESPOIDEA)", Insecta matsumurana. Series entomology. New series 43, 1 (1998). (ここからダウンロードできます)

この論文の中で縁紋はstigma、亜縁紋はparastigmaとなっています。論文の中の図から、上の写真で示した部分が亜縁紋になることが分かりました。縁紋と長さを比べると、亜縁紋の長さは1/2よりはるかに大きくなっています。

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次は肩板と亜肩板についてです。亜肩板というのも知らなかったので、また、上の論文を見てみました。肩板はtegula、亜肩板はparategulaに対応すると思われます。論文の中の図がはっきりしなかったので、parategulaで検索をしてみました。いくつか引っかかったものを見ると、たぶん、この写真で示した部分でよいのだと思われます。これを見ると、亜肩板の後端の方が肩板の後端より後ろ側にあるので、結局、フタオビドロバチ属であることが分かります。

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さらに種の検索表で調べると、期待通り、オオフタオビドロバチらしいことが分かりました。まず、触角の節数が12節なので、この個体は♀のようです。検索表をすべて確かめたわけではないのですが、その頭盾を調べてみました。

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長さの方が幅よりは長いので、たぶん、オオフタオビドロバチで大丈夫だと思います。

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これは以前写した個体で、エントツドロバチだろうと思っていた種です。同じように調べていくと、エントツドロバチ属になることが分かりました。

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今回の個体も調べてみました。先ほどのオオフタオビドロバチと同じ過程を通り、フタオビドロバチ属か、チビドロバチ属かということになります。ただ、生態写真では亜縁紋と亜肩板がどうもはっきりしません。

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やっと縁紋が写っている写真を見つけました。亜縁紋は縁紋よりは明らかに短いので、たぶん、チビドロバチ属だろうと思われます。図鑑には種の検索表も載っているのですが、生態写真では十分に追いかけられません。肩板が黒いので、たぶん、カタグロチビドロバチかなと思ったのですが、今回はここまででした。

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もう一種はこのドロバチです。これは腹部第1節が細いので、表の左側にある属になります。盾板に二本の縦溝がなく、前伸腹節が丸みをおびているのでトックリバチ属で、たぶん、ミカドトックリバチだと思います。

こうやってまとめてみると、ドロバチも見る場所がちょっと分かってきました。問題は写真を撮るときに、そのことを忘れずにちゃんと撮ることができるかどうかですね。

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家の近くのむし探検 第308弾

8月10日に家の近くにある公園に行ったときの記録の続きです。最近は虫の数は少ないのですが、その分、詳しく調べることが多いので、写真の整理に意外に時間がかかってしまいます。

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今日の最初はこのハエです。普段ならハエの一種とでもしておくのですが、どこかで見たような形をしているので、ちょっと検索をしてみることにしました。まず、「絵解きで調べる昆虫」に載っている検索表を使ってみました。写真をよくよく見ると、前翅前縁脈にsc切目だけがあります。そのほか、第2基室+中室の後縁脈に小さな湾曲があります。それで思い出しました。これはキモグリバエ科ですね。検索は次のように進みます。

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基本的に翅脈を見ていけばよいので、こんな写真でも十分に追いかけることができます。翅脈の写真を載せます。

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写真がいまいち鮮明でないので分かりにくいのですが、検索項目に出てくる内容は見て取ることができます。①の無弁翅類であることは、たぶん、そうだろうなと思って進みました。③と④のsc切目があることはこの写真では見にくいのですが、何枚か撮った写真から分かりました。もう少し基部にh切目というのがあるものいるのですが、これにはありません。⑤のSc脈は写真では見えないのですが、先端部分も見えないので、たぶん、不完全だろうと推測しました。⑥については、翅脈がこの部分で少し曲がっています。これはCuA脈がこの部分で曲がり後縁に向かって進んでいた名残です。この性質でキモグリバエ科であることが明確に分かります。

ついでに属の検索もしてみました。属の検索にはManual of Nearctic Dipteraを用いました(ここからダウンロードできます)。結構長いので、だいぶ、紆余曲折したのですが、最終的にはChlorops属になりました。かなり怪しいですが・・・。その過程を書いてみます。

