廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日、ガガンボの科の検索をしてみたのですが、同じ標本箱にトビケラの標本も入っていたので、検索表を使ってトビケラの科の検索も試してみました。何分、素人がやっていることなので、間違っているところも多いと思いますので、そのつもりで見て下さい。

まず、「原色昆虫大図鑑III」に載っている検索表を表の形にしてみました。

イメージ 1

以前と同じですが、一応、見方を説明しておきます。黄色で書いてある部分が検索の項目でYESという意味で、その下の水色の部分がNOを表します。また、番号は検索表の項目の番号です。例えば、2は「単眼を持っているか」という項目ですが、YESはクロツツトビケラ科からヤマトビケラ科までで、NOはムネカクトビケラ科からフトヒゲトビケラ科までという意味です。また、○、□、△で囲ってある項目は同じ内容の項目を示しています。

「原色昆虫大図鑑III」の検索表は、基本的に「日本産水生昆虫」と同じで、科名で紫色の部分が増えていました。また、シンテイトビケラ科は検索表に入っていませんでした。さらに、最近の分類ではアミメシマトビケラ科はシマトビケラ科の1属になっているようです。科名で薄い灰色になっているところは重複している科を表しています。

ハエ目の場合の検索表と比較すると、科の数が少ないからか、全体的にずいぶん整理されている感じがします。最大でも11項目を調べればよいので(ハエ目の場合は26項目)、この図を見ると少しやる気が出てきました。そこで、今日は練習のつもりで、翅の模様からだいたい名前が分かっている種の科名を検索してみようと思いました。

イメージ 2

選んだのはこの3個体です。エグリトビケラ科のトウヨウウスバキトビケラ、マルバネトビケラ科のマルバネトビケラ、それに、アミメシマトビケラ科のシロフツヤトビケラです。

トビケラの検索で重要な項目は、1)単眼の有無、2)小顎肢の節数、3)脚の距棘の数、それに、4)中胸小盾板の隆起です。今回の検索では、そのうち、1)、2)、3)を使いました。

イメージ 3

これはトウヨウウスバキトビケラについてです。これが、エグリトビケラ科であることを知るには、自明な①を除くと、

②単眼があるか YES
③小顎肢が3節か YES
④M脈は1本か NO
⑤距式は1-2-2か、1-2-4か NO

の4つの項目を調べることで到達します。上の写真にあるように、単眼は2つあります。小顎肢(しょうがくし)は口の周りにある髭でさまざまな感覚器が付いています。これが3節でできています。また、M脈は3本に分かれています(脈の名称は適当につけたので間違っているかもしれません)。さらに、距式は脚の距棘の本数で、前脚は1本、中脚では3本、後脚では4本なので、1-3-4と書けてエグリトビケラ科ということになります。

イメージ 4

次はマルバネトビケラについてです。検索表では、次の4つの項目でマルバネトビケラ科に到達します。

②単眼があるか YES
③小顎肢が3節か NO
⑥小顎枝は4節か YES
⑦前翅は長楕円形で、黄色の地色に褐色の網目模様があるか。前翅と後翅の外形は違うか、等々 NO

写真のように、単眼は2つ、小顎肢は4節、前翅と後翅の外形はだいたい同じという特徴からすぐに辿り着きます。

イメージ 5

最後はシロフツヤトビケラです。これは、アミメシマトビケラ科(現シマトビケラ科アミメシマトビケラ属)に属します。ここに辿り着くには、

②単眼があるか NO
⑲小顎肢の第5節は長く柔軟で鞭状 YES
⑳R1は分枝するか NO
㉑前翅のDCはMCより長いか NO
㉒前翅のTCは大きいか。後翅の幅は前翅と同じか大きいか YES
㉓前翅と後翅はほぼ同じ大きさか YES

の全部で6つの項目で到達します。写真のように単眼はありません。また、小顎肢は5節に分かれ、第5節目は長く鞭状になっています。DC、MC、TCは翅室を表し、その大きさで分類をしています。翅脈の名称については適当に付けたので間違っているかもしれません。(追記1:DC、MC、TCの意味を調べてみました。DCはdiscoidal cellの略で中国語では「盤室」、MCはmedian cellの略で「中室」、TCはthyridial cellの略で中国語では「明斑室」または「明斑後室」となっていました。日本語での用語が分からなかったので、中国語の論文を探してみました。)(追記2:ついでに、"thyridial"という単語も調べてみました。この単語はすでに1895年の脈翅類に関する論文で使われ、また、その名詞形の"thyridium"は1850年台のトビケラの論文に出ていました。Merriam-Websterというon-line辞書によれば、ギリシャ語で窓を表す"thyridion"から来ているようで、膜翅類、毛翅類の昆虫の翅にある白いスポットを指す用語として使われたようです。)

ということで、上の3個体のそれぞれの科に無事たどり着きました。こんな感じで、他の標本の科も分かるとよいのですが・・・。

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