廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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カメラの被写界深度

 昆虫や花の接写をしているとき、ある部分にピントを合わせると、別の部分のピントが合わなくて困ってしまうことがあります。例えば、テントウムシの背中の点の部分にピントを合わせると顔がぼやけてしまうし、顔に合わせると今度は背中の点の部分がぼやけてしまいます。ピントが合う範囲を表す量として被写界深度があります。

 今回はこの被写界深度を実際に調べてみようと思いました。方法は簡単で、周期的な目盛が入ったスケールを斜めに立てかけ、それを上から撮影してぼやけの程度を調べるという方法です。実験方法としては簡便ですが、できるだけ細い目盛線の入ったスケールがなかなか見つからないことと、目盛が画面上で異なった位置に現れるという問題があります。そこで、一度、平面的な試料を撮影した時の画面内でのぼやけの程度も確かめておく必要があります。

 実験では周期的な目盛の入ったスケールとしてノギスを用いました。ノギスの目盛線はあまり細くないのですが、試しにやってみました。ノギスを斜めに立てかけ、カメラで上から撮影します。カメラとレンズはNikon D90Micro Nikkor 60mmで、最近接(等倍)の位置にしてピントを固定して撮影しました。実体顕微鏡の鏡筒部分を外してカメラをそこに固定し、上下動のステージを用い、ほぼ中央に焦点が合うように高さを調整しました。

イメージ 1

イメージ 2

 初めの写真はそのときの撮影風景で、次の写真はその撮影例です。F5では目盛30付近でしかピントが合っていませんが、F25ではほぼ全面で焦点が合っている様子が分かります。この写真をImageJに取り込み、目盛に沿ってGray valueを計算した例が次の図です。

イメージ 3

 目盛線の黒い部分が鋭い窪みになっていることが分かります。F5では中心付近の数本でピントが合っていますが、F25では広い範囲でピントが合っています。この目盛線に相当する鋭い窪みの幅を出し、プロットしたものが次の図です。



イメージ 4

 縦軸は目盛線の半値全幅をピクセル単位で表したもの、横軸は目盛線の番号に相当します。写真で目盛の30に見えるものが図では0にしてあります。F値を大きくすると合焦位置からずれても幅の変化は少ないですが、F値が小さいときには幅が急速に広がっている様子が分かります。
 
 この実験の場合、ノギスの傾きは39.9°だったので、カメラから各目盛までの相対的な距離は、目盛の値にsin39.9°=0.641をかけたものになります。一方、目盛線の幅は顕微鏡で測った結果、0.148 mmでしたが、ノギスが斜めに置かれていることを考慮しますと0.148 xcos39.9°=0.114mmになり、これは20.7ピクセルに相当します。実際、図の20.7ピクセルの部分に横線を引くと、いろいろなF値で測定した目盛線の幅がこの値付近でほぼ平らになっていることが分かります。この部分を除くと、ピントが外れた部分の目盛線の幅はカメラからの距離に対して、ほぼ直線的に変化していることが分かります。別に、ノギスを水平に置いて撮影して、画面内での変化も調べてみましたが、目盛線の幅の変化は認められませんでした。
 
この実験結果の解析方法については次に回します。

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