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長いので、写真では解説しませんが、まずⒶとⒷは翅脈の写真からすぐに分かります。それで、Chloropinae亜科であることが分かります。ⒸとⒹはいろいろな写真から判断しました。特に単眼三角板の毛列までは分からなかったのですが、たぶん、そうだろうと思いました。ⒺとⒻ、Ⓖはすぐに分かります。Ⓗは、写真から小盾板が平らではなく、したがって、縁取りもないことが分かります。また、後脛節にある脛節器官(MNDに図があります)もないことからそう判断しました。ⒾとⒿはたぶん、その通りでしょう。Ⓚになって困りました。触角がうまく写っていなかったのです。それで、Parectecephala属は保留にしておきます。次のⓁは単眼三角板に光沢があるかということですが、たぶん、あるのでChlorops属が残りました。この両者が候補になるのですが、「日本昆虫目録第8巻」を見ると、Parectecephala属は載っていません。それで、必然的にChlorops属(キモグリバエ属)が残りました。この属には16種記録されています。また、たぶん、MNDに載っていない属もあるかもしれません。それで、今のところ、Chlorops属の可能性が高いということにしておきます。検索表を見ていて、脛節器官というのを見てみたくなりました。

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これはたぶん、シマバエ科だと思います。株式会社エコリスのHPに載っている「日本のシマバエ科 属への検索試案」を見ると、Homoneurinae亜科は確実のようです。次のHomoneura属はたぶん、そうかなという程度でした。

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次はこの小さなハチです。これは採集しました。細腰で、翅脈が発達し、後翅に閉じた室があり、縁紋も明瞭、後脚転節が2節、翅脈の2m-cuを欠くなどから、コマユバチ科になったのですが、どうでしょうね。

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意外に時間がかかったのはこのツチバチでした。写したときはいつものヒメハラナガツチバチだろうなと思ったのですが、検索を始めるとそうではないことが分かりました。検索には、「日本産有剣ハチ類図鑑」の検索表を用いました。

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①は♂と♀の見分け方で、このハチの場合、触角が短いので、すぐに♀だと分かるのですが、一応書いてあることを確かめました。

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触角と腹部の見かけの節数です。検索のポイントは腹部の各節の後半にある帯です。これが毛帯だけか、色の帯を持つかで分かれます。この個体は毛帯だけなので、シロオビ、キイロ、キヌゲなどが除外できます。次は中胸背板が毛で覆われているかどうかで、覆われていなければヒメになります。また、ヒメは翅の先端に暗色部があるのですぐに分かります。これは毛で覆われているので、ヒメは除外されます。

次のオオかどうかで迷いました。決め手は腹部各節後半の毛帯の毛が短いか長いかで決めたのですが、ちょっとはっきりしないところです。これは長いと思って、オオを除外しました。残るはキンケか、ウチダかというところになるのですが、これは単眼前の溝の有無、前腿節の点刻、前伸腹節の点刻で、いずれもこの写真からは判断できません。ということで、今回はキンケハラナガツチバチか、ウチダハラナガツチバチのいずれかというところで止まりました。(「日本産有剣ハチ類図鑑」はもともと一冊に仕上げるつもりだったのが二冊になったのか、一冊には目次がなく、もう一冊には索引がありません。意外に不便です)

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残りの虫で、マメコガネです。

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ネコハエトリです。下の写真の個体はイトカメムシの幼虫をとらえたようです。

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マンションの廊下にいたキイロカワカゲロウ

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これはたぶん、ヤマトクサカゲロウ。これで10日の写真は終わりです。

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家の近くのむし探検 第307弾

8月10日に公園に行ったときに見た虫です。

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今日の最初はこのモンシロドクガです。公園に行く途中の柵に止まっていました。止まり方が何となく毒蛾っぽいですね。

