廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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この間、近くの公園でイダテンチャタテという変わった虫を見つけたという報告をしました。

イメージ 1

これはその時の写真です。複眼がでっぱってていて、このブログを見られた方から「イダテンというよりデメキンみたいだ」というメールをいただきました。このとき、捕まえてきた個体をチャック付きポリ袋に入れて持って帰ってきたら、頭の部分が潰れてしまっていました。体が大変柔らかいようです。

この間、ヒメバチの仲間で翅脈の名づけ方を勉強しました。せっかくだから、イダテンチャタテの翅脈も調べてみることにしました。

イメージ 4

上が前翅、下が後翅で、実体顕微鏡で撮影した写真です。前翅長は約3.0mm、後翅長は約2.1mmです(あまりに小さいので、息をした時に飛んでしまって探すのが大変でした)。上の写真では前翅と後翅の長さがだいたい合うようにスケールしています。翅脈はヒメバチとずいぶん違います。また、前翅には縁紋のような部分と翅脈の上や間に黒い模様のあることが分かります。

翅脈の名前を吉澤和徳先生の論文(K. Yoshizawa, Insecta Matsumurana 62, 1 (2005))を参考にして付けてみました。Scははっきりしないのですが、他の脈はだいたい書いてあるものと対応がつきました。CuAとCuPのAとPはanteriorとposteriorの意味で、「前」と「後」を表します。つまり、肘脈Cuの前側の脈と後ろ側の脈という意味です。R2+3のような書き方は、おそらく、近縁種でR2とR3の分かれているものがいるので、こう名付けられたのではと思います。これは以前からもそうしていたみたいで、1974年に出された王立昆虫学会のハンドブック〈ネットからダウンロードできます)でもほぼ同じ名前になっていました。

イダテンチャタテはマルチャタテ科に入れられていますが、吉澤先生の記載論文(K. Yoshizawa and C. Lienhard, Species Diversity 2, 51 (1997))の中の翅に関する特徴だけをいうと、縁紋の下の部分が角ばっていることがその決め手になっているそうです。また、これまでLabocorta属(これは後にMesopsocus属のシノニムだとされます)に入れらていたのですが、それとの違いは、後翅のM+CuとRとがどこで分岐しているかによっているようです。Mは中脈、Rは径脈です。

その部分を生物顕微鏡を使って拡大してみました。

イメージ 2

この写真からも分かりますが、イダテンチャタテの後翅では、RとM+CuAがほとんど根もとに近いところで合体していますが、Mesopsocus属はもっと後の方まで合体しているという特徴を持っています。これが翅に関しては、イダテンチャタテがIdatenopsocusという別の属に属するとした決め手になっているようです。

ところで、この写真を見ると、RとM+CuAとCuPの三本の脈が同じ源から出ていることが分かります。これに対してA(臀脈)は独立しています。一番上に、途中から〈ひょっとしたら根もとから)二本に分かれた脈が見えていますが、これがSc(亜前縁脈)なのかもしれません。イダテンチャタテの特徴の一つに、後翅でSc脈が縮小しているということが書いてありましたが、何を意味するのかよく分かりません。

ついでに前翅の黒い斑紋の部分を拡大してみました。

イメージ 3

縁紋の部分と下の部分です。黒い斑紋というよりは何か汚れた感じがします。

ところで、この写真を撮るのに、今回はじめて、以前デジスコに使っていた接眼鏡とデジカメのセット〈ニコン製)を使ってみました。デジカメが古いので画素数は少ないのですが、顕微鏡のカメラポートの上に載せるだけでよく、レリーズも付いているので、非常に簡便に撮影出来ました。

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