廊下のむし探検

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キンバエの同定

  先日、キンバエの標本をもとにして、ハエ目の科の検索をしてみました。今回はさらに進めて、種の同定もやってみました。なにぶん素人なので、そのつもりで御覧ください。

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標本として用いたのは、こんなキンバエの標本です。検索表を用いて、ちゃんとキンバエに辿り着くかどうかを試してみました。

今回用いた検索表は、
田中和男、「屋内害虫の同定法」 屋内害虫 24, 67-110 (2003)
によるものです。前回、キンバエがクロバエ科に入っているところまで到達したので、今回はクロバエ科から始めてみました。いつものように検索表を表の形で表してみました。

イメージ 2

クロバエ科の検索表は、亜科でだいたい分かれ、検索表の第1項目がほぼクロバエ亜科を、第7項目がキンバエ亜科を、その他がオビキンバエ亜科に同定される仕組みになっています。この表を用いて検索を行っていったところ、果たしてキンバエに辿り着くことができました。その時に、用いた項目は1,7,8,10,11,12,13,14の全部で8項目です。

順番に調べていきましょう。まず、1と7についてです。

イメージ 3

1については、Fig.1を見ても分かりますが、体全体が金属光沢なので、問題なくNOです。これで、キンバエ亜科かオビキンバエ亜科のどちらかになります。

イメージ 4

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7については、上のFig. 2〜4に書き入れました。まず、翅脈Rの基幹部は翅の付け根のところにある部分で、Fig.2にある通り、刺毛はありません。下覆片上肋部もFig.2に書き入れてありますが、前後に刺毛群が見えます。翅下隆起は翅の付け根にある隆起で、Fig.3に拡大図を載せていますが、刺毛はありません。また、Fig.2にあるように下覆片(基覆弁)にも毛はありません。さらに、Fig.4に示すように、中胸下前側板には前方に2本の刺毛、後方に1本の刺毛があります。ということで、この個体はキンバエ亜科であることが分かります。

イメージ 7

ここからは1種ずつ調べていくことになります。8-1はFig.2の前縁脈基部片の色が明るい褐色でないことから確かめられます。

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8-2は、翅を裏から見たFig.5を見ると、亜前縁脈(Sc)基部片に刺毛があることで、NOであることがわかります。10はFig.4の中胸下側背板に刺毛がないことからNOです。11は腹部に黒帯がないことからすぐに分かります。12は脚の脛節が褐色でなく黒い色から判断できます。

イメージ 12

ということで、最後はキンバエとミドリキンバエ、コガネキンバエとの区別をすることになります。13に書かれた項目はミドリキンバエの特徴を表したものです。

イメージ 9

イメージ 10

13-1は♂の2つの複眼の間隔について書いたものですが、Fig.6に示すように、確かに2つは接近していますが、比較するものがないので何とも言えませんね。13-2は側顎刺毛列に関するものですが、これが単眼刺毛まで連続的に続いているのがミドリキンバエ、途中で途切れるのがミドリキンバエ以外というものです。Fig.7では途中で途切れているので、ミドリキンバエではないことになります。13-3と14は結果的に同じもので、第2生殖背板の形や大きさに関するものです。

イメージ 11

Fig.8にその部分の写真を示しますが、大きなお椀を伏せたような形の第2生殖背板が見えます。このことから、ミドリキンバエ、コガタキンバエではなく、キンバエであることが確かめられます。

今回初めて、ハエの同定をしてみました。刺毛の数や位置まで調べるので非常に大変ですが、先に示した田中氏の検索表は一つ一つ図が示されているので、非常に分かりやすかったです。結局、キンバエ♂の場合は、体全体が模様のない金属光沢をしていて、大きな第2生殖背板さえあれば、細かな検索をしなくても大丈夫な感じがしました。

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