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これは公園に着く手前の塀に止まっていました。何となく、ハマキガかなと思って、「標準図鑑」を探していたら、ハマキガ科のEudemopsis属が似ている感じです。似た種がたくさんいるので、何度か見直したのですが、ニセツマモンベニヒメハマキというのが一番近い感じです。本当かどうか分かりませんが・・・。

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次はこの蛾です。これもハマキガ科で、Eupoecilia属に似た種がいます。たぶん、ブドウホソハマキではないかと思います。この2種のハマキガはともに初めて見ました。

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これはヨスジキヒメシャクではないかと思います。

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次はカメムシです。これはマンションの廊下の壁に止まっていました。いつものマツヘリカメムシです。

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このカメムシには似た種がいるので、横から写す必要があります。

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横から見て白い帯が見えるのがフタモンホシカメムシです。これについては以前調べましたので、詳しくはそちらをご覧下さい。

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これは公園の木についていたクサギカメムシです。

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こんな毛虫も塀にいました。なんの幼虫か分からないのですが、一応、出しておきます。

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最後はヘクソカズラの花です。今、公園で咲いています。

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家の近くのむし探検 第306弾

最近は暑いので、それほど公園には出かけていません。それで、写真整理もちょっとのんびりできます。8月8日に公園に行ったときの記録の残りです。

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今日の最初はこの小さな蛾からです。色が目立つので、すぐに分かるかなと思ったのですが、意外に時間がかかりました。まぁ、標本写真と生態写真の違いだからでしょうね。ニセマイコガ科のキイロマイコガです。初めて見ました。

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ツトガの仲間だと思うのですが、どれも決め手不足で名前までは分かりませんでした。

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これはホソスジキヒメシャク

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これはたぶん、ヒメウコンエダシャクだと思います。「標準図鑑」の説明を読むと、「♂には大きな半透明の刻孔がある。」と書かれているので、見てみると矢印の部分にそれらしものがあります。近縁のウコンエダシャクの説明には、「♂は前翅を前後に動かして発音することが観察されているが、その際、大型の刻孔が関係しているかは確認されていない」と書かれていました。面白そうなので、その辺りを調べてみました。♂の蛾が超音波を断続的に出すという論文は多数あり、また、♀にはその辺りの周波数の音を検知できるという話もありました。発音機構はまちまちで、脚と翅の刻孔とをこするというもの、翅にカスタネットのような構造があるというもの、セミのような振動板があるものとか・・・。ただ、ウコンエダシャクについて書かれたものは見つかりませんでした。また、「標準図鑑」によると、ヒメウコンエダシャク♂が発音するという報告はないとのことです。刻孔についても調べてみたのですが、刻孔の一般的な役割について書かれた文献は見つかりませんでした。面白そうなのですが・・・。

発音の文献は例えば、R. Nakano, T. Takanashi, and A. Surlykke, "Moth hearing and sound communication", J. Comp. Physiol. A201, 111 (2015). (ここからダウンロードできます)

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後はマンションの廊下で見つけたモンクロシャチホコです。

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後はアミガサハゴロモ

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廊下で見つけたマメコガネでした。マメコガネは公園でも見かけました。

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カニグモの仲間であることはすぐに分かりますが、なんだか分かりません。それで、「日本のクモ」を見ていたら、クマダハナグモに似ている感じです。だとすると、初めて見ました。

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こちらはネコハエトリ

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葉っぱを折って、その中で逆さになってじっとしている♂のクモがいました。クモ嫌いの私としてはそのまま放っておきたかったのですが、つい、ピンセットで追い出してしまいました。そうしたら、いきなり糸を引いてぶら下がりました。

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「日本のクモ」を見ると、コガネグモ科のアオオニグモみたいです。

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ぶら下がったまま糸の周りをくるくるまわるので、出糸突起や触肢も一応撮れました。こんなのが同定に使えるとよいのですけど。クモは手元に「日本のクモ」しかないので、それ以上は分かりませんでした。本当は「日本産クモ類」(東海大学出版、2009)を買えばよいのですけど、本格的に調べるようになるかどうか分からないので決めかねています。

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