廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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ハチの体を調べる

急激な寒さのためでしょうか、「廊下のむし探検」はほとんど開店休業状態になってしまいました。

そこで、この間から調べているヒメバチについて、今度は体を調べてみようと思いました。私はハチについては全くの素人なので、詳しく書かれている神奈川県立生命の星・地球博物館の渡辺氏らのホームページを手がかりに勉強しているところです。従って、間違っているところも多いと思いますので、そのつもりで見て下さい。ご指摘いただければもっと助かります。

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対象としているのは、年末に採集したこのハチで、体長が4mmほどの小さい個体です。今から考えれば、もっと大きなハチを捕まえておけばよかったと悔やまれますが、仕方ありません。翅の翅脈からおそらくヒメバチ科のハチだと思われます。

イメージ 2

実体顕微鏡を使って頭の部分を拡大して見てみました。そのまま撮影すると、焦点が合っているところだけがうまく写って、他の場所はぼやけてしまうので、焦点位置を変えながら20枚ほどの写真を撮り、それを焦点合成という方法で合成して作ってあります。焦点合成にはCombineZPというフリーソフトを使っています。

この写真から、とりあえず、どれが何に当たるのかを調べて、名前を図に書き入れてみました。大腮(たいさい)というは大顎のことです。その上の頭盾(とうじゅん)という部分がやや盛り上がっていて、顔との間の境目がはっきりしています。こういうところが同定に役立つようです。複眼と大腮の間をマーラースペースというようです。マーラーというは人の名前かなと思ったのですが、英語ではmalarと書いて、「頬の」を表す形容詞か、「頬骨」を表す名詞です。つまり、マーラースペースは「頬の場所」という意味になります。malarという単語はラテン語のmalaあるいはmalarisという頬を表す言葉から来ているようです。このマーラースペースの隙間の大きさも同定に使われるようです。大腮をもう少し拡大したかったのですが、これで精一杯なので、今度、もう少し大きなハチで見てみます。

イメージ 3

頭の上の部分です。頭の上には単眼が3つあります。

イメージ 4

次は触角です。触角はいくつもの節からできています。その根もとから柄節(へいせつ)、梗節(こうせつ)という動かない2つの節があり、その後は鞭節(べんせつ)という可動部になっています。このハチの場合、全部で24節もあるようです。昆虫の触角は、いろいろな感覚器がある一種のセンサーとなっています。

イメージ 5

次は胸の部分です。この部分は複雑で、いろいろな構造があるので、とりあえず、名前を照合しながら付けてみたのですが、おそらく間違っているものもあると思います。前脚、中脚、後脚に対応して、それぞれ、前胸、中胸、後胸に分けられています。ハチの場合、特に、変わっている部分は前伸腹節という部分があることです。

イメージ 6

その部分を拡大してみます。前伸腹節はもともと腹部第一節だったものが、胸部と融合してできたものなのです。従って、この部分が腹部第一節と呼ぶべきなのですが、胸部との境目がはっきりしないので、胸部と前伸腹節を合わせて中体節と呼んでいるようです。この部分がなぜ腹の一部かというと腹部の節に1つずつある気門がこの部分にもあるからなのです。このため、ハチの腹の部分の呼び方がややこしくなっています。本来の腹部第二節以降を膨腹部と呼んでいます。腹部第二節は、見かけ上の第一節となり、この部分を膨腹部第一腹環節と呼びます。この前伸腹節にある模様や気門の位置も、しばしば同定に使われます。

イメージ 7

最後に腹部と脚です。この個体は雌なので、長い産卵管を持っています。普段はその産卵管は産卵鞘という鞘に収まっているのですが、産卵するときにはちょうど写真のような格好で、鞘から出して産卵するようです。腹部につけた名前は見かけの節(膨腹部)の番号です。

脚は基節、腿節、ふ節に分けられます。ふ節はさらに5つの節でできていて、先に爪があります。また、脛節には脛節棘という棘が二本あることが分かります。

小さなハチですが、本当に複雑な体をしていますね。腹部にある気門を見るには少し拡大しないといけないので、もう少し大きな個体で今度調べてみようと思っています。ハチの同定も大変ですね。こんなにいろいろと調べても、種名までは辿り着かず、属名まで分かればいい方だそうです。

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