廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日、マンションの廊下に小さなカワゲラが止まっていました。おそらくオナシカワゲラだろうと思うのですが、勉強のために、カワゲラ目の科の検索表を用いて調べてみました。何度も言いますが、全くの素人なので、そのつもりで見て下さい。

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調べてみたのはこんな虫です。カワゲラ目成虫の科の検索表は、「日本産水生昆虫」、「原色日本昆虫図鑑(下)」などに載っていました。それで、まず、「日本産水生昆虫」を使って調べてみました。結果は予想通りオナシカワゲラ科になったのですが、そのときに使った検索の項目は次の通りです。

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番号は検索表の項目番号です。この条件をすべて満足するとオナシカワゲラ科になります。そこで、1つずつ調べていきます。

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まず、①の腹部第10節は第9節に・・・という部分はFig.2の左の写真を見て下さい。これは、腹の先端を背側から見たところですが、第9節が張り出していて、第10節がかなり隠れてしまっています。しかし、まだ、かなりの部分が外に現れていることを示しています。単眼があることはFig.3を見ると分かります。また、Fig. 1に示すように翅があります。

②については、Fig.4を見ると分かりますが、跗節第2節だけが短くて、第1と第3節はほぼ同長です。これで、同時に、⑥の条件もクリアです。②の口器についてはFig.5がそれに対応しますが、強く節片化というところがよく分かりませんでした。

⑦の尾については、Fig.2の写真で示しています。写真からは1節かどうかよく分かりませんが、おそらく1節なのでしょう。最後の⑧は翅脈に関するもので、オナシカワゲラ科の特徴ともいうべきX字型の翅脈がFig.1に示すようにあります。そこで、無事にオナシカワゲラ科に到達しました。

「原色日本昆虫図鑑(下)」の検索表ではもう少し簡単です。

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基本的には同じで、尾の節の数、脚の跗節、X字状の脈が決め手であることが分かります。

HANDBOOKS FOR THE IDENTIFICATION OF BRITISH INSECTS vol.1 part6(ダウンロード可能)という本では、さらに簡単になり、

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となります。要は、尾が短くて、跗節第2節が短くて、X字状の脈があればオナシカワゲラ科であることが分かります。

そこから先は、Fig.2の腹の先端の構造を見ていくことになります。ここからはよく分かりませんが、肛側板が小さな内葉と大きな外葉に分かれるのがオナシカワゲラ属で、これが内葉、中葉、外葉に3つに分かれ、複雑な形状を取るのがそのほかの属です。

Fig.2右で肛側板と書いてある部分が大きな外葉だとすると、この種はオナシカワゲラ属かもしれません。種の同定には交尾器を比較しなければならないので、交尾器の図を集めなければなりません。淡水ベントス研究所というページにはカワゲラ目の種のリストがありますが、それによれば、オナシカワゲラ属には32種が記録されています。ネットや図鑑からそのうち18種までは情報を集めることができたのですが、この中には残念ながら似たような種は見つかりませんでした。(追記2017/04/16:淡水ベントス研究所のHPが移転していたのでリンクを変更しました

その代わり、昔、作ったカワゲラ標本の種が分かりました。

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体長は1cmほどの小さな個体ですが、この写真のようにX字型の脈はよく見えています。

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これは背側から見た腹部の先端ですが、尾の先端に黒くて鋭いカギ状の爪のようなものが見えています。この特徴から、トゲオナシカワゲラ・グループであることが分かります。また、その爪の形から、おそらく、オナシカワゲラ Nemoura fulvaだろうということが分かりました。

カワゲラ目の科の検索を行った感想としては、ともかく情報が少ないことです。検索表に書いてある用語を示す図が見つからなかったり、交尾器の図がなかなか集まらなかったりと、ともかく大変でした。

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お疲れさまです。
やはり一筋縄では行きませんね。
部位の名称が分かりにくいのは、もう少し何とかならないかと思いますけど、姿形が多様な昆虫では難しいですよね(^_^;) 削除

2014/3/21(金) 午前 0:07 [ 通りすがり ] 返信する

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お早うございます。苦労を分かっていただけましたか。体の細部の名称が書かれた日本の文献がなくて、仕方なく外国の文献を探して英語の名称を見つけ、今度はそれで検索すると、中国の文献が引っかかり、やっと中国語の名称だけが分かるという感じでした。こうした用語や交尾器の図が普及しないと、なかなかカワゲラには入っていけないですね。

2014/3/21(金) 午前 7:50 [ 廊下のむし ] 返信する

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