廊下のむし探検

このブログではマンションの廊下にでてくる「むし」の紹介とカメラを使ったちょっとマニアックな趣味を紹介します

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先日から、マンションの廊下で見かける、ケバエ科のハエを実体顕微鏡で調べてみました。さらに、検索表を使って、なんとか種まで辿り着ければよいなと思ってやってみました。そこで、その経過をお見せしたいと思います。何分にも素人がやっていますので、そのつもりで見て下さい。

イメージ 1

対象とするのはこのハエです。5月2日くらいから急に見かけるようになりました。体長は9.5mm、翅長10.5mmのかなり大きなハエで、全体の形からも分かりますが、腹が大きいことが目に付きます。これが、ケバエ科であることは、翅脈や単眼の存在ですぐに分かるので、その先を調べてみます。

ケバエ科の属への検索は、論文(Hardy and Takahashi, Pacific Insects 2, 383 (1960)(ダウンロード可能))によって行いました。この論文の中の検索表で調べてみると、この写真の個体はPlecia属に属することが分かりました。さらに、複眼の距離が離れていますのでの個体です。その時に使った項目は以下の通りです。

① Rs脈は分岐する
脚は単純
② 触角は頑丈で、第3節は長くならない
③ R2+3脈は短く、斜め、或いは、垂直に配置する

それぞれの項目について調べていきます。

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

Fig.1の翅脈を見ると、①の最初の項目はすぐに分かります。Rs脈はR2+3とR4+5という2つの脈に分かれています。ただし、脈の名称の付け方は論文によってまちまちなので、ここではHardyがManual of Nearctic Diptera Vol. 1(ダウンロード可能)の中で書いてある方式でつけました。また、①の2番めの項目は、Fig.2の前脚を見ると分かるのですが、Bibio属には脛節の末端に明確な2本の刺があります。しかし、この個体にはそのようなものはありません。

②はFig.3を見ると分かりますが、触角は太く、いくつかの節でできています。また、第3節が特に長いということはありません。③は、再びFig.1の翅脈を見ると、R2+3脈はもとの脈から大きく離れて翅縁に到達しています。従って、長さも短くなっています。ということで、この個体はPlecia属だと推定されます。

この論文では、Plecia属として5種が載っています。その種への検索もこの論文に載っていました。この検索を行った結果、Plecia hadrosomaに辿り着いたのですが、その時に使った項目を書いてみます。

①' 中胸背板の溝ははっきりしない
触角は♂では11節、♀では12節、あるいは、両方共11節
R2+3脈は湾曲する

③'  胴体と脚は強靭
後脚の跗節第1節の長さは脛節の長さの1/5程度
腹部は幅広く、胸部よりずっと幅広く、頭部と胸部を加えたものに達するほどである
触角は♂♀とも11節

これらに関係する写真を載せていきます。

イメージ 5

イメージ 6

まず、①の中胸背板はFig.5でも分かりますが、溝がどれを指すのかよくは分かりません。ともかく、目立つ溝はないようです。次の触角の節数はFig.3に示すように11節で、♀なので該当します。さらに、R2+3脈はFig.1からも分かるように湾曲しています。

③の胴体と脚が強靭かどうかは比較の問題でよく分かりません。後脚の跗節第1節の長さはFig.4から測定されますが、脛節の約1/4くらいです。若干、微妙な値です。さらに、腹については次の写真を見てください。

イメージ 7

腹がどの他の種よりどの程度広いかどうかは分かりませんが、ともかく広いことだけは確かです。最後に触角ですが、これは♀の個体で、触角の節数は11となるので記述通りです。ということで、若干不確かな部分もありますが、Plecia hadrosomaではないかと推定されるところまで到達しました。

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