廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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廊下のむし探検 第229弾

昨日は真冬並みの天気でした。昼間でも気温が6、7度ほどしか上がらず、しかも、強い風が吹きまくっていました。それでも午前中は晴れていたので、ちょっと廊下を歩いてみました。

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この日の最初は蜂です。廊下でうずくまって撮影していたら、若い方が近寄ってきて、「何をしているのですか?」と質問されました。「虫を撮っているのですよ」と答えたら、ちょっと興味ある様子で眺めておられました。いつもは不審者のような目で見られているので、一人でも理解者ができると嬉しいです。

さて、この蜂。いつもならアメバチの仲間で終わってしまうのですが、今回はもう少し詳しく調べてみました。一箇所、途中で途切れたような変わった翅脈をしています。昔、手当たりしだいに標本を作っていたとき、やはりこれと同じ翅脈の蜂を標本にしていました。これらを手がかりに調べてみました。

以前にも紹介しましたが、幸い、ヒメバチについては、神奈川県立生命の星・地球科学館の方の充実したホームページがあります。そこに、アメバチ亜科の属への検索表もありました。この検索表でおおよそ調べてみると、このような脈を持った種はOphion属らしいことが分かりました。ここまで書いてきて、昨年3月30日のブログにも同じようなことを書いていたことを思い出しました。

さらに、同じホームページで種のリストを見ると、Ophion属には全部で10種が掲載されています。さらに、北大農業研究センターの小西氏のホームページには種のリスト、分布、及び、北大所蔵ヒメバチ科タイプ標本が載せられていました。また、ちょっと古いのですが、T. Uchida, J. Fac. Agr. (北海道帝国大学農学部紀要) 21, 177 (1928)(ダウンロード可能)には日本産のヒメバチについて詳細に書かれていて、この中で、Ophion属の検索表もありました〈ドイツ語ですが)。こんな情報を手がかりに、調べていくと、どうやらモンキアメバチではないかという結論に至りました。

残念ながら、標本写真がないので確かめようがないなと思っていたら、台湾の農業試験所のホームページにdigital collectionというのがあり、ヒメバチ科627種1060個体の標本写真が載っていました。この中にモンキアメバチもありました。これと比較すると、今回の個体の翅脈も体側の模様もよく似ています。まだ、いい加減な検討ですが、今度、標本を使ってもう少し詳しく調べてみたいと思っています。(追記:台湾の農業試験所の標本写真を見ていたら、Ophion flavopictus(和名なし)もよく似ています。これは、日本全国に分布し、内田(1940)により、モンキアメバチ Ophion obscuratusのシノニムとされたことがあるくらいだからきっと似ているのでしょう。残念ながら、それ以上の情報がみつかりません)(追記2:モンキアメバチ、オオアメバチ、Ophion flavopictus(和名なし)などのOphion属の種の検索表が見つかりました(K.-B. Kim et al., Kor. J. Syst. Zool. 25, 1 (2009) Open access journal)。これでなんとかなるかもしれません)

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後は、この間から見かけるカワゲラです。今度、めげずにもう一度調べてみたいと思っています。

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それから、これもこの間からいるマツキボシゾウムシです。模様が違うので、この間の個体とは別のようです。なぜ、今年はこんなに見るのでしょう。

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蛾ではこんな個体が止まっていました。翅頂近くの台形の模様からチャマダラキリガだろうと思いますが、汚れたような白い模様があり、ちょっと変わった感じです。調べてみると、斑紋の変化が多いようです。越冬キリガです。

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この間からいるマユミトガリバかなと思って撮影したのですが、よく見ると白い点があるので、ホシボシトガリバのようです。やはり早春に発生する蛾です。

この日はいつもいるスモモキリガ、ホソバキリガ、ブナキリガ、アトジロエダシャク、モンキキナミシャク、ホソバトガリエダシャク、カバナミシャク類、マエアカスカシノメイガはすべてパスして、その他の種だけを撮りました。

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といっても、この間たくさん見たシロヘリキリガとか、

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カバキリガとかですけど。

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フユシャクは記録だと思って、すべて撮影してみることにしました。この日はホソウスバフユシャク1匹だけでした。いよいよ冬尺シーズンも終わりですね。

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こういったアメバチは特徴的で大型だからと思って撮っても、Ophion sp.として整理するのが精一杯でした。
もう最初から種までは諦めてしまってます… 削除

2014/3/22(土) 午後 11:34 [ 通りすがり ] 返信する

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いつもコメント有難うございます。私も今まで諦めていたのですが、ちょっと調べてみようと思ったのが良かったのか悪かったのか。Uchida氏の論文もKim氏の論文も、追記に書いた3種は胸や腹の先端の色で種を分けています。上の写真ではその両方がよく分からなくて、また、持っている標本は色がだいぶ抜けてしまっていて、合っているような、違っているような。今度、見つけたら捕獲して調べてみたいと思っています。

2014/3/23(日) 午前 5:51 [ 廊下のむし ] 返信する

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