廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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虫や花の接写をするとき、絞りを絞らないと、ほとんど一点でしかピントが合いません。絞りを絞ると、ピントの合う範囲(被写界深度)が広くなっていくというをこれまでしてきました。今回は、あまり絞り過ぎると、かえって像がぼやけてしまうという話です。

いつものように、次のような対物ミクロを等倍で撮影して、その線の太さでぼやけ方を評価してみます。

イメージ 1

中心の目盛部分は細かすぎてよく見えないので、四角で囲った4つの円の部分の中心付近の線幅を測ってみました。方法は、これまでと同様で、画像をImageJに取り込み、Plot Profileでgray valueを計算し、ぼやけ方を調べていきます。この線のもともとの幅は0.016mmです。

イメージ 2

この写真は、Nikon D90 + Micro Nikkor 55mm +PK-13の組み合わせて、絞りとシャッター速度だけを変化させて撮影したものです。古いレンズを用いたのは、前回の実験で、ぼやけ方が一番自然だったからです。F値として書いてあるものは、等倍での実効F値です。F22では非常にくっきりと写っていますが、F64では線がだいぶぼやけています。これは絞りによる光の回折効果が現れ始めたからです。

この回折効果については、光の回折理論を用いて見積もることができます。1次元と2次元の場合の見積もり方をホームページに載せましたので、参照にしてください。計算はややこしいのですが、結果は簡単です。

イメージ 3

これは、レンズの目盛をF16に合わせ、等倍で点光源を撮影した時の、撮像素子上のイメージを表すグラフです。点光源は波長0.5ミクロンの単色の光を出しているとします。点光源を撮影したのだから、焦点位置でも点になるはずなのですが、光の回折効果のために上の図のように広がってしまいます。この広がりの程度を表すために、グラフが初めてゼロになる点の値を使って、ぼやけの幅とします。従って、ぼやけの幅は1.22(m+1)Fλとなります。ここで、mは倍率、Fは無限遠を撮影した時のF値です。従って、実効F値が(m+1)Fとなります。また、λは光の波長です。

イメージ 4

実効F値を変化させた時のぼやけ方を表します。実効F値を増していくと、どんどんぼやけていくことが分かります。グラフが0になる点で見積もったぼやけの幅もグラフに書き入れています。このカメラの1ピクセルの大きさは0.0055mmですので、F64では7ピクセルほどの広がりになるという計算結果です。

イメージ 5

先ほどの対物ミクロの線を用いて、その線幅を調べてみました。いろいろな実効F値で撮影してみたのですが、その結果が赤点で表してあります。実線は計算結果です。実効F値が22より小さいときには、ほぼ0.017mm程度の幅、すなわち、対物ミクロのもともとの線幅の値で一定していますが、実効F値が22を越えるとどんどん増大していく様子が分かります。この増大の様子が計算による予想とほぼ一致していますので、これが光の回折効果だろうと思われます。

つまり、被写界深度を増やすためにF値を増していくと、今度は光の回折により像がぼやけることになるのです。従って、そのバランスが重要になります。このグラフから回折効果がほとんど現れない実効F値の最大はF22ということになります。従って、理論上では、等倍で撮影するときには、レンズの絞りをF11に合わせて撮影するのがもっともよく、倍率を下げていくに従って、もう少しF値を増やすことができることになります。

ためしにベランダにあるローズマリーの花を等倍で撮影してみました。

イメージ 6

ローズマリーの花が薄水色なのと、天気があまり良くなかったので、なんだか白黒写真のように写ってしまいました。絞りを絞っていくに従い、だんだん背景にピントが合っていく様子が分かります。雄蕊の先端を拡大してみます。
イメージ 7

確かに、F64では少しぼやけている様子が分かります。しかし、なぜF64だけ、こんなにきれいな紫色が付いてしまったのでしょう。ちょっと疑問です。もう少し調べてみます。

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