廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日から、接写で撮影倍率をあげる方法についていろいろと調べてきました。接写のときは、レンズを逆向けに取り付け(リバースレンズ方式)、さらに、広角レンズを用いると良いとよくいわれます。私には理由が良く分からなかったので、少し考えてみました。詳細は「廊下のむし探検」付録の方に「レトロフォーカスとリバースレンズ方式」というタイトルで載せてありますので、そちらをご覧ください。

1)レトロフォーカスの仕組み
広角になるほど焦点距離が短くなっていくので、遠方を撮影しようとすると、レンズと撮像素子との距離が近くなり、一眼レフの跳ね上がりミラーとぶつかってしまうという問題が起きてしまいます。この問題を解決したのが、凸レンズの前に凹レンズを置いて、見掛け上、レンズの位置をずらすという方法です。これをレトロフォーカスと呼びます。「レトロ」は後方へという意味です。

イメージ 1

この図がその仕組みを簡単に表したもので、左から平行光線が入ると、もし、凹レンズがないと凸レンズの焦点の位置P2に焦点を結んでしまいます。実際の撮像素子の位置がP3を含む平面だとすると、レンズをもっと右へずらさないと焦点が結べません。凹レンズを入れると、光は広がるので、その分だけ焦点の位置をずらすことができるのです。

今、凹レンズを入れたときの光線と入射した平行光線がそのまま真っ直ぐ進むとした線の交点の位置に、仮想的に凸レンズを入れると、凹レンズと凸レンズの組み合わせは、仮想的にL2'という凸レンズを置いたものと撮像素子の近くでは同じ道をたどることになります。

このときの仮想的な凸レンズの焦点距離は
イメージ 4
という式で表されます。f1とf2は凹レンズと凸レンズの焦点距離で、d1は二つのレンズ間の距離です。例えば、f1とf2が共に24mmで、レンズ間の距離も24mmにしますと、仮想的なレンズの焦点距離も24mmにすることができます。仮想的なレンズの位置には何もないので、跳ね上がりミラーにぶつかることもありません。こんな便利な方式をレトロフォーカスというのです。

2)リバースレンズ方式
次に、このレトロフォーカスレンズをカメラに逆向けにつけた場合について考えます。この時は、レンズのフィルターを付ける部分に、リバースアダプターというリングを取り付け、それを介してカメラに取り付けます。その時の光の通る道を模式的に書くと次のようになります。

イメージ 2

レンズに平行光線が入ると、凸レンズの焦点距離の位置P4に像を結んでしまうので、うまく撮影はできません。近くのものを撮影するときには、凸レンズだけだとP5の位置に結びますが、凹レンズがあると光線が曲げられP6に像を結ぶことになります。従って、撮影倍率を大きくすることができるのです。

詳細は付録に載せますが、このとき、像のできる位置を凹レンズの位置からの距離cで表すと、
イメージ 5
で表されます。ただし、bは次の式で表されます。
イメージ 6
ここで、aは被写体と凸レンズまでの距離を表します。また、撮影倍率は
イメージ 7
で表されます。倍率Mの分母が0になる点で倍率は発散してしまいますが、その近傍で高い撮影倍率を得ることができるのです。

倍率Mはもう少し簡単な関係で表されます。
イメージ 8
ここで、hは定数で、heはエクステンションリングやベローズの長さです。Fはレトロフォーカスの場合の焦点距離です。この式は通常の凸レンズだけのレンズの場合でも全く同じになります。その場合には、hはヘリコイドの繰り出し量、Fはレンズの焦点距離になります。つまり、倍率を上げようと思えば、hが大きく、Fが小さいレンズの方が有利になるのです。

実際に手持ちのレンズで実験をしてみました。

イメージ 3

接写用のMicro Nikkor 55mm/2.8と広角レンズNikkor 24mm/2.8を共にリバースにしたものを用いました。55mmの方はリバースにしない通常のやり方でも実験してみました。横軸にはエクステンションリングやベローズの長さをとり、縦軸にはステンレス製のスケールを撮影したときの撮影倍率の実測値を載せています。上の式との対応は、縦軸がMになり、横軸がheに対応します。

どの場合でも直線にうまく乗っていることが分かります。この実験から、55mm/2.8ではリバースでもノーマルでもあまり差がありませんが、24mm/2.8でははるかに拡大されることが分かります。この直線の傾きは焦点距離の逆数になるはずで、また、直線が横軸をよぎる点からhが求まります。実際に、それぞれの値を求めてみると次のようになりました。

55mm/2.8 normal   f=53.6mm  h=29.8mm
55mm/2.8 reverse  f=52.0mm  h=47.3mm
24mm/2.8 reverse  f=23.6mm  h=62.2mm

焦点距離はほぼ近い値をしていますが、いずれも少し小さい値になりました。また、55mm/2.8 normalの時はh=27.5mmになるはずだったのですが、これもちょっと違いました。理由は分かりません。いずれにしても、hが大きいこと、焦点距離が短いことから、広角系のレトロフォーカスレンズをリバースに用いるときの利点がはっきりしてきました。